35 / 212
氷の神と赤髪の少年
氷の神と赤髪の少年 3
しおりを挟むその日から私はジャックと『恋人』というものになったらしいが、今一まだよく分からない。
とりあえず、姿を人間のものには化けてみる。
見た目だけではなく細胞まで作り変えるから、繊細で綿密な人の身体になるのには結構苦労した。
見た目は氷の体の名残が青い髪の毛と青い瞳に残り、ジャックと同じ年頃の娘の姿にしてみた。
洋服は、村の娘のものをそのまま真似して作る。
神としては洋服なんて着ないから、すごく違和感があるがそのうち慣れるだろう。
私のこの姿に、ジャックは全身を震わせながら驚いていた。
そんなに変だっただろうか??
『へ、変じゃない!!すごい可愛い!!キレイ!!可愛い!!』
可愛い、可愛い!!と繰り返して言うからには、とりあえず変ではないのだろう。
それならばいい。
そして最初にジャックが私としたがったのは、隣の町にあるお店での『デート』というものらしい。
ごはんや飲み物などいつも山で一緒に食べてたじゃないかと言ってはみたが、あの時と今は気持ちが全然違うんだ!!と、逆に怒られてしまった。
うーーーん、何が違うんだ??
街では人気だという、お店でのごはんは確かにおいしかった。
神としては食べ物を摂取しなくても、自然から気を得られれればいいのだが。
人間の体になってから、お腹が空くという感覚を私は初めて味わった。
なるほど!
人間がなぜあんなにも食を大事にするのか、よく分かった。
私が食べることに夢中になっているのを、ジャックは嬉しそうに見ていた。
これと、これもおいしいよ!と次から次へと新しい味が出てくる。
うん、これは飽きない。
『はい、イヴァーナ、アーーーン!』
『なんだ?私は子どもではないから、自分で食べられるぞ?』
『そ、そうじゃなくて、俺が食べさせてあげたいの!』
『それなら弟のジョンに食べさせてあげればいいんじゃないのか?』
『そ、そうじゃないーーーーー!!!』
『???』
最近、ジャックといると分からないことばかり起こる。
私はもともとの住処が山で人間のような家はなかったから、ジャックが2人で暮らそうと村の外れにある小さな家に一緒に住むことになった。
私はそこで、そうじや洗濯など、人の生活というものを一から学んでいる。
これは面白い。
前から生活を眺めていたつもりだが、見ているだけと実際に自分がやってみるのとでは全然違った。
人間とは、こんなにも1日の中でやることにありふれているのだな。
限りある寿命がある中で毎日これだけ色々あると、あっという間に年を重ねてしまいそうだ。
ジャックは街の工房で朝から夕方まで働くことになり、帰ってくると一緒にご飯を食べてからお風呂に入り寝る。
それの繰り返しの中で家事もだんだん慣れてきて、余裕も出てくるようになってきた。
『ただいまーーー!!』
『あぁ、おかえり。ジャック』
ただいま、とおかえり。
不思議な言葉だ。
神の時はそう言い合う人間を見てるだけで特に何も思わなかったが、この言葉を言うたびにどこか安心する自分がいる。
そして、朝になるとおはよう!と起きて、ご飯を一緒に食べる。
誰かと毎日一緒に何かを食べるなんて、今までになかった何よりも新鮮なことだ。
朝目覚めると隣のベットにはジャックがいて、その寝顔も子どもの時からよく見かけたものなのに、何か胸の奥が弾んだ音を立てる。
『恋人』と『家族』は何が違うのか?まだよく分からない。
子どもがいるかどうかだろうか?
そういえば、私に家族をと散々言っていたが、子作りはしなくていいのだろうか?
それをジャックに告げたら、真っ赤な顔をして、それはちょっと待って!!ととても慌てていた。
動物だって虫だってむしろ草花だって生き物皆が子孫繁栄の為に子作りをするのに、何をそんなに恥ずかしがっているのか??
『あ、あの!イヴァーナ!』
『なんだ??』
今日もご飯を食べ終わり、お風呂にお互い別々に入って後は寝るだけだというところで、ジャックが声をかけてきた。
あ、そうそう!
お風呂に入ることは、氷の神の私には1番ビックリしたことだ。
あんなにも気持ちがいいものなら、ぜひとも毎日入りたい!
体が氷の時は考えもしなかったことだ。
『どうした、ジャック?』
『き、キスしてもいいかな??』
なんだ?
あぁ!
ずいぶん前に私からした、口と口をくっつける行為か。
『別に構わないぞ??』
『わ、分かった!』
私をベットの端に座らせると、ジャックが私の両頬を手で包んで私に顔を近づける。
『・・・・・・・・』
『あ、あの~~イヴァーナさん??』
『なんだ、しないのか??』
『いや、あの~~目をつむってくれる?』
『なんでだ??』
『そういうもんなの!!』
『変な行為だな。目を閉じたら、愛しいお前の顔が見えないじゃないか』
『!!??』
ギュッ!!
ジャックが突然私の体を抱きしめる。
『どうした?』
『ず、ずるい!!』
『ずるはしてないぞ??』
『そうじゃなくて、あぁ~~もう!大好きだ!』
『!?』
チュッ!!
ジャックが私の唇に自分のを勢いよくくっつける。
今のは歯が当たって少し痛かった。
そして、すぐに放すと今度はゆっくりともう一度唇をくっつけてくる。
うん、やっぱり温かいな。
その日から、ジャックは私によく触れてくるようになった。
キスはもちろん抱きしめて来たり、あとそばによく来たがった。
私もジャックのそばにいるのは嬉しい。
そして、温もりを実際に肌で感じるのもとても好きだ。
彼が生きて側にいることが、すごく実感できる。
あとこの間、とても不思議なことが起こった。
ジャックが働いている工房の近くをたまたま通ることがありその時に彼の姿も見ていこうと思ったら、彼の周りには同世代の女性がたくさんいたのだ。
『グラン』の村でもとても人気者だった彼だから、これは当然だろうと微笑ましくみていたはずなのに。
ズキン!
胸の奥に突然痛みが走った。
『???』
おかしい。
ケガはしてないはずだ。
そのあと私の存在に気づいたジャックが周りの女子を見向きもしないで、嬉しそうにこちらに来る頃にはもうそんな痛みはなかった。
なんだったんだろうか?
そのことを夜ジャックに話したら、泣きながら『イヴァーナ!!』と抱きしめてきた。
そのあと、キスとやらもたくさんされた。
うーーーん、結局あの痛みはなんだったのか??
『イヴァーナ、大好きだ!!』
『あぁ。私も愛してるよ、ジャック』
チュッ!
『・・・・・・・んっ』
最近、私は少し困っている。
ジャックが前からしてくるこのキスとやらが、ここ最近になってやたらと長いのだ。
しかも前は温かいとだけしか感じなかったのに、今は何やら体の奥がムズムズするような苦しいような、温かいを通り越して熱いようなそんな変な感覚に襲われる。
その最中にジャックには内緒で目を開けると真っ赤なそれでいて真剣な顔のジャックが映り、私の人間の心臓がうるさい音を立ててたまらない。
そして、『愛おしい』と彼のことをそう感じる瞬間が増えた。
人間とはこんなにも色んな感情に日々動かされているんだと、身をもって今は感じている。
しかもこんなにも自分が心を動かされるのはジャック限定なのだと言うことは、ついこの間思い知らされてしまった。
私は人間そのものを愛しく思っていたはずなのに。
『やぁ!こんにちは、お嬢さん♪』
『こんにちは』
ん?誰だ??
あぁ、確か街に住むジャックと同じ工房で働く男で名前はロデオとかいったか。
以前、ジャックの工房に顔を出した時に自己紹介をされたように思う。
年はジャックぐらいの、金髪で青い瞳の割と整った顔をした青年だ。
『グラン』の娘たちがみたら、大騒ぎしそうな感じだな。
明るく元気なジャックとは対照的に落ち着いた雰囲気で女性に対して優しく、何やらねっとりとした甘い目をしてくる男。
『突然すまない、君は僕のことを覚えてくれているだろうか??』
『ジャックの友人の、ロデオ・・・さんだろう?何か私に用か?』
今日はたまたま街に、お菓子作りで使う果物を買いに来たのだ。
村にも果物は木から取れるが、街の方が種類が豊富で見てるだけでも楽しい。
今私が夢中になってるのが、この果物を使ったお菓子作りだ。
食事と違って、ちょっとした分量の違いで姿や味を変えるそれが面白くて、おいしくできるまで同じものを作りながら日々戦っている。
今日は5度目になる、パイに挑戦しようと思っていた。
『まさか、君に覚えていてもらえるなんて!実は僕も一目会ったその時から君の事が忘れられなかったんだ!』
『そうか』
そんなに私の印象は強烈だったのだろうか?
服はわりと薄い色を来ているのだが。
『君が好きだ、イヴァーナ!どうか、この僕の想いを受け取ってくれないだろうか?』
『!?』
そう言うとロデオは私の手を引き、抱きしめてきた。
ぞわぞわぞわぞわぞわッ!!!
『は、離せっ!!!』
ドン!!
私は身体中に走った気持ち悪いほどの悪寒に、思わずロデオを突き飛ばした。
『い、いきなり何をする!!』
『す、すまない。だが、俺の気持ちは本物なんだ!』
『私が愛しているのはジャックだ!お前ではない!!』
おかしい。
ジャックに毎日のようにされていることなのに、なぜこうも受ける感覚が違うのか?
ジャックに抱きしめられるとときおり苦しくなるものの、温かいものと熱いもので心がいっぱいになるのに。
『あ!い、イヴァーナ!!』
『もう2度と私の許しなく、勝手に触るな!』
私はそのまま予定していた果物を買わずして、まっすぐ村の家へと帰った。
帰ってからも何やらイライラして、何をしていても落ち着かない。
おかしい。
私はもっと人間全てに穏やかな気持ちでいられたはずだ。
こんなことぐらいで、気持ちが動かされるなんて!
どうしてしまったんだ、私は?
『・・・・・・・ッ!!』
結局、簡単な野菜のスープだけを作ると、そのあと私はベットの中に潜り込んだ。
こういう時は寝てしまえばいい。
寝るという行為は身体も心も癒してくれる、神にはなかったことだ。
きっと人間になってから日々色々なことが起こって疲れてしまったんだ、そうに違いない。
『・・・・・・・・』
『ただいまーー!!イヴァーナ??』
ジャックが帰ってきた。
どうしよう、今はなぜか起き上がるのも面倒だ。
『イヴァーナ~??あれ?ベットにいるなんて、具合でも悪い??』
『・・・・・・』
ジャックが私のおでこに手を添えて、自分のそれと温度を比べている。
愛しいジャック。
先ほどのロデオとお前と、一体何が違うというのか。
『うーーーん、熱はないみたいだ。今日、何かあった?』
心配そうに私の顔を覗き込んでくるジャックの大きな緑の瞳が、私をまっすぐに見てくる。
あぁ、愛おしい。
私はジャックの頬に手を添えて、自分から口付けた。
『い、イヴァーナッ!?ど、どうしたの?』
『すまない。今はお前とこうしていたい』
『イヴァーナ』
その後何があったのかを深くジャックが聞いてくることはなく、私の気がすむまで優しく抱きしめてくれながら何度も2人で触れるだけのキスをした。
やっぱり私は、こうして触れ合うのはジャックがいい。
いや、ジャックだけだ。
私が触れ合いと心から願うのは、目の前の彼だけ。
『・・・・・ジャック、愛している』
『俺もだよ、イヴァーナ』
その夜そのままジャックから離れたくないと珍しく駄々をこねた私に、ジャックはとても驚いていた。
だが、今夜はどうしても別々ではなく一緒に寝てほしいと思った。
ロデオの、別の人の温もりが身体に残るのがどうにもこうにも嫌だった。
別にロデオは悪い男ではない。
女には軽く色んな女性に声をかけているようだが、それだけで別段悪人というほどひどい人間ではない。
私に対しても、ただ抱きしめてきただけだ。
だが、それでもーーーーーーーー。
『ジャック、私はもっとお前と触れ合いたい。お前と離れたくない』
『い、イヴァーナッ!?』
『私はどうしてしまったんだ?お前に触れられキスをされ、とても嬉しいのに何かが足りないともっと欲しがる自分がいる』
『!!??』
『他の人に触れられるのは嫌なんだ。お前がいい!お前じゃないと、私はダメなんだ!』
『・・・・・・ッ!!』
『私はおかしい。お前と暮らすようになってから、私はおかしくなってしまった』
『イヴァーナッ!!』
ジャックが私を強く抱きしめる。
『イヴァーナ!おかしくなんて、ない!!おかしくなんてないよ!!』
『ジャック?』
ジャックの顔は、なぜかとても嬉しそうだった。
『ごめん、だって俺すごい嬉しいんだ!俺はずっと前から、むしろ子どもの時から同じ気持ちだった。イヴァーナしかダメだって』
『・・・・・ジャック』
話しながら、ジャックの目からは次から次へと涙がこぼれる。
あぁ、なんてキレイな涙だろう。
『イヴァーナが好きだ!イヴァーナしか俺はいらない!って、ずっと俺はその気持ちだったから、イヴァーナが今同じような気持ちでいてくれるなんて、すごく嬉しい!!』
『・・・・・・』
ポロポロポロポロ
ジャックの涙がこぼれていく。
その涙が床に落ちるのがもったいなくて、私は彼の目に唇を寄せて受け取る。
『イヴァーナ?』
不思議そうに私を見てくる緑の瞳。
私の大好きな自然をぎゅっと凝縮したような、深い緑の愛しい瞳。
その目に映るのが、ずっと私だけならいいのに。
私はそのまま、ジャックにキスをした。
『!!??』
ジャックも私の背中に手を回して、より深く唇を重ねる。
いつからか口の中に彼の舌が入り込んできてより深いキスを交わすようになったが、彼と深く繋がるようで私はその行為が嫌ではなかった。
今日は自分からも彼の口の中へと入っていく。
ジャックが好きだ。どうしようなく。
『イヴァーナ・・・・・好きだ』
ジャックは私をベットに横たわらせると、真剣な眼差しで見つめてくる。
『私もだ、ジャック』
『ごめん、イヴァーナが好きすぎて、無理をさせたらごめん』
『変ことを言う奴だ。愛しいお前が私にすることで、嫌なことなどあるはずがないだろう?』
『そ、そういうのがダメなの!!俺が俺を抑えられなくなっちゃうじゃん!!』
『なんだ?別に抑える必要はないだろう??』
『い、イヴァーナのバカ!!もう、後で文句言っても知らないからな!!』
『お前、また神に向かってバカと・・・・・んっ!!』
その時のキスは、噛み付くような激しいキスだった。
そしてその後、私はジャックとより深く触れ合いとうとう結ばれることとなる。
『ジャ、ジャック!!ちょっと待ってくれッ!!』
『待たない!!!どれだけ俺が待ったと思ってんの!!今夜はたっぷりと俺の想いを伝えるから、寝られると思うなよ!!』
『じゃ、ジャックッ!あっ・・・!!』
そして、本当に私はこの日朝まで寝られなかった。
あぁーーーー無邪気で可愛い、私の愛おしい子どものジャックはどこへ行ったのか??
魚だ木の実だと、満面の笑みで見せに来てははしゃいでいた昔のお前が懐かしい。
朝になって心が落ち着くと、私は人間の女性全てに心からの賞賛をおくった。
そしてジャックには終わった後に、散々文句をはいたが全く聞いてなかった。
『イヴァーナ、愛してる』
『!!??』
もうどんな文句をついてもとろけるような甘く熱い目と表情で見てきて、見られたこちらの方が恥ずかしい。
でも、幸せそうに笑うジャックの顔を見れるならそれでもいいかと、許してしまう私も大概ジャックには甘すぎる。
『・・・・・・・・』
だが、ジャックよ。
子作りのためでもあるこの行為が、とても大切なことだとはよく分かっている。
お前と触れ合うのが嫌なわけでは決してない。
ただ、ただ・・・・・ジャックよ。
毎日というのはさすがに身体がきついのだ!!
前はキスだけで終われたじゃないか!!
あの時の優しく温かいお前はどこにいった?
あの時の素晴らしい我慢と理性をどこに捨ててきたんだ!?
それでもジャックにキスをされ身体を触れられれば、最後には許してしまう私も私だ。
『ごめん、イヴァーナ。我慢できない』
『・・・・・おい、最近のお前は我慢のがの字もしてないぞ??』
『だって、イヴァーナが可愛すぎるのが悪い!』
『こら、人に責任を押し付けるんじゃない!』
『イヴァーナ、大好きだ!!』
『全く、仕方のないやつだな』
どんなジャックでも、愛おしく好きになってしまうのだから私はやっぱりおかしい。
おかしいが、毎日は楽しくとても幸せだ。
願わくば、この幸せが少しでも長く続きますようにーーーーーーーー。
そして、2人でそんな幸せな生活を送っていた1年後。
我が家にとうとう、新しい家族ができた。
0
お気に入りに追加
850
あなたにおすすめの小説
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
ファーストカット!!!異世界に旅立って動画を回します。
蒼空 結舞(あおぞら むすぶ)
BL
トップ高校生we tuberのまっつんこと軒下 祭(のきした まつり)、17歳。いつものように学校をサボってどんなネタを撮ろうかと考えてみれば、水面に浮かぶ奇妙な扉が現れた。スマホのカメラを回そうと慌てる祭に突然、扉は言葉を発して彼に問い掛ける。
『迷える子羊よ。我の如何なる問いに答えられるか。』
扉に話しかけられ呆然とする祭は何も答えられずにいる。そんな彼に追い打ちをかけるように扉はさらに言葉を発して言い放った。
『答えられぬか…。そのようなお前に試練を授けよう。…自分が如何にここに存在しているのかを。』
すると祭の身体は勝手に動き、扉を超えて進んでいけば…なんとそこは大自然が広がっていた。
カメラを回して祭ははしゃぐ。何故ならば、見たことのない生物が多く賑わっていたのだから。
しかしここで祭のスマホが故障してしまった。修理をしようにもスキルが無い祭ではあるが…そんな彼に今度は青髪の少女に話しかけられた。月のピアスをした少女にときめいて恋に堕ちてしまう祭ではあるが、彼女はスマホを見てから祭とスマホに興味を持ち彼を家に誘ったのである。
もちろん承諾をする祭ではあるがそんな彼は知らなかった…。
ドキドキしながら家で待っていると今度は青髪のチャイナ服の青年が茶を持ってきた。少女かと思って残念がる祭ではあったが彼に礼を言って茶を飲めば…今度は眠くなり気が付けばベットにいて!?
祭の異世界放浪奮闘記がここに始まる。
【完結】愛する人にはいつだって捨てられる運命だから
SKYTRICK
BL
凶悪自由人豪商攻め×苦労人猫化貧乏受け
※一言でも感想嬉しいです!
孤児のミカはヒルトマン男爵家のローレンツ子息に拾われ彼の使用人として十年を過ごしていた。ローレンツの愛を受け止め、秘密の恋人関係を結んだミカだが、十八歳の誕生日に彼に告げられる。
——「ルイーザと腹の子をお前は殺そうとしたのか?」
ローレンツの新しい恋人であるルイーザは妊娠していた上に、彼女を毒殺しようとした罪まで着せられてしまうミカ。愛した男に裏切られ、屋敷からも追い出されてしまうミカだが、行く当てはない。
ただの人間ではなく、弱ったら黒猫に変化する体質のミカは雪の吹き荒れる冬を駆けていく。狩猟区に迷い込んだ黒猫のミカに、突然矢が放たれる。
——あぁ、ここで死ぬんだ……。
——『黒猫、死ぬのか?』
安堵にも似た諦念に包まれながら意識を失いかけるミカを抱いたのは、凶悪と名高い豪商のライハルトだった。
☆3/10J庭で同人誌にしました。通販しています。
婚約者様は大変お素敵でございます
ましろ
恋愛
私シェリーが婚約したのは16の頃。相手はまだ13歳のベンジャミン様。当時の彼は、声変わりすらしていない天使の様に美しく可愛らしい少年だった。
あれから2年。天使様は素敵な男性へと成長した。彼が18歳になり学園を卒業したら結婚する。
それまで、侯爵家で花嫁修業としてお父上であるカーティス様から仕事を学びながら、嫁ぐ日を指折り数えて待っていた──
設定はゆるゆるご都合主義です。
【本編完結済】夫が亡くなって、私は義母になりました
木嶋うめ香
恋愛
政略で嫁いだ相手ピーターには恋人がいたそうです。
私達はお互いの家の利益のための結婚だと割りきっていたせいでしょうか、五年経っても子供は出来ず、でも家同士の繋がりの為結婚で離縁も出来ず、私ダニエラは、ネルツ侯爵家の嫁として今後の事を悩んでいました。
そんな時、領地に戻る途中の夫が馬車の事故で亡くなったとの知らせが届きました。
馬車に乗っていたのは夫と女性と子供で、助かったのは御者と子供だけだったそうです。
女性と子供、そうです元恋人、今は愛人という立場になった彼女です。
屋敷に連れてこられたロニーと名乗る子供は夫そっくりで、その顔を見た瞬間私は前世を思い出しました。
この世界は私が前世でやっていた乙女ゲームの世界で、私はゲームで断罪される悪役令嬢の母親だったのです。
娘と一緒に断罪され魔物に食われる最後を思い出し、なんとかバッドエンドを回避したい。
私の悪あがきが始まります。
第16回恋愛小説大賞 奨励賞頂きました。
応援して下さった皆様ありがとうございます。
本作の感想欄を開けました。
お返事等は書ける時間が取れそうにありませんが、感想頂けたら嬉しいです。
瀧華国転生譚 ~処刑エンド回避のために幼い病弱皇子を手懐けようとしたら見事失敗した~
飛鳥えん
BL
【病弱捨てられ皇子(幼少期)と中身現代サラリーマン(外見・黒い噂のある美貌の文官青年)】
(中盤からは成長後のお話になる予定)
社会人の芦屋は、何の前触れもなく購買した乙女ノベルゲーム「瀧華国寵姫譚(そうかこく ちょうきたん)~白虎の章~」の世界に取り込まれていた。そのうえ、現在の自分の身上は悪役として物語終盤に処刑される「蘇芳」その人。目の前には現在の上司であり、のちの国家反逆の咎で破滅する「江雪(こうせつ)」。
このままでは自分の命が危ないことを知った芦屋は、自分が陰湿に虐げていた後ろ盾のない第3皇子「花鶏(あとり)」を救い、何とか彼が国家反逆の旗振りとならぬよう、江雪の呪縛から守ろうとする。
しかし、今までの蘇芳の行いのせいですぐには信用してもらえない。
それでも何とか、保身のため表向きは改心した蘇芳として、花鶏に献身的に尽くしつつ機をうかがう。
やがて幼い花鶏の師として彼を養育する中で、ゲームの登場人物としてしか見てこなかった彼や周りの登場人物たちへの感情も変化していく。
花鶏もまた、頼る者がいない後宮で、過去の恨みや恐れを超えて、蘇芳への気持ちが緩やかに重く積み重なっていく。
成長するに従い、蘇芳をただ唯一の師であり家族であり味方と慕う花鶏。しかしある事件が起き「蘇芳が第3皇子に毒を常飲させていた」疑いがかけられ……?
<第1部>は幼少期です。痛そうな描写に※を付けさせていただいております。
R18 サブタイトルも同様にさせていただきます。
(2024/06/15)サブタイトルを一部変更させていただきました。内容の変化はございません。
◆『小説家になろう』ムーンライト様にも掲載中です◆
(HOTランキング女性向け21位に入れていただきました(2024/6/12)誠にありがとうございました!)
【完結】呪われ王子は生意気な騎士に仮面を外される
りゆき
BL
口の悪い生意気騎士×呪われ王子のラブロマンス!
国の騎士団副団長まで上り詰めた平民出身のディークは、なぜか辺境の地、ミルフェン城へと向かっていた。
ミルフェン城といえば、この国の第一王子が暮らす城として知られている。
なぜ第一王子ともあろうものがそのような辺境の地に住んでいるのか、その理由は誰も知らないが、世間一般的には第一王子は「変わり者」「人嫌い」「冷酷」といった噂があるため、そのような辺境の地に住んでいるのだろうと言われていた。
そんな噂のある第一王子の近衛騎士に任命されてしまったディークは不本意ながらも近衛騎士として奮闘していく。
数少ない使用人たちとひっそり生きている第一王子。
心を開かない彼にはなにやら理由があるようで……。
国の闇のせいで孤独に生きて来た王子が、口の悪い生意気な騎士に戸惑いながらも、次第に心を開いていったとき、初めて愛を知るのだが……。
切なくも真実の愛を掴み取る王道ラブロマンス!
※R18回に印を入れていないのでご注意ください。
※こちらの作品はムーンライトノベルズにも掲載しております。
※完結保証
※全38×2話、ムーンさんに合わせて一話が長いので、こちらでは2分割しております。
※毎日7話更新予定。
転生腹黒貴族の推し活
叶伴kyotomo
BL
屈強な辺境伯爵家の三男に転生した主人公は、家族大好き!推しも大好き!
チート能力を自分の好きにしか使わないけど、案外努力系主人公です。
推し達の幸せの為なら、こっそりギルドにだって登録しちゃうし、嫌いな奴の婚約破棄に暗躍するし、ドラゴンだって仲間にするし、嫌な奴は叩き潰します!
一応R18ですが、それまで長いです。とてもとても長いです。やだもう長〜い。一応※を付けておきます。
そこからはどこそこ※になります。
エロは十分頑張ります。
※男性同士の結婚が普通にあります。
※男性の妊娠出産も普通にあります。
誤字や名前が違うぞ?とお気づきになられたら、ぜひ教えてください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる