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第1話 ドラゴンキラーの誕生
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大陸をほぼ二分する領土を誇るマジョール王国とユウゼン王国。
そんな大陸の北端には人が入り込むのを嫌うかのような山岳地帯がある。
そこは多くの人から「聖地」と呼ばれる場所でもあった。
なぜならそこでは数百年に1度ドラゴンが誕生するからだ。
一部の人間の中では神格化すらされているドラゴン。
ただし平和に暮らす人間にとって、圧倒的な暴力で襲い掛かるドラゴンが大きな災難となるのは事実。つまり誕生したドラゴンを、何としてでも退治しなくてはいけなかった。しかしながら大陸全ての国々が力を合わせてドラゴンを迎え撃っても、倒しきるのは難しかった。いや、大陸中の兵士や魔法使いを総動員すれば、何とかドラゴンを退治できなくもない。が、それはドラゴンが真正面から向かってくればの話。空を飛べるドラゴンに大軍を向かわせるのは機動力の面で圧倒的に不利であり、軍が移動して手薄になった地域をドラゴンに狙われるのがオチだった。
こんな言葉がある。
愚者は経験に学び
賢者は歴史に学ぶ
つまり賢い者は過去の歴史から対策を練って事態に向かうのに対して、愚かな者は自らが体験した後でしか事態に向かえないとの意味。
数百年に1度であってもドラゴン退治の歴史を重ねた人間達は、1000年ほど前から何とか効果的な策を編み出していた。まず防御主体に編成した軍を大陸の主要な都市や港湾、農場などに配置する。それと同時に、あえて防御が手薄な地域を作ってドラゴンをおびき寄せたうえで、その場に選りすぐりの精鋭を投入してドラゴンに対抗するとの作戦だ。数百年前に続いて、今回も同様の作戦で当たることになった。
精鋭の数は時代によって異なる。
最も少ない時には2人だった。
その反対に8人がドラゴンに立ち向かったこともある。
ドラゴン誕生を聞いたマジョール王国の国王であるグリーノール・ジ・グローリーは、いち早くユウゼン王国と協定を結んだ。そして大陸中から精鋭となる人物の情報を収集した。
自薦他薦で数百名の候補者を集めた後、力量を比べて5人の精鋭を選んだ。
まず冒険者から2人。
体よりも大きな剣を軽々と振るう豪剣士ファルツァー・ゴルドー
鍛えぬいた肉体ひとつで魔物や猛獣と渡り合う拳闘家ディスタント・ドラムス
そして魔法使いから1人。
水の精霊と契約し人類史上最高とも言われる魔力を誇る魔法使いラシャンス・シトロナード
さらにマジョール王国軍の中から2人。
貴族で神職ながら魔法と剣術に熟達した聖騎士オーブ・レ・ジェール
治療や回復の魔法や薬に関して生きた伝説と評される僧侶ポー・ドゥース
ポーは60代だったが、他の4人は20代だった。
5人はマジョール王国とユウゼン王国、そして周辺国と綿密に連携し、数カ月かけて大陸西部にある平原にドラゴンをおびき寄せた。そこで5人はドラゴンと戦った。
なんと一昼夜も!
5人が奮戦した結果、ドラゴンに痛烈なダメージを与えることができた。傷ついたドラゴンが生まれた場所である大陸北端の山岳地域に逃げ込むと、5人は約半年かけて体制を整えつつドラゴン追撃を開始。山岳地域の不利をマジョール王国とユウゼン王国、そして周辺国からの補給で補いつつ、数カ月の後、とうとうドラゴンを退治した。
今生の英雄、ドラゴンキラーの誕生である。
マジョール王国の国王であるグリーノール・ジ・グローリーは、最高の賛辞とともに、最大限の褒美を5人に贈ろうと考えた。
まず5人に二つ名が贈られた。
豪剣を振るうファルツァー・ゴルドーは「ハリケーンソード」
拳で戦うディスタント・ドラムスは「ダイヤモンドナックル」
金髪が艶やかなラシャンス・シトロナードは「シャイニングウィッチ」
聖騎士のオーブ・レ・ジェールはそのまま「ホーリィナイト」
治癒や回復の名手であるポー・ドゥースは「グランドヒーラー」
これらはグリーノール国王が考えたわけではなく、一般に噂されているものの中から、5人が「これなら」と選んだもの。それを王家が任命することで、公式な二つ名となる。その結果、他の誰も同じ二つ名を名乗ることが禁止されるだけでなく、さらにいろいろな栄誉が物心ともに与えられる。
もちろん当人が受け取れば、だが。
グリーノール国王は5人に爵位を贈ると決めた。
伯爵家を継いでいたオーブ・レ・ジェールが侯爵へと上がったものの、ファルツァー、ディスタント、ポー、そしてラシャンスは断った。4人とも正直に「面倒だから」と言わなかったものの、4人が断った理由はそれと大差なかった。
そこでグリーノール国王は領地を与えようと言った。
既に親から領地を受け継いでいたオーブ・レ・ジェールは「これ以上は不要」と断った。ファルツァー、ディスタント、ポー、そしてラシャンスは、やはり「面倒だから」とこそ言わないものの、こちらも断った。
次にグリーノール国王は金銭や宝石はどうかと尋ねた。
「それなら」と5人とも了承した。グリーノール国王がホッとしたのもつかの間、5人とも、「いただける分の金銭や宝石は、貧しい人や恵まれない人に配ってください」と付け加えたことで、実質的な褒美とはならなくなった。
思いや悩んだグリーノール国王は王国秘蔵の武具や魔法道具は使わないかと聞いた。
「それではこれを」
貴族であるオーブは国王の心中を察すると、「これ以上断っても」と考えて、いくつか提示された武具の中から、宝剣を選んだ。加護が付加された宝石を柄にはめ込んだ逸品だ。
そしてこっそり他の4人にアドバイスする。
「形だけでも受け取っておきましょう」
オーブのアドバイスを受けて、僧侶のポーは治療薬の製造に便利な魔法道具を選んだ。
ディスタントは、『面倒だなあ』と思いつつも防御の強化属性がついた鋼鉄製の籠手を受け取った。
「それなら」とファルツァーは愛用する大剣に魔法を付与してもらうよう頼んだ。ファルツァーの願いを聞いたグリーノール国王は、王宮所属の魔法使いにファルツァーの願いをかなえるよう命じた。
これで5人中4人が褒美を受け取った。
残るは魔法使いのラシャンス・シトロナードだ。
稀代の魔法使いである彼女は、武具はもちろん、マジョール王国秘蔵の魔法道具をじっくり眺めたものの、心惹かれるものを見つけることができなかった。
「陛下のお気持ちだけ、ありがたくいただいておきます」
ラシャンスはうやうやしく頭を下げる。そうした謙虚な態度であっても、グリーノール国王を納得させることはできなかった。国王は何がしかの褒美を授けたかったからだ。
わずかながら国王の目元に影が浮かぶのを、オーブは見逃さなかった。
グリーノール国王は暗君ではない。
平時より国民のことを考えた政治を行い、ユウゼン王国や周辺国とも友好関係を維持してきたため、勝っても負けても悲惨な結果につながる戦争とも無縁だ。数百年をへて大陸の北端にドラゴンが出現すると、それら周辺国と協力して素早く対策を講じている。ファルツァーら5人の精鋭を最終的に選んだのも、やはりグリーノール国王だった。
ラシャンスに国王の好意を無視するような意図は無かったが、ここまで国王としての立場をないがしろにされると、グリーノール国王が何となく不愉快な気分になるのは避けられない。ここにもし、フレグラント・パ・グローリー王妃がいれば、女性の立場からグリーノール国王に何かアドバイスできたかもしれない。しかしフレグラント王妃は6年も前に亡くなっていた。
そこで助け舟を出したのは、やはり貴族であるオーブだった。
「陛下、ラシャンス自身に希望を尋ねてみてはいかがでしょうか」
「ふむ、そうだな」
そんな大陸の北端には人が入り込むのを嫌うかのような山岳地帯がある。
そこは多くの人から「聖地」と呼ばれる場所でもあった。
なぜならそこでは数百年に1度ドラゴンが誕生するからだ。
一部の人間の中では神格化すらされているドラゴン。
ただし平和に暮らす人間にとって、圧倒的な暴力で襲い掛かるドラゴンが大きな災難となるのは事実。つまり誕生したドラゴンを、何としてでも退治しなくてはいけなかった。しかしながら大陸全ての国々が力を合わせてドラゴンを迎え撃っても、倒しきるのは難しかった。いや、大陸中の兵士や魔法使いを総動員すれば、何とかドラゴンを退治できなくもない。が、それはドラゴンが真正面から向かってくればの話。空を飛べるドラゴンに大軍を向かわせるのは機動力の面で圧倒的に不利であり、軍が移動して手薄になった地域をドラゴンに狙われるのがオチだった。
こんな言葉がある。
愚者は経験に学び
賢者は歴史に学ぶ
つまり賢い者は過去の歴史から対策を練って事態に向かうのに対して、愚かな者は自らが体験した後でしか事態に向かえないとの意味。
数百年に1度であってもドラゴン退治の歴史を重ねた人間達は、1000年ほど前から何とか効果的な策を編み出していた。まず防御主体に編成した軍を大陸の主要な都市や港湾、農場などに配置する。それと同時に、あえて防御が手薄な地域を作ってドラゴンをおびき寄せたうえで、その場に選りすぐりの精鋭を投入してドラゴンに対抗するとの作戦だ。数百年前に続いて、今回も同様の作戦で当たることになった。
精鋭の数は時代によって異なる。
最も少ない時には2人だった。
その反対に8人がドラゴンに立ち向かったこともある。
ドラゴン誕生を聞いたマジョール王国の国王であるグリーノール・ジ・グローリーは、いち早くユウゼン王国と協定を結んだ。そして大陸中から精鋭となる人物の情報を収集した。
自薦他薦で数百名の候補者を集めた後、力量を比べて5人の精鋭を選んだ。
まず冒険者から2人。
体よりも大きな剣を軽々と振るう豪剣士ファルツァー・ゴルドー
鍛えぬいた肉体ひとつで魔物や猛獣と渡り合う拳闘家ディスタント・ドラムス
そして魔法使いから1人。
水の精霊と契約し人類史上最高とも言われる魔力を誇る魔法使いラシャンス・シトロナード
さらにマジョール王国軍の中から2人。
貴族で神職ながら魔法と剣術に熟達した聖騎士オーブ・レ・ジェール
治療や回復の魔法や薬に関して生きた伝説と評される僧侶ポー・ドゥース
ポーは60代だったが、他の4人は20代だった。
5人はマジョール王国とユウゼン王国、そして周辺国と綿密に連携し、数カ月かけて大陸西部にある平原にドラゴンをおびき寄せた。そこで5人はドラゴンと戦った。
なんと一昼夜も!
5人が奮戦した結果、ドラゴンに痛烈なダメージを与えることができた。傷ついたドラゴンが生まれた場所である大陸北端の山岳地域に逃げ込むと、5人は約半年かけて体制を整えつつドラゴン追撃を開始。山岳地域の不利をマジョール王国とユウゼン王国、そして周辺国からの補給で補いつつ、数カ月の後、とうとうドラゴンを退治した。
今生の英雄、ドラゴンキラーの誕生である。
マジョール王国の国王であるグリーノール・ジ・グローリーは、最高の賛辞とともに、最大限の褒美を5人に贈ろうと考えた。
まず5人に二つ名が贈られた。
豪剣を振るうファルツァー・ゴルドーは「ハリケーンソード」
拳で戦うディスタント・ドラムスは「ダイヤモンドナックル」
金髪が艶やかなラシャンス・シトロナードは「シャイニングウィッチ」
聖騎士のオーブ・レ・ジェールはそのまま「ホーリィナイト」
治癒や回復の名手であるポー・ドゥースは「グランドヒーラー」
これらはグリーノール国王が考えたわけではなく、一般に噂されているものの中から、5人が「これなら」と選んだもの。それを王家が任命することで、公式な二つ名となる。その結果、他の誰も同じ二つ名を名乗ることが禁止されるだけでなく、さらにいろいろな栄誉が物心ともに与えられる。
もちろん当人が受け取れば、だが。
グリーノール国王は5人に爵位を贈ると決めた。
伯爵家を継いでいたオーブ・レ・ジェールが侯爵へと上がったものの、ファルツァー、ディスタント、ポー、そしてラシャンスは断った。4人とも正直に「面倒だから」と言わなかったものの、4人が断った理由はそれと大差なかった。
そこでグリーノール国王は領地を与えようと言った。
既に親から領地を受け継いでいたオーブ・レ・ジェールは「これ以上は不要」と断った。ファルツァー、ディスタント、ポー、そしてラシャンスは、やはり「面倒だから」とこそ言わないものの、こちらも断った。
次にグリーノール国王は金銭や宝石はどうかと尋ねた。
「それなら」と5人とも了承した。グリーノール国王がホッとしたのもつかの間、5人とも、「いただける分の金銭や宝石は、貧しい人や恵まれない人に配ってください」と付け加えたことで、実質的な褒美とはならなくなった。
思いや悩んだグリーノール国王は王国秘蔵の武具や魔法道具は使わないかと聞いた。
「それではこれを」
貴族であるオーブは国王の心中を察すると、「これ以上断っても」と考えて、いくつか提示された武具の中から、宝剣を選んだ。加護が付加された宝石を柄にはめ込んだ逸品だ。
そしてこっそり他の4人にアドバイスする。
「形だけでも受け取っておきましょう」
オーブのアドバイスを受けて、僧侶のポーは治療薬の製造に便利な魔法道具を選んだ。
ディスタントは、『面倒だなあ』と思いつつも防御の強化属性がついた鋼鉄製の籠手を受け取った。
「それなら」とファルツァーは愛用する大剣に魔法を付与してもらうよう頼んだ。ファルツァーの願いを聞いたグリーノール国王は、王宮所属の魔法使いにファルツァーの願いをかなえるよう命じた。
これで5人中4人が褒美を受け取った。
残るは魔法使いのラシャンス・シトロナードだ。
稀代の魔法使いである彼女は、武具はもちろん、マジョール王国秘蔵の魔法道具をじっくり眺めたものの、心惹かれるものを見つけることができなかった。
「陛下のお気持ちだけ、ありがたくいただいておきます」
ラシャンスはうやうやしく頭を下げる。そうした謙虚な態度であっても、グリーノール国王を納得させることはできなかった。国王は何がしかの褒美を授けたかったからだ。
わずかながら国王の目元に影が浮かぶのを、オーブは見逃さなかった。
グリーノール国王は暗君ではない。
平時より国民のことを考えた政治を行い、ユウゼン王国や周辺国とも友好関係を維持してきたため、勝っても負けても悲惨な結果につながる戦争とも無縁だ。数百年をへて大陸の北端にドラゴンが出現すると、それら周辺国と協力して素早く対策を講じている。ファルツァーら5人の精鋭を最終的に選んだのも、やはりグリーノール国王だった。
ラシャンスに国王の好意を無視するような意図は無かったが、ここまで国王としての立場をないがしろにされると、グリーノール国王が何となく不愉快な気分になるのは避けられない。ここにもし、フレグラント・パ・グローリー王妃がいれば、女性の立場からグリーノール国王に何かアドバイスできたかもしれない。しかしフレグラント王妃は6年も前に亡くなっていた。
そこで助け舟を出したのは、やはり貴族であるオーブだった。
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