818 / 831
17章 わたしに何ができたかな?
第818話 笑うことを忘れた少女⑰ターゲット
しおりを挟む
起きるとベッドにもふもふと寝ていた。
窓から陽が差し込んでいる。
ソファーにへたり込んだ記憶までしかないから、誰かが運んでくれたんだ。
「おはよう」
もふもふに挨拶する。
「もふもふはなんで、わたしと一緒にいてくれるの?」
森の色の瞳がわたしをみつめる。
一瞬、答えが返ってくるかと期待してしまった。
「ねぇ、もし嫌じゃなかったら、これからもずっとわたしと一緒にいてくれない?」
もふもふは返事のように、わたしの頬を舐める。
「いいの? 約束だよ。約束破ったらハリセンボンノマスなんだから!」
もふもふの意向を勝手に決めつける。
ハリセンボンってなんだろう? 思いつくまま言ったけど、自分でも意味がわからない。
もふもふの頭を撫でる。
「わたし怖いんだ。犯罪組織にいたでしょう? 記憶はないけど、わたし悪いことしてたんじゃないかな? 特別に狙われているってそういうことじゃないかな?
わたし悪い人たちの役に立っていたのかもしれない。そうだったらどうしよう」
不安が押し寄せてきて、もふもふをギュッとする。
「今みんなによくしてもらってるでしょう? 看守たちには嫌われていたの。けられたり殴られたり。ご飯を落とされたり。わざと傷つける言葉をかけられた。それは痛くてもなんともなかったけど。
わたし、優しくしてくれたみんなに急に背を向けられたら、すっごく痛いかもしれない。すごく悲しくて何もかもがイヤになっちゃうって思える。それが怖くて、組織を潰したいと思っているのかもしれない。わたしが酷いことをした証拠が残らないように。
ねぇ、ずるいよね? 嫌いになった?」
もふもふは反対の頬を舐めてくれた。
そのうち顔中を舐められて、とうとうくすぐったくて笑ってしまった。
もふもふならきっと、わたしのずるいところも分からなくて受け入れてくれる、そう思うから、一緒にいてくれるかもって思ってるんだ、わたし。
もふもふと部屋から出る。2階だったみたいだ。
階段を下りれば、とっくに起きて会議でもしていたみたいだ。
けれどガーシ、フランツ、アダム、ロサしか人が見当たらない。
「おはよう」
アダムに声をかけられる。
「おはよう。ジンたちはまだ?」
「彼らとはフォルガードで落ち合うことにした」
え?
抱っこしていたもふもふをギュッとする。
「……それは、わたしがターゲットだから?」
「ターゲット?」
「えっと、狙いだから?」
ロサが言葉を探し、アダムが真顔になる。
「その通りだ。君が狙われている。安全のため、みんなと君を引き離すことにした」
フランツは容赦ないな。
わたしは唇を噛みしめていた。
「なんで、わたしが狙われるの?」
「記憶をなくしているんだよね? そのことと関係しているかもしれない」
ロサは続ける。
「というわけで、なるべく早くフォルガードに行きたいんだ。少しでも安全なところに行きたい。移動ばかりで辛いだろうけど朝食はなしで隣街まで行って、食事を取る。いいかな?」
わたしはもちろんと頷いた。
この頃いっぱいおいしいものを食べさせてもらっていたけど、〝アリの巣〟では朝と夜の二回の配給で、量もちょっぴりだった。
だから食事を抜くぐらいなんてことない。
それにわたしはガーシの馬に乗せてもらうだけだ。
みんなの方がお腹が空いたままで大丈夫なのかと思っちゃう。
あ、もふもふはお腹空いちゃうよね。
わたしは固くなったパンを出して、もふもふに食べるかを尋ねた。もふもふはふるっと体を震わせる。見向きもしない。いらないって言ってるみたいだ。
みんなはテーブルの上のものをまとめている。簡易地図みたいに見えた。
わたしも見せてほしいな。次の休憩の時に頼んでみよう。
離れ離れになってしまっても、落ち合うところを決めていたんだろう。
2時間ぐらい馬を走らせ、何事もなく隣街につくことができた。
食堂に入った。この時間はスープとパンのセットしかなかった。
みんなで貯めたお金は分配したので、自分の分は持っている。でもお金は使えば消えていく。しばらく薬草とりの仕事をしたりはできないだろうから、収入はないってことだ。
……昨日お腹いっぱい食べたから、まだ食べなくても平気だ。
もふもふのご飯をテイクアウトで頼むことにしよう。そしてわたしはお腹が空いてないからと断ろう。
注文しようとすると、
「彼のご飯は、もう注文したよ」
と言われる。
え?
「でも……」
「それから渡すのを忘れていた。情報料だ」
ロサから小さな布袋を渡された。
え?
「他のみんなにも渡しているはずだから」
情報料ってこんなに?
「食事や身の回りのものは必要経費で出すよ。ただ、もう少し遠くに行くまで買い物の時間は取れない。食事はここを出てから次にいつ取れるかわからないから、無理してでも食べてくれるとありがたい」
ロサにそう言われたので、わたしもスープとパンのセットをいただいた。
それにもふもふのご飯の分も、わたしの分もまとめて払ってくれた。必要経費に入れてもらえたみたいだ。ありがたい。
3人がかっこよかったからか、ハムのお皿をサービスしてくれた。
そのハムをもふもふにもらえないかなと思っていると、フランツがもふもふの分はたっぷり持ち帰りで用意してもらっているから、これは食べていいよとわたしの前に置いてくれた。
3人は強いし、フォンタナの戦士も強い。人の数、馬、それからいくつもある隠れ家。情報料としてこれだけをポンと出せる……対バッカスの組織も規模が大きいし、お金があるみたいだ。
夜は野宿になるかもしれなくて、〝アリの巣〟のことをまた話して欲しいと言われる。わたしは知っていることは少ないけどと前置きのあとに請け負った。
それからはまた馬を走らせ続ける。低めの山も駆け抜けたし、森の中に入った。
陽が暮れたので、そこで野宿することになった。
みんな手慣れている。
わたしだけ何をしていいのかわからない。
「何をすればいい?」
「お湯を沸かしておいてくれる?」
そう言われて、セットされた薪の上にお鍋を掲げた。
大きめの丸太を持ってきたガーシが、焚き火の周りに三角形で並べる。椅子として使うのかな。
フランツの持っている、古い獣の皮でできたような袋から、あり得ないくらいのいろいろなものが出てくる。だって袋は高さが30センチもない。それに膨れあがってもいないのに、コップ、お椀、お皿、フォークやスプーン、お箸まで。
その後に湯気を立てた料理まで!
あ、アイテムボックスか!
「フランツのそれはアイテムボックス?」
「あいてむぼっくす?」
フランツが首を傾げる。
あれ、違うのか?
「あいてむぼっくすとはどんなもの?」
「ええと、亜空間にある、箱のこと。時間停止もできる。だって、その袋に入るわけない量のものが入っているし、お料理が湯気を立てているから、そうだと思った」
「私たちは収納袋と呼んでいる」
あ、記憶に引っかかる。
そう呼んでいたかもしれない。
それじゃあアイテムボックスってなんだろう??
「トスカは……テンジモノなのかもしれないね、ナムルが言っていたように」
「展示物? わたしは物じゃないけど」
なぜかムッとした。
「何を思い浮かべたの?」
「え? 展覧会とかに並べる品のことじゃないの?」
アダムとロサは目を合わせている。
窓から陽が差し込んでいる。
ソファーにへたり込んだ記憶までしかないから、誰かが運んでくれたんだ。
「おはよう」
もふもふに挨拶する。
「もふもふはなんで、わたしと一緒にいてくれるの?」
森の色の瞳がわたしをみつめる。
一瞬、答えが返ってくるかと期待してしまった。
「ねぇ、もし嫌じゃなかったら、これからもずっとわたしと一緒にいてくれない?」
もふもふは返事のように、わたしの頬を舐める。
「いいの? 約束だよ。約束破ったらハリセンボンノマスなんだから!」
もふもふの意向を勝手に決めつける。
ハリセンボンってなんだろう? 思いつくまま言ったけど、自分でも意味がわからない。
もふもふの頭を撫でる。
「わたし怖いんだ。犯罪組織にいたでしょう? 記憶はないけど、わたし悪いことしてたんじゃないかな? 特別に狙われているってそういうことじゃないかな?
わたし悪い人たちの役に立っていたのかもしれない。そうだったらどうしよう」
不安が押し寄せてきて、もふもふをギュッとする。
「今みんなによくしてもらってるでしょう? 看守たちには嫌われていたの。けられたり殴られたり。ご飯を落とされたり。わざと傷つける言葉をかけられた。それは痛くてもなんともなかったけど。
わたし、優しくしてくれたみんなに急に背を向けられたら、すっごく痛いかもしれない。すごく悲しくて何もかもがイヤになっちゃうって思える。それが怖くて、組織を潰したいと思っているのかもしれない。わたしが酷いことをした証拠が残らないように。
ねぇ、ずるいよね? 嫌いになった?」
もふもふは反対の頬を舐めてくれた。
そのうち顔中を舐められて、とうとうくすぐったくて笑ってしまった。
もふもふならきっと、わたしのずるいところも分からなくて受け入れてくれる、そう思うから、一緒にいてくれるかもって思ってるんだ、わたし。
もふもふと部屋から出る。2階だったみたいだ。
階段を下りれば、とっくに起きて会議でもしていたみたいだ。
けれどガーシ、フランツ、アダム、ロサしか人が見当たらない。
「おはよう」
アダムに声をかけられる。
「おはよう。ジンたちはまだ?」
「彼らとはフォルガードで落ち合うことにした」
え?
抱っこしていたもふもふをギュッとする。
「……それは、わたしがターゲットだから?」
「ターゲット?」
「えっと、狙いだから?」
ロサが言葉を探し、アダムが真顔になる。
「その通りだ。君が狙われている。安全のため、みんなと君を引き離すことにした」
フランツは容赦ないな。
わたしは唇を噛みしめていた。
「なんで、わたしが狙われるの?」
「記憶をなくしているんだよね? そのことと関係しているかもしれない」
ロサは続ける。
「というわけで、なるべく早くフォルガードに行きたいんだ。少しでも安全なところに行きたい。移動ばかりで辛いだろうけど朝食はなしで隣街まで行って、食事を取る。いいかな?」
わたしはもちろんと頷いた。
この頃いっぱいおいしいものを食べさせてもらっていたけど、〝アリの巣〟では朝と夜の二回の配給で、量もちょっぴりだった。
だから食事を抜くぐらいなんてことない。
それにわたしはガーシの馬に乗せてもらうだけだ。
みんなの方がお腹が空いたままで大丈夫なのかと思っちゃう。
あ、もふもふはお腹空いちゃうよね。
わたしは固くなったパンを出して、もふもふに食べるかを尋ねた。もふもふはふるっと体を震わせる。見向きもしない。いらないって言ってるみたいだ。
みんなはテーブルの上のものをまとめている。簡易地図みたいに見えた。
わたしも見せてほしいな。次の休憩の時に頼んでみよう。
離れ離れになってしまっても、落ち合うところを決めていたんだろう。
2時間ぐらい馬を走らせ、何事もなく隣街につくことができた。
食堂に入った。この時間はスープとパンのセットしかなかった。
みんなで貯めたお金は分配したので、自分の分は持っている。でもお金は使えば消えていく。しばらく薬草とりの仕事をしたりはできないだろうから、収入はないってことだ。
……昨日お腹いっぱい食べたから、まだ食べなくても平気だ。
もふもふのご飯をテイクアウトで頼むことにしよう。そしてわたしはお腹が空いてないからと断ろう。
注文しようとすると、
「彼のご飯は、もう注文したよ」
と言われる。
え?
「でも……」
「それから渡すのを忘れていた。情報料だ」
ロサから小さな布袋を渡された。
え?
「他のみんなにも渡しているはずだから」
情報料ってこんなに?
「食事や身の回りのものは必要経費で出すよ。ただ、もう少し遠くに行くまで買い物の時間は取れない。食事はここを出てから次にいつ取れるかわからないから、無理してでも食べてくれるとありがたい」
ロサにそう言われたので、わたしもスープとパンのセットをいただいた。
それにもふもふのご飯の分も、わたしの分もまとめて払ってくれた。必要経費に入れてもらえたみたいだ。ありがたい。
3人がかっこよかったからか、ハムのお皿をサービスしてくれた。
そのハムをもふもふにもらえないかなと思っていると、フランツがもふもふの分はたっぷり持ち帰りで用意してもらっているから、これは食べていいよとわたしの前に置いてくれた。
3人は強いし、フォンタナの戦士も強い。人の数、馬、それからいくつもある隠れ家。情報料としてこれだけをポンと出せる……対バッカスの組織も規模が大きいし、お金があるみたいだ。
夜は野宿になるかもしれなくて、〝アリの巣〟のことをまた話して欲しいと言われる。わたしは知っていることは少ないけどと前置きのあとに請け負った。
それからはまた馬を走らせ続ける。低めの山も駆け抜けたし、森の中に入った。
陽が暮れたので、そこで野宿することになった。
みんな手慣れている。
わたしだけ何をしていいのかわからない。
「何をすればいい?」
「お湯を沸かしておいてくれる?」
そう言われて、セットされた薪の上にお鍋を掲げた。
大きめの丸太を持ってきたガーシが、焚き火の周りに三角形で並べる。椅子として使うのかな。
フランツの持っている、古い獣の皮でできたような袋から、あり得ないくらいのいろいろなものが出てくる。だって袋は高さが30センチもない。それに膨れあがってもいないのに、コップ、お椀、お皿、フォークやスプーン、お箸まで。
その後に湯気を立てた料理まで!
あ、アイテムボックスか!
「フランツのそれはアイテムボックス?」
「あいてむぼっくす?」
フランツが首を傾げる。
あれ、違うのか?
「あいてむぼっくすとはどんなもの?」
「ええと、亜空間にある、箱のこと。時間停止もできる。だって、その袋に入るわけない量のものが入っているし、お料理が湯気を立てているから、そうだと思った」
「私たちは収納袋と呼んでいる」
あ、記憶に引っかかる。
そう呼んでいたかもしれない。
それじゃあアイテムボックスってなんだろう??
「トスカは……テンジモノなのかもしれないね、ナムルが言っていたように」
「展示物? わたしは物じゃないけど」
なぜかムッとした。
「何を思い浮かべたの?」
「え? 展覧会とかに並べる品のことじゃないの?」
アダムとロサは目を合わせている。
50
お気に入りに追加
1,240
あなたにおすすめの小説
アレキサンドライトの憂鬱。
雪月海桜
ファンタジー
桜木愛、二十五歳。王道のトラック事故により転生した先は、剣と魔法のこれまた王道の異世界だった。
アレキサンドライト帝国の公爵令嬢ミア・モルガナイトとして生まれたわたしは、五歳にして自身の属性が限りなく悪役令嬢に近いことを悟ってしまう。
どうせ生まれ変わったなら、悪役令嬢にありがちな処刑や追放バッドエンドは回避したい!
更正生活を送る中、ただひとつ、王道から異なるのが……『悪役令嬢』のライバルポジション『光の聖女』は、わたしの前世のお母さんだった……!?
これは双子の皇子や聖女と共に、皇帝陛下の憂鬱を晴らすべく、各地の異変を解決しに向かうことになったわたしたちの、いろんな形の家族や愛の物語。
★表紙イラスト……rin.rin様より。
男装の皇族姫
shishamo346
ファンタジー
辺境の食糧庫と呼ばれる領地の領主の息子として誕生したアーサーは、実の父、平民の義母、腹違いの義兄と義妹に嫌われていた。
領地では、妖精憑きを嫌う文化があるため、妖精憑きに愛されるアーサーは、領地民からも嫌われていた。
しかし、領地の借金返済のために、アーサーの母は持参金をもって嫁ぎ、アーサーを次期領主とすることを母の生家である男爵家と契約で約束させられていた。
だが、誕生したアーサーは女の子であった。帝国では、跡継ぎは男のみ。そのため、アーサーは男として育てられた。
そして、十年に一度、王都で行われる舞踏会で、アーサーの復讐劇が始まることとなる。
なろうで妖精憑きシリーズの一つとして書いていたものをこちらで投稿しました。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
賢者の幼馴染との中を引き裂かれた無職の少年、真の力をひた隠し、スローライフ? を楽しみます!
織侍紗(@'ω'@)ん?
ファンタジー
ルーチェ村に住む少年アインス。幼い頃両親を亡くしたアインスは幼馴染の少女プラムやその家族たちと仲良く過ごしていた。そして今年で十二歳になるアインスはプラムと共に近くの町にある学園へと通うことになる。
そこではまず初めにこの世界に生きる全ての存在が持つ職位というものを調べるのだが、そこでアインスはこの世界に存在するはずのない無職であるということがわかる。またプラムは賢者だということがわかったため、王都の学園へと離れ離れになってしまう。
その夜、アインスは自身に前世があることを思い出す。アインスは前世で嫌な上司に手柄を奪われ、リストラされたあげく無職となって死んだところを、女神のノリと嫌がらせで無職にさせられた転生者だった。
そして妖精と呼ばれる存在より、自身のことを聞かされる。それは、無職と言うのはこの世界に存在しない職位の為、この世界がアインスに気づくことが出来ない。だから、転生者に対しての調整機構が働かない、という状況だった。
アインスは聞き流す程度でしか話を聞いていなかったが、その力は軽く天災級の魔法を繰り出し、時の流れが遅くなってしまうくらいの亜光速で動き回り、貴重な魔導具を呼吸をするように簡単に創り出すことが出来るほどであった。ただ、争いやその力の希少性が公になることを極端に嫌ったアインスは、そのチート過ぎる能力を全力にバレない方向に使うのである。
これはそんな彼が前世の知識と無職の圧倒的な力を使いながら、仲間たちとスローライフを楽しむ物語である。
以前、掲載していた作品をリメイクしての再掲載です。ちょっと書きたくなったのでちまちま書いていきます。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
惣菜パン無双 〜固いパンしかない異世界で美味しいパンを作りたい〜
甲殻類パエリア
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンだった深海玲司は仕事帰りに雷に打たれて命を落とし、異世界に転生してしまう。
秀でた能力もなく前世と同じ平凡な男、「レイ」としてのんびり生きるつもりが、彼には一つだけ我慢ならないことがあった。
——パンである。
異世界のパンは固くて味気のない、スープに浸さなければ食べられないものばかりで、それを主食として食べなければならない生活にうんざりしていた。
というのも、レイの前世は平凡ながら無類のパン好きだったのである。パン好きと言っても高級なパンを買って食べるわけではなく、さまざまな「菓子パン」や「惣菜パン」を自ら作り上げ、一人ひっそりとそれを食べることが至上の喜びだったのである。
そんな前世を持つレイが固くて味気ないパンしかない世界に耐えられるはずもなく、美味しいパンを求めて生まれ育った村から旅立つことに——。
断罪現場に遭遇したので悪役令嬢を擁護してみました
ララ
恋愛
3話完結です。
大好きなゲーム世界のモブですらない人に転生した主人公。
それでも直接この目でゲームの世界を見たくてゲームの舞台に留学する。
そこで見たのはまさにゲームの世界。
主人公も攻略対象も悪役令嬢も揃っている。
そしてゲームは終盤へ。
最後のイベントといえば断罪。
悪役令嬢が断罪されてハッピーエンド。
でもおかしいじゃない?
このゲームは悪役令嬢が大したこともしていないのに断罪されてしまう。
ゲームとしてなら多少無理のある設定でも楽しめたけど現実でもこうなるとねぇ。
納得いかない。
それなら私が悪役令嬢を擁護してもいいかしら?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる