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魔法使いバトル編
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「あのー、話が見えないんだけども、何でレイが謝るの?」
レイは今にも死にそうな顔をしている。
「実は俺は将来父の財務大臣職を引き継ぐ訳じゃなく、騎士団長になることが決まってるんだ。」
「え?騎士学校に通ってないのに?」
「今や魔獣退治は魔法センターの仕事じゃなく騎士団の仕事だ。そのときに指揮を執るのが俺になることが八歳の時から決まっていた。」
「そんな……何で?」
「八歳の時に自分の特殊な能力に気づいたんだ。調度良いことに俺はその頃から神童と呼ばれていたからな。騎士団長ともなれば頭脳派でなくてはならない側面もある。そうなると俺はうってつけだったわけだ。」
「でもレイはそれで良かったの?」
「そのときはそれでも良いか、と思っていたが今は違う。頼むから離婚とか言わないでくれ。いや、別れたいと言っても俺は別れないぞ。アイリーンには悪いが鍵のついた部屋で一生を過ごして貰うことになる。」
「だから何の話なの?あと離婚とか、鍵のついた部屋とかよくわからない言葉が聞こえたような……。よくわからないけど色々早まらないでよね?」
「あああっ!つい本音を!そんなことより俺が何をこんなに慌てているのかと言うとだな……俺が騎士団長になるとそっちの仕事が忙しくなる可能性があって、そうなるとアイリーンと過ごせる時間が減ってしまうかもしれない!そんな不甲斐ない俺を許してくれ。」
「そ、そんなこと?」
慌てていた理由に拍子抜けしたら、何故だか怒りが沸いてきた。
「レイはちょっと一緒にいられないかもしれないくらいで私が嫌いになるとでも思ってるの?!私の愛がそんなに軽いと思ってるってこと?」
「そ、それはすまなかった……。あれ?えっ?今俺への愛って言った?それってもしかして……。」
「もう知らないっ!心配して損した。」
珍しくレイがあんな深刻な顔をするからどんな重大な秘密だったのかと思えば、一緒にいられる時間が減るって……。
レイらしいっちゃレイらしいけど。
でもレイといられる時間が減ってしまうのは確かに寂しいな、と思っている自分も確かにいることに気づいてこっそり笑っていたのはレイには秘密だ。
レイは今にも死にそうな顔をしている。
「実は俺は将来父の財務大臣職を引き継ぐ訳じゃなく、騎士団長になることが決まってるんだ。」
「え?騎士学校に通ってないのに?」
「今や魔獣退治は魔法センターの仕事じゃなく騎士団の仕事だ。そのときに指揮を執るのが俺になることが八歳の時から決まっていた。」
「そんな……何で?」
「八歳の時に自分の特殊な能力に気づいたんだ。調度良いことに俺はその頃から神童と呼ばれていたからな。騎士団長ともなれば頭脳派でなくてはならない側面もある。そうなると俺はうってつけだったわけだ。」
「でもレイはそれで良かったの?」
「そのときはそれでも良いか、と思っていたが今は違う。頼むから離婚とか言わないでくれ。いや、別れたいと言っても俺は別れないぞ。アイリーンには悪いが鍵のついた部屋で一生を過ごして貰うことになる。」
「だから何の話なの?あと離婚とか、鍵のついた部屋とかよくわからない言葉が聞こえたような……。よくわからないけど色々早まらないでよね?」
「あああっ!つい本音を!そんなことより俺が何をこんなに慌てているのかと言うとだな……俺が騎士団長になるとそっちの仕事が忙しくなる可能性があって、そうなるとアイリーンと過ごせる時間が減ってしまうかもしれない!そんな不甲斐ない俺を許してくれ。」
「そ、そんなこと?」
慌てていた理由に拍子抜けしたら、何故だか怒りが沸いてきた。
「レイはちょっと一緒にいられないかもしれないくらいで私が嫌いになるとでも思ってるの?!私の愛がそんなに軽いと思ってるってこと?」
「そ、それはすまなかった……。あれ?えっ?今俺への愛って言った?それってもしかして……。」
「もう知らないっ!心配して損した。」
珍しくレイがあんな深刻な顔をするからどんな重大な秘密だったのかと思えば、一緒にいられる時間が減るって……。
レイらしいっちゃレイらしいけど。
でもレイといられる時間が減ってしまうのは確かに寂しいな、と思っている自分も確かにいることに気づいてこっそり笑っていたのはレイには秘密だ。
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