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最初の四天王
あっさりバレたピエロの正体
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-side わるいそしき-
「して、攻略者達をここまでこさせる作戦は順調か?」
魔王は部下に言った。
「ええ、あそこには四天王の一人であるピエロを送っています。」
「ふっ…奴は、四天王の中で最弱ではあるが、それでも奴らには倒されずに生き残ってくれるだろう。」
「クックック。たしかに。ふっ…奴ではあるがな。あやつの正体を見抜けるものは彼らにはおるまい」
本来、倒された後に言うセリフを前に言うことで盛大なフラグを建築する、一級フラグ建築士の鑑である御一行は余裕の表情で過ごしていた。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
-side アラン-
「なあ、俺たち結構楽しんでるけどいいのか。」
アランたちは、ちょうど3回目のジェットコースターを乗り終えスッキリした様子だった。
6階層は、思った以上によくできた遊園地で、6人という遊園地を楽しむのに、ちょうどいい人数も相まってとても楽しそうだった。
もっとも、引きこもりであるアランには結構な試練となったようであるが。
ようやく、飽きてきたところで、アランはポータに話しかけた。
「大丈夫だワン。これは作戦ワン。」
「作戦?」
「そうだワン。あのピエロは四天王の一人だワン。こちらを油断させておいて、倒す作戦だワン。それを逆に利用するワン。」
「なるほど。確かにそれがいいな。」
実はアランは、鑑定魔法を使えて、ピエロのことを四天王だと知っていたが黙っていたのだ。
アランとしては、油断してても余裕で倒せるステータスの差だし大丈夫かと思って放っておいたが、ポータの意見を聞いてその通り動いた方がいいと判断した。
ポータの言っている意味はアランにしか伝わらないので、他のみんなに伝える。
ノア「なっ…!あいつが四天王の一人だって!?それで…俺たちはどうするの?」
「流石に四天王に勝つほどの実力はないですわよ。」
本当は、四天王など(物理的に)片手で捻り潰すことができるエミリーも心配している。
「大丈夫ワン。俺がなんとかするワン。任せるワン。そのまま大人しくしているワン。」
「ポータがなんとかできるらしい。」
ウィ「わかった。俺たちには何もできないから、アランたちに任せる。」
「それでポータどうする?」
「ごり押しがいいワン。力こそパワーだワン。脳筋万歳だワン。」
「力とパワー同じだと思うが…。まあ、それがいいか。」
アラン達は強者による作戦会議を終わらせたのだった。
しばらくすると、ピエロが戻ってきた。
「皆さま~この、ただのピエロがこれからも案内いたしまーす。」
「“チェイン”」
拘束魔法を唱える。
「なっ。何するんですか。ほっほっほー。」
ウィ「とぼけるのではない。お前が四天王ということはわかっている。」
「そ、そんなことはあーりませーん。私、邪神様などしーりませーん。」
ピエロは必死に隠そうとした。
「さっき、思いっきり邪神様がどーのこーのと言っていましたのだわ。」
「そ、それは。ともかく、私は四天王ではあーりませーん。」
隠すのを失敗したようだった。チョロい。
「ピエ・ピエロ。四天王の中で最弱。職業は引きこもり。座右の銘は、ベッド最高。」
「ななななな…!なぜそれを!!
はっ…まさか。」
「そうだ。俺は鑑定魔法が使える。」
「そんな、し、仕方ありません。その通りです。私が四天王の一人、ピエロです。
というわけで、これでさよなら、ドロンです。
ほっほっほー。
…ん?逃げれないのですけど。」
ピエロは自分が四天王と認めると、逃げ出そうとする。
「そりゃ、チェインで縛っているからな。」
「そ、そんな。では、私はどうしたらいいのですか。ほっほっほー。」
ポンコツみがわかる四天王であった。
「知らねえよ。まあ、ちょうどいいから、消してやる。
お前も引きこもりだったのに、散々メルヘンの空気を俺に吸わせた罰だ。“終焉の業火”」
「それ、邪神様が使う最強の魔法なのです。なぜあなたが使えるんですかー!」
明らかにアランの不純な動機で、ピエロは悲痛な叫びと共にこの世から消えるのであった。
パシリ「は、はあ。アラン様もお強いのですね。ともかく、このことは早く他の方々に知らせなければなりません。一旦地上に戻りましょう。」
「いや、おれは別に強くない。世の中俺より強い奴は沢山いるからな。
…確かに、戻った方が良さそうだな。」
「え…ええ。では、みなさん手を繋いでください。帰還します。
(さっき、ピエロが邪神様の技を使えるとか言っていたのは気のせいではないですよね。
これ以上強くなるって、具体的には、どこまでいくのでしょうか。)」
こうして、俺たちは地上に戻るのだった。
------------------------------
-1章完-
[コメント]
ここまで、読んでいただきありがとうございました。楽しんでいただけていたら、作者はとても喜びます。
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もしよろしければ、カクヨムの作者フォローと、カクヨム様にて連載中の他の作品もよろしくお願いします。
3つおすすめをあげるとしたら、「3点スキルと食事転生」「クラフトスキルで片付け改革」「異世界ゆるふわカフェ巡り」です。
プロフィールのwebから飛べます。
「して、攻略者達をここまでこさせる作戦は順調か?」
魔王は部下に言った。
「ええ、あそこには四天王の一人であるピエロを送っています。」
「ふっ…奴は、四天王の中で最弱ではあるが、それでも奴らには倒されずに生き残ってくれるだろう。」
「クックック。たしかに。ふっ…奴ではあるがな。あやつの正体を見抜けるものは彼らにはおるまい」
本来、倒された後に言うセリフを前に言うことで盛大なフラグを建築する、一級フラグ建築士の鑑である御一行は余裕の表情で過ごしていた。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
-side アラン-
「なあ、俺たち結構楽しんでるけどいいのか。」
アランたちは、ちょうど3回目のジェットコースターを乗り終えスッキリした様子だった。
6階層は、思った以上によくできた遊園地で、6人という遊園地を楽しむのに、ちょうどいい人数も相まってとても楽しそうだった。
もっとも、引きこもりであるアランには結構な試練となったようであるが。
ようやく、飽きてきたところで、アランはポータに話しかけた。
「大丈夫だワン。これは作戦ワン。」
「作戦?」
「そうだワン。あのピエロは四天王の一人だワン。こちらを油断させておいて、倒す作戦だワン。それを逆に利用するワン。」
「なるほど。確かにそれがいいな。」
実はアランは、鑑定魔法を使えて、ピエロのことを四天王だと知っていたが黙っていたのだ。
アランとしては、油断してても余裕で倒せるステータスの差だし大丈夫かと思って放っておいたが、ポータの意見を聞いてその通り動いた方がいいと判断した。
ポータの言っている意味はアランにしか伝わらないので、他のみんなに伝える。
ノア「なっ…!あいつが四天王の一人だって!?それで…俺たちはどうするの?」
「流石に四天王に勝つほどの実力はないですわよ。」
本当は、四天王など(物理的に)片手で捻り潰すことができるエミリーも心配している。
「大丈夫ワン。俺がなんとかするワン。任せるワン。そのまま大人しくしているワン。」
「ポータがなんとかできるらしい。」
ウィ「わかった。俺たちには何もできないから、アランたちに任せる。」
「それでポータどうする?」
「ごり押しがいいワン。力こそパワーだワン。脳筋万歳だワン。」
「力とパワー同じだと思うが…。まあ、それがいいか。」
アラン達は強者による作戦会議を終わらせたのだった。
しばらくすると、ピエロが戻ってきた。
「皆さま~この、ただのピエロがこれからも案内いたしまーす。」
「“チェイン”」
拘束魔法を唱える。
「なっ。何するんですか。ほっほっほー。」
ウィ「とぼけるのではない。お前が四天王ということはわかっている。」
「そ、そんなことはあーりませーん。私、邪神様などしーりませーん。」
ピエロは必死に隠そうとした。
「さっき、思いっきり邪神様がどーのこーのと言っていましたのだわ。」
「そ、それは。ともかく、私は四天王ではあーりませーん。」
隠すのを失敗したようだった。チョロい。
「ピエ・ピエロ。四天王の中で最弱。職業は引きこもり。座右の銘は、ベッド最高。」
「ななななな…!なぜそれを!!
はっ…まさか。」
「そうだ。俺は鑑定魔法が使える。」
「そんな、し、仕方ありません。その通りです。私が四天王の一人、ピエロです。
というわけで、これでさよなら、ドロンです。
ほっほっほー。
…ん?逃げれないのですけど。」
ピエロは自分が四天王と認めると、逃げ出そうとする。
「そりゃ、チェインで縛っているからな。」
「そ、そんな。では、私はどうしたらいいのですか。ほっほっほー。」
ポンコツみがわかる四天王であった。
「知らねえよ。まあ、ちょうどいいから、消してやる。
お前も引きこもりだったのに、散々メルヘンの空気を俺に吸わせた罰だ。“終焉の業火”」
「それ、邪神様が使う最強の魔法なのです。なぜあなたが使えるんですかー!」
明らかにアランの不純な動機で、ピエロは悲痛な叫びと共にこの世から消えるのであった。
パシリ「は、はあ。アラン様もお強いのですね。ともかく、このことは早く他の方々に知らせなければなりません。一旦地上に戻りましょう。」
「いや、おれは別に強くない。世の中俺より強い奴は沢山いるからな。
…確かに、戻った方が良さそうだな。」
「え…ええ。では、みなさん手を繋いでください。帰還します。
(さっき、ピエロが邪神様の技を使えるとか言っていたのは気のせいではないですよね。
これ以上強くなるって、具体的には、どこまでいくのでしょうか。)」
こうして、俺たちは地上に戻るのだった。
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