愛弟日記4

けい兄たん

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4-207 『ロマンス』

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4-207 『ロマンス』

10月初旬の大雨の日〕

愛弟:   兄さんは雨の日は

ショパンの「雨だれ」を

聴くのが好きらしいけど

僕はブラームスの「ピアノのための6つの小品」の
Op.118-5  『ロマンス』が好きなんだぁ

俺:   ニヤッ 笑顔

俺もそれ聴く、リクエスト❤️

愛弟ちゃんはにこっと微笑むとレコーダで

『ロマンス』を連続再生し始めた〕

しばらくして〕

愛弟:   兄さん…

俺:   うん?

愛弟:   家の屋根に落ちる雨音って山鳩の鳴き声に似てない?

俺:   うん、ちょっとね

愛弟:   山鳩ちゃんたちも今日は巣の中でずっと過ごしているのかなぁ……

俺:   さぁ、どうだか

クス、微笑

ションたんはロマンチックだなぁ

愛弟:   えへへ 笑顔

俺:   子供の頃見た日本アニメに『ムーミン』があったけど、

スナフキンは冬が近づくとムーミンたちが住むムーミン谷(だに)を離れて南方の方へ旅を始めるんだよ

彼はムーミンを愛しているからきっとつらいだろうなぁ…

俺は思わずつばきをごくりと飲んだ

愛弟:   兄さんはどこにも行かないね?
心配そうな声で聞く愛弟ちゃん〕

ブラームスの『ロマンス』がレコーダから部屋に流れていた

そして部屋の屋根の雨音と重なって聞こえていた

俺:   行かないよ

ションたんから離れないさ

にこにこ笑顔

愛弟:   兄さん❤️

ぱあぁぁぁっと笑顔の愛弟ちゃん〕

そして彼は俺に抱きついてきた ガシッと

彼のカラダを受け止める俺

ふたり:   見つめ合う

笑顔

愛弟:   にいちゃんは僕のモノ❤️

僕はにいちゃんのモノ

ふたり:   見つめ合う

部屋に静謐(せいひつ)な

ブラームスの曲、『ロマンス』が流れていた

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