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【一章】ルーシャン
十九話* エダム×ルーシャン
しおりを挟むエダムに中を指で探られただけで、突き出している腰が揺れてしまいそうだった。クチュクチュと湿った音がして自分がどれだけこの行為を期待していたのか耳でも強制的に知る事になる。その羞恥すら今は快楽の手助けをするだけだ。
「は、あ……エダムのゆび……きもちぃ……」
「ルーシャンってば、もう気持ち良いこと好きになった?」
「ん……すき……」
「はは、素直。中すっごいことになってるねぇ」
エダムは一旦抜いた指に絡む粘液を弄び、再び本数を増やして中を探った。しっかりと俺が気持ち良い場所に触れてくれる。優しくされているのはわかっているのだが、我慢のきかなくなった俺は更に強い刺激を求めてエダムにねだってしまう。
「アぁ……んぅうッ……早く……太いの、欲しい……エダム……」
「太いのって何? もう一回言って欲しいなぁ」
「うぅ……エダムの……おチンチン……くださいって、さっき、ちゃんと言ったのにぃ……!」
「ごめんごめん、ちゃんとお願いしたんだから叶えてあげないとね」
子供をあやすように言ったエダムは、俺の後頭部に口付けてから熱く硬い切っ先を俺の中に埋め込んだ。後ろからだと正面からとはまた違う部分が刺激されて気持ちが良い。俺の肉壁はエダムを締め付け、貪欲に精液を搾り取ろうとしているようだ。
「はっ……ぁ……ア、アッ……うっ……はいって、きたぁ……ッ」
「ヌルヌル、なのに……締まりは最高だね……キツいくらいだ」
気持ち良さそうにエダムは言うのに、全てを収めてから全く動いてくれない。しかし、何かに気付いたように俺の脇の下にある隙間から手を差し込んできた。
「あれ? 服の構造面白いね。隙間から胸が簡単に触れるようになってる」
新しいオモチャでも見つけたように明るくエダムは言った。遠慮なんかなく、エダムは俺の乳頭をグニグニと強めに刺激してくる。
「ヒッ……ぃ……いあっ……あ、んッ……」
「乳首いじめると中がビクビク動く……気持ち良いんだね、かわいい声だ」
確かに気持ち良いし、乳首の刺激がダイレクトに中の快感に繋がっている。でも、もっと欲しくてたまらないのだ。
「あっあ、足りない……もっと、ほしい……動いて……エダム……っおねがい……」
「いいよ……どう動いて欲しい?」
「ゆっくり……おチンチンで、中……いっぱい、擦って……ほしい……」
「いっぱい擦って、どうして欲しいのかな?」
「ぅ……俺のこと、気持ち良くして……エダムの……せーえき……たっぷり、お尻の奥に……飲ませて……」
「了解。こうかな?」
散々言葉で言わせてから、エダムは俺の望み通りゆっくりと一定の速度で内壁を擦った。望んだ快感が押し寄せて勝手に声が溢れてしまう。
「んっ……ひぃ……ひぐっ……っやぁ、あっ、あふ……ううっ」
俺の身体にどんどんエダムの性器が馴染み、動かれる度に全身に快楽が走った。俺の脚がガクガクと震え出す。もう俺が自らを支える事が難しくなったのを察したエダムが体勢を変えるために一旦性器を抜いた。
「ッ……ぁ……」
「そんな寂しそうな顔しないで……すぐ挿れなおすから」
「……うん……」
「しっかり俺の首に掴まってて」
壁を向いていた俺の身体を反転させて向かい合った。エダムの指示に従い、俺は正面にある首にしっかりと両腕を絡めた。エダムは壁を背に体重を預けさせた俺の両脚を抱えて持ち上げた。脚を上げた事で晒された俺のアナルに再びエダムの性器が触れる。
「ちょっと深くなるかも……」
「えっ……あ! アッ……ぐぅ……ふぅ……あ゛……ッ」
まさか立ったまま挿入されると思わなくて衝撃で変な声が出た。重力も手伝って今までにない深さで繋がり、まさに串刺しという表現がとても合うと思った。エダムはこんな体勢でもしっかりと俺を支え、器用に下から突き上げる。
「はっ、あ゛……あ、ん……あぁ……おかしく、なる……おなか、おかしひ……」
「もうそろそろルーシャン、中イキできそう?」
「なに……わかんな……あつい……ッ奥……が……」
「勃起も射精もしなくて、女の子みたいに中だけでイくんだ……難しく考えなくていい。僕に身も心も任せてくれればもっと気持ち良くなる」
エダムは俺にキスしながら腰を動かす。俺は衝撃に揺さぶられながらも必死にエダムに縋りついた。キスも気持ち良いし、繋がっている部分も気持ち良い。これ以上ないくらい既に快楽に溺れているのに、まだ気持ち良くなりたい。自分の欲望に素直になった瞬間に、身体の余計な力が抜けた気がした。その瞬間、ゴチュゴチュと今までになく奥を抉られて視界に光が弾ける。
「おっ……ぐッ……ひぃッ……あうッ……ンッ、やら……むり、しんじゃぅ……んん──ッ!!」
ガクガクと大袈裟なくらい俺の下半身が痙攣してから、全身が大きく跳ねた。
強過ぎる快感に、俺の意識は遠くに飛んでいたようだ。目は開いているのに、視線は何も捉えることなく宙を彷徨っていた。ぼんやりとした視界がゆっくりと元に戻ると、俺はいつの間にか床に敷いた布の上に寝かされていた。いつエダムがイってセックスが終わったのかも思い出せない。機関室のままだからそこまで時間は経っていないはずだが、意識が飛ぶのは初めての事で少なからず俺は動揺していた。
「おっ、ルーシャン、もう大丈夫そう? お水飲めるかな?」
すぐ近くで壁に背を預け、床に座っていたエダムが俺に声を掛けた。頷いた俺は水の入ったグラスを受け取りって一気に飲み干した。冷たい水が体を通ると、やっと意識がハッキリしてくる。エダムが水や布を取りに行った事すらもわからなかったなんてヤバ過ぎるだろ。
俺の魔物化も大きいが、それを抜きにしてもエダムに抱かれる度に新たな快感を教え込まれている感覚がある。他の三人は純粋に俺を求めてくれている感じだが、エダムは行為自体を楽しむ余裕を持っている。四人の中で最年長だから、という理由で片付けられるものじゃない。俺はエダムに質問してた。
「……なあ……エダムって、実はプレイボーイだったのか?」
「え、僕は昔の君に隠していたのかな?」
意外そうに言われて俺の方が驚いてしまう。エダムは全く気にする様子もなくカラカラと笑った。
「あっはっは、そっか。言ってなかったかぁ。僕は若い頃から男女問わず遊んでたよ。勿論仕事が第一だったけど、息抜きあってこそ頑張れるしねぇ」
「嘘だろ……俺、ずっとエダムは堅物だと思っていたのに……」
「ふむ。僕はきっとルーシャンに自分のことを良く見せたかったんだろうねぇ」
俺、40歳になっても結婚しないエダムに対して申し訳なさを感じていたのに。縁談を用意しようとしても断られるし、真面目だから仕事のために独身を貫いているんじゃないか心配してたのに。
数百年越しに知った事実に俺は不貞寝したい気分になった。
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