29 / 46
1章⭐︎リオンシュタット初心者編⭐︎
森の野菜を調べよう!
しおりを挟む
-side オーウェン-
『お肉!お肉!早く、食べたいぜ!』
「そうだな」
その前に、なんの心の準備もなく、衝撃的な風景を見せてしまったため、放心状態の、ロンをどうにかしないといけないようだ。
本当にすまんかったとは思っている。
家に着いた俺は、トムとレムに紅茶の用意を任せ、ソファーに座る。疲れていたので、こういう時に世話係がいるのは本当に助かる。
「ロン?」
「はひっ!?」
「大丈夫か?とりあえず、紅茶でも飲んで落ち着こう」
「はっ!はぃぃぃぃ!おちっ、おちっ……、あちっ!」
……本当に大丈夫だろうか?この子。
こんな事で驚いていたら、魔境はとても苦労するだろう。……おっと、こんな感想が出る時点で、俺もリオンシュタットに染まりつつあるのかもしれない。
ロンは、紅茶を飲み慣れていないのか、焦っているだけなのか、分からないが、舌を火傷したようで、[ヒール]と唱えていた。
「ゆっくりでいい。落ち着いたら、今後の事も含めて話そう」
「はぃぃ……、そ、その、ありがとうございます!」
「大丈夫」
むしろ、俺が、前触れもなく、驚かせすぎたのが8割方悪いからな。こちら側から謝りたいくらいである。
「あ、あの……、私のことは大丈夫なので、森の方の調査に行ってください。師匠もきっと早く報告して欲しいだろうから……」
「しかし……」
「大丈夫です。何かあれば、ポーション飲んで元気出します!」
それは、大丈夫じゃないやつでは?
そう思ったが、ロンの方も容易に引き下がりそうもないので、トムとレムを置いていく事にした。護衛は、シルフがいれば充分だ。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
ここの森で、実っている野菜は、一般に流通している野菜とは異なる野菜だった。
正直、ツヤッツヤの新鮮なお野菜ばかりだ。後で、エリーゼさんにも、報告をするが、その前に鑑定をして、特殊な特性を持っている野菜を把握しておきたい。
「まずはこちらからだ」
『俺!食ってみるぜ!』
「助かる」
食いしん坊の、シルフの部下に食べて貰うことにした。
エルムシュルーム:特別なキノコで、発光するキノコの一種です。夜間になると光を放ち、森の中を明るく照らします。また、食用であり、特有の香りと風味を持っています。食べると体が発光します。
『美味しいぜ!』
『美味ですわ!』
『美味しい』
「ほえーー!」
ピッカーー!とシルフと、その部下達は光っている。
『これ、迷子の子供が食べたら、遠くからでも、一発で親は発見できるな』
『確かに~!結構、便利なのでは?』
『状況が限定的すぎるよ。幼い子供が生きていくのが厳しいリオンシュタットでは、試せないと思う』
「そもそも、迷子になったと泣く前に、キノコを頬張る子供なんか、いてたまるか」
『『『それはそう』』』
と言うわけで、次。
シルバーキャロット: 通常のにんじんとは異なり、シルバーキャロットは銀色の皮を持つ野菜です。これを食べると、一時的に体力が増加し、精霊の魔法を使う力を高めることができると信じられています。
『うおおおお!力がみなぎるぜ!』
そう言って、シルフの部下は、風魔法を扱ってみせる。
「おおーー!」
中々の、高威力の風魔法だ。
ただ、鑑定を見る限り、人間が使っても意味はなさそう。はい次。
フェアリーリーフ: 美しい葉が透明であり、人間が食べることで透明になることができると言われています。冒険者たちはこれを使って敵から身を隠すことがあります。
『ん……?姿が消えないぞ?』
「精霊には、効果がないのか?一応、冒険者だし、俺も食ってみるか。うまっ!」
『だね。--って、主人?どこにいる?』
「ここだけど?」
『声しか聞こえない』
「まじで食べると姿が消えるんだ。というか、どこの冒険者だよ?こんな、貴重な葉っぱを平然と食べていたのは……」
どうやら、本当に姿が消えたらしい。
鑑定で、出てくるって事は過去の冒険者は、食べていたんだろうけど、最初に食べた人、チャレンジャーすぎないか?
見た目は、ただの葉っぱだぞ?これ。
加工の仕方によっては、暗殺とかにも使えるやばい葉っぱだ。有用な可能性ありっと。
はい次。
スターデュストポテト: 夜空を連想させるような斑点模様の皮を持つジャガイモです。食べると夢の世界に連れて行かれると信じられており、夢の中での冒険や予知に使用されます。
なお夢は、大体幻覚です。たまに当たる。たまに食べた人が夢から戻ってこなくなります。
「……って、こんなやばい特性を持つ野菜食えるかあ!!」
夢の世界って、幻覚を見るとかではないのか?多分そうだ。
何でもかんでも、食えばいいって訳ではないと言う事が分かった。
こんな野菜、燃やしてしまおう。
『ああああ!なんて事をしているんだい?』
「シルフ、これは夢の世界に連れて行かれる効果があると言われるやばいジャガイモなんだ」
『知ってるよ!それ!食べると、夢の中で女神様が、不思議な国で、願い事を叶えてくれるジャガイモだよ!?』
何その、メルヘンな食べ物。
というか、いるんだ、神様。
あるんだ……、不思議な国。
通りで、帰ってこない人がいる訳……。
オチ担当のお野菜調査が終わった後、俺は精霊の野菜調査100本ノックを行った後で、家に帰るのだった。
正直、野菜より肉が食いたくなってきた。
------------------------------------
『お肉!お肉!早く、食べたいぜ!』
「そうだな」
その前に、なんの心の準備もなく、衝撃的な風景を見せてしまったため、放心状態の、ロンをどうにかしないといけないようだ。
本当にすまんかったとは思っている。
家に着いた俺は、トムとレムに紅茶の用意を任せ、ソファーに座る。疲れていたので、こういう時に世話係がいるのは本当に助かる。
「ロン?」
「はひっ!?」
「大丈夫か?とりあえず、紅茶でも飲んで落ち着こう」
「はっ!はぃぃぃぃ!おちっ、おちっ……、あちっ!」
……本当に大丈夫だろうか?この子。
こんな事で驚いていたら、魔境はとても苦労するだろう。……おっと、こんな感想が出る時点で、俺もリオンシュタットに染まりつつあるのかもしれない。
ロンは、紅茶を飲み慣れていないのか、焦っているだけなのか、分からないが、舌を火傷したようで、[ヒール]と唱えていた。
「ゆっくりでいい。落ち着いたら、今後の事も含めて話そう」
「はぃぃ……、そ、その、ありがとうございます!」
「大丈夫」
むしろ、俺が、前触れもなく、驚かせすぎたのが8割方悪いからな。こちら側から謝りたいくらいである。
「あ、あの……、私のことは大丈夫なので、森の方の調査に行ってください。師匠もきっと早く報告して欲しいだろうから……」
「しかし……」
「大丈夫です。何かあれば、ポーション飲んで元気出します!」
それは、大丈夫じゃないやつでは?
そう思ったが、ロンの方も容易に引き下がりそうもないので、トムとレムを置いていく事にした。護衛は、シルフがいれば充分だ。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
ここの森で、実っている野菜は、一般に流通している野菜とは異なる野菜だった。
正直、ツヤッツヤの新鮮なお野菜ばかりだ。後で、エリーゼさんにも、報告をするが、その前に鑑定をして、特殊な特性を持っている野菜を把握しておきたい。
「まずはこちらからだ」
『俺!食ってみるぜ!』
「助かる」
食いしん坊の、シルフの部下に食べて貰うことにした。
エルムシュルーム:特別なキノコで、発光するキノコの一種です。夜間になると光を放ち、森の中を明るく照らします。また、食用であり、特有の香りと風味を持っています。食べると体が発光します。
『美味しいぜ!』
『美味ですわ!』
『美味しい』
「ほえーー!」
ピッカーー!とシルフと、その部下達は光っている。
『これ、迷子の子供が食べたら、遠くからでも、一発で親は発見できるな』
『確かに~!結構、便利なのでは?』
『状況が限定的すぎるよ。幼い子供が生きていくのが厳しいリオンシュタットでは、試せないと思う』
「そもそも、迷子になったと泣く前に、キノコを頬張る子供なんか、いてたまるか」
『『『それはそう』』』
と言うわけで、次。
シルバーキャロット: 通常のにんじんとは異なり、シルバーキャロットは銀色の皮を持つ野菜です。これを食べると、一時的に体力が増加し、精霊の魔法を使う力を高めることができると信じられています。
『うおおおお!力がみなぎるぜ!』
そう言って、シルフの部下は、風魔法を扱ってみせる。
「おおーー!」
中々の、高威力の風魔法だ。
ただ、鑑定を見る限り、人間が使っても意味はなさそう。はい次。
フェアリーリーフ: 美しい葉が透明であり、人間が食べることで透明になることができると言われています。冒険者たちはこれを使って敵から身を隠すことがあります。
『ん……?姿が消えないぞ?』
「精霊には、効果がないのか?一応、冒険者だし、俺も食ってみるか。うまっ!」
『だね。--って、主人?どこにいる?』
「ここだけど?」
『声しか聞こえない』
「まじで食べると姿が消えるんだ。というか、どこの冒険者だよ?こんな、貴重な葉っぱを平然と食べていたのは……」
どうやら、本当に姿が消えたらしい。
鑑定で、出てくるって事は過去の冒険者は、食べていたんだろうけど、最初に食べた人、チャレンジャーすぎないか?
見た目は、ただの葉っぱだぞ?これ。
加工の仕方によっては、暗殺とかにも使えるやばい葉っぱだ。有用な可能性ありっと。
はい次。
スターデュストポテト: 夜空を連想させるような斑点模様の皮を持つジャガイモです。食べると夢の世界に連れて行かれると信じられており、夢の中での冒険や予知に使用されます。
なお夢は、大体幻覚です。たまに当たる。たまに食べた人が夢から戻ってこなくなります。
「……って、こんなやばい特性を持つ野菜食えるかあ!!」
夢の世界って、幻覚を見るとかではないのか?多分そうだ。
何でもかんでも、食えばいいって訳ではないと言う事が分かった。
こんな野菜、燃やしてしまおう。
『ああああ!なんて事をしているんだい?』
「シルフ、これは夢の世界に連れて行かれる効果があると言われるやばいジャガイモなんだ」
『知ってるよ!それ!食べると、夢の中で女神様が、不思議な国で、願い事を叶えてくれるジャガイモだよ!?』
何その、メルヘンな食べ物。
というか、いるんだ、神様。
あるんだ……、不思議な国。
通りで、帰ってこない人がいる訳……。
オチ担当のお野菜調査が終わった後、俺は精霊の野菜調査100本ノックを行った後で、家に帰るのだった。
正直、野菜より肉が食いたくなってきた。
------------------------------------
15
お気に入りに追加
1,631
あなたにおすすめの小説
クラスメイトのなかで僕だけ異世界転移に耐えられずアンデッドになってしまったようです。
大前野 誠也
ファンタジー
ー
子供頃から体の弱かった主人公は、ある日突然クラスメイトたちと異世界に召喚されてしまう。
しかし主人公はその召喚の衝撃に耐えきれず絶命してしまった。
異世界人は世界を渡る時にスキルという力を授かるのだが、主人公のクラスメイトである灰田亜紀のスキルは死者をアンデッドに変えてしまうスキルだった。
そのスキルの力で主人公はアンデッドとして蘇ったのだが、灰田亜紀ともども追放されてしまう。
追放された森で2人がであったのは――
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる