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3章⭐︎5歳中盤〜6歳⭐︎
悪ガキッズ達
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-side エドワード-
「相変わらず、逃げ足が速いね。
流石にここでは、ラインハルトを追っても追いつけないからなあ。
逃しても仕方がないかあ。」
「あの速さでも、パーティ会場でなかったんだったら追い付けたんっすか。
流石エドワード様。俺には、動きを追うので精一杯でした。」
「慣れだよ慣れ。」
「は、はあ。(つまり、慣れるほどこういうやりとり続けていた……?この公爵。どういう教育してるんだろうか?)」
「それはそれとして、どう致しましょうか?
エドワード様。あのまま逃げたままでは、帰って来れないと思うのですが。」
「ラインハルトを釣るやり方は、いくらでもあるよ。例えば……。」
そう言って、エドワードはマークの方を見つめる。
「ははーん。たしかに面白そうかも。
マークに絡みに行くか。」
「ラインハルトがどんな反応をするかちょっと楽しそうかもしれません。」
「うんうん。そうだよね。我が息子ながら、反応が読めないところがいいところだ。」
オリバーとジェイクは恵まれた容姿と頭脳、そして地位、生まれながらに全てを持っていた。
人生に退屈していて、何も興味が持てない。そんな時、たまたまパーティで出会ったのが、自分達にも分け隔てなく接してくれる新しいおもち……ではなく友人のラインハルトである。
自分達と同じような育ちや能力ながら、人生をとても楽しそうに生きている彼を見て、自然と自分達にも何かできるのではないかと刺激をもらった人物でもある。
ただ、何をすればいいのか分からなかったのでとりあえず、ラインハルトと仲良くなるために、揶揄うことにしたのだった。
つまるところ、この世界における最凶の悪ガキキッズに目をつけられたのである。
完全にとばっちり。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
-side ラインハルト-
「あら?ラインハルト。ルイおいて、どこに行ってたのよ?ご飯たくさんあるわよ。」
「あ、ありがとう。お、鬼から逃げ回ってた。死ぬかと……。」
「へー……?というか、ラインハルト。
今日はいい香りするね。」
「落ち着く。この香り。」
「ああ。なかなかに心地いいぜ。」
「でしょ!オーガニックの香水つけてるんだ!俺が選んだ。」
「へー。センスいいわ。」
珍しく精霊達やルイが手放しで褒めてくれたので、気が緩んだのかもしれない。
--ザワザワ!!
突然のざわつきにも反応できず、そのまましばらくご飯を食べてしまっていた。
ようやく食べ終わって落ち着いた時、未だにざわついている周りを見て、只事ではないと思い、父上の元に向かうようにする。
その途中……。
--ヒソッ!!
「王女のアメリア様とマーク様がご婚約だって……!?」
「次期当主ラインハルト様を差し置いて、そんなこと、あり得るのか?」
「もしそうなると、どうなるのかしら?」
「マーク様はラインハルト様に忠誠を誓っておる。この場合…、ラインハルト様の権力が高まるのではないか?」
「おお!それでは何も問題ないではないか。
どちらにせよ、ラインハルト様に逆らえる者などおるまいし。
ベルンハルト侯爵家としても、ラッキー公爵家としても王家と縁を持つことになる。」
え……。なんか知らない間にとてつもないことになっている予感がするんだけど……、
とりあえず、マーク。生きててくれ。
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「相変わらず、逃げ足が速いね。
流石にここでは、ラインハルトを追っても追いつけないからなあ。
逃しても仕方がないかあ。」
「あの速さでも、パーティ会場でなかったんだったら追い付けたんっすか。
流石エドワード様。俺には、動きを追うので精一杯でした。」
「慣れだよ慣れ。」
「は、はあ。(つまり、慣れるほどこういうやりとり続けていた……?この公爵。どういう教育してるんだろうか?)」
「それはそれとして、どう致しましょうか?
エドワード様。あのまま逃げたままでは、帰って来れないと思うのですが。」
「ラインハルトを釣るやり方は、いくらでもあるよ。例えば……。」
そう言って、エドワードはマークの方を見つめる。
「ははーん。たしかに面白そうかも。
マークに絡みに行くか。」
「ラインハルトがどんな反応をするかちょっと楽しそうかもしれません。」
「うんうん。そうだよね。我が息子ながら、反応が読めないところがいいところだ。」
オリバーとジェイクは恵まれた容姿と頭脳、そして地位、生まれながらに全てを持っていた。
人生に退屈していて、何も興味が持てない。そんな時、たまたまパーティで出会ったのが、自分達にも分け隔てなく接してくれる新しいおもち……ではなく友人のラインハルトである。
自分達と同じような育ちや能力ながら、人生をとても楽しそうに生きている彼を見て、自然と自分達にも何かできるのではないかと刺激をもらった人物でもある。
ただ、何をすればいいのか分からなかったのでとりあえず、ラインハルトと仲良くなるために、揶揄うことにしたのだった。
つまるところ、この世界における最凶の悪ガキキッズに目をつけられたのである。
完全にとばっちり。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
-side ラインハルト-
「あら?ラインハルト。ルイおいて、どこに行ってたのよ?ご飯たくさんあるわよ。」
「あ、ありがとう。お、鬼から逃げ回ってた。死ぬかと……。」
「へー……?というか、ラインハルト。
今日はいい香りするね。」
「落ち着く。この香り。」
「ああ。なかなかに心地いいぜ。」
「でしょ!オーガニックの香水つけてるんだ!俺が選んだ。」
「へー。センスいいわ。」
珍しく精霊達やルイが手放しで褒めてくれたので、気が緩んだのかもしれない。
--ザワザワ!!
突然のざわつきにも反応できず、そのまましばらくご飯を食べてしまっていた。
ようやく食べ終わって落ち着いた時、未だにざわついている周りを見て、只事ではないと思い、父上の元に向かうようにする。
その途中……。
--ヒソッ!!
「王女のアメリア様とマーク様がご婚約だって……!?」
「次期当主ラインハルト様を差し置いて、そんなこと、あり得るのか?」
「もしそうなると、どうなるのかしら?」
「マーク様はラインハルト様に忠誠を誓っておる。この場合…、ラインハルト様の権力が高まるのではないか?」
「おお!それでは何も問題ないではないか。
どちらにせよ、ラインハルト様に逆らえる者などおるまいし。
ベルンハルト侯爵家としても、ラッキー公爵家としても王家と縁を持つことになる。」
え……。なんか知らない間にとてつもないことになっている予感がするんだけど……、
とりあえず、マーク。生きててくれ。
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