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3章⭐︎5歳中盤〜6歳⭐︎
計画案
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-side ラインハルト-
「なあ。ルーカス。ここをどんな町にしたいとかある?」
マッキンリーに到着した翌日。
いきなり町づくりの計画について会議することになったので、
何も準備していなかった俺は、たまたま部屋に一緒にいたルーカスに相談することにした。
「うん?うーん…ラインハルトの好きなようにすればいいんじゃねか?難しいことは良くわかんねえ!」
うーむ、圧倒的な人選ミス感。
他にいればよかったんだが、ラトリアとソフィアは朝、花を愛でたいらしく、晴れている時は外に出ることが多い。
精霊らしいなと思う。
同じ精霊のルーカスはそういうのは全く興味ないらしいが、火の精霊は特殊だそうだ。
「うーん。俺がどうしたいかかあ…わかんないね。」
「だったら、一旦保留にしとこうぜ!それよりも朝食の時間だ。」
「あ、そうだね。ん……??
というか……昨日歓迎会の時あんだけ食べたのに、まだ食べるの?」
「おう!こんなに美味しい飯は久しぶりだからな。お前に付いて人間の町へ来てよかったぜ!」
「……おう。さいですか。」
良かった理由が食事というのも思うところがあるけど、喜んでもらえただけ良かったことにしよう。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
さて、なんの準備もないまま朝食でアランと顔を合わせることになった。
多分、計画のことも聞かれるだろう。
どちらにせよ何も考えてないから、まずはしっかりとアランの意見を聞くところから開始だな。
「あの。すまない。
全く何から手をつけていいか分からなくて、何も思い浮かばなかったんだ。」
「ああ……、相談していただけたらすぐにお答えしましたので別に1人で悩む必要はなかったんですよ。
もとより、エドワード様から方針書を頂いております。」
「あ、ああ。そうだったんだ。」
全く何もなしに、幼い息子に開拓計画を任せるほど父上もぶっ飛んでないか。
いや、あの人だったらやりかねないからただの気まぐれか?
「はい。では簡単に方針書の内容をざっくり説明しますね。」
「うん。」
「はじめに、一番大切なこと。それは、水源の確保と物流です。」
「はあ……?」
水源は分かるけど、物流…必要か?
言葉は悪いけど、こんな人がいないど田舎で?
「あはは。いきなり言われてもわかりませんよね。そうですね……。
まず、水源は人々が生きていくために一番必要です。
水魔法が使える時は大丈夫ですが、魔力切れが起こったときのために絶対必要ですね。
人間にとって水は不可欠ですから。」
「ああ。確かにな。」
成人した人間は、体の約60%が水だというからね。脱水症状回避のためにも絶対に必要だろう。それは納得だけど、なんで物流なんだろうか。
「あはは。やはり、ラインハルト様も思っていることが顔に出ますねえ。」
「え……?」
「ここだけの話、エドワード様も思っていることが顔に出るんですよ。
そっくりというか。」
「……。」
--バッ!
俺は思わず、周りを見渡した。
すると、みんなあからさまに目を逸らす。
「おい。それ肯定しているようなもんだぞ。」
「あはは。遺伝……なんですねえ。」
アルバートが困ったように呟く。
悩んだ挙句には失礼な言動だな。おい。
「でも、エドワード様はなんでも完璧にこなすイメージが強いな。
ラインハルトと違って。」
確かに。マークの言う通りだ。
一言余計だけど。
「昔はエドワード様も、破天荒でしたよ。…っと。話が逸れてしまいましたね。
物流についての説明をしますか。」
(((((昔の魔王様か…物流よりもそっちの方が気になるんだけど。)))))
そう思った俺たちだったが、黙って続きを聞くことにしたのだった。
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「なあ。ルーカス。ここをどんな町にしたいとかある?」
マッキンリーに到着した翌日。
いきなり町づくりの計画について会議することになったので、
何も準備していなかった俺は、たまたま部屋に一緒にいたルーカスに相談することにした。
「うん?うーん…ラインハルトの好きなようにすればいいんじゃねか?難しいことは良くわかんねえ!」
うーむ、圧倒的な人選ミス感。
他にいればよかったんだが、ラトリアとソフィアは朝、花を愛でたいらしく、晴れている時は外に出ることが多い。
精霊らしいなと思う。
同じ精霊のルーカスはそういうのは全く興味ないらしいが、火の精霊は特殊だそうだ。
「うーん。俺がどうしたいかかあ…わかんないね。」
「だったら、一旦保留にしとこうぜ!それよりも朝食の時間だ。」
「あ、そうだね。ん……??
というか……昨日歓迎会の時あんだけ食べたのに、まだ食べるの?」
「おう!こんなに美味しい飯は久しぶりだからな。お前に付いて人間の町へ来てよかったぜ!」
「……おう。さいですか。」
良かった理由が食事というのも思うところがあるけど、喜んでもらえただけ良かったことにしよう。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
さて、なんの準備もないまま朝食でアランと顔を合わせることになった。
多分、計画のことも聞かれるだろう。
どちらにせよ何も考えてないから、まずはしっかりとアランの意見を聞くところから開始だな。
「あの。すまない。
全く何から手をつけていいか分からなくて、何も思い浮かばなかったんだ。」
「ああ……、相談していただけたらすぐにお答えしましたので別に1人で悩む必要はなかったんですよ。
もとより、エドワード様から方針書を頂いております。」
「あ、ああ。そうだったんだ。」
全く何もなしに、幼い息子に開拓計画を任せるほど父上もぶっ飛んでないか。
いや、あの人だったらやりかねないからただの気まぐれか?
「はい。では簡単に方針書の内容をざっくり説明しますね。」
「うん。」
「はじめに、一番大切なこと。それは、水源の確保と物流です。」
「はあ……?」
水源は分かるけど、物流…必要か?
言葉は悪いけど、こんな人がいないど田舎で?
「あはは。いきなり言われてもわかりませんよね。そうですね……。
まず、水源は人々が生きていくために一番必要です。
水魔法が使える時は大丈夫ですが、魔力切れが起こったときのために絶対必要ですね。
人間にとって水は不可欠ですから。」
「ああ。確かにな。」
成人した人間は、体の約60%が水だというからね。脱水症状回避のためにも絶対に必要だろう。それは納得だけど、なんで物流なんだろうか。
「あはは。やはり、ラインハルト様も思っていることが顔に出ますねえ。」
「え……?」
「ここだけの話、エドワード様も思っていることが顔に出るんですよ。
そっくりというか。」
「……。」
--バッ!
俺は思わず、周りを見渡した。
すると、みんなあからさまに目を逸らす。
「おい。それ肯定しているようなもんだぞ。」
「あはは。遺伝……なんですねえ。」
アルバートが困ったように呟く。
悩んだ挙句には失礼な言動だな。おい。
「でも、エドワード様はなんでも完璧にこなすイメージが強いな。
ラインハルトと違って。」
確かに。マークの言う通りだ。
一言余計だけど。
「昔はエドワード様も、破天荒でしたよ。…っと。話が逸れてしまいましたね。
物流についての説明をしますか。」
(((((昔の魔王様か…物流よりもそっちの方が気になるんだけど。)))))
そう思った俺たちだったが、黙って続きを聞くことにしたのだった。
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