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6章
19 決断
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「永遠にはわからないように、クウガ族の戦士を数人つけてくれ」
俺は永遠と出会ってから何度も危ない目に合わせた。
そのせいで過保護になり、心配で傍から離せないのは俺にとっても永遠にとっても良いことじゃないだろう。
--------俺たちは今まで生きてきた世界が狭すぎることを、ようやく理解した。
「もうこちらでお教えすることはなくなってしまいました」
残念そうな教育担当がそう言った次の日から、朝食後の勉強の時間もなくなった。
ガビエ茶を半分ほど飲んだところで、宰相が部屋にやってきた。
今夜もあの話だろう。
「王都へおいでいただけませんか」
宰相が何度も言ってくる。
ここでの暮らしは有難すぎるくらい快適だし、時折現れる魔獣を幻魔獣に変えるため街の外へと数ドウ行くのも、旅のようだと永遠は喜んでいる。
「ここでもよいのですが、狭すぎてこれ以上建物は増やせません」
端から端まで歩くのに1ドウはかかりそうなほどに大きくなった果てまで続いているのでは?と思うほどだった草原に、緑を残しながら大小いくつもの建物が出来、無数のクウガ族・クテニ族の暮らしがここにはある。
「王都に残る者たちは、こちらへこれる日を指折り数えており、去る日が近づく者は涙しております」
--------そこまで?
そこまで思ってもらえる黒の王という存在が自分であると言うことに、改めて考える。
数ムンセごとの人々の交代はやはり負担だろう。
俺はここに思い入れはある、少しづつ増えていく家々、人それらを見てきた。
何度も問われ、考え、迷ってきたが……
俺はとうとう決断した。
「山頂の家に帰りたい」
俺がそう言うといつも冷静な宰相が卒倒してしまった。
「おぇ~?さいしょー、ねちゃった?」
風呂から戻ってきてよい香りのする永遠の髪を撫で、運ばれていく宰相を見送った。
部屋から一人づつ下がってゆき、最後にラウミとアージュネイトが頭を下げながら扉を閉じた。
二人っきりになった室内で永遠、いやアルゼを抱き上げる。
寝所の大きな寝床にアルゼを横たえ見つめあう。
「俺も綺麗にしてくるから待っててくれ」
唇を合わせ深く舌を絡ませあうと、アルゼの白い頬がスケリ色に色づく。
プクゥと頬を膨らませ「いっちょ、はいればよかった」と文句を言う。
今夜も俺の番が可愛すぎて、このまま…とも考えたが、なんとか理性と闘い
「すぐだ」と言い風呂へと走った。
俺は永遠と出会ってから何度も危ない目に合わせた。
そのせいで過保護になり、心配で傍から離せないのは俺にとっても永遠にとっても良いことじゃないだろう。
--------俺たちは今まで生きてきた世界が狭すぎることを、ようやく理解した。
「もうこちらでお教えすることはなくなってしまいました」
残念そうな教育担当がそう言った次の日から、朝食後の勉強の時間もなくなった。
ガビエ茶を半分ほど飲んだところで、宰相が部屋にやってきた。
今夜もあの話だろう。
「王都へおいでいただけませんか」
宰相が何度も言ってくる。
ここでの暮らしは有難すぎるくらい快適だし、時折現れる魔獣を幻魔獣に変えるため街の外へと数ドウ行くのも、旅のようだと永遠は喜んでいる。
「ここでもよいのですが、狭すぎてこれ以上建物は増やせません」
端から端まで歩くのに1ドウはかかりそうなほどに大きくなった果てまで続いているのでは?と思うほどだった草原に、緑を残しながら大小いくつもの建物が出来、無数のクウガ族・クテニ族の暮らしがここにはある。
「王都に残る者たちは、こちらへこれる日を指折り数えており、去る日が近づく者は涙しております」
--------そこまで?
そこまで思ってもらえる黒の王という存在が自分であると言うことに、改めて考える。
数ムンセごとの人々の交代はやはり負担だろう。
俺はここに思い入れはある、少しづつ増えていく家々、人それらを見てきた。
何度も問われ、考え、迷ってきたが……
俺はとうとう決断した。
「山頂の家に帰りたい」
俺がそう言うといつも冷静な宰相が卒倒してしまった。
「おぇ~?さいしょー、ねちゃった?」
風呂から戻ってきてよい香りのする永遠の髪を撫で、運ばれていく宰相を見送った。
部屋から一人づつ下がってゆき、最後にラウミとアージュネイトが頭を下げながら扉を閉じた。
二人っきりになった室内で永遠、いやアルゼを抱き上げる。
寝所の大きな寝床にアルゼを横たえ見つめあう。
「俺も綺麗にしてくるから待っててくれ」
唇を合わせ深く舌を絡ませあうと、アルゼの白い頬がスケリ色に色づく。
プクゥと頬を膨らませ「いっちょ、はいればよかった」と文句を言う。
今夜も俺の番が可愛すぎて、このまま…とも考えたが、なんとか理性と闘い
「すぐだ」と言い風呂へと走った。
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