449 / 849
11章 学園祭
第449話 直球
しおりを挟む
着替えて更衣室から出ると、外で待っていたのはアラ兄ではなく、機嫌悪そうなロビ兄と、対照的に機嫌のすこぶるいい将軍孫だった。
もふさまと顔を見合わせる。
どう話が決着づいたのかわからないけれど、ロビ兄と将軍孫とわたしは、これから一緒に過ごさないといけないようだ。カゴチ将軍孫だけど、父さまから危険はないと判断されたってことだろう。
「劇は甘い考えだとは思うが、作り手の考えはわかったよ。途中で口を挟んで悪かったな。でもあのまま〝勇者〟の決断のままに終わると思ったんだ」
当たり、と心の中で思った。
「そちらは裏のテーマでしたので、納得されない方が出なければ、伝えはしませんでした。表のテーマで楽しんでいただけるので十分ですので」
内情を伝えれば、そういうことかとすんなりと頷いた。
「わたしは平民ではありませんので、ガゴチさまの思惑から外れると思いますが、本当にわたしと過ごされますの?」
「ああ、もちろん。妖精の宝は俺がもらったからな」
まったくどんなシンキングタイムでそんな話になるんだ。
「聖女候補誘拐事件」
将軍孫がいうから、わたしはキッと少年を見た。
「それにシュタイン嬢は巻き込まれたんだよな? 我が国の者も加担者がいたと聞いた。それについては、心より謝罪申し上げる。申し訳ない。我が国でも総力をあげて関わったものを探している」
その首謀者があなたのお爺さんなんじゃないの?と言えないのが腹立たしい。
「……ご存知でしたか。わたしたち、とても怖い思いをしました。そこであなたの国の話を聞きました。正直に言いますと、あなたの国が怖いです。だからあなたと過ごすことが、わたしは怖いです」
「直球だな」
何でそこで笑えるの?
「何で笑うんだって顔だな。やっぱりシュタイン嬢は面白いって思ったからだ。聖女候補のカートライト令嬢も、第1王子の婚約者のメロディー令嬢も、対外的な言葉で繕って断ってきたのにさ」
わたしだって強制的でないお誘いだったら、同じように対外的に断ったさ。異性なら、伝手がなければ断わるのが一般的だし。
「約束するよ、シュタイン嬢に危害は加えない。一切触れるなとも言われているしね。何もしないよ。異国の地の学園祭、ひとりで回るのも味気ない。付き合ってくれよ。妖精の宝は絶対に願い事を叶えるんだろ?」
「当番がありますから、そんなに回れませんよ」
「いいよ」
人目があるところで、何かするわけはないか。もふさまも全く警戒してない。
『リディア、いい匂いがするぞ』
もふさまに言われて意識したが、いい匂い?
もふさまが少し走って振り返る。
本物の犬みたいだ。
「では、まず、あちらに」
何だかわからないけど、もふさまについて行ってみよう。
「ロビ兄?」
距離を置いて後ろについてくるロビ兄に声をかける。
「おれのことは気にするな」
いや、気になるよ。
「一緒に行こうよ」
「はは、俺は構わないぞ」
ロビ兄の手を引く。
あ、もろこしの焦げる匂い。野菜好き同好会のやっているモロコシ屋だ。
いい匂いがしているのに誰も並んでない。
もふさまがワンワンと吠えた。
鉄板の上で黄色いモロコシがいい具合に焼けている。
「甘味たっぷりのモロコシです!」
みんな食べるというので4本お願いした。
涙目でありがたがられる。
熱々のをワセランより強度がある厚紙みたいなので巻いて、渡してくれた。
早速アムっと齧る。
コーンだ。あましょっぱくておいしい!
「まぁ、大口開けてはしたない」
ああ、原因はそれか。
モロコシを齧るのは、お嬢さまには敷居が高いか。串焼きも女子はほとんどいなかった。同じ立ち食いでもお菓子になればイケるらしい。その境界線はわかるような、わからないような。
将軍孫は大きく口を開いてガブリとやり、おいしそうに咀嚼している。
もふさまは……芯まで丸ごと食べている。ワイルド!
「ロビン、リディア嬢!」
ロサだ。
両手でモロコシを持っているので、どうにもならない。置くという選択肢は考えられず、わたしはなんとなく頭を下げた。
ロビ兄も簡素な礼をした。
「おいしそうだな、私も食べよう」
ロサ殿下自ら屋台でモロコシを買い込んできて、立ったまま大きく口を開けた。
「これは甘くてしょっぱくて〝うまい〟な」
いい匂いだったし、気にはなっていたんだろう。王子殿下のロサがパクついたことで弾みがついたようだ。パラパラと人が並び出す。
野菜好き同好会、大喜びだ。
「ロサ……殿下、おひとりなんですか?」
尋ねれば、
「フランツと一緒に劇を観たんだ。勇者にはなり損なったけど」
とチラリと将軍孫を見た。
「あと、聞いたんだけど、義弟が〝クレープ屋〟で突っかかったって? 申し訳なかった」
「劇に参加してくださったあのお方は、第3王子さまですか?」
「ああ、バンプーだ。根は素直で悪い奴ではないんだが、それゆえに周りに担がれやすい」
素直そうだね。それに劇中にわたしが足をかけられたのも見過ごせないようだった。正義感があるってことだものね。
「ユオブリアの王族はいち貴族にもずいぶん親しげなんですね」
「君ほどではないと思うけどね」
ロサは将軍孫を知ってるの?
「お初にお目にかかると思いますが?」
ロサはニヤリと笑った。
「お会いしたことはありませんが、お噂はかねがね」
「ガイン・キャベル・ガゴチです」
将軍孫は胸の前で左手をパーにして、右手の拳を左手の掌に叩きつけた。そして黙礼する。ガゴチの礼なのだろう。
ロサは片手を胸に置き、軽く目を瞑った。
「ブレド・ロサ・ミューア・トセ・ユオブリアだ」
なんか静かな火花が散っている気がする。わたしはモシュモシュとモロコシを食べ続けていた。みんな食べ終わるのが早い。
「俺は異国の者ですからこちらに知人がいないのは当然として、殿下はひとりで回られているのですね?」
「仲間はたまたま当番でね。そうだ、リディア嬢、一緒にまわってもいいかい? あ、劇の中の〝願い〟を叶えている最中なんだっけ? それなら君に聞くべきかな?」
「リディア嬢が良ければいいですよ?」
と微笑んだ。
ご馳走さまをして歩き出す。
将軍孫にどのあたりをまわったのかを聞く。
展示はあまり見ていないようなので、近いところから入ってみることにした。
もふさまと顔を見合わせる。
どう話が決着づいたのかわからないけれど、ロビ兄と将軍孫とわたしは、これから一緒に過ごさないといけないようだ。カゴチ将軍孫だけど、父さまから危険はないと判断されたってことだろう。
「劇は甘い考えだとは思うが、作り手の考えはわかったよ。途中で口を挟んで悪かったな。でもあのまま〝勇者〟の決断のままに終わると思ったんだ」
当たり、と心の中で思った。
「そちらは裏のテーマでしたので、納得されない方が出なければ、伝えはしませんでした。表のテーマで楽しんでいただけるので十分ですので」
内情を伝えれば、そういうことかとすんなりと頷いた。
「わたしは平民ではありませんので、ガゴチさまの思惑から外れると思いますが、本当にわたしと過ごされますの?」
「ああ、もちろん。妖精の宝は俺がもらったからな」
まったくどんなシンキングタイムでそんな話になるんだ。
「聖女候補誘拐事件」
将軍孫がいうから、わたしはキッと少年を見た。
「それにシュタイン嬢は巻き込まれたんだよな? 我が国の者も加担者がいたと聞いた。それについては、心より謝罪申し上げる。申し訳ない。我が国でも総力をあげて関わったものを探している」
その首謀者があなたのお爺さんなんじゃないの?と言えないのが腹立たしい。
「……ご存知でしたか。わたしたち、とても怖い思いをしました。そこであなたの国の話を聞きました。正直に言いますと、あなたの国が怖いです。だからあなたと過ごすことが、わたしは怖いです」
「直球だな」
何でそこで笑えるの?
「何で笑うんだって顔だな。やっぱりシュタイン嬢は面白いって思ったからだ。聖女候補のカートライト令嬢も、第1王子の婚約者のメロディー令嬢も、対外的な言葉で繕って断ってきたのにさ」
わたしだって強制的でないお誘いだったら、同じように対外的に断ったさ。異性なら、伝手がなければ断わるのが一般的だし。
「約束するよ、シュタイン嬢に危害は加えない。一切触れるなとも言われているしね。何もしないよ。異国の地の学園祭、ひとりで回るのも味気ない。付き合ってくれよ。妖精の宝は絶対に願い事を叶えるんだろ?」
「当番がありますから、そんなに回れませんよ」
「いいよ」
人目があるところで、何かするわけはないか。もふさまも全く警戒してない。
『リディア、いい匂いがするぞ』
もふさまに言われて意識したが、いい匂い?
もふさまが少し走って振り返る。
本物の犬みたいだ。
「では、まず、あちらに」
何だかわからないけど、もふさまについて行ってみよう。
「ロビ兄?」
距離を置いて後ろについてくるロビ兄に声をかける。
「おれのことは気にするな」
いや、気になるよ。
「一緒に行こうよ」
「はは、俺は構わないぞ」
ロビ兄の手を引く。
あ、もろこしの焦げる匂い。野菜好き同好会のやっているモロコシ屋だ。
いい匂いがしているのに誰も並んでない。
もふさまがワンワンと吠えた。
鉄板の上で黄色いモロコシがいい具合に焼けている。
「甘味たっぷりのモロコシです!」
みんな食べるというので4本お願いした。
涙目でありがたがられる。
熱々のをワセランより強度がある厚紙みたいなので巻いて、渡してくれた。
早速アムっと齧る。
コーンだ。あましょっぱくておいしい!
「まぁ、大口開けてはしたない」
ああ、原因はそれか。
モロコシを齧るのは、お嬢さまには敷居が高いか。串焼きも女子はほとんどいなかった。同じ立ち食いでもお菓子になればイケるらしい。その境界線はわかるような、わからないような。
将軍孫は大きく口を開いてガブリとやり、おいしそうに咀嚼している。
もふさまは……芯まで丸ごと食べている。ワイルド!
「ロビン、リディア嬢!」
ロサだ。
両手でモロコシを持っているので、どうにもならない。置くという選択肢は考えられず、わたしはなんとなく頭を下げた。
ロビ兄も簡素な礼をした。
「おいしそうだな、私も食べよう」
ロサ殿下自ら屋台でモロコシを買い込んできて、立ったまま大きく口を開けた。
「これは甘くてしょっぱくて〝うまい〟な」
いい匂いだったし、気にはなっていたんだろう。王子殿下のロサがパクついたことで弾みがついたようだ。パラパラと人が並び出す。
野菜好き同好会、大喜びだ。
「ロサ……殿下、おひとりなんですか?」
尋ねれば、
「フランツと一緒に劇を観たんだ。勇者にはなり損なったけど」
とチラリと将軍孫を見た。
「あと、聞いたんだけど、義弟が〝クレープ屋〟で突っかかったって? 申し訳なかった」
「劇に参加してくださったあのお方は、第3王子さまですか?」
「ああ、バンプーだ。根は素直で悪い奴ではないんだが、それゆえに周りに担がれやすい」
素直そうだね。それに劇中にわたしが足をかけられたのも見過ごせないようだった。正義感があるってことだものね。
「ユオブリアの王族はいち貴族にもずいぶん親しげなんですね」
「君ほどではないと思うけどね」
ロサは将軍孫を知ってるの?
「お初にお目にかかると思いますが?」
ロサはニヤリと笑った。
「お会いしたことはありませんが、お噂はかねがね」
「ガイン・キャベル・ガゴチです」
将軍孫は胸の前で左手をパーにして、右手の拳を左手の掌に叩きつけた。そして黙礼する。ガゴチの礼なのだろう。
ロサは片手を胸に置き、軽く目を瞑った。
「ブレド・ロサ・ミューア・トセ・ユオブリアだ」
なんか静かな火花が散っている気がする。わたしはモシュモシュとモロコシを食べ続けていた。みんな食べ終わるのが早い。
「俺は異国の者ですからこちらに知人がいないのは当然として、殿下はひとりで回られているのですね?」
「仲間はたまたま当番でね。そうだ、リディア嬢、一緒にまわってもいいかい? あ、劇の中の〝願い〟を叶えている最中なんだっけ? それなら君に聞くべきかな?」
「リディア嬢が良ければいいですよ?」
と微笑んだ。
ご馳走さまをして歩き出す。
将軍孫にどのあたりをまわったのかを聞く。
展示はあまり見ていないようなので、近いところから入ってみることにした。
94
お気に入りに追加
1,264
あなたにおすすめの小説
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
デッドエンド済み負け犬令嬢、隣国で冒険者にジョブチェンジします
古森真朝
ファンタジー
乙女ゲームなのに、大河ドラマも真っ青の重厚シナリオが話題の『エトワール・クロニクル』(通称エトクロ)。友人から勧められてあっさりハマった『わたし』は、気の毒すぎるライバル令嬢が救われるエンディングを探して延々とやり込みを続けていた……が、なぜか気が付いたらキャラクター本人に憑依トリップしてしまう。
しかも時間軸は、ライバルが婚約破棄&追放&死亡というエンディングを迎えた後。馬車ごと崖から落ちたところを、たまたま通りがかった冒険者たちに助けられたらしい。家なし、資金なし、ついでに得意だったはずの魔法はほぼすべて使用不可能。そんな状況を見かねた若手冒険者チームのリーダー・ショウに勧められ、ひとまず名前をイブマリーと改めて近くの町まで行ってみることになる。
しかしそんな中、道すがらに出くわしたモンスターとの戦闘にて、唯一残っていた生得魔法【ギフト】が思いがけない万能っぷりを発揮。ついでに神話級のレア幻獣になつかれたり、解けないはずの呪いを解いてしまったりと珍道中を続ける中、追放されてきた実家の方から何やら陰謀の気配が漂ってきて――
「もうわたし、理不尽はコリゴリだから! 楽しい余生のジャマするんなら、覚悟してもらいましょうか!!」
長すぎる余生、というか異世界ライフを、自由に楽しく過ごせるか。元・負け犬令嬢第二の人生の幕が、いま切って落とされた!
※エブリスタ様、カクヨム様、小説になろう様で並行連載中です。皆様の応援のおかげで第一部を書き切り、第二部に突入いたしました!
引き続き楽しんでいただけるように努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします!
女性として見れない私は、もう不要な様です〜俺の事は忘れて幸せになって欲しい。と言われたのでそうする事にした結果〜
流雲青人
恋愛
子爵令嬢のプレセアは目の前に広がる光景に静かに涙を零した。
偶然にも居合わせてしまったのだ。
学園の裏庭で、婚約者がプレセアの友人へと告白している場面に。
そして後日、婚約者に呼び出され告げられた。
「君を女性として見ることが出来ない」
幼馴染であり、共に過ごして来た時間はとても長い。
その中でどうやら彼はプレセアを友人以上として見れなくなってしまったらしい。
「俺の事は忘れて幸せになって欲しい。君は幸せになるべき人だから」
大切な二人だからこそ、清く身を引いて、大好きな人と友人の恋を応援したい。
そう思っている筈なのに、恋心がその気持ちを邪魔してきて...。
※
ゆるふわ設定です。
完結しました。
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
公爵夫人アリアの華麗なるダブルワーク〜秘密の隠し部屋からお届けいたします〜
白猫
恋愛
主人公アリアとディカルト公爵家の当主であるルドルフは、政略結婚により結ばれた典型的な貴族の夫婦だった。 がしかし、5年ぶりに戦地から戻ったルドルフは敗戦国である隣国の平民イザベラを連れ帰る。城に戻ったルドルフからは目すら合わせてもらえないまま、本邸と別邸にわかれた別居生活が始まる。愛人なのかすら教えてもらえない女性の存在、そのイザベラから無駄に意識されるうちに、アリアは面倒臭さに頭を抱えるようになる。ある日、侍女から語られたイザベラに関する「推測」をきっかけに物語は大きく動き出す。 暗闇しかないトンネルのような現状から抜け出すには、ルドルフと離婚し公爵令嬢に戻るしかないと思っていたアリアだが、その「推測」にひと握りの可能性を見出したのだ。そして公爵邸にいながら自分を磨き、リスキリングに挑戦する。とにかく今あるものを使って、できるだけ抵抗しよう!そんなアリアを待っていたのは、思わぬ新しい人生と想像を上回る幸福であった。公爵夫人の反撃と挑戦の狼煙、いまここに高く打ち上げます!
➡️登場人物、国、背景など全て架空の100%フィクションです。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる