8 / 45
わたし、魔法少女なんだから正しくちゃんとやってみます(主観と基準は自分です)
しおりを挟む
楽しい。
嬉しい。
面白い。
こんなに楽しめることがあるなんて。
ここまで嬉しくなれることがあるなんて。
こうまで面白くなることがあるなんて。
体は弾んで心は踊る。
わたしはこの状況に魅せられた。
食べ残された友達が転がって、その友達を食べたバケモノたちが牙をむく。希望と不条理が同居する、赤と黒が彩るマーブル模様に。
わたしはこのやり方の虜になった。
自分のできることを好きにでき、やるべきことを好きにやる。思うままにちからを使える、死を感じるために殺したいから殺せることが。
こんな世界を愛しく思う。
マジカルでもメルヘンでもリリカルでもななければ、煌めきもなければ輝きもない。
それでも胸に芽生えたときめきは、頭を掻きむしるざわめきは、嘘でもなければ偽りでもない本当に本物だ。
それを夢見るように魅せられて、そんな夢を叶える虜になった。
そしてわたしは、この世界に夢中になった。
魔法少女に、夢中になった。
夢中になって、やっていた。
わたしの在るべき姿になって、やりたいことをやっていた。
止まることなんてできはしない。
前に向かって、進むだけ。
この心の飢えを満たすため、新たな快感を味わうために。
だから、わたしの一撃は容赦なく、許しもなければ情けもない。
そうしてわたしは自分の気持ちに正直に、次へと向かって跳ねていく。
もはや正しく使えるステッキを、振りかぶって飛びかかる。
殺してくれ言わんばかりの背中へと、フワリと舞って躍りかかる。
ううん、あれはきっとそう。間違いなくそう言ってる。だって男は背中で語るものだって、母からそう聞いたから。
人間がそうなんだから、バケモノだって同じでしょ?
そんな美味しいところを見せられたら、食べずにはいられない。
こんな上げ膳据え膳めったにないんだから。
だからありがたく、いただきます。
わたしは心のなかで手を合わせ、ステッキを水平に振り抜いた。
それは終にこちらを向くことはなかった頭ごと、爆発したようにバケモノの上半身を吹き飛ばす。
まるで消しゴムでなぞったようにキレイに上半分だけなくなった。
ごちそうさま。思った通り美味しかったよ。
残った下半分からは寂しそうにブシャブシャと勢いよく、名残惜しそうに血が吹き出す。
その汚い噴水には目もくれず、衣装につかないようにだけ気をつけながら左に一歩ステップして体をずらす。
そこでようやくこちらを向いたバケモノと、体の外側に振り抜いたステッキが戻ってくるのは同時だった。
よかったね。最後に自分が何で死んだのか、誰に殺されるのか見られてさ。
わたしはこっちを向いたまま呆けた顔で固まったいる頭へと、斜め上から押し潰す。
こういうの、確か袈裟斬りっていうんだっけ。
あんまり食べたことはないけれど、プリンにスプーンを入れたときよりずっと軽い感触が手に伝わる。
その味気ない手応えのままバケモノの頭と胴体が、するっと細かなミンチになって地面にベッチャリ散らばった。
それは軽くて味気ない手応えとは全然違い、記憶に残るプリンの味よりずっと甘くて美味しかった。
わたしは今度は左前へと踏み込みながら体を捻り、さっきとは逆回しの動きでステッキを斜め上へと振り抜いた。
そのままステッキは吸い込まれるようにバケモノの頭にめり込んで、血と肉を赤黒い霧に変えながら空に向かって抜けていく。
いままでより物足りない手応えけど、感じる快感の甘さは変わらない。
だけど、だんだんこころのなかで膨らんでくるものがある。
それは、不安。
ホントにこのままでいいんだろうか。
こんなに簡単にできちゃっていいんだろうか。こんなに単純にやっちゃっていいんだろうか。
このままサクッと終わらせちゃっていいんだろうか。
何だか前に学校でやらされた草刈りを思い出す。
真夏のギラギラ光る太陽の下で、延々とやらされたことを思い出す。
最初っから自分が何のためにやってるのかわからなかったけど、最後のほうは自分が何をしてるのかもわからくなっていた。
いくら表に生えてる草を刈ったって、根っこを何とかしなくちゃ意味ないのに。
だからこんなことしても意味ないのにと、延々と思い続けてた、思い出したくもない嫌な思い出。
でもいまは違う。
わたしはやらされてるんじゃくてやりたくてやってるし、何のためにやってるのかもわかってる。
それにどっちかと言うと、バケモノたちがぐるっと円になって並んでるせいで、草刈りというより缶切りに近いかもしれない。
利き手の左側から順番にまわって、腕を振って戻すだけの簡単で単純な作業。
こんなので心の飢えを満たせるなら、気持ちよく心地いい、甘い快感を味わうことができるなら文句をつける筋合いなんて何ひとつないけれど。
これはこれで楽しいし嬉しいし面白いけど、やればやるほど、できればできるほど、何だか不安になってくる。
上手くできているときほど、上手くやれているときこそ、どんどん不安になっていく。
まるでマークシートの答えが縦一列揃って全部同じ番号だったときみたいな、間違ってないはずなのに間違ってると思わされているような理由も根拠もない不安。
これが正しいはずなのに、こんなはずじゃないと思わずにはいられない。
そんわたしの小心が、自分自身のことだけに、もどかしくって恨めしかった。
そんな不安を覚えてしまい、考えなくていいことを考えてしまったほんのちょっとの短い間。
バケモノたちはわたしから離れてしまっていっていた。
離れて距離をとって敵意と殺意がバッチリこもった目をわたしに向けて唸り声をあげている。
どうやらあいつらにとってわたしは間食でも食後のデザートでもなくて、完全に敵として認識されたようだった。
殺さなきゃいけない相手として認められたようだった。
ああ、よかった。
わたしはホッと胸をなでおろす。
それを見てわたしは穏やかに安心する。
それを見れたからわたしのころろは安定を取り戻す。
わたしの手の届かないところにいってしまったバケモノたち。
でもそれはわたしの気持ちが届いたからかもしれなかった。
このままじゃ嫌だという不安を解消してくれたのかもしれなかった。
だってあのままじゃ生きてるものを殺してる気がしなかったんだから。
だとしたら、あいつらは結構話しのわかるいいやつらなのかもしれない。
まさかそんなわけがあるはずないのは地面に転がる友達の姿が何より確かに証明している。
その姿を見ればそんなこと間違っても言えるわけない。
いまはもう喋れないあの子の前で言えるわけない。
そう言えばわたし、あの子から”助けて”って言われてないや。
一応あの子を助けるために、魔法少女になったはずなのに。
それを理由と目的にして、わたしの願いと望みを叶えたはずなのに。
でも友達を助けるのは当然だっていうし、わたしが見たときにはもうあんなだったし、今回はノーカウントってことで。
それにわたしの欲望を果たすのにそんな言葉は必要なかったし。
別に何か信念があるとか願をかけてるとか、そんな大層なものじゃ全然ないし。
言っちゃえばただのわたしのわがままなんだから。
つまりわたしが初めて自発的に助けたのはあの子になるわけというわけだ。
初めての相手があの子ならそれはとってもいいことだ。
バケモノ相手に比べればずっとずっといいことだ。
選べるとわかったらちょっとでもいいほうを選んでしまう。
まだ決まってないとわかったらちょっとでもいいほうに決めてしまう。
ホントに現金なものだよね、わたしっていう人間は。
現金なんて必要最低限か、それ以下しかもったことないけれど。
止まることはないと思っていた、止められるわけがないと思っていたわたしに、思わぬブレーキをかけた不安と葛藤。
それらが生んだこころの隙間に、ぬるりと緑の目が入り込む。
まさかこのまま謎のバーに連れて行かれて名刺を渡されたりしないよね。
「大丈夫。何も心配するこも何か不安になることもないよ、ザント・ツッカーヴァッテ。初めては誰にでもあるよ。みんな初めては上手くいかなかったし、悩んで迷って失敗してたよ。でもキミはそんなこともそんなもの全くなかった。キミはとっても上手にできていた。とっても上手くやれていた。だからこれから先もいつまでも、同じように上手に上手くやれるはずだよ。だってやるのはキミなんだから。自信を持って、自分を信じてあげて。ボクも信じているからね。ずっとずっとキミを見守っているからね」
それはお化けか妖怪みたいに、わたしの後ろにピッタリついて離れないっていうことか。
後ろ向けば常にその、緑の目が待っているということか。
でも、まあ、いいや。
この緑の目からしたら励ましてるつもりかもしれない、でもわたしからしたらストーカー宣言にしか聞こえない言葉でも、こころがスッキリしたのは本当だし。
これも何かの魔法だろうか。
「そんなものは使ってないよ。だってそんな必要はないんだから。キミのこころが晴れたのは、キミ自身で不安を払拭して葛藤に決着をつけたからだよ。ボクはその背中を少し押して、あと一歩を踏み出す手伝いをしただけだよ」
いや、いいこと言ってるふうだけどナチュラルにひとの考えを読むのはやめてほしい。
それこそ魔法じゃないかと疑ってしまう。
「そんなことよりだよ、ザント・ツッカーヴァッテ。まだまだ次が待ってるよ。キミのために残っているよ。さあ、その曇りないこころで第2ラウンドを始めよう」
「もちろん、当然だよ」
もちろんその言葉に異論はないし、当然わたしもそのつもりでやる気に満ちている。
だけどそんな俗っぽい言い方、いったいどこで覚えてきたんだろうか。
それに第2ラウンドで仕切り直しというのなら、誰でもいいから鐘のひとつも鳴らしてほしい。
あと一歩、また一歩踏み出すために、ちょっとでいいから背中を少し押してほしい。
結局これも、わたしのわがままにすぎないけれど。
わたしの弱さに、すぎないけれど。
嬉しい。
面白い。
こんなに楽しめることがあるなんて。
ここまで嬉しくなれることがあるなんて。
こうまで面白くなることがあるなんて。
体は弾んで心は踊る。
わたしはこの状況に魅せられた。
食べ残された友達が転がって、その友達を食べたバケモノたちが牙をむく。希望と不条理が同居する、赤と黒が彩るマーブル模様に。
わたしはこのやり方の虜になった。
自分のできることを好きにでき、やるべきことを好きにやる。思うままにちからを使える、死を感じるために殺したいから殺せることが。
こんな世界を愛しく思う。
マジカルでもメルヘンでもリリカルでもななければ、煌めきもなければ輝きもない。
それでも胸に芽生えたときめきは、頭を掻きむしるざわめきは、嘘でもなければ偽りでもない本当に本物だ。
それを夢見るように魅せられて、そんな夢を叶える虜になった。
そしてわたしは、この世界に夢中になった。
魔法少女に、夢中になった。
夢中になって、やっていた。
わたしの在るべき姿になって、やりたいことをやっていた。
止まることなんてできはしない。
前に向かって、進むだけ。
この心の飢えを満たすため、新たな快感を味わうために。
だから、わたしの一撃は容赦なく、許しもなければ情けもない。
そうしてわたしは自分の気持ちに正直に、次へと向かって跳ねていく。
もはや正しく使えるステッキを、振りかぶって飛びかかる。
殺してくれ言わんばかりの背中へと、フワリと舞って躍りかかる。
ううん、あれはきっとそう。間違いなくそう言ってる。だって男は背中で語るものだって、母からそう聞いたから。
人間がそうなんだから、バケモノだって同じでしょ?
そんな美味しいところを見せられたら、食べずにはいられない。
こんな上げ膳据え膳めったにないんだから。
だからありがたく、いただきます。
わたしは心のなかで手を合わせ、ステッキを水平に振り抜いた。
それは終にこちらを向くことはなかった頭ごと、爆発したようにバケモノの上半身を吹き飛ばす。
まるで消しゴムでなぞったようにキレイに上半分だけなくなった。
ごちそうさま。思った通り美味しかったよ。
残った下半分からは寂しそうにブシャブシャと勢いよく、名残惜しそうに血が吹き出す。
その汚い噴水には目もくれず、衣装につかないようにだけ気をつけながら左に一歩ステップして体をずらす。
そこでようやくこちらを向いたバケモノと、体の外側に振り抜いたステッキが戻ってくるのは同時だった。
よかったね。最後に自分が何で死んだのか、誰に殺されるのか見られてさ。
わたしはこっちを向いたまま呆けた顔で固まったいる頭へと、斜め上から押し潰す。
こういうの、確か袈裟斬りっていうんだっけ。
あんまり食べたことはないけれど、プリンにスプーンを入れたときよりずっと軽い感触が手に伝わる。
その味気ない手応えのままバケモノの頭と胴体が、するっと細かなミンチになって地面にベッチャリ散らばった。
それは軽くて味気ない手応えとは全然違い、記憶に残るプリンの味よりずっと甘くて美味しかった。
わたしは今度は左前へと踏み込みながら体を捻り、さっきとは逆回しの動きでステッキを斜め上へと振り抜いた。
そのままステッキは吸い込まれるようにバケモノの頭にめり込んで、血と肉を赤黒い霧に変えながら空に向かって抜けていく。
いままでより物足りない手応えけど、感じる快感の甘さは変わらない。
だけど、だんだんこころのなかで膨らんでくるものがある。
それは、不安。
ホントにこのままでいいんだろうか。
こんなに簡単にできちゃっていいんだろうか。こんなに単純にやっちゃっていいんだろうか。
このままサクッと終わらせちゃっていいんだろうか。
何だか前に学校でやらされた草刈りを思い出す。
真夏のギラギラ光る太陽の下で、延々とやらされたことを思い出す。
最初っから自分が何のためにやってるのかわからなかったけど、最後のほうは自分が何をしてるのかもわからくなっていた。
いくら表に生えてる草を刈ったって、根っこを何とかしなくちゃ意味ないのに。
だからこんなことしても意味ないのにと、延々と思い続けてた、思い出したくもない嫌な思い出。
でもいまは違う。
わたしはやらされてるんじゃくてやりたくてやってるし、何のためにやってるのかもわかってる。
それにどっちかと言うと、バケモノたちがぐるっと円になって並んでるせいで、草刈りというより缶切りに近いかもしれない。
利き手の左側から順番にまわって、腕を振って戻すだけの簡単で単純な作業。
こんなので心の飢えを満たせるなら、気持ちよく心地いい、甘い快感を味わうことができるなら文句をつける筋合いなんて何ひとつないけれど。
これはこれで楽しいし嬉しいし面白いけど、やればやるほど、できればできるほど、何だか不安になってくる。
上手くできているときほど、上手くやれているときこそ、どんどん不安になっていく。
まるでマークシートの答えが縦一列揃って全部同じ番号だったときみたいな、間違ってないはずなのに間違ってると思わされているような理由も根拠もない不安。
これが正しいはずなのに、こんなはずじゃないと思わずにはいられない。
そんわたしの小心が、自分自身のことだけに、もどかしくって恨めしかった。
そんな不安を覚えてしまい、考えなくていいことを考えてしまったほんのちょっとの短い間。
バケモノたちはわたしから離れてしまっていっていた。
離れて距離をとって敵意と殺意がバッチリこもった目をわたしに向けて唸り声をあげている。
どうやらあいつらにとってわたしは間食でも食後のデザートでもなくて、完全に敵として認識されたようだった。
殺さなきゃいけない相手として認められたようだった。
ああ、よかった。
わたしはホッと胸をなでおろす。
それを見てわたしは穏やかに安心する。
それを見れたからわたしのころろは安定を取り戻す。
わたしの手の届かないところにいってしまったバケモノたち。
でもそれはわたしの気持ちが届いたからかもしれなかった。
このままじゃ嫌だという不安を解消してくれたのかもしれなかった。
だってあのままじゃ生きてるものを殺してる気がしなかったんだから。
だとしたら、あいつらは結構話しのわかるいいやつらなのかもしれない。
まさかそんなわけがあるはずないのは地面に転がる友達の姿が何より確かに証明している。
その姿を見ればそんなこと間違っても言えるわけない。
いまはもう喋れないあの子の前で言えるわけない。
そう言えばわたし、あの子から”助けて”って言われてないや。
一応あの子を助けるために、魔法少女になったはずなのに。
それを理由と目的にして、わたしの願いと望みを叶えたはずなのに。
でも友達を助けるのは当然だっていうし、わたしが見たときにはもうあんなだったし、今回はノーカウントってことで。
それにわたしの欲望を果たすのにそんな言葉は必要なかったし。
別に何か信念があるとか願をかけてるとか、そんな大層なものじゃ全然ないし。
言っちゃえばただのわたしのわがままなんだから。
つまりわたしが初めて自発的に助けたのはあの子になるわけというわけだ。
初めての相手があの子ならそれはとってもいいことだ。
バケモノ相手に比べればずっとずっといいことだ。
選べるとわかったらちょっとでもいいほうを選んでしまう。
まだ決まってないとわかったらちょっとでもいいほうに決めてしまう。
ホントに現金なものだよね、わたしっていう人間は。
現金なんて必要最低限か、それ以下しかもったことないけれど。
止まることはないと思っていた、止められるわけがないと思っていたわたしに、思わぬブレーキをかけた不安と葛藤。
それらが生んだこころの隙間に、ぬるりと緑の目が入り込む。
まさかこのまま謎のバーに連れて行かれて名刺を渡されたりしないよね。
「大丈夫。何も心配するこも何か不安になることもないよ、ザント・ツッカーヴァッテ。初めては誰にでもあるよ。みんな初めては上手くいかなかったし、悩んで迷って失敗してたよ。でもキミはそんなこともそんなもの全くなかった。キミはとっても上手にできていた。とっても上手くやれていた。だからこれから先もいつまでも、同じように上手に上手くやれるはずだよ。だってやるのはキミなんだから。自信を持って、自分を信じてあげて。ボクも信じているからね。ずっとずっとキミを見守っているからね」
それはお化けか妖怪みたいに、わたしの後ろにピッタリついて離れないっていうことか。
後ろ向けば常にその、緑の目が待っているということか。
でも、まあ、いいや。
この緑の目からしたら励ましてるつもりかもしれない、でもわたしからしたらストーカー宣言にしか聞こえない言葉でも、こころがスッキリしたのは本当だし。
これも何かの魔法だろうか。
「そんなものは使ってないよ。だってそんな必要はないんだから。キミのこころが晴れたのは、キミ自身で不安を払拭して葛藤に決着をつけたからだよ。ボクはその背中を少し押して、あと一歩を踏み出す手伝いをしただけだよ」
いや、いいこと言ってるふうだけどナチュラルにひとの考えを読むのはやめてほしい。
それこそ魔法じゃないかと疑ってしまう。
「そんなことよりだよ、ザント・ツッカーヴァッテ。まだまだ次が待ってるよ。キミのために残っているよ。さあ、その曇りないこころで第2ラウンドを始めよう」
「もちろん、当然だよ」
もちろんその言葉に異論はないし、当然わたしもそのつもりでやる気に満ちている。
だけどそんな俗っぽい言い方、いったいどこで覚えてきたんだろうか。
それに第2ラウンドで仕切り直しというのなら、誰でもいいから鐘のひとつも鳴らしてほしい。
あと一歩、また一歩踏み出すために、ちょっとでいいから背中を少し押してほしい。
結局これも、わたしのわがままにすぎないけれど。
わたしの弱さに、すぎないけれど。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
『ラズーン』第二部
segakiyui
ファンタジー
謎を秘めた美貌の付き人アシャとともに、統合府ラズーンへのユーノの旅は続く。様々な国、様々な生き物に出逢ううち、少しずつ気持ちが開いていくのだが、アシャへの揺れる恋心は行き場をなくしたまま。一方アシャも見る見るユーノに引き寄せられていく自分に戸惑う。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
異世界坊主の成り上がり
峯松めだか(旧かぐつち)
ファンタジー
山歩き中の似非坊主が気が付いたら異世界に居た、放っておいても生き残る程度の生存能力の山男、どうやら坊主扱いで布教せよということらしい、そんなこと言うと坊主は皆死んだら異世界か?名前だけで和尚(おしょう)にされた山男の明日はどっちだ?
矢鱈と生物学的に細かいゴブリンの生態がウリです?
本編の方は無事完結したので、後はひたすら番外で肉付けしています。
タイトル変えてみました、
旧題異世界坊主のハーレム話
旧旧題ようこそ異世界 迷い混んだのは坊主でした
「坊主が死んだら異世界でした 仏の威光は異世界でも通用しますか? それはそうとして、ゴブリンの生態が色々エグいのですが…」
迷子な坊主のサバイバル生活 異世界で念仏は使えますか?「旧題・異世界坊主」
ヒロイン其の2のエリスのイメージが有る程度固まったので画像にしてみました、灯に関しては未だしっくり来ていないので・・未公開
因みに、新作も一応準備済みです、良かったら見てやって下さい。
少女は石と旅に出る
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893967766
SF風味なファンタジー、一応この異世界坊主とパラレル的にリンクします
少女は其れでも生き足掻く
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893670055
中世ヨーロッパファンタジー、独立してます
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます
いわゆる天使の気まぐれで
夏目きょん
ファンタジー
俺は死んだ・・。
死因は、インフルエンザ。
まさか、インフルエンザで死ぬとは思わなかった・・。
死後の世界という所に着くや否や
天使と名乗る奴が俺を異世界に転送しやがった。
しかも
そこはRPGの世界だった・・!
虹の向こうへ
もりえつりんご
ファンタジー
空の神が創り守る、三種の人間が住まう世界にて。
智慧の種族と呼ばれる心魔の少年・透火(トウカ)は、幼い頃に第一王子・芝蘭(シラン)に助けられ、その恩返しをするべく、従者として働く日々を送っていた。
しかしそれも、透火が種族を代表するヒト「基音」となり、世界と種族の繁栄を維持する「空の神」候補であると判明するまでのこと。
かつて、種族戦争に敗れ、衰退を辿る珠魔の代表・占音(センネ)と、第四の種族「銀の守護者」のハーク。
二人は、穢れていくこの世界を救うべく、相反する目的の元、透火と芝蘭に接触する。
芝蘭のために「基音」の立場すら利用する透火と、透火との時間を守るために「基音」や「空の神」誕生に消極的な芝蘭は、王位継承や種族関係の変化と共に、すれ違っていく。
それぞれの願いと思いを抱えて、透火、芝蘭、占音、ハークの四人は、衝突し、理解し、共有し、拒絶を繰り返して、一つの世界を紡いでいく。
そう、これは、誰かと生きる意味を考えるハイファンタジー。
ーーーーーーーーー
これは、絶望と希望に翻弄されながらも、「自分」とは何かを知っていく少年と、少年の周囲にいる思慮深い人々との関係の変化、そして、世界と個人との結びつきを描いたメリーバッドエンドな物語です。
※文体は硬派、修飾が多いです。
物語自体はRPGのような世界観・設定で作られています。
※第1部全3章までを順次公開しています。
※第2部は2019年5月現在、第1章第4話以降を執筆中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる