悠遠の誓い

10章

もらうから

またこの夢かよ…

真っ白な世界に黒い檻。
立ち尽くす銀色の後姿に向かって言う。


「お前がずっとそうしてるつもりならアイツはオレがもらうからな」

ピクリと反応した。

「前世でどうとか知らない。オレはここでのアイツしか知らないけどお前だってここでのアイツを知らないだろ？」

細い肩が震えてるように見えた。

「お前はそうやって…きっと見つけるって言ったくせに約束破りしてアイツを苦しめて」

檻に手をかける。夢のくせにちゃんと冷たいんだな。

「許さねえかんな。運命とか輪廻とかたいそうなことばっか言いやがって。そのくせこんなとこ閉じこもりやがって」

揺するとガシャンと音がする。


「…お前が。お前がいらないんなら―――――オレがもらうかんな！」

そういった瞬間、振り向いたラベンダー色の瞳と目が合った。
かすかに震えるふっくらとピンク色に艶めく唇が戦慄く。

『やめて…』

こんな綺麗な声を聞いたことがなかった。ＣＧの時の声も綺麗だと思ったけど本物は半端ねぇな。

「やっと口ききやがったな　この野郎」

オレの口がドンドン悪くなる。気に入らねえ。濡れたような睫毛も、桃のように色づく頬も、触りたくなるような柔らかそうな唇も、シャラリと揺れるつややかな髪も、見たこともねえ生地でできた衣装も全部気に食わねえ。

「お前なんかに…アイツを渡そうなんて思ったオレがバカだったよ」



こんなチビでバカで平凡なオレだけど




「お前は永遠にその中にいやがれ！これからはオレがアイツの運命だ」