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3章⭐︎5歳中盤〜6歳⭐︎
父上の狙い
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-side オリバー-
「なあなあ。俺たちの姉であるアメリアが婚約相手を探しているんだけどさ。
マーク君。どう思う?」
「お父様の身分的にも良さげですよね。
年齢も同い年ですし。」
「え……、いやあ…。その……。
(な、なんなんだ。この状況。ラインハルト……た、たすけてくれ!)」
ラインハルトを誘き寄せるため、俺はあいつの部下であるマークにちょっかいをかけることにした。
姉上のそういう話を出したら飛んでくるに違いねえな、とジェイクと話し合って決めた。ふふっ。案の定マークは困ってる困ってる。
俺は思わず、ふふんっドヤ顔になる。なんせ、王女アメリアを悪戯の道具に使えるのは俺たちくらいだ。
その時点で俺たちの作戦はぶっ飛び過ぎてる。多分世界一の悪戯の自信があった。
そう思って実行したものの……、おかしい。ラインハルトが全然来ない。
ちらりと、ジェイクを見ると同じ様に焦った様子を見せている。
まさか、部下がトラブっている時に、上司のあいつが駆けつけないだと?
しばらく、話をして、いよいよ不味くなった時、ラインハルトはきた。
「「よ、よかったあ。」じゃなくて、おせえよ!」
「ごめんごめん。ご飯に夢中になっていて気づかなかった。まあ、ほら……主役は遅れて登場ってことで。」
はあああ?こいつ……よくこんな状況でそんなことが言えるな。図太過ぎだろ?
「で、アメリア様とマークとの縁談。
俺としては大歓迎なんだけど、マークはどう思う?」
「「「へ?」」」
「クックック……!!」
--はあああ?自分の部下が王族と結婚するのを許すだと……?やっぱりこいつ図太過ぎだろ?色々ぶっ飛んでやがる。
あと、エドワード様。悪戯が成功したように笑ってないで助けてくれ。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
-side ラインハルト-
いやー。焦ったあ。まさか、マークの婚約相手に王女の名前が上がるとは。
うーん。父上の面白そうな顔を見る限り、うちにとって特に不利益という感じでは無さそうだし。
さっきの人も、俺にとって利益があるって言っていたし、歓迎しとくか?
だめでも、王子たちが王様に叱られるだけだろうし。我が家主催の社交界でこれだけ大騒ぎを起こしたのだ。
少しは痛い目見たほうがいいよね……と思って、歓迎したつもりだったけど、返答間違えたかな?
でも父上は悪役顔で笑っているし。
「あの……、マークは俺に忠誠を誓っている。契約魔法で縛られているから、ほとんど彼は俺に逆らうことはできない。
ベルンハルト家もマークという事実上人質をうちに送っているくらい、うちとの結びつきは強い。」
「そうではなくとも、お前に逆らうとか怖すぎるし、逆らうつもりもないけどな。」
ベルンハルト家とは父上が王子だった時、魔物の土地を焼き払ったうちの一つを分け与えた際に、将来できるラッキー公爵家と同盟関係、事実上の庇護下に入ると魔法契約を結んだと聞いている。
そうした家は複数家あるが、その中でも一番大きな家がベルンハルト家だったため、俺の側近としてマークが雇われているという経緯があった。
「だから、アメリア様とマークが結婚したところで、公爵家と王族の結びつきが強くなるだけだから、俺にとっては利益になるだけだよ?」
「「あっ。」」
「分かったら、とりあえず、マークに誤りなよ。あと、アメリアの事は真剣に検討しているって陛下に言っといて。」
「わ、分かった。」
ふう。なんとかおさまったか。
無事に野次馬も散っていったところで、今まで黙っていた父上が俺に声をかける。
「なかなかだったよ。ラインハルト。
期待を裏切らないね。」
「父上……、面白そうにしてないで、止めてくださいよ。」
「あはは。そもそもがアメリア様とマーク君の結婚を王子たちが勧めていた時、俺としては大歓迎だと思ったんだけど、流石に俺からマーク君に勧めるのはちょっとなと思ったんだよね。ラインハルトが勧めてくれて助かったよ。」
あーー、なるほど。父上からマークに結婚を勧めるとほぼ強制で決定になるからしたくなかったのか。
「そこまでのことが読めて行動できていれば、完璧でしたね。」
「そうだね。まあ、結果的には正解の行動をとっていたから、及第点かな。」
貴族の腹の探り合いとかに関しては、完全ど素人だから仕方ないけど。
やれやれ。次期当主の道のりは、まだまだ長そうだな。
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「なあなあ。俺たちの姉であるアメリアが婚約相手を探しているんだけどさ。
マーク君。どう思う?」
「お父様の身分的にも良さげですよね。
年齢も同い年ですし。」
「え……、いやあ…。その……。
(な、なんなんだ。この状況。ラインハルト……た、たすけてくれ!)」
ラインハルトを誘き寄せるため、俺はあいつの部下であるマークにちょっかいをかけることにした。
姉上のそういう話を出したら飛んでくるに違いねえな、とジェイクと話し合って決めた。ふふっ。案の定マークは困ってる困ってる。
俺は思わず、ふふんっドヤ顔になる。なんせ、王女アメリアを悪戯の道具に使えるのは俺たちくらいだ。
その時点で俺たちの作戦はぶっ飛び過ぎてる。多分世界一の悪戯の自信があった。
そう思って実行したものの……、おかしい。ラインハルトが全然来ない。
ちらりと、ジェイクを見ると同じ様に焦った様子を見せている。
まさか、部下がトラブっている時に、上司のあいつが駆けつけないだと?
しばらく、話をして、いよいよ不味くなった時、ラインハルトはきた。
「「よ、よかったあ。」じゃなくて、おせえよ!」
「ごめんごめん。ご飯に夢中になっていて気づかなかった。まあ、ほら……主役は遅れて登場ってことで。」
はあああ?こいつ……よくこんな状況でそんなことが言えるな。図太過ぎだろ?
「で、アメリア様とマークとの縁談。
俺としては大歓迎なんだけど、マークはどう思う?」
「「「へ?」」」
「クックック……!!」
--はあああ?自分の部下が王族と結婚するのを許すだと……?やっぱりこいつ図太過ぎだろ?色々ぶっ飛んでやがる。
あと、エドワード様。悪戯が成功したように笑ってないで助けてくれ。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
-side ラインハルト-
いやー。焦ったあ。まさか、マークの婚約相手に王女の名前が上がるとは。
うーん。父上の面白そうな顔を見る限り、うちにとって特に不利益という感じでは無さそうだし。
さっきの人も、俺にとって利益があるって言っていたし、歓迎しとくか?
だめでも、王子たちが王様に叱られるだけだろうし。我が家主催の社交界でこれだけ大騒ぎを起こしたのだ。
少しは痛い目見たほうがいいよね……と思って、歓迎したつもりだったけど、返答間違えたかな?
でも父上は悪役顔で笑っているし。
「あの……、マークは俺に忠誠を誓っている。契約魔法で縛られているから、ほとんど彼は俺に逆らうことはできない。
ベルンハルト家もマークという事実上人質をうちに送っているくらい、うちとの結びつきは強い。」
「そうではなくとも、お前に逆らうとか怖すぎるし、逆らうつもりもないけどな。」
ベルンハルト家とは父上が王子だった時、魔物の土地を焼き払ったうちの一つを分け与えた際に、将来できるラッキー公爵家と同盟関係、事実上の庇護下に入ると魔法契約を結んだと聞いている。
そうした家は複数家あるが、その中でも一番大きな家がベルンハルト家だったため、俺の側近としてマークが雇われているという経緯があった。
「だから、アメリア様とマークが結婚したところで、公爵家と王族の結びつきが強くなるだけだから、俺にとっては利益になるだけだよ?」
「「あっ。」」
「分かったら、とりあえず、マークに誤りなよ。あと、アメリアの事は真剣に検討しているって陛下に言っといて。」
「わ、分かった。」
ふう。なんとかおさまったか。
無事に野次馬も散っていったところで、今まで黙っていた父上が俺に声をかける。
「なかなかだったよ。ラインハルト。
期待を裏切らないね。」
「父上……、面白そうにしてないで、止めてくださいよ。」
「あはは。そもそもがアメリア様とマーク君の結婚を王子たちが勧めていた時、俺としては大歓迎だと思ったんだけど、流石に俺からマーク君に勧めるのはちょっとなと思ったんだよね。ラインハルトが勧めてくれて助かったよ。」
あーー、なるほど。父上からマークに結婚を勧めるとほぼ強制で決定になるからしたくなかったのか。
「そこまでのことが読めて行動できていれば、完璧でしたね。」
「そうだね。まあ、結果的には正解の行動をとっていたから、及第点かな。」
貴族の腹の探り合いとかに関しては、完全ど素人だから仕方ないけど。
やれやれ。次期当主の道のりは、まだまだ長そうだな。
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