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7章 闘います、勝ち取るまでは
第304話 聖女候補誘拐事件④子供の王国
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「注意事項です」
もう布を取って大丈夫と言われ、布を取り思いきり息を吸った。わたしたちを椅子に座らせて開口一番にそう言った。
この辺りには街などもなく、逃げ出しても迷うだけで、港にたどり着く前に死ぬのがオチだと言われる。
また、言葉の鎖だ。
「飛び出されてもいいことはないので教えたまでです。どなたかが聖女の力を得られた時には、その奇跡の力をお貸しください。それが終わりましたら、おふたりは元の場所へ返して差し上げます」
「ふたり?」
「はい、ひとりだけ、残っていただきます。誰が残るかは3人で決めてくださってけっこうですよ」
飴と鞭の使い分けが絶妙だ。説明をこの時まで伸ばしたのも、手の内だったのかもしれない。拐われたにしては危機感がないから、人はそれだけでも安堵する。
「聖女候補と言われていますが、聖女としての力が授かる時が生きているうちにあるか、誰にもわかりませんのよ?」
「そういう話もありますね。けれど、どなたかは聖女の力を開花されるでしょう、近いうちに」
「どうしてわかるの?」
「ここは神聖国。聖霊がここ数年騒がしくしています。主のお帰りが分かるのでしょう」
「精霊とは?」
「聖女候補は、聖霊のことを聞いていないのですか?」
「どういうことです?」
「神殿も秘匿しているのですね」
誘拐犯1は唇を噛みしめた。
精霊とは? 神聖国とは?と尋ねたけれど、〝いずれわかるでしょう、聖女になら〟と言う。〝わたしは聖女ではないからわからないので説明を〟と言ったけど無視された。
では誰かが聖女となった場合、力を貸すってどういうことかと聞いてみた。
聖女の力が発現すれば、女神の力が宿り神聖国の証が光り輝く。特にすることがあるわけでなく、聖女の力が発現すればいいとのことだ。
「女神の力とは?」
ユーハン嬢が尋ねた。
「聖女とは女神さまの力を注がれる存在。そんなことも知らないのですか? 聖女候補なのに?」
怒ったような視線を向けてきた。聖女と女神さまの関係を知っている。
嘯《うそぶ》いているのではないってこと?
「聖女の力が発現すればいいだけなら、どこにいてもいいですよね? わざわざここに連れてきた理由は?」
尋ねると、誘拐犯は睨めつけてくる。
「証に触っていただく必要がある。聖女になられたら、守りが徹底し、証を近づけることはできないでしょう。神殿も秘密にしているようですしね。ですから、候補の今、お連れしたのです。聖女はユオブリアのものではない。神聖国にあるべきお方なのです」
「それ、あなたの考えですわよね? 私たちの意思はどうなりますの?」
ユーハン嬢が苛立ちを隠せないように言う。
「聖女の力に目覚めればわかるでしょう。証がなければ力を自由に使えないのです。ただ生命力を削るだけになります。聖女のためでもあるのです」
その時ざわざわして、誘拐犯2が現れた。
「誰も弾かれなかったとは恐れ入るね。ソラ姫もか? 石を持たなくても?」
「ええ」
誘拐犯1が答える。訝しむと、誘拐犯2は小さなメダルのような平べったく見えた何かを放り投げて手のひらで掴んだ。
「聖霊の力を持たない者は、この地には入れない。末裔でない俺はこうして証の欠片を持つんですよ。でないと出入りができない」
この人は他の人たちみたいに浅黒い肌じゃないものね。
「もし私が聖女だった場合、聖女になった時には証とやらに触れることをお約束します。ですから、解放してください」
「あたしもそうします! ですから、返して!」
「口ではなんとでも言えます。仮にあなた方がそうしようと思っても周りが止めるでしょう」
少しの哀しみをのせて誘拐犯1が言う。
「解放してくれないのなら、私は聖女となっても証とやらに触れません」
「あたしもです!」
誘拐犯たちは含み笑い。
「触れるだけで意識がなくても問題ありませんので」
「あんたは? なんか言いたいことはないのか?」
2に話を振られる。
「わたしは聖女候補ではありません。解放していただきたいですね」
「そりゃ無理な相談だ」
なら、聞くなよ。わたしが言いたいことなんて一つに決まってるじゃんか。
「この地を囲むのは何もない荒れ果てた地です。地図を持っていなければ港にも街にも行き着けません。地図を持っていても熟知していなければ砂嵐で方角がわからなくなるようです。その辺でも骨がゴロゴロしているので、嘘ではないとわかるでしょう」
「子供しか見当たりませんね。大人は?」
窓から見えるのは、船にいた子供たちが何やら運んでいる様子だ。大人が見えない。
「姫さまたちの世話役につけるババさまたち数人です。ここは子供だけの国のようなものです」
子供だけ?
「意志に反してお連れしているわけですから、貴族のお姫さまには辛いかもしれませんが、なるべく負担のかからない生活をしていただくつもりです。指示にさえ従ってくだされば」
「いつまでですか?」
アイリス嬢が感情的にテーブルをバンと叩いて言った。
「それは……」
「聖女になるまで? そんないつ訪れるかわからない時を、ここに閉じ込められて待てというのですか?」
アイリス嬢の瞳に涙がたまっている。
「早く帰りたいなら、聖女になっちまえばいいんだ」
聖女というのがなろうと思ってなれるもんなら、いっぱいの聖女が爆誕していると思う。
「聖女になった者に決定権をやるから、帰るなり、ここで暮らすなり好きにすればいい。証のことは話したか?」
誘拐犯1が頷くと、2はまた話だす。
「証がなけりゃ、命が削られる。一度力を使えばそれがわかり、ここにいたくなるだろうけどな。ひとりだけ、この地に残ってもらう。聖女が帰るというなら、残りのふたりで相談して決めるんだな、どちらが帰るか」
いろいろと大雑把で穴だらけなのに、心理戦は巧妙だ。
誰が残るかをこちら側に決めさせることによって、微妙に矛先を誘拐犯から仲間内へとずらしている。
子供だけで、このふたりだけで、この計画を立てられるわけがない。バックに誰かいる。わたしたち3人を拐えたことも驚きだ。今までいくら聖樹さまに任せきりで危機感が乏しかったとしても、それなりに警備はしていたはずだ。ロサ王子がいるから、他国から人が来るときはそれなりに警備も増えていた。二人ともそれぞれの寮にいたというから別々の場所にいたのだ。その3人を拐って、持ち物をさっさと処分し着替えさせ、バカ高い魔力遮断の魔具をつける。その魔具を買ったからお金がないということも考えられるけど、でも、拐った人数といい、金銭面といい、このふたりだけじゃ無理だ。それに気づいたとわかったら、もっと巧妙に隠される? 気づいているとわからないように探れないかな……。
「ひとつ、欲しいものがあります」
ユーハン嬢の冷静な声がして、誘拐犯1は頷いた。
「なんでしょう?」
「この娘の胸当てです」
とわたしの肩に手を乗せる。
わたしの胸当て? 着替えさせられた時に胸当ても取られたようだった。ワンピースの中は下の下着のみだが、それを誘拐犯にぶちまけなくても!
誘拐犯たちの視線がわたしの胸に定まり、カッと顔に熱が集まる。
「ユーハン嬢、なんてことを言うんです?」
揺さぶるとその手を彼女に押さえられる。
「いくら微かでも女の子でしてよ。その上、あなたこの子を何度も抱えていましたでしょう?」
ユーハン嬢がチラリと誘拐犯1に目をやる。
「なっ、僕はそんな不埒な考えは!」
「では、用意してくださいませ。私あと数日で月の日になりますの。その用意もお願いしますね。カートライト嬢とシュタイン嬢もひと月以内には訪れますわ。ひと月に一度やってきますのよ。おわかりかしら? 贅沢はいいませんけど、いろいろと我慢しております。最低限のことはしてください。それから食事は自炊しますので、材料をください」
「む、胸当てはすぐに買ってこられると思うが、その月の日の用意は……」
「ババさまに聞けば用意するものもわかる」
誘拐犯2が助言している。
「女性を拐うにしては考えが足りていませんね。それとも長くここにいる予定ではないのかしら?」
誘拐犯2がユーハン嬢を微かに睨んだ。
誘拐犯たちは手配がどうのこうの言って階段を降りて行った。
「わたしをダシにしましたね?」
「あら、ごめんなさいね。慌てさせた方がボロを出すと思ったの」
「ど、どういうこと?」
アイリス嬢はわたしとユーハン嬢の顔を見比べた。
もう布を取って大丈夫と言われ、布を取り思いきり息を吸った。わたしたちを椅子に座らせて開口一番にそう言った。
この辺りには街などもなく、逃げ出しても迷うだけで、港にたどり着く前に死ぬのがオチだと言われる。
また、言葉の鎖だ。
「飛び出されてもいいことはないので教えたまでです。どなたかが聖女の力を得られた時には、その奇跡の力をお貸しください。それが終わりましたら、おふたりは元の場所へ返して差し上げます」
「ふたり?」
「はい、ひとりだけ、残っていただきます。誰が残るかは3人で決めてくださってけっこうですよ」
飴と鞭の使い分けが絶妙だ。説明をこの時まで伸ばしたのも、手の内だったのかもしれない。拐われたにしては危機感がないから、人はそれだけでも安堵する。
「聖女候補と言われていますが、聖女としての力が授かる時が生きているうちにあるか、誰にもわかりませんのよ?」
「そういう話もありますね。けれど、どなたかは聖女の力を開花されるでしょう、近いうちに」
「どうしてわかるの?」
「ここは神聖国。聖霊がここ数年騒がしくしています。主のお帰りが分かるのでしょう」
「精霊とは?」
「聖女候補は、聖霊のことを聞いていないのですか?」
「どういうことです?」
「神殿も秘匿しているのですね」
誘拐犯1は唇を噛みしめた。
精霊とは? 神聖国とは?と尋ねたけれど、〝いずれわかるでしょう、聖女になら〟と言う。〝わたしは聖女ではないからわからないので説明を〟と言ったけど無視された。
では誰かが聖女となった場合、力を貸すってどういうことかと聞いてみた。
聖女の力が発現すれば、女神の力が宿り神聖国の証が光り輝く。特にすることがあるわけでなく、聖女の力が発現すればいいとのことだ。
「女神の力とは?」
ユーハン嬢が尋ねた。
「聖女とは女神さまの力を注がれる存在。そんなことも知らないのですか? 聖女候補なのに?」
怒ったような視線を向けてきた。聖女と女神さまの関係を知っている。
嘯《うそぶ》いているのではないってこと?
「聖女の力が発現すればいいだけなら、どこにいてもいいですよね? わざわざここに連れてきた理由は?」
尋ねると、誘拐犯は睨めつけてくる。
「証に触っていただく必要がある。聖女になられたら、守りが徹底し、証を近づけることはできないでしょう。神殿も秘密にしているようですしね。ですから、候補の今、お連れしたのです。聖女はユオブリアのものではない。神聖国にあるべきお方なのです」
「それ、あなたの考えですわよね? 私たちの意思はどうなりますの?」
ユーハン嬢が苛立ちを隠せないように言う。
「聖女の力に目覚めればわかるでしょう。証がなければ力を自由に使えないのです。ただ生命力を削るだけになります。聖女のためでもあるのです」
その時ざわざわして、誘拐犯2が現れた。
「誰も弾かれなかったとは恐れ入るね。ソラ姫もか? 石を持たなくても?」
「ええ」
誘拐犯1が答える。訝しむと、誘拐犯2は小さなメダルのような平べったく見えた何かを放り投げて手のひらで掴んだ。
「聖霊の力を持たない者は、この地には入れない。末裔でない俺はこうして証の欠片を持つんですよ。でないと出入りができない」
この人は他の人たちみたいに浅黒い肌じゃないものね。
「もし私が聖女だった場合、聖女になった時には証とやらに触れることをお約束します。ですから、解放してください」
「あたしもそうします! ですから、返して!」
「口ではなんとでも言えます。仮にあなた方がそうしようと思っても周りが止めるでしょう」
少しの哀しみをのせて誘拐犯1が言う。
「解放してくれないのなら、私は聖女となっても証とやらに触れません」
「あたしもです!」
誘拐犯たちは含み笑い。
「触れるだけで意識がなくても問題ありませんので」
「あんたは? なんか言いたいことはないのか?」
2に話を振られる。
「わたしは聖女候補ではありません。解放していただきたいですね」
「そりゃ無理な相談だ」
なら、聞くなよ。わたしが言いたいことなんて一つに決まってるじゃんか。
「この地を囲むのは何もない荒れ果てた地です。地図を持っていなければ港にも街にも行き着けません。地図を持っていても熟知していなければ砂嵐で方角がわからなくなるようです。その辺でも骨がゴロゴロしているので、嘘ではないとわかるでしょう」
「子供しか見当たりませんね。大人は?」
窓から見えるのは、船にいた子供たちが何やら運んでいる様子だ。大人が見えない。
「姫さまたちの世話役につけるババさまたち数人です。ここは子供だけの国のようなものです」
子供だけ?
「意志に反してお連れしているわけですから、貴族のお姫さまには辛いかもしれませんが、なるべく負担のかからない生活をしていただくつもりです。指示にさえ従ってくだされば」
「いつまでですか?」
アイリス嬢が感情的にテーブルをバンと叩いて言った。
「それは……」
「聖女になるまで? そんないつ訪れるかわからない時を、ここに閉じ込められて待てというのですか?」
アイリス嬢の瞳に涙がたまっている。
「早く帰りたいなら、聖女になっちまえばいいんだ」
聖女というのがなろうと思ってなれるもんなら、いっぱいの聖女が爆誕していると思う。
「聖女になった者に決定権をやるから、帰るなり、ここで暮らすなり好きにすればいい。証のことは話したか?」
誘拐犯1が頷くと、2はまた話だす。
「証がなけりゃ、命が削られる。一度力を使えばそれがわかり、ここにいたくなるだろうけどな。ひとりだけ、この地に残ってもらう。聖女が帰るというなら、残りのふたりで相談して決めるんだな、どちらが帰るか」
いろいろと大雑把で穴だらけなのに、心理戦は巧妙だ。
誰が残るかをこちら側に決めさせることによって、微妙に矛先を誘拐犯から仲間内へとずらしている。
子供だけで、このふたりだけで、この計画を立てられるわけがない。バックに誰かいる。わたしたち3人を拐えたことも驚きだ。今までいくら聖樹さまに任せきりで危機感が乏しかったとしても、それなりに警備はしていたはずだ。ロサ王子がいるから、他国から人が来るときはそれなりに警備も増えていた。二人ともそれぞれの寮にいたというから別々の場所にいたのだ。その3人を拐って、持ち物をさっさと処分し着替えさせ、バカ高い魔力遮断の魔具をつける。その魔具を買ったからお金がないということも考えられるけど、でも、拐った人数といい、金銭面といい、このふたりだけじゃ無理だ。それに気づいたとわかったら、もっと巧妙に隠される? 気づいているとわからないように探れないかな……。
「ひとつ、欲しいものがあります」
ユーハン嬢の冷静な声がして、誘拐犯1は頷いた。
「なんでしょう?」
「この娘の胸当てです」
とわたしの肩に手を乗せる。
わたしの胸当て? 着替えさせられた時に胸当ても取られたようだった。ワンピースの中は下の下着のみだが、それを誘拐犯にぶちまけなくても!
誘拐犯たちの視線がわたしの胸に定まり、カッと顔に熱が集まる。
「ユーハン嬢、なんてことを言うんです?」
揺さぶるとその手を彼女に押さえられる。
「いくら微かでも女の子でしてよ。その上、あなたこの子を何度も抱えていましたでしょう?」
ユーハン嬢がチラリと誘拐犯1に目をやる。
「なっ、僕はそんな不埒な考えは!」
「では、用意してくださいませ。私あと数日で月の日になりますの。その用意もお願いしますね。カートライト嬢とシュタイン嬢もひと月以内には訪れますわ。ひと月に一度やってきますのよ。おわかりかしら? 贅沢はいいませんけど、いろいろと我慢しております。最低限のことはしてください。それから食事は自炊しますので、材料をください」
「む、胸当てはすぐに買ってこられると思うが、その月の日の用意は……」
「ババさまに聞けば用意するものもわかる」
誘拐犯2が助言している。
「女性を拐うにしては考えが足りていませんね。それとも長くここにいる予定ではないのかしら?」
誘拐犯2がユーハン嬢を微かに睨んだ。
誘拐犯たちは手配がどうのこうの言って階段を降りて行った。
「わたしをダシにしましたね?」
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アイリス嬢はわたしとユーハン嬢の顔を見比べた。
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