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2章⭐︎レベルアップ⭐︎

フェンリルの里到着

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-side エリク-



 エリクたちは今、屋敷でフェンリルの里に向かっている。


「はーー。快適だ。まさか、オートパイロットモードがあるなんて。言ってくれればよかったのに。」
『聞きもせずに、どんどん話を進めようとしたの、君だからね。』


 どうやら、レオンはご立腹らしい。ジトーっとみてくる。


「普段お主に振り回されていたこちらの身としては、面白いのだがな。それより、あとどれくらいなのだ?」
『5時間だよ。寝てれば着く。』
「へー。ねえ、こたつ出してよ。ついでに、カップ麺とお湯も。」
『いいけど。私のこと便利屋か何かだと思ってない?』
「ないない。」


 レオンが出してくれる。カップ麺の中にお湯を入れ、あっためる。


「(こたつの中で、食べるカップ麺はやはり最高だ。クーラーで周りの気温下げた状態で、食べるという背徳感も堪らない。)」


 ズズズズズ……。


『創造神なのに、環境破壊に貢献している気がする。』


 美味しそうにカップ麺を頬張っているエリクをみて、レオンが遠い目をする。


「細かいことは気にするな。お主もやってみると良い。なかなか悪くないぞ。」


 トールに言われるがままに、レオンも行う。


『う……、ズルズル……。うまい!こたつもなかなかいいね。心地よさがたまらない。
 決して教育上は良くないけど、とにかく背徳感がたまらない。』


 レオンも堕ちてしまったようだ。
 そのまま、腹が一杯になった3人は仲良くお昼寝をした。


 PPPPPPPPPPP……。


『う、うるさいなあ。ふぁああ。
 って君たちも起きて。ついたよ。』
「ふぁー?もう?」
「もう少しゆっくりしても良いではないか。」
『まあ、確かに。もうちょっと寝てもいいか。』


 全員、すっかりダラダラモード全開だった。


 “我が領地に立ち位置その警戒感のなさ、覚悟するが良い--”


 その時、どこからか声が聞こえた。脳内に直接入り込んでくるタイプの声らしい。


「お、その声はルークか。」
“ぬ。何故我の名を?む、まさかこの匂いトールか。”
「うむ。久々に遊びに来てやったぞ。」
“ほお?それより、この馬鹿でかい屋敷はなんだ?これもお主の仕業か。”
「いや、これはレオンの仕業だ。」
『違うよね。エリクの仕業だよ。』
「zzzzzzzzzzzz……。」
“おお。レオンもいるのか。会うのは2000年ぶりか?”
『ああ。久しぶり。』
“うむ。して、エリクとは誰だ?”
『今日、ここに来た人間さ。君を仲間にするためにきた。』
“ほーー。人間の身で、フェンリルたる我を仲間にするとな。面白いやつだな。それはそうとお前ら姿を見せぬか。”
『ふぁーー。ちょっと、ここから起き上がれないかな。むにゃむにゃ。
 トールが行ってきて。』
「我も無理だ。エリク頼む」
「zzzzzzzzz……。」
“早く見せんか!”
「「「zzzzzzzzz…」」」
“ぬ。初対面でまさかの放置プレイか。
 ワオオオオオン。”


 エリクたちが2度寝から起きたのはそこから3時間後だった。
 ジトーー。ルークがエリクのことをジト目で見ている。ご立腹なようだ。


「初めまして。(なんか、悪いことしたか?)」


 挨拶の時、悪気なく爆睡していたエリクは何があったのか、知らなかったようだ。


“ふんっ”


 一方、全部覚えているルークは超絶不機嫌であった。


「ガハハハハ。まあ、いいではないか。エリクも悪気があったわけではないんだし。」
『そうそう。』
“我はお主らのことも許してないからな。むしろ、エリクとやらより、お主らに対して怒っているんだが。”
「『う……。』」
「えっと、何があったの。すまない、覚えていないんだ。」


 ルークはことのあらましを説明する。


「そ、それは、すまなかった。」
“ふん。お主は知らなかったのだから、仕方がない。”
「おーい。話は済んだか。ダラダラ話してないで、我を早く中に入れろ。」
『そうだよ。何客人を待たせてんの。』
“な、な、な。まったく、お主らときたら。”
「(なんとなく、力関係が見えてきた感じがする。何はともあれフェンリルの里到着だ!)」




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