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第4章 迷い
【41】 瑠璃色の鳥 オーディンside
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近頃のシルヴィは様子がおかしい。
エーリスのためにあれほど飛び回っていたのに、あの光を探しに行って川べりで泣いた日から、全く何も手につかなくなってしまっていた。
暇があればあの川辺に行きボンヤリと過ごしているし、帰宮してもバルコニーから夜空や山の方を見つめていた。
その様子を見るたびに私は不安に襲われる。
シルヴィの苦悩はわかっている。
なのにその手を離してやれない私がいる…。
この2年シルヴィへの愛は薄れるどころか増すばかりで、今更エーリスに帰すなど無理なことだった。
月光に照らされたシルヴィを後ろから抱きしめる。
『帰らないでくれ』と今にも口にしそうになる。
最近はシルヴィにねだられて毎夜抱いている。
負担をかけぬよう、たっぷりと前戯の時間を儲けて聖道を無理のないように広げてから中へと入る。
入れた瞬間にシルヴィの内部が蠢き、シルヴィの聖棒から放たれるもので達してくれたのだとわかる。
そのまま抱き合い、シルヴィのビクンビクンと震える体を抱きしめ、落ち着くのを待ってからユルユルと内部を味わう。1度イッたその体は更に快感に弱くなり、私の動き1つ1つに身悶える。
壁をこするようにユックリと回転を加えながら、なおかつ体の負担にならないようにシルヴィを抱く。
なのに近ごろのシルヴィはもっとメチャクチャに抱いてくれとせがむ。
何も考えられないくらいに、記憶が飛ぶまで抱いてくれと…。
こんなにも苦しんでいるシルヴィを楽にしてやれるのは私だけだとわかっているのに、そうしてやれない自分が腹立たしく、ねだられるがままに何度も何度も抱いてしまう。
(離したくない、私だけのものだ、一生一緒だと言ったではないか…)
何度目かわからない精を放った時、シルヴィは脱力し動かなくなった。やっと意識を手放せたようだ。
乱れた髪が顔にかかっているのを整える。眦から涙がツゥッと落ちた。
汗まみれの体を清め私のベッドへと運ぶ。
食が落ちているのか、もともと細い体が更に軽くなり、目の下に青い隈ができていた。
古い記憶が蘇る
あれは初等部入学前だから5歳の頃か。
皇帝宮の更に奥の皇妃宮の庭で見つけた瑠璃色の鳥。
地面でパタパタと暴れ苦しんでいるようだった。私が助けようと手を伸ばすと余計に暴れて地面に血が付いているのが見えた。
慌てて侍従を呼び捕まえてもらって、鳥かごに入れて医師を呼んだ。
ケガの治療を終えた医師が私に告げる。
『野生生物は籠の中では生きていけません、早めに放すように』と。
いやだった、こんなにきれいな生き物が私の元に来たんだ、ずっとずっと飼うんだときかなかった。
一生懸命世話をした、エサも手ずから与えた。
ケガもよくなってきて、羽ばたけるようになった鳥。
なのにある日起きたら籠の中で死んでいた―――
『だから言ったのに』
『野生の鳥を飼うなんて無理だと』
『かわいそうに』
空っぽの鳥かご、後悔
「ごめんなさい……ずっと一緒にいたかっただけなんだ…」
あれ以来、私は生き物を飼うことをやめた。
そうか…シルヴィはあの鳥と同じなのか。
「永遠に…一緒にいるのは難しいのかもしれないな」 青ざめたシルヴィの顔をなでつつ呟いた。
エーリスのためにあれほど飛び回っていたのに、あの光を探しに行って川べりで泣いた日から、全く何も手につかなくなってしまっていた。
暇があればあの川辺に行きボンヤリと過ごしているし、帰宮してもバルコニーから夜空や山の方を見つめていた。
その様子を見るたびに私は不安に襲われる。
シルヴィの苦悩はわかっている。
なのにその手を離してやれない私がいる…。
この2年シルヴィへの愛は薄れるどころか増すばかりで、今更エーリスに帰すなど無理なことだった。
月光に照らされたシルヴィを後ろから抱きしめる。
『帰らないでくれ』と今にも口にしそうになる。
最近はシルヴィにねだられて毎夜抱いている。
負担をかけぬよう、たっぷりと前戯の時間を儲けて聖道を無理のないように広げてから中へと入る。
入れた瞬間にシルヴィの内部が蠢き、シルヴィの聖棒から放たれるもので達してくれたのだとわかる。
そのまま抱き合い、シルヴィのビクンビクンと震える体を抱きしめ、落ち着くのを待ってからユルユルと内部を味わう。1度イッたその体は更に快感に弱くなり、私の動き1つ1つに身悶える。
壁をこするようにユックリと回転を加えながら、なおかつ体の負担にならないようにシルヴィを抱く。
なのに近ごろのシルヴィはもっとメチャクチャに抱いてくれとせがむ。
何も考えられないくらいに、記憶が飛ぶまで抱いてくれと…。
こんなにも苦しんでいるシルヴィを楽にしてやれるのは私だけだとわかっているのに、そうしてやれない自分が腹立たしく、ねだられるがままに何度も何度も抱いてしまう。
(離したくない、私だけのものだ、一生一緒だと言ったではないか…)
何度目かわからない精を放った時、シルヴィは脱力し動かなくなった。やっと意識を手放せたようだ。
乱れた髪が顔にかかっているのを整える。眦から涙がツゥッと落ちた。
汗まみれの体を清め私のベッドへと運ぶ。
食が落ちているのか、もともと細い体が更に軽くなり、目の下に青い隈ができていた。
古い記憶が蘇る
あれは初等部入学前だから5歳の頃か。
皇帝宮の更に奥の皇妃宮の庭で見つけた瑠璃色の鳥。
地面でパタパタと暴れ苦しんでいるようだった。私が助けようと手を伸ばすと余計に暴れて地面に血が付いているのが見えた。
慌てて侍従を呼び捕まえてもらって、鳥かごに入れて医師を呼んだ。
ケガの治療を終えた医師が私に告げる。
『野生生物は籠の中では生きていけません、早めに放すように』と。
いやだった、こんなにきれいな生き物が私の元に来たんだ、ずっとずっと飼うんだときかなかった。
一生懸命世話をした、エサも手ずから与えた。
ケガもよくなってきて、羽ばたけるようになった鳥。
なのにある日起きたら籠の中で死んでいた―――
『だから言ったのに』
『野生の鳥を飼うなんて無理だと』
『かわいそうに』
空っぽの鳥かご、後悔
「ごめんなさい……ずっと一緒にいたかっただけなんだ…」
あれ以来、私は生き物を飼うことをやめた。
そうか…シルヴィはあの鳥と同じなのか。
「永遠に…一緒にいるのは難しいのかもしれないな」 青ざめたシルヴィの顔をなでつつ呟いた。
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