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1章⭐︎転生-5歳⭐︎
天才少女とパーティの閉幕
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-side ラインハルト-
「僕、女なんだけど」
やっちまった、けど…………。
(よ…よっしゃああああああ!!)
「じゃなかった。危ない危ない
うっかり声に出すとこだった。」
「声に出してなくても表情に出てるんだよなあ。」
「やめろ。……って君ごめんね。
まさか女の子だとは思わなくて。
その、俺の周りには男しかいなくてさ。」
「いや、別にいいよ。慣れてるし。
というか、特に女扱いされたい訳でもないし、気にしなくていいよ。」
「お、おう。そ、そっか。」
随分サバサバしている子らしい。
思わず、当て馬のリアクションをしてしまった。実際、今のは当て馬っぽかったが。
「そういえば、自己紹介がまだだった。
僕の名前は、ルイ=フォート。
一応フォート伯爵家の長女だよ。
よろしく。」
「フォート一族といえば、代々研究分野で名を馳せているという……。どうりで。」
「いやいや、伯爵とは名ばかりでね。
実際は平民と変わらないよ。この通り、礼儀もしらないのさ。
ところで君たち名前は?
見たところ貴族っぽいけど」
ルイはパーティ主催者の息子の顔も覚えていないような研究バカだった。
そのことに若干引きつつも……。
「こ、これは失礼した。僕の名前はラインハルト=ラッキー。ラッキー公爵家の長男だ。」
「俺は、マーク=ベルンハルト。ベルンハルト侯爵家の三男だ。」
「こう……、これは、失礼しました。」
ルイは優雅に礼をした。
自分でいうのもなんだが、俺なんかより全然肝が据わっているのかもしれない。
「ああ、畏まらないで、別にさっきの口調で構わないよ。」
「おお。助かるよ。
堅苦しいの苦手なんだ。」
「そう?見事な謝罪の仕方だったけど」
「謝罪は慣れてるからね」
「はは。ご謙遜を」
「……じゃあ、俺はおじゃまだから、お二人でごゆっくり~。」
そういうと、マークは去っていった。
え…。
「あいつ……、それでも俺の護衛かよ」
「はは。仲良いね。僕がいうのはなんだけど、身分差があるのに。」
「まあ、幼馴染みたいなものだから、
それよりさっきの研究の話を聞かせてほしいんだ。」
「いいよ。うちは知っての通り研究分野で有名な一族でね。僕は魔法道具に興味あるんだ。それでさっきも分解してみて、色々改造してみたりしているんだよ。」
ほー。この年で分解どころか改造まで。
まごうことなき天才の素質だろう。
思わぬところで、金の卵発見したな。
「実は俺、魔法をあまり使わない機械に興味があってね。それについて詳しく研究したいと思っているんだ。
一緒にどうだ?具体的には-----」
「へー!面白そうだね。
それだったら、------」
「あー、でもそうすると------」
「その場合は------」
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
かなり長い時間話し込んでしまった。
ルイとまた会う約束をして別れる。
すると、すぐそこにマークがいた。
「なんだ。待っていたのか。」
「はあ……、お前に女ができたと思って、気を利かせたつもりだったが、まるで色気のねえ話だったな。思わず、護衛任務放り出すところだった。」
「開口一番それかよ!まったく。……って、色気のある話ってなんだよ。初対面でそんなことできるはずないだろ。」
「はあ。(こいつは身分も顔も性格もいいから、これまでもそれなりに……、いやかなりモテてきたんだが。どうもなイマイチというか。今回こそはって思ったんだけどな?)」
「……?なんか失礼なこと考えてない?」
「ねーよ。お前が残念だなって思ってただけ。」
「思ってるじゃんかよ。」
「はいはい」
こうして、パーティは無事幕を閉じた。
ビジネスの収穫としてはなかなか良かったものも結構あったな。
-------------------------
男子だと、間違えられて、ショックを受け、髪を伸ばした後のルイ
「僕、女なんだけど」
やっちまった、けど…………。
(よ…よっしゃああああああ!!)
「じゃなかった。危ない危ない
うっかり声に出すとこだった。」
「声に出してなくても表情に出てるんだよなあ。」
「やめろ。……って君ごめんね。
まさか女の子だとは思わなくて。
その、俺の周りには男しかいなくてさ。」
「いや、別にいいよ。慣れてるし。
というか、特に女扱いされたい訳でもないし、気にしなくていいよ。」
「お、おう。そ、そっか。」
随分サバサバしている子らしい。
思わず、当て馬のリアクションをしてしまった。実際、今のは当て馬っぽかったが。
「そういえば、自己紹介がまだだった。
僕の名前は、ルイ=フォート。
一応フォート伯爵家の長女だよ。
よろしく。」
「フォート一族といえば、代々研究分野で名を馳せているという……。どうりで。」
「いやいや、伯爵とは名ばかりでね。
実際は平民と変わらないよ。この通り、礼儀もしらないのさ。
ところで君たち名前は?
見たところ貴族っぽいけど」
ルイはパーティ主催者の息子の顔も覚えていないような研究バカだった。
そのことに若干引きつつも……。
「こ、これは失礼した。僕の名前はラインハルト=ラッキー。ラッキー公爵家の長男だ。」
「俺は、マーク=ベルンハルト。ベルンハルト侯爵家の三男だ。」
「こう……、これは、失礼しました。」
ルイは優雅に礼をした。
自分でいうのもなんだが、俺なんかより全然肝が据わっているのかもしれない。
「ああ、畏まらないで、別にさっきの口調で構わないよ。」
「おお。助かるよ。
堅苦しいの苦手なんだ。」
「そう?見事な謝罪の仕方だったけど」
「謝罪は慣れてるからね」
「はは。ご謙遜を」
「……じゃあ、俺はおじゃまだから、お二人でごゆっくり~。」
そういうと、マークは去っていった。
え…。
「あいつ……、それでも俺の護衛かよ」
「はは。仲良いね。僕がいうのはなんだけど、身分差があるのに。」
「まあ、幼馴染みたいなものだから、
それよりさっきの研究の話を聞かせてほしいんだ。」
「いいよ。うちは知っての通り研究分野で有名な一族でね。僕は魔法道具に興味あるんだ。それでさっきも分解してみて、色々改造してみたりしているんだよ。」
ほー。この年で分解どころか改造まで。
まごうことなき天才の素質だろう。
思わぬところで、金の卵発見したな。
「実は俺、魔法をあまり使わない機械に興味があってね。それについて詳しく研究したいと思っているんだ。
一緒にどうだ?具体的には-----」
「へー!面白そうだね。
それだったら、------」
「あー、でもそうすると------」
「その場合は------」
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
かなり長い時間話し込んでしまった。
ルイとまた会う約束をして別れる。
すると、すぐそこにマークがいた。
「なんだ。待っていたのか。」
「はあ……、お前に女ができたと思って、気を利かせたつもりだったが、まるで色気のねえ話だったな。思わず、護衛任務放り出すところだった。」
「開口一番それかよ!まったく。……って、色気のある話ってなんだよ。初対面でそんなことできるはずないだろ。」
「はあ。(こいつは身分も顔も性格もいいから、これまでもそれなりに……、いやかなりモテてきたんだが。どうもなイマイチというか。今回こそはって思ったんだけどな?)」
「……?なんか失礼なこと考えてない?」
「ねーよ。お前が残念だなって思ってただけ。」
「思ってるじゃんかよ。」
「はいはい」
こうして、パーティは無事幕を閉じた。
ビジネスの収穫としてはなかなか良かったものも結構あったな。
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男子だと、間違えられて、ショックを受け、髪を伸ばした後のルイ
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