20 / 45
わたし、魔法少女らしくやれてますか(わたしはこんな感じでいいと思います)
しおりを挟む
わたしは、ワクワクしながらふり返る。
期待を込めて、ふり返る。
そしてふり返って、やっぱりいつもどおりに期待がはずれことにガッカリする。
うんざりしてきて、こころが萎える。
せっかくワクワクしてたのに。
もっと愉しめたらいいのになーなんて、そんなふうに思ってたのに。
思ってただけだから。
だから、裏切られたなんて思ってない。
ただ、外れただけ。
思ってたとおりに、いかなかっただけ。
いつもどおりに。
別に、わたしの感覚を、信じてなかったわけじゃない。
もちろん、教えてくたエグイアスを、疑ったりするわけない。
それでもちょっと、ほんのちょっとだけ、違うといいいなと思ってた。
期待を込めて、思ってた。
でも、自分の目で見たものが世界のすべて。
それが現実。そこが現実。
ないものねだりは、虚しいだけで意味がない。
それどころか、哀ししくなるだけで実がない。
それじゃあ、お腹はふくれない。
ここにはないものをどれだけ求めても、手に入ることは絶対ない。
ここじゃないところにあるものをいくら欲しても、見つかることは決してない。
それを、わたしはよく知っている。
骨身にしみて、知っている。
骨の髄まで、味わったから。
嫌だと言っても、教え込まれたから。
母がまだ、生きていたころに。
わたしと一緒に、生きていたころに。
だからわたしは、嫌というほどわかってる。
それに、この状況は悪いことじゃないし、間違ってることでもない。
むしろ、感覚どおり、教えてくれたとおりなんだから。
合ってるし、良いことなんだから。
ホントなら、喜んでれば、いいだけなのに。
納得すれば、それで済むんだから。
不平も不満も、ましてや文句なんて、言っていいことじゃない。
こんなのただの、わたしのちっぽけなこころのズレ。
わたしがどう思って、何を期待してたかなんて、そんなの小さなことなんだから。
世界にとって、どうでもいいことなんだから。
現実には、役にたたないことなんだから。
いまはそんことよりも。
そんなことの全部より。
あたまを切り替えるほうが大事。
こころを入れ替えるほうが大切。
目の前にあることに。
見えてることを、どうにかするほうが。
目に映るこいつらで、どうやって愉しむかのほうが。
よっぽど大事で、大切なこと。
そして、そのために必要なことを、全部わたしに教えてくれる。
やっぱりすごいね、エグイアス。
こいつらの、数も、動きも、やり方も全部教えてくれたとおりだよ。
わたしの見ているものと、ぴったり全部、同じだよ。
変わらず全部、同じだよ。
変われないから、全部、同じなんだよね。
数は二人、後ろから並んで襲いかかってきて、大きく口を開けている。
それしかないのか、とわたしは思う。
それだけしかないのが、わたしのガッカリした理由。
数はふたり。たったふたり。足もとのこれを入れても残りは三人。
物足りないけど仕方ない。これはもう承知のうえだ。
足りない分は、体でおぎなってくれればいいや。
動きとやり方は、これまでとまったく同じ。
いままでのあいつらと、あそこに積んでいったあいつらと。
それが何よりも、うんざりとする原因。
後ろから、並んで襲いかかって、大口を開けている。
正直わたしもエグイアスも、いい加減見飽きてる。
だから最後くらい、ちょっとでも違うことができるかなと、思ったけれど。
おまえちには、無理みたいだね。
でも大丈夫。
まえに、母がちゃんとわたしに教えてくれた。
面白き 事もなき世を 面白く。
どんなつまらないことも、愉しくするやり方はあるって。
すみなすものは 心なりけり。
それをするのは、自分のこころ次第だって。
だから、わたしらしくやればいい。
やり方は、いくらでもあるんだから。
でもこの言葉、ずっと母のオリジナルだと思ってたけど、もともとは別の人の言葉だと、わたしは最近知りました。
そんなつもりは全然なかったんだろうけど、引用元は教えておいてください。
でないと、騙されちゃったと思うから。
でも、教えてくれて感謝します。
わたしはその言葉どおり、つまらないやつらを面白く変えることにする。
自分が何より愉しむために。
ふたりいるけど、ひとりずつやっていこう。
そのために片っぽの頭を口ごと掴んで強引に閉じさせる。
もう片っぽはエグイアスでチョンと叩いて、脇にのけておく。
それでも派手に吹っ飛んだけど、虫も殺せないくらい手加減したから、まだまだ五体満足残ってる。
わたし虫を殺すのは大得意だけど、虫を殺さないで捕まえるのも結構得意なんだよね。
あとでいろいろ使えるから。
それよりごめんね、エグイアス。
またわたしにつき合わせちゃって。
全力、ださせてあげられなくて。
でも、もうすこしだから。
あとちょっとだけ、我慢してね。
最後には思いっきり、本気でやらせてあげるから。
さて、じゃあまずはこいつをどうするか。
虫で思い出したけど、クラスの男子たちがよく、トンボやちょうちょの羽や体をむしって遊んでたっけ。
あんな気持ち悪いこと、わたしにはできないけで。
こいつでやったら、どうなるのかな。
こいつらは頭を潰さなと殺せない。
じゃあ、頭だけになったら、どうなるんだろう。
これはちょっと、面白そう。
早速試してみよう。
わたしは口ごと頭を握り込まれて、うーうー唸るそいつの首を、ブチンと一気にむしり取る。
その感触は、まえにりんごの実をもいだ感触と同じもの。
生命をつんだと実感できる、あの感触そのままだった。
期待を込めて、ふり返る。
そしてふり返って、やっぱりいつもどおりに期待がはずれことにガッカリする。
うんざりしてきて、こころが萎える。
せっかくワクワクしてたのに。
もっと愉しめたらいいのになーなんて、そんなふうに思ってたのに。
思ってただけだから。
だから、裏切られたなんて思ってない。
ただ、外れただけ。
思ってたとおりに、いかなかっただけ。
いつもどおりに。
別に、わたしの感覚を、信じてなかったわけじゃない。
もちろん、教えてくたエグイアスを、疑ったりするわけない。
それでもちょっと、ほんのちょっとだけ、違うといいいなと思ってた。
期待を込めて、思ってた。
でも、自分の目で見たものが世界のすべて。
それが現実。そこが現実。
ないものねだりは、虚しいだけで意味がない。
それどころか、哀ししくなるだけで実がない。
それじゃあ、お腹はふくれない。
ここにはないものをどれだけ求めても、手に入ることは絶対ない。
ここじゃないところにあるものをいくら欲しても、見つかることは決してない。
それを、わたしはよく知っている。
骨身にしみて、知っている。
骨の髄まで、味わったから。
嫌だと言っても、教え込まれたから。
母がまだ、生きていたころに。
わたしと一緒に、生きていたころに。
だからわたしは、嫌というほどわかってる。
それに、この状況は悪いことじゃないし、間違ってることでもない。
むしろ、感覚どおり、教えてくれたとおりなんだから。
合ってるし、良いことなんだから。
ホントなら、喜んでれば、いいだけなのに。
納得すれば、それで済むんだから。
不平も不満も、ましてや文句なんて、言っていいことじゃない。
こんなのただの、わたしのちっぽけなこころのズレ。
わたしがどう思って、何を期待してたかなんて、そんなの小さなことなんだから。
世界にとって、どうでもいいことなんだから。
現実には、役にたたないことなんだから。
いまはそんことよりも。
そんなことの全部より。
あたまを切り替えるほうが大事。
こころを入れ替えるほうが大切。
目の前にあることに。
見えてることを、どうにかするほうが。
目に映るこいつらで、どうやって愉しむかのほうが。
よっぽど大事で、大切なこと。
そして、そのために必要なことを、全部わたしに教えてくれる。
やっぱりすごいね、エグイアス。
こいつらの、数も、動きも、やり方も全部教えてくれたとおりだよ。
わたしの見ているものと、ぴったり全部、同じだよ。
変わらず全部、同じだよ。
変われないから、全部、同じなんだよね。
数は二人、後ろから並んで襲いかかってきて、大きく口を開けている。
それしかないのか、とわたしは思う。
それだけしかないのが、わたしのガッカリした理由。
数はふたり。たったふたり。足もとのこれを入れても残りは三人。
物足りないけど仕方ない。これはもう承知のうえだ。
足りない分は、体でおぎなってくれればいいや。
動きとやり方は、これまでとまったく同じ。
いままでのあいつらと、あそこに積んでいったあいつらと。
それが何よりも、うんざりとする原因。
後ろから、並んで襲いかかって、大口を開けている。
正直わたしもエグイアスも、いい加減見飽きてる。
だから最後くらい、ちょっとでも違うことができるかなと、思ったけれど。
おまえちには、無理みたいだね。
でも大丈夫。
まえに、母がちゃんとわたしに教えてくれた。
面白き 事もなき世を 面白く。
どんなつまらないことも、愉しくするやり方はあるって。
すみなすものは 心なりけり。
それをするのは、自分のこころ次第だって。
だから、わたしらしくやればいい。
やり方は、いくらでもあるんだから。
でもこの言葉、ずっと母のオリジナルだと思ってたけど、もともとは別の人の言葉だと、わたしは最近知りました。
そんなつもりは全然なかったんだろうけど、引用元は教えておいてください。
でないと、騙されちゃったと思うから。
でも、教えてくれて感謝します。
わたしはその言葉どおり、つまらないやつらを面白く変えることにする。
自分が何より愉しむために。
ふたりいるけど、ひとりずつやっていこう。
そのために片っぽの頭を口ごと掴んで強引に閉じさせる。
もう片っぽはエグイアスでチョンと叩いて、脇にのけておく。
それでも派手に吹っ飛んだけど、虫も殺せないくらい手加減したから、まだまだ五体満足残ってる。
わたし虫を殺すのは大得意だけど、虫を殺さないで捕まえるのも結構得意なんだよね。
あとでいろいろ使えるから。
それよりごめんね、エグイアス。
またわたしにつき合わせちゃって。
全力、ださせてあげられなくて。
でも、もうすこしだから。
あとちょっとだけ、我慢してね。
最後には思いっきり、本気でやらせてあげるから。
さて、じゃあまずはこいつをどうするか。
虫で思い出したけど、クラスの男子たちがよく、トンボやちょうちょの羽や体をむしって遊んでたっけ。
あんな気持ち悪いこと、わたしにはできないけで。
こいつでやったら、どうなるのかな。
こいつらは頭を潰さなと殺せない。
じゃあ、頭だけになったら、どうなるんだろう。
これはちょっと、面白そう。
早速試してみよう。
わたしは口ごと頭を握り込まれて、うーうー唸るそいつの首を、ブチンと一気にむしり取る。
その感触は、まえにりんごの実をもいだ感触と同じもの。
生命をつんだと実感できる、あの感触そのままだった。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
異世界坊主の成り上がり
峯松めだか(旧かぐつち)
ファンタジー
山歩き中の似非坊主が気が付いたら異世界に居た、放っておいても生き残る程度の生存能力の山男、どうやら坊主扱いで布教せよということらしい、そんなこと言うと坊主は皆死んだら異世界か?名前だけで和尚(おしょう)にされた山男の明日はどっちだ?
矢鱈と生物学的に細かいゴブリンの生態がウリです?
本編の方は無事完結したので、後はひたすら番外で肉付けしています。
タイトル変えてみました、
旧題異世界坊主のハーレム話
旧旧題ようこそ異世界 迷い混んだのは坊主でした
「坊主が死んだら異世界でした 仏の威光は異世界でも通用しますか? それはそうとして、ゴブリンの生態が色々エグいのですが…」
迷子な坊主のサバイバル生活 異世界で念仏は使えますか?「旧題・異世界坊主」
ヒロイン其の2のエリスのイメージが有る程度固まったので画像にしてみました、灯に関しては未だしっくり来ていないので・・未公開
因みに、新作も一応準備済みです、良かったら見てやって下さい。
少女は石と旅に出る
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893967766
SF風味なファンタジー、一応この異世界坊主とパラレル的にリンクします
少女は其れでも生き足掻く
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893670055
中世ヨーロッパファンタジー、独立してます
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます
祖母の家の倉庫が異世界に通じているので異世界間貿易を行うことにしました。
rijisei
ファンタジー
偶然祖母の倉庫の奥に異世界へと通じるドアを見つけてしまった、祖母は他界しており、詳しい事情を教えてくれる人は居ない、自分の目と足で調べていくしかない、中々信じられない機会を無駄にしない為に異世界と現代を行き来奔走しながら、お互いの世界で必要なものを融通し合い、貿易生活をしていく、ご都合主義は当たり前、後付け設定も当たり前、よくある設定ではありますが、軽いです、更新はなるべく頑張ります。1話短めです、2000文字程度にしております、誤字は多めで初投稿で読みにくい部分も多々あるかと思いますがご容赦ください、更新は1日1話はします、多ければ5話ぐらいさくさくとしていきます、そんな興味をそそるようなタイトルを付けてはいないので期待せずに読んでいただけたらと思います、暗い話はないです、時間の無駄になってしまったらご勘弁を
無欲のクリスと不思議な貯金箱
小日向ななつ
ファンタジー
感情表現が薄い少女、クリスが通う魔術学園で大きな事件が起きた。
それは友達が先生の出来心で行った儀式によって貯金箱に変えられてしまったという事件だ。
しかも先生は自分をフッた元彼に復讐しようと禁術に手をつけていた。
とんでもないことが目の前で起き、クリスは困惑する。
だが、禁書に呪いを解く方法が書かれていた。それはどこかに飛び去っていったルミナスコインを集めれば、友達は元に戻れるということだ。
こうなったら旅に出るしかない。
ルミナスコインを求め、クリスは友達の姿を戻す旅に出る。
様々な出会いと別れを得て成長する少女達をご覧あれ!
この作品は重複投稿しています
最強の龍『バハムート』に転生した俺、幼女のペットになってしまう
たまゆら
ファンタジー
ある日俺は、邪龍と恐れられる最強のドラゴン『バハムート』に転生した。
人間の頃と違った感覚が楽しくて飛び回っていた所、なんの因果か、変わり者の幼女にテイムされてしまう。
これは幼女と俺のほのぼの異世界ライフ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる