54 / 80
3章⭐︎新しい家族から学ぶ帝王学編⭐︎
俗にいう無自覚無双か
しおりを挟む
-side リアム-
「しかし……本当に美味しいな、このジュース。ピリリとしていて。」
さっきから俺に出されているジュースは、ピリリとしていて、全て炭酸に似た刺激で美味しいのだ。
『ほーー。いいほなあ。今度俺にも飲ませてくれ!』
「うん、わかった。ってその前に、これ、なんの味だろ?ブフッ……!!」
『どうしたんだ?』
「いや、あのさ。スキルで調べたら蛇王ヨルムンガルドの毒って頭に浮かんだんだけど気のせいではないよね?」
『ぬ?なに?我が兄妹の毒か?ふむ。確かにそうらしいな。』
そっか、フェンリルとは兄妹か。
「しかも、ヨルムンガルドの毒、飲んだら即死ってなってる。
ど、どうしよう!やばいよ!」
『落ち着けリアム。即死の意味はわかってるよな?すぐ死ぬってことだよ。
お目は生きているだろうが。』
「ん?」
『つまり、まだ生きていると言うことは、
主人殿にはヨルムンガルドの毒が効かなかったと言うことだのう。』
『ああ。多分、スキルのおかげだと思うぜ!
毒を無効化したと言うことだったんだろうな。』
そ、そうか。確かに。
そして、少し頭を冷やす時間をとった後、
冷静になってから気づいた。
「あれ?というか、これ敵の思惑踏み潰すとかやっちまったな。
もしかしてこれが、俗に言う無自覚無双ってやつ……か(イケボ)」
『は?』
『ぬ?』
「ん?」
『あーっと。今の記憶保存魔法で、保存したから、前回の切り抜きと合わせて全世界に拡散するか。』
「ちょっと待て。」
『ぬ?それはいいな。
ついでにワシがリアムを食べているコラ画像もついでによろしく頼もう』
「それは洒落にならないほど、まずいね。
ゆ、許してくれ。俺が全て悪かった。」
いや、リアムリスナー過激派多いな。
全力で謝らないと。
『おう。俺達が過激なのは、お前のせいではないから諦めろ。』『そうだのう』
「類はリスナーを呼ぶと言わないで、俺にフォローを入れてくるあたり、返しがリアルすぎるよ。まったく。」
『それはともかく、どうするのだ?
ヨルムンガルドの毒なんてなかなか手に入る代物ではないぞ。
はやく敵を潰しに行った方がいいのう。』
「うーん。でも、ひとまずは様子見になるかなあ。下手に動くと的に勘づかれるし。」
『まーた様子見かあ?少しは戦おうぜ!』
「む。さっき、運命教の信者を放置して飯食いに行こうって言ったのはルーカスだろ?」
『う……。』
『まあまあ、ここで言い合っていても仕方がないではないかお主ら。とりあえず、さっきの場所に戻るとしよう。』
『わ、わかった。行こうぜリアム。
この話は後だ。』
「うん……まあ、シルバーがそう言うんだったらわかったよ。早く行こう。」
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
そして、俺たちはさっきの場所に戻ってきた。するとそこには、ヘンリーとレオン、その他武装した使用人が沢山いる。
『な、何事だ?』
「うーん。一旦様子を見てみようか。」
『またかよ。』
「戦闘において、一旦落ち着いて、様子を見ることは大事だぞ。戦略的撤退の判断の場合に特にな。」
『それ、格好よく言っているだけで、逃げるためにじっとしてますってことだろ?』
違う。断じて違う。意味が違うってだけで、行動は一緒ではあるけど。
それはそれとして、俺たちは身体強化魔法で聴覚強化をして聞き耳を立てる。
「フハハ……!!
おわりだよ……終わり。手筈は整った!
クク……!これでリアムとか言うあのガキは全て終わりだ!!見える、見えるぞ。
あいつがあの毒ジュースを飲んだ瞬間倒れて、騒然とする会場の景色が。そして、ノアが絶望し、勇者が覚醒する瞬間が!!」
「(…………………。おーっと?
なあ。ルーカス。あいつかなりやばいやつ?おっけー?)」
『お……おう。何が見えてるんだろうな。怖すぎるぞ。想像力が逞しいとかいう次元じゃなくて幻覚が見えてるんだろうだからな。』
『既に食べたものに幻覚を見せるタイプの毒に侵されてそうなあいつにこそ、解毒剤が必要だと思うがのう。』
『「確かに。」』
「ん……?誰だ!!そこにいるのは!」
結構遠くから様子を見ていてかつ、ちょっと念話で会話していただけなのに、気づくのは流石レオンだ。
「ごめん。驚かせて。えーっと。そこのお前。悪かったな。生きてて。毒ジュースってこれのことか?」
「「リアム!!」」
「良かった。生きていて。死んではないとは思ったが、今回は肝が冷えたぞ。
しかし、やっぱりすげえな。」
「本当に焦ったぞ。お前のことだ。
毒入りのジュースだと見破れるとは思っていたが。うむ。流石だ。」
「いや……あの褒められているところ悪いけどバリバリ全て飲んでました。」
「「へ?」」
「うん。その。スキルが発動したらしくて……。それにしても美味しかったなあ。
はっはっは。」
「……そうか。」「お、おう。」
2人ともドン引きであるが、今は放っておこうか。先に真ん中にいる人に確認しないと。
「それよりさ、さっき面白いこと言っていたよね?手筈は整ったとか?
もしかして、君たちには俺の使用人の中にも協力者が沢山いるとかは…ある?」
「ひっ。化け物。」
「しっかりと、答えてくれなきゃ、
ダメだよねえ。」
「ひ。ひぃぃ。わ、分かった。
白状するから。」
「おお。いい人。」
こうして、しばらく運命教の信者は仲間のことを暴露し続けたので、その自白に付き合った。いや、意外と仲間意識薄いな運命教。
----------------------------
「しかし……本当に美味しいな、このジュース。ピリリとしていて。」
さっきから俺に出されているジュースは、ピリリとしていて、全て炭酸に似た刺激で美味しいのだ。
『ほーー。いいほなあ。今度俺にも飲ませてくれ!』
「うん、わかった。ってその前に、これ、なんの味だろ?ブフッ……!!」
『どうしたんだ?』
「いや、あのさ。スキルで調べたら蛇王ヨルムンガルドの毒って頭に浮かんだんだけど気のせいではないよね?」
『ぬ?なに?我が兄妹の毒か?ふむ。確かにそうらしいな。』
そっか、フェンリルとは兄妹か。
「しかも、ヨルムンガルドの毒、飲んだら即死ってなってる。
ど、どうしよう!やばいよ!」
『落ち着けリアム。即死の意味はわかってるよな?すぐ死ぬってことだよ。
お目は生きているだろうが。』
「ん?」
『つまり、まだ生きていると言うことは、
主人殿にはヨルムンガルドの毒が効かなかったと言うことだのう。』
『ああ。多分、スキルのおかげだと思うぜ!
毒を無効化したと言うことだったんだろうな。』
そ、そうか。確かに。
そして、少し頭を冷やす時間をとった後、
冷静になってから気づいた。
「あれ?というか、これ敵の思惑踏み潰すとかやっちまったな。
もしかしてこれが、俗に言う無自覚無双ってやつ……か(イケボ)」
『は?』
『ぬ?』
「ん?」
『あーっと。今の記憶保存魔法で、保存したから、前回の切り抜きと合わせて全世界に拡散するか。』
「ちょっと待て。」
『ぬ?それはいいな。
ついでにワシがリアムを食べているコラ画像もついでによろしく頼もう』
「それは洒落にならないほど、まずいね。
ゆ、許してくれ。俺が全て悪かった。」
いや、リアムリスナー過激派多いな。
全力で謝らないと。
『おう。俺達が過激なのは、お前のせいではないから諦めろ。』『そうだのう』
「類はリスナーを呼ぶと言わないで、俺にフォローを入れてくるあたり、返しがリアルすぎるよ。まったく。」
『それはともかく、どうするのだ?
ヨルムンガルドの毒なんてなかなか手に入る代物ではないぞ。
はやく敵を潰しに行った方がいいのう。』
「うーん。でも、ひとまずは様子見になるかなあ。下手に動くと的に勘づかれるし。」
『まーた様子見かあ?少しは戦おうぜ!』
「む。さっき、運命教の信者を放置して飯食いに行こうって言ったのはルーカスだろ?」
『う……。』
『まあまあ、ここで言い合っていても仕方がないではないかお主ら。とりあえず、さっきの場所に戻るとしよう。』
『わ、わかった。行こうぜリアム。
この話は後だ。』
「うん……まあ、シルバーがそう言うんだったらわかったよ。早く行こう。」
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
そして、俺たちはさっきの場所に戻ってきた。するとそこには、ヘンリーとレオン、その他武装した使用人が沢山いる。
『な、何事だ?』
「うーん。一旦様子を見てみようか。」
『またかよ。』
「戦闘において、一旦落ち着いて、様子を見ることは大事だぞ。戦略的撤退の判断の場合に特にな。」
『それ、格好よく言っているだけで、逃げるためにじっとしてますってことだろ?』
違う。断じて違う。意味が違うってだけで、行動は一緒ではあるけど。
それはそれとして、俺たちは身体強化魔法で聴覚強化をして聞き耳を立てる。
「フハハ……!!
おわりだよ……終わり。手筈は整った!
クク……!これでリアムとか言うあのガキは全て終わりだ!!見える、見えるぞ。
あいつがあの毒ジュースを飲んだ瞬間倒れて、騒然とする会場の景色が。そして、ノアが絶望し、勇者が覚醒する瞬間が!!」
「(…………………。おーっと?
なあ。ルーカス。あいつかなりやばいやつ?おっけー?)」
『お……おう。何が見えてるんだろうな。怖すぎるぞ。想像力が逞しいとかいう次元じゃなくて幻覚が見えてるんだろうだからな。』
『既に食べたものに幻覚を見せるタイプの毒に侵されてそうなあいつにこそ、解毒剤が必要だと思うがのう。』
『「確かに。」』
「ん……?誰だ!!そこにいるのは!」
結構遠くから様子を見ていてかつ、ちょっと念話で会話していただけなのに、気づくのは流石レオンだ。
「ごめん。驚かせて。えーっと。そこのお前。悪かったな。生きてて。毒ジュースってこれのことか?」
「「リアム!!」」
「良かった。生きていて。死んではないとは思ったが、今回は肝が冷えたぞ。
しかし、やっぱりすげえな。」
「本当に焦ったぞ。お前のことだ。
毒入りのジュースだと見破れるとは思っていたが。うむ。流石だ。」
「いや……あの褒められているところ悪いけどバリバリ全て飲んでました。」
「「へ?」」
「うん。その。スキルが発動したらしくて……。それにしても美味しかったなあ。
はっはっは。」
「……そうか。」「お、おう。」
2人ともドン引きであるが、今は放っておこうか。先に真ん中にいる人に確認しないと。
「それよりさ、さっき面白いこと言っていたよね?手筈は整ったとか?
もしかして、君たちには俺の使用人の中にも協力者が沢山いるとかは…ある?」
「ひっ。化け物。」
「しっかりと、答えてくれなきゃ、
ダメだよねえ。」
「ひ。ひぃぃ。わ、分かった。
白状するから。」
「おお。いい人。」
こうして、しばらく運命教の信者は仲間のことを暴露し続けたので、その自白に付き合った。いや、意外と仲間意識薄いな運命教。
----------------------------
11
お気に入りに追加
1,855
あなたにおすすめの小説
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺わかば
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
転生キッズの魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜
西園寺わかば
ファンタジー
高校生の涼太は交通事故で死んでしまったところを優しい神様達に助けられて、異世界に転生させて貰える事になった。
辺境伯家の末っ子のアクシアに転生した彼は色々な人に愛されながら、そこに住む色々な魔物や植物に興味を抱き、研究する気ままな生活を送る事になる。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる