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第13話 豪剣士ファルツァーの訪問
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空腹は最上のソース、なんて言葉がある。
おいしい料理を作ってくれた人に言ってはいけない言葉かもしれないが、厳しい毎日を送る冒険者にとっては食事があるだけでもありがたい面ある。戦場において、そうし日々を共に過ごしてきたラシャンスとファルツァーは、温かな食事のありがたさを十分理解していた。
「いただきまーす!」
テーブルに並べられた食事をレトワールとファルツァーが食べる。
「あれ?」
「どうかしましたか?」
シチューを口にしたファルターのスプーンが止まる。
「魔法の師匠って聞いたけど、料理も習ってたんだ。シチューの味付けがラシャンスにそっくりだね」
レトワールが内心の動揺を表に出さないよう必死になる。
「は、はい、いろいろ教えてもらってました」
「そっかー」
レトワールのドキドキに気づくことなく、ファルツァーはシチューを口にした。
「この焼いた肉もおいしいね。ラシャンスは秘伝の味付けって言ってたけど、これもそっくりだよ」
「ええ、まあ」
ファルツァーが何か食べるたびに同じような感想を口にするので、レトワールは『ファルツァーって結構鋭いんだ』と見えないところで大汗をかいていた。
「ところで、その…お師匠様のことですよね」
レトワールが尋ねると、ファルツァーが「そうそう」と答える。
「旅に出たって聞いて、びっくりしたんだ。何も聞いていなかったし、そんな様子もなかったし…」
レトワールは『当然ね』と思う。若返りの魔法を失敗していなければ、ラシャンスが旅に出ることもなかっただろう。
『あれ?』
レトワールは内心で首をひねる。
仮に魔法が成功していたら、20歳で茶色の髪とこげ茶の瞳の女性に変わるわけで、やっぱりラシャンスは消えることになる。
『それはそれで旅に出ることになるのかなあ』
そんな風に考えるレトワールをよそに、ファルツァーが話し続ける。
「全く知らなかったんだけど、立ち話をしている人が『魔法使いのラシャンスが旅に出た』と噂をしていたんだ。あわてて警備兵に尋ねると、みんな知ってるんだよね。なんだか巷の噂に疎くなっちゃって。本当はもっと早く尋ねて来たかったんだけど、仕事が立て続けに来るもんだから、なかなか時間ができなかったんだ」
「そうなんですね」
「君のことはオーブからの手紙に書いてあったよ」
ファルツァーがオーブから手紙を受け取ったことも語った。
「オーブ様は少し前にお越しになりました」
「そうみたいだね」
ファルツァーが「出遅れたなあ」とつぶやいて難しい顔をする。
それを聞いたレトワールは「あれ?」と思う。
しかしファルツァーは話を続けた。
「それでラシャンスの行先は分からないの?」
「はい」
心配そうな表情をするファルツァーに、「実はラシャンスはここにいるんですよー」なんて言いたかったが、今のラシャンスは7歳のレトワール・シフォナードであり、ラシャンスは行先を告げないで旅立ったことになっている。
「何かあれば手紙を送ってくださると思うんですが…」
「そうかあ」
ファルツァーがため息をつく。
「何か…手がかりはないかな?」
「手がかりと言っても…」
戸惑うレトワールに、ファルツァーが察すると「ないのかあ」とつぶやいた。
本当は旅立ってすらいないので、ラシャンスの旅立ちに関する手掛かりがないのは当たり前なのだが、ファルツァーにはレトワールが師匠のラシャンスから放置されたちょっと可哀そうな弟子に見えた。
「子供が1人きりで暮らすのは心配だな」
「そ、そんなことはありません!」
慌ててラシャンスは否定する。
「そうなの?」
「ええ、ええ、お師匠様はいろいろ用意してくださいましたし、それなりに蓄えもありますので、まーったく問題ありません」
「うーん」
納得しない様子のファルツァーだったが、ラシャンスは「本当に平気ですから」と押し通した。
「ところで…」
「うん?」
「ファルツァー様はお師匠様を追いかけるつもりなんですか?」
いきなりの問いかけにファルツァーは顔を真っ赤にさせる。
「追いかける…ことができれば良いんだけど、なんだかいろいろ…忙しいし」
いろいろ名誉任務や特別職を受けてしまったファルツァー。
それぞれに対して毎日仕事がある形ではないものの、ひとつひとつが重なれば、毎日忙しいのは変わらない。
「連れ戻す…とか」
レトワールが不思議に思う。
「連れ戻して、どうするんですか?」
「それは…、その…何と言うか…結婚…とか」
言い淀むファルツァーの様子を見たレトワール。
「結婚」を聞いたレトワールはファルツァーの心情が理解できた。
『ファルツァーもティノロッシ王太子と同じなんだ』
つまり2人ともラシャンスが好きらしい。
それに気づいたラシャンスの顔が赤くなる。
「そ、そ、そ、そうですね。お師匠様は素敵な女性ですもの」
「そ、そ、そ、そうだな。ラシャンスは素敵な女性なんだよな」
2人とも自分が何を言ってるか分からなくなった。
「それにラシャンスも面白いところがあるんだよ」
そう聞いたレトワールの挙動がピタリと止まる。
「面白い?」
「うん」
そう答えたファルツァーは野宿したことを語り出した。
「隣国に向かう途中で野宿をしたことがあってね…」
ファルツァーの語り出しはこうだった。
どこかで聞いた語り出しから、レトワールの額に汗が浮かぶ。
5人の手練れがパーティーを組んでいても、用心に越したことはない。
魔法使いであるラシャンスが結界を張ったうえに、ファルツァー、オーブ、ディスタント、時にはポーが順番に寝ずの番をしていた。
「ある晩、俺が起きて番をしていた時にね…」
小さな焚火を見つつ番をしていたオーブは、「うーん」とラシャンスの寝息を聞いた。男達3人とは少し離れたところで寝ていたラシャンスだったが、特に遮るものもなく、寝息を聞くこともあれば、寝顔を見てしまうこともあった。
見るともなくラシャンスの寝顔を見たファルツァーはびっくりした。
これまで凶悪な魔物や暴れ狂う猛獣を前に、一度もひるんだことのなかったファルツァーだったが、ラシャンスの寝顔を見た瞬間、うめき声を上げたくなる口を押さえると、そのままゴロゴロと転がった。
そっと体を起こして、ラシャンスの方を見る。寝顔のラシャンスは白目をむいていた。
「あれは癖…かなあ…」
「そんな!私…の師匠が!」
ここでも「私」と言いかけたレトワールは何とかごまかした。
「信じられないかもしれないけど、事実なんだ。今でもはっきり思い出せるよ」
ファルツァーが目を閉じる。
脳裏に白目をむいたラシャンスの顔を思い出しているらしい。
「そんな…」
レトワールはがっくりとうなだれる。
尊敬する師匠が意外な寝顔をしていたと知って、レトワールがショックを受けたと思ったファルツァーも、オーブと同じように慰めの言葉をかける。
「この話をするのは初めてだよ。もう誰にも言わないから」
「オーブ様やディスタント様、ポー様は知っているのでしょうか?」
レトワールに聞かれたファルツァーは「いや…」と複雑な顔をした。
「俺達は順に寝ずの番をしていたから、もしかすると見てるかも…」
レトワールは再び絶望的な心境になった。
「何かあったら、絶対に連絡が欲しい」
ファルツァーの申し出に「はい」と答えたレトワールは、ファルツァーを見送った。
玄関の扉を閉めると、そのまま床を転げまわる。
「メリナ!」
レトワールに呼ばれたメリナが飛び出してきた。
「あなた、知ってた?」
先日と同じく尋ねる。
「何をですか?」
メリナの返事も同じだった。
「その…、私が寝てる時…」
「ファルツァー様が言っていた白目ですね」
「知ってたのなら、教えてくれても良いのに!」
メリナは首を振る。
「いつも白目をむいているってこともなかったですし、たまたまファルツァー様が見ただけだと思いますよ」
「そうなの…ってそれでも困るのよ!」
「そうなんですか?」
「やっぱり恥ずかしいじゃない!」
「そう言われても…、英雄シャイニングウィッチで天才魔法使いのラシャンス・シトロナード様にとって、大した傷とは思えませんが…」
「そうじゃないの!」
ラシャンスは床を転がりまわる。
「英雄とか、天才魔法使いとか、才色兼備とか、史上まれに見る美女とか関係なくって…」
メリナは「そこまで言ってませんけど…」の言葉を飲み込んだ。
「女として恥ずかしいの!」
ようやくメリナは理解した。
「鼻ちょうちんと言い、白目と言い、いろいろ大変ですね」
冷静なメリナの言葉はレトワールを一段と興奮させた。
おいしい料理を作ってくれた人に言ってはいけない言葉かもしれないが、厳しい毎日を送る冒険者にとっては食事があるだけでもありがたい面ある。戦場において、そうし日々を共に過ごしてきたラシャンスとファルツァーは、温かな食事のありがたさを十分理解していた。
「いただきまーす!」
テーブルに並べられた食事をレトワールとファルツァーが食べる。
「あれ?」
「どうかしましたか?」
シチューを口にしたファルターのスプーンが止まる。
「魔法の師匠って聞いたけど、料理も習ってたんだ。シチューの味付けがラシャンスにそっくりだね」
レトワールが内心の動揺を表に出さないよう必死になる。
「は、はい、いろいろ教えてもらってました」
「そっかー」
レトワールのドキドキに気づくことなく、ファルツァーはシチューを口にした。
「この焼いた肉もおいしいね。ラシャンスは秘伝の味付けって言ってたけど、これもそっくりだよ」
「ええ、まあ」
ファルツァーが何か食べるたびに同じような感想を口にするので、レトワールは『ファルツァーって結構鋭いんだ』と見えないところで大汗をかいていた。
「ところで、その…お師匠様のことですよね」
レトワールが尋ねると、ファルツァーが「そうそう」と答える。
「旅に出たって聞いて、びっくりしたんだ。何も聞いていなかったし、そんな様子もなかったし…」
レトワールは『当然ね』と思う。若返りの魔法を失敗していなければ、ラシャンスが旅に出ることもなかっただろう。
『あれ?』
レトワールは内心で首をひねる。
仮に魔法が成功していたら、20歳で茶色の髪とこげ茶の瞳の女性に変わるわけで、やっぱりラシャンスは消えることになる。
『それはそれで旅に出ることになるのかなあ』
そんな風に考えるレトワールをよそに、ファルツァーが話し続ける。
「全く知らなかったんだけど、立ち話をしている人が『魔法使いのラシャンスが旅に出た』と噂をしていたんだ。あわてて警備兵に尋ねると、みんな知ってるんだよね。なんだか巷の噂に疎くなっちゃって。本当はもっと早く尋ねて来たかったんだけど、仕事が立て続けに来るもんだから、なかなか時間ができなかったんだ」
「そうなんですね」
「君のことはオーブからの手紙に書いてあったよ」
ファルツァーがオーブから手紙を受け取ったことも語った。
「オーブ様は少し前にお越しになりました」
「そうみたいだね」
ファルツァーが「出遅れたなあ」とつぶやいて難しい顔をする。
それを聞いたレトワールは「あれ?」と思う。
しかしファルツァーは話を続けた。
「それでラシャンスの行先は分からないの?」
「はい」
心配そうな表情をするファルツァーに、「実はラシャンスはここにいるんですよー」なんて言いたかったが、今のラシャンスは7歳のレトワール・シフォナードであり、ラシャンスは行先を告げないで旅立ったことになっている。
「何かあれば手紙を送ってくださると思うんですが…」
「そうかあ」
ファルツァーがため息をつく。
「何か…手がかりはないかな?」
「手がかりと言っても…」
戸惑うレトワールに、ファルツァーが察すると「ないのかあ」とつぶやいた。
本当は旅立ってすらいないので、ラシャンスの旅立ちに関する手掛かりがないのは当たり前なのだが、ファルツァーにはレトワールが師匠のラシャンスから放置されたちょっと可哀そうな弟子に見えた。
「子供が1人きりで暮らすのは心配だな」
「そ、そんなことはありません!」
慌ててラシャンスは否定する。
「そうなの?」
「ええ、ええ、お師匠様はいろいろ用意してくださいましたし、それなりに蓄えもありますので、まーったく問題ありません」
「うーん」
納得しない様子のファルツァーだったが、ラシャンスは「本当に平気ですから」と押し通した。
「ところで…」
「うん?」
「ファルツァー様はお師匠様を追いかけるつもりなんですか?」
いきなりの問いかけにファルツァーは顔を真っ赤にさせる。
「追いかける…ことができれば良いんだけど、なんだかいろいろ…忙しいし」
いろいろ名誉任務や特別職を受けてしまったファルツァー。
それぞれに対して毎日仕事がある形ではないものの、ひとつひとつが重なれば、毎日忙しいのは変わらない。
「連れ戻す…とか」
レトワールが不思議に思う。
「連れ戻して、どうするんですか?」
「それは…、その…何と言うか…結婚…とか」
言い淀むファルツァーの様子を見たレトワール。
「結婚」を聞いたレトワールはファルツァーの心情が理解できた。
『ファルツァーもティノロッシ王太子と同じなんだ』
つまり2人ともラシャンスが好きらしい。
それに気づいたラシャンスの顔が赤くなる。
「そ、そ、そ、そうですね。お師匠様は素敵な女性ですもの」
「そ、そ、そ、そうだな。ラシャンスは素敵な女性なんだよな」
2人とも自分が何を言ってるか分からなくなった。
「それにラシャンスも面白いところがあるんだよ」
そう聞いたレトワールの挙動がピタリと止まる。
「面白い?」
「うん」
そう答えたファルツァーは野宿したことを語り出した。
「隣国に向かう途中で野宿をしたことがあってね…」
ファルツァーの語り出しはこうだった。
どこかで聞いた語り出しから、レトワールの額に汗が浮かぶ。
5人の手練れがパーティーを組んでいても、用心に越したことはない。
魔法使いであるラシャンスが結界を張ったうえに、ファルツァー、オーブ、ディスタント、時にはポーが順番に寝ずの番をしていた。
「ある晩、俺が起きて番をしていた時にね…」
小さな焚火を見つつ番をしていたオーブは、「うーん」とラシャンスの寝息を聞いた。男達3人とは少し離れたところで寝ていたラシャンスだったが、特に遮るものもなく、寝息を聞くこともあれば、寝顔を見てしまうこともあった。
見るともなくラシャンスの寝顔を見たファルツァーはびっくりした。
これまで凶悪な魔物や暴れ狂う猛獣を前に、一度もひるんだことのなかったファルツァーだったが、ラシャンスの寝顔を見た瞬間、うめき声を上げたくなる口を押さえると、そのままゴロゴロと転がった。
そっと体を起こして、ラシャンスの方を見る。寝顔のラシャンスは白目をむいていた。
「あれは癖…かなあ…」
「そんな!私…の師匠が!」
ここでも「私」と言いかけたレトワールは何とかごまかした。
「信じられないかもしれないけど、事実なんだ。今でもはっきり思い出せるよ」
ファルツァーが目を閉じる。
脳裏に白目をむいたラシャンスの顔を思い出しているらしい。
「そんな…」
レトワールはがっくりとうなだれる。
尊敬する師匠が意外な寝顔をしていたと知って、レトワールがショックを受けたと思ったファルツァーも、オーブと同じように慰めの言葉をかける。
「この話をするのは初めてだよ。もう誰にも言わないから」
「オーブ様やディスタント様、ポー様は知っているのでしょうか?」
レトワールに聞かれたファルツァーは「いや…」と複雑な顔をした。
「俺達は順に寝ずの番をしていたから、もしかすると見てるかも…」
レトワールは再び絶望的な心境になった。
「何かあったら、絶対に連絡が欲しい」
ファルツァーの申し出に「はい」と答えたレトワールは、ファルツァーを見送った。
玄関の扉を閉めると、そのまま床を転げまわる。
「メリナ!」
レトワールに呼ばれたメリナが飛び出してきた。
「あなた、知ってた?」
先日と同じく尋ねる。
「何をですか?」
メリナの返事も同じだった。
「その…、私が寝てる時…」
「ファルツァー様が言っていた白目ですね」
「知ってたのなら、教えてくれても良いのに!」
メリナは首を振る。
「いつも白目をむいているってこともなかったですし、たまたまファルツァー様が見ただけだと思いますよ」
「そうなの…ってそれでも困るのよ!」
「そうなんですか?」
「やっぱり恥ずかしいじゃない!」
「そう言われても…、英雄シャイニングウィッチで天才魔法使いのラシャンス・シトロナード様にとって、大した傷とは思えませんが…」
「そうじゃないの!」
ラシャンスは床を転がりまわる。
「英雄とか、天才魔法使いとか、才色兼備とか、史上まれに見る美女とか関係なくって…」
メリナは「そこまで言ってませんけど…」の言葉を飲み込んだ。
「女として恥ずかしいの!」
ようやくメリナは理解した。
「鼻ちょうちんと言い、白目と言い、いろいろ大変ですね」
冷静なメリナの言葉はレトワールを一段と興奮させた。
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