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3章⭐︎5歳中盤〜6歳⭐︎
に〜ぶいな!
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-side ラインハルト-
「エー君。返そう。この神殿。」
『嫌じゃ。』
「盗みは犯罪です。」
『その法律は人族のものだろう?竜族の法律はワシが決めたことじゃ。』
『父上が決めた事が法律なのは正しいからなんもいえない……。』
「えっ……そうなんだ。……って、いやいや話ややこしくなるからやめてよ。返して欲しいの?欲しく無いの?」
『あ、すまぬ。……しかし、ここまで、父上が頑なだと、返してもらえなさそうだからな。俺は帰ろうかなと思う。』
「えっ?」
『新しいの建てれば良いだけだしな。この神殿にそこまでの執着はない。俺も忙しいし。……じゃ、また今度、暇な時に来るからな~。ほなな~。』
「えっ!?えぇぇぇ……?」
ほなな~って……なんだったんだ今のは?
「親子そっくりね。」
「う、うん。確かに。」
俺たちがポカーンと放心していると、ルイが走ってやってきた。
今まで、公爵邸に行っていたのだが、転移扉をくぐり抜け、戻ってきたらしい。
「ラインハルト~。魔法陣学の先生がいらっしゃるって!」
「あ……そうなんだ。うん。分かった。」
「……?なんかあった?」
「いや……ね。」
「大丈夫よ。少し、変な事があっただけで、ルイが心配するような事は無いわよ。」
「そうそう。」
「……?分かった。」
うん。何も見なかった。
何もなかった事にしよう。
『ふぁ~。ラインハルト。
ワシは酒飲んで、寝るぞ~。』
……これぞまさにフリーーダム!
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「じゃーん。こちらが、魔法陣学の先生。
リーアだよ!」
「はじめまして。リーアですわ。
その……不束者ですが、よろしくお願いいたしますわ!。」
リーアは黒髪黒目の美人さんだった。
……あれ?誰かに似ているような?と思ったが、顔には出さない。……出てないよな?
「はじめまして。ラインハルト=ラッキーと申します。こちらは、護衛のアルバートとマーク=ベルンハルトです。今日はよろしくお願いいたします。」
「ふふっ。噂は存じておりますわ。こちらこそよろしくお願いいたしますわ~。」
……隠しきれない所作の高貴さだな。
同い年くらいで、おそらくウチかマークと同じくらいのレベルの貴族令嬢だろうか。
うーん。ダメだ。貴族の知り合いが少なすぎてよく分からないや。とりあえず、愛想よくしておこう。
「準備はもう出来るし、早速初めるから、研究室の方行っといて。案内はマークとアルバートよろしく。
僕はちょっとラインハルトに話があるから。すぐ後を追うよ。」
「あ……、ああ。分かった。」
「え……、ええ。かしこまりました。」
「かしこまりましたわ~。」
ルイがそう言ったので、俺も3人を見送る。
珍しいこともあるもんだ。
--コソッ
「で、ラインハルト。あの人の正体に気づいても、手出ししないでね。」
「あっ……やっぱりそんな感じなんだ。
で、結局誰なの?」
「えっ……?」
「えっ……?」
「へっ!?」「はあ?」「ふむ。」
「はーー。ラインハルト。鈍い男は嫌われるわよ。」「に~ぶいな!」「鈍感。」
「えっ……!ああ。そういう?んん……?」
「もう行こうぜ!ルイ。」
「う、うん。そうだね。」
「ちょ、ちょっと待って~!」
いやいや。分からないって。普通。
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「エー君。返そう。この神殿。」
『嫌じゃ。』
「盗みは犯罪です。」
『その法律は人族のものだろう?竜族の法律はワシが決めたことじゃ。』
『父上が決めた事が法律なのは正しいからなんもいえない……。』
「えっ……そうなんだ。……って、いやいや話ややこしくなるからやめてよ。返して欲しいの?欲しく無いの?」
『あ、すまぬ。……しかし、ここまで、父上が頑なだと、返してもらえなさそうだからな。俺は帰ろうかなと思う。』
「えっ?」
『新しいの建てれば良いだけだしな。この神殿にそこまでの執着はない。俺も忙しいし。……じゃ、また今度、暇な時に来るからな~。ほなな~。』
「えっ!?えぇぇぇ……?」
ほなな~って……なんだったんだ今のは?
「親子そっくりね。」
「う、うん。確かに。」
俺たちがポカーンと放心していると、ルイが走ってやってきた。
今まで、公爵邸に行っていたのだが、転移扉をくぐり抜け、戻ってきたらしい。
「ラインハルト~。魔法陣学の先生がいらっしゃるって!」
「あ……そうなんだ。うん。分かった。」
「……?なんかあった?」
「いや……ね。」
「大丈夫よ。少し、変な事があっただけで、ルイが心配するような事は無いわよ。」
「そうそう。」
「……?分かった。」
うん。何も見なかった。
何もなかった事にしよう。
『ふぁ~。ラインハルト。
ワシは酒飲んで、寝るぞ~。』
……これぞまさにフリーーダム!
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「じゃーん。こちらが、魔法陣学の先生。
リーアだよ!」
「はじめまして。リーアですわ。
その……不束者ですが、よろしくお願いいたしますわ!。」
リーアは黒髪黒目の美人さんだった。
……あれ?誰かに似ているような?と思ったが、顔には出さない。……出てないよな?
「はじめまして。ラインハルト=ラッキーと申します。こちらは、護衛のアルバートとマーク=ベルンハルトです。今日はよろしくお願いいたします。」
「ふふっ。噂は存じておりますわ。こちらこそよろしくお願いいたしますわ~。」
……隠しきれない所作の高貴さだな。
同い年くらいで、おそらくウチかマークと同じくらいのレベルの貴族令嬢だろうか。
うーん。ダメだ。貴族の知り合いが少なすぎてよく分からないや。とりあえず、愛想よくしておこう。
「準備はもう出来るし、早速初めるから、研究室の方行っといて。案内はマークとアルバートよろしく。
僕はちょっとラインハルトに話があるから。すぐ後を追うよ。」
「あ……、ああ。分かった。」
「え……、ええ。かしこまりました。」
「かしこまりましたわ~。」
ルイがそう言ったので、俺も3人を見送る。
珍しいこともあるもんだ。
--コソッ
「で、ラインハルト。あの人の正体に気づいても、手出ししないでね。」
「あっ……やっぱりそんな感じなんだ。
で、結局誰なの?」
「えっ……?」
「えっ……?」
「へっ!?」「はあ?」「ふむ。」
「はーー。ラインハルト。鈍い男は嫌われるわよ。」「に~ぶいな!」「鈍感。」
「えっ……!ああ。そういう?んん……?」
「もう行こうぜ!ルイ。」
「う、うん。そうだね。」
「ちょ、ちょっと待って~!」
いやいや。分からないって。普通。
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