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2章3〜4歳

ウッキウキなフィル兄

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-side アクシア-


「フィル兄、フィル兄!」
「やあっ!アクシア!おはよう!」


 翌朝、今日はスライムを頭に乗せてとってもウッキウキなフィル兄の顔を見れてハッピーな気持ちで1日がスタートした。
 昨日は落ち込んでた時もあったが、変異種のスライムをテイムできたとあって、パパとママが驚き、そのまま豪華な食事でお祝いパーティになったのだ。楽しかったー!


 余談だけど、うちの家族、結構お祝い事好きだよねー。多分、貴族の割にそんなお金なさそうなのに。……薄々気づいているけれど、うちの屋敷は辺境にあるから、特産品とかもあんまりなさそうだから財政的には悪い方だろう。辺境の地で戦いばっかしてるから、軍事費もバカにならなさそうだし。
 魔物と戦っていれば国から補助金が入ってくるから特産品を作らなくてもある程度暮らせちゃうとかそういう理由だと思う。パパがこの前補助金がどーとか言ってたから。


「どうした?アクシア。考え事か?」
「む!?んーん!なんでもない」
「ふーん」


 いけないいけない、今はそれよりも聞きたいことがあったんだ!


「フィル兄!スライムどうだった!?」
「あー、このスライム……な、変異種とは言ったもののいまいち特性はよく分からなかったんだ。なんでも、スライムって最弱すぎるから研究とかはほとんどされてないみたいで、その上変異種ともくれば珍しいし、未知数な事が多いんだって。」
「ふーん」


 スライムさんの研究が遅れているのか。当然と言えば当然なのかもしれない。弱い上に、中心の核以外はほぼ半透明で何から研究すれば良いかお手上げと言ったところだろう。強いていうならば、核を攻撃することでスライムは倒せるので、スライムの生命の源とも言われる核の研究はされているのかもしれない。
 むむむ……!それでもほとんど研究されていないというのは、納得いかないな。研究がスライムにはスライムの良さがあるだろう。
 スライムの体の透明な部分を物質について研究することで、他の分野に応用できるかもしれないからねー。昨日もちょっと触らせて貰ったがあの感触はプラスチックに近い感覚だった。落ちても簡単に割れないし変形しやすくて丈夫。絶対モノづくりに使えたら便利なはず!


「まあ、俺にとってはスライムが強いか強くなくないかなんて関係ないよ!せっかく従魔になってくれたんだし出来る限り仲良くしたい、それだけでいい」
「おおーー!!」
「お?アクシアもそう思うかい?」
「うん!」


 うんうん!その通りだよ。
 スライムの有用性を考えるよりまずは、スライムさんと仲良くなる事、一番大事。
 それがパパとママの一番の願いでもあるみたいだからね!


「そーと決まれば、早速アクシアの秘密基地に行って、みんなで一緒にお世話しよっか!」
「おーっ!」


 やったーー!新しい家族もできてこれから更に賑やかになる事間違いなし!
 みんなでいっぱい可愛がるぞー!


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