7 / 14
第7話 「この後どうすればいいの?!」
しおりを挟む
今日はお休みの日だからお昼近くまで寝ちゃった。昨日あんなこと言っちゃったし公園、行ってみようかな。軽くお昼を食べて身支度を整える。
「いってきまーす!」
玄関に行き、履き慣れた靴を履きながらそう言った。
「どこかお出かけ? 夕飯はいるの?」
扉に手をかけるとお母さんの声が聞こえた。
「うーん、ちょっとそこまで。夜までには帰るから大丈夫! それじゃあ行ってくる!」
休日に外に出るなんていつぶりだろう。中学の頃は近場に友達とお出かけとかはしてたけど、思えば高校に入ってからは全然だったなぁ。とは言っても、近くの公園に行くだけなんだけどね。
ゆるりとラフな格好で公園に向かうと、れなが入口で腕を組みながら待っていた。その表情は少しだけむすっとしていた。
「遅い!! もう昼だよ?」
「え、いつから待ってたの?」
「朝、割と早くから」
めちゃくちゃ張り切ってる! やっぱり昨日のこと、忘れてないよね......
「ごめんごめん! まさかそんな早くからいるとは思わなくて。私、休みの日は結構ゆっくりだから」
「うん、まあ花恋のことだからそうだと思ってた。別に怒ってないから」
れなは腕を組みながら頷くようにそう呟いた。たぶん、ちょっと機嫌悪そう。
「あ、そうだ。せっかくだからこの辺ぶらぶらしない?」
「今から花恋の家行っちゃだめなの?」
さらっと話を逸らそうとしたのにれなはズバッと確信に迫ってくる。
「えー、あー、今はちょっとね。うん、色々あるからさ。後ででもいい?」
ちゃんと断ればいいのに、れなのまっすぐな目がそうはさせてくれない。そう言って逸らした目線をふとれなの方へと戻すと、れなの背中にあるピンク色の可愛いリュックが目についた。
「あれ、そのリュックどうしたの?」
「泊まる準備」
うーん、もうだめみたい。夜になる前に何とかする方法を考えなきゃ。
「なにー? さっきかられなのことずっと見てるけどそんなに可愛かった?」
またれなは少し揶揄うようにそう言った。
「うん。似合ってると思う」
私が素直にそう答えるとれなは少し顔を赤らめる。
「そ、そう。ありがと......んーなんか花恋と話してると調子狂う」
「じゃあ行く? って行っても何をするわけでもないんだけどね」
「うん!」
隣を歩くれなはいつにも増してニコニコしている。
冷静になると私が知らない小学生くらいの女の子と一緒に歩いてるのってどう見えるのかな。姉妹とかに見えるのかな。他の人に見つかったらどうしよう。うーん、その時考えればいっか。
「そう言えば本当に家出しちゃって大丈夫? 誰か帰ってきて問題にならない?」
「鍵は持ってるし、最悪誰か帰ってきた時のために友達の家に泊まるって書き置きしてきた。嘘じゃないし......」
信じられないほど用意周到なれなに感嘆する他ない。
「あー、そうなんだ? じゃあ大丈夫なんだね......」
そう言った私の声は諦めるしかないという感情が漏れ出ていた気がする。私はいよいよ逃げ場を失ってしまったらしい。本当にこの後どうしたらいいのー?!!
「いってきまーす!」
玄関に行き、履き慣れた靴を履きながらそう言った。
「どこかお出かけ? 夕飯はいるの?」
扉に手をかけるとお母さんの声が聞こえた。
「うーん、ちょっとそこまで。夜までには帰るから大丈夫! それじゃあ行ってくる!」
休日に外に出るなんていつぶりだろう。中学の頃は近場に友達とお出かけとかはしてたけど、思えば高校に入ってからは全然だったなぁ。とは言っても、近くの公園に行くだけなんだけどね。
ゆるりとラフな格好で公園に向かうと、れなが入口で腕を組みながら待っていた。その表情は少しだけむすっとしていた。
「遅い!! もう昼だよ?」
「え、いつから待ってたの?」
「朝、割と早くから」
めちゃくちゃ張り切ってる! やっぱり昨日のこと、忘れてないよね......
「ごめんごめん! まさかそんな早くからいるとは思わなくて。私、休みの日は結構ゆっくりだから」
「うん、まあ花恋のことだからそうだと思ってた。別に怒ってないから」
れなは腕を組みながら頷くようにそう呟いた。たぶん、ちょっと機嫌悪そう。
「あ、そうだ。せっかくだからこの辺ぶらぶらしない?」
「今から花恋の家行っちゃだめなの?」
さらっと話を逸らそうとしたのにれなはズバッと確信に迫ってくる。
「えー、あー、今はちょっとね。うん、色々あるからさ。後ででもいい?」
ちゃんと断ればいいのに、れなのまっすぐな目がそうはさせてくれない。そう言って逸らした目線をふとれなの方へと戻すと、れなの背中にあるピンク色の可愛いリュックが目についた。
「あれ、そのリュックどうしたの?」
「泊まる準備」
うーん、もうだめみたい。夜になる前に何とかする方法を考えなきゃ。
「なにー? さっきかられなのことずっと見てるけどそんなに可愛かった?」
またれなは少し揶揄うようにそう言った。
「うん。似合ってると思う」
私が素直にそう答えるとれなは少し顔を赤らめる。
「そ、そう。ありがと......んーなんか花恋と話してると調子狂う」
「じゃあ行く? って行っても何をするわけでもないんだけどね」
「うん!」
隣を歩くれなはいつにも増してニコニコしている。
冷静になると私が知らない小学生くらいの女の子と一緒に歩いてるのってどう見えるのかな。姉妹とかに見えるのかな。他の人に見つかったらどうしよう。うーん、その時考えればいっか。
「そう言えば本当に家出しちゃって大丈夫? 誰か帰ってきて問題にならない?」
「鍵は持ってるし、最悪誰か帰ってきた時のために友達の家に泊まるって書き置きしてきた。嘘じゃないし......」
信じられないほど用意周到なれなに感嘆する他ない。
「あー、そうなんだ? じゃあ大丈夫なんだね......」
そう言った私の声は諦めるしかないという感情が漏れ出ていた気がする。私はいよいよ逃げ場を失ってしまったらしい。本当にこの後どうしたらいいのー?!!
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる