転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう!〜公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ〜

西園寺おとば🌱

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2章⭐︎辺境の町への道中⭐︎

魔物の森の“真の姿”

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-side ラインハルト-



 この声は精霊か………?


 待てよ、この町の名前は……。


「なるほど、トリニティ。 “Trinity”
 つまり、 “三位一体”。聖霊、精霊……。
 ………そういうことかーー!!」


 ……って、気づいたら俺1人になっているんだけど。


「ふふ。このはやさで私達の正体に気づくとはさすがね。
 あなたの前に姿を表してあげるわ。」


 女性の妖艶な声が響く。


「せーのっ!」


 男の子の元気な声がしたと思うと


 ポンッ……!


 3人の小さな精霊が現れた。
 後ろの羽がぴょこぴょこ動いているのがとても可愛らしい。


「自己紹介するわ!私の名前はラトリア。
 創造神マテリの眷属よ。
 使える属性は全属性だわ。」


 そう言ったのは、黒髪・黒目・黒色の服の美しい女の精霊だ。


「次は俺!俺の名前は、ルーカスだ。
 武神スキルの眷属だぜ!属性は火だ!」


 赤髪・赤目・赤色の服の可愛い男の子精霊が後に続く。


「最後はあたし。
 ソフィア。鍛治伸クラフトの眷属。
 属性は水。」


 青髪・青目・青色の服を着た可愛い系の女の子精霊が最後に自己紹介をしてくれた。


「「「よろしく!!」」」
「あ……、ああ。こちらこそよろしく。
 俺はラインハルト・ラッキーだ。
 ところでここは…どこだ?」
「ここは魔物の森の精霊が暮らしている場所よ。正確にいえば物質的な森ではなくて、魔法的な森なんだけど。
 まあ…その話はいいわね。
 あたしたちがここに呼ぶ人間ほとんどいないし。今回は特別よ。
 あなたの婚約者、ルイ・フォート達も一緒に招いたわ。今はみんなで他の精霊達と楽しく遊んでいる。」
「そうか。」


 よかった。他のみんなも無事みたいだ。


「ふふ。でも、本当に面白い子ね。人でありながら、亜神とはいえど、神様ですもの。」
「あー。それは女神ライフがチートスキルをくれたからで。」
「そのことなんだけど、ちょっと話があってね。神様達にラインハルト君の従魔になってほしいって言われたのよ。」
「え?」


 精霊を従魔にするということはつまり、最上位クラスの魔獣、それこそ古代竜を従えているようなものだ。
 そもそも、両方とも過去に従魔にした人間など聞いたことがない。


「神様たちのお願いといえど、ラインハルトを実際に見てから決めて良いと言われた。実際見て良いと思ったから頼もうと思う。」
「いや、むしろこっちからお願いしたいんだけど、神様たちが頼むほどの何かがあったってこと?」
「そうね。生命神ライフ様のやらかし案件なんだけど。」
「ああー。」


 俺は納得しながら精霊達から神様の話を聞くことにした。





--------------------------
[ネタバラシ]
“Trinity”は英語で三位一体、つまり、“神、聖霊、キリスト”を一体としてみると言う意味です。聖霊と精霊は意味が違いますが……。
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