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モブ女子、いざ死の山へ!

出発しました!

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目が覚めると外はまだ夜明け前の暗い中で、私は自分のベットの中で横たわっていた。



昨夜、遅い時間まで起きて待っていてくれたララはなぜか少しも怒ることなく柔らかい笑みを浮かべたまま私を優しく、そしていつもよりもしっかりと抱きしめてくれた。


そんな私に、お母さんは一言だけ。



「愛する娘のことを、私達が心配しないわけがないでしょ~?」と。



団長の胸の中であんなにたくさん泣いたのに、お母さんの胸の中でも泣いてしまった。


ちなみに団長には散々泣きついてしまった上に、なんとお姫様だっこで家に送り届けてくれたんです!!



いいですか?
大事なことだからもう一度言います。

お姫様だっこでッ!!!


泣き疲れてうとうとしていた私を家に、あのジークフリート様が送り届けてくださったんですッ!!


なんで、なんでそこで寝てしまったんだ私の意識よ!


なんで覚醒状態を維持しつづけられなかったんだ、中脳網様体と視床下部ッ!!


一世一代の大チャンスなときめきスチル場面だったのに!!


この街の監視カメラはどこですか?


あるわけないのは分かってるけど、やっぱり記念にしたかったぁぁぁーーーーーーーーッ!!





愛するジークフリート様のおかげさまで、クローディア=シャーロット!!

完・全・復・活ですッッ!!


なのに。




「神様、女神様のいじわる!なんで
会いたい時には会えないのッ?!」

 

次の日すぐさまジークフリート様に直接お礼を言いたかったが、遠征には行ってないはずなのになぜかどれだけ探し回っても全くというほど会えずに終わってしまった。



そして、それから数日後。
今日はついに死の山へと向かう日だ。


出発は早い方がいいと、夜明け前にレオと街の外れにある門の前で待ち合わせにしている。

 

「クロエェェェーーーーーッ!!」

「!?」



いつものように猫ちゃんがごはんへ、ワンちゃんがご主人様へとまっしぐら!!

的な、超ダッシュ&タックルをかましてきたレオを、これまたいつものようにワンパンチで落ちつかせて、

今何時だと思ってんのーーーーーッ!!

と彼の耳元で響くぐらいの小さな声で注意をしてから、ようやく本題へと入る。



「ごめんってば、クロエ~~~!」

「本当に分かってるの?私達は遠足に行くんじゃないんだからね!!」

「うん♪遠足じゃなくて、デートでしょ??」


ガクッ!!!


「デートでもないっ!!!」


なんで幸せルンルンデートで、常に死と隣り合わせの、ドキッ無事に帰ってこれるかわからないぞ!
スリル満点!なデス○ートならぬ、
デスデートで死の山に行かなきゃならんのだ!



「えぇーーー!!だって、今までだって色んなとこデートで行ったじゃん!!」

「やっぱりそう思ってたか!!あれもこれもデートじゃございません!!!」



あれはれっきとした人助けですッ!!

ハッピーデートで、何度も死にそうな目にはあいたくありません!!



「ちぇ~俺はデートの気持ちで行ってたんだけどなぁ」

「デートはローズと行ってください」

「えぇ~~クロエとも行きたい!!」



ゲームではあちこちローズと行ってたじゃない。

私のいたレストランとか、町の外れの花畑とか願いが叶う森の泉とか。

あっ、そこ私が行きたい!!



『ククッ。我が主は、ずいぶん人気者のようだな』


「ボルケーノ!!」

「!?」



2人の前にいきなり大きな炎の塊が現れ、その中から見事な肉体美を誇る炎の化身が姿を見せる。



「うおぉぉーーーー何これ!!超かっけぇぇぇーーーーーー!!!」



初めて見るボルケーノの姿に、レオは両方の目をキラッキラ!!させて、大興奮で騒いでいた。

これはあれだ、子どもが本物の新幹線や飛行機とか精巧に作られた巨大ガン○ムとかを見た時の男の子のあれだ。


スゲーーー!!

超カッコいい!!


とひたすらに褒めちぎられて、あちこち触られながらの大絶賛にボルケーノはまんざらでもない感じだ。


ちなみにボルケーノは神様だからと最初は敬語を使っていたのだが、仕える主に敬語は使わせられないと早々に使用を禁止されてしまった。




「あ、あの~~、そろそろ出発しませんか?」


『そ、そうだな。そろそろ行くか!』


「こっちから見ても、かっけぇぇぇーーーーーッ!!!」



伝説として話や本でしか聞いたことも見たこともない炎の神を前に、レオはその後もしばらく大興奮がおさまらなかった。



「そういえば、ボルケーノ。どうやって死の山まで行くの??」



通常アルカンダル王国の北に位置する死の山は、馬を休まず走らせても2日・3日はかかる距離にある。

内緒で行くからには騎士院の馬は使えないとのことでどうしようか困り果てていたのだが、ボルケーノからそこは我に任せろとだけ言われていた。



『案ずるな、我が主よ』

「え??」

『我が魔力を使って空間を移動すれば、すぐ死の山にはつける』

「すごい、裏技ですね」



まさにチート!

こういうのって主人公がチートで生まれ変わってどうしようとか、そういうパターンはよく小説で見たことがあったな。


レベル99でどうしよう?!的な。


果たして、今の私のレベルはいくつなのか?

いや、モブキャラにそもそもレベルアップの概念があるのかどうかが先か。

私のプレイしたことがあるゲームの中に出てきた冒険のサポートをしてくれるサブキャラは、大抵出会ってからずっと成長しない。

むしろ、あなたが成長した方が強いんじゃね??っていうサブキャラがゴロゴロいた。



「じゃ、それでお願いします」

『あぁ、承知した!我が主よ』



ボルケーノは言葉とともに両手を大きく横に広げると、そこから私たちを輪のように包み込む炎を生み出した。



『一瞬で移動する故、舌を噛まぬよう気をつけるがいい!』


「「!!??」」


『ぬうぅぅぅぅんッッ!!!」


両手を広げたボルケーノが手のひらを一気にグッ!!っと力強く握りしめると、

上半身の筋肉がモリモリモリ!!っと盛り上がり、サークル状になっていた炎がさらに大きく燃え上がった。


そして私たちをすっぽりと包みあげると、次の瞬間には跡形もなく消え去った。








「ーーーーーーッ!!」


一瞬足元がフワッと浮いたような気がしたが、それ以外の大きな衝撃は感じないまま私達は無事に死の山へと空間を移動した。



「す、すごい」


ボルケーノから頂いた炎の加護のおかげで、寒さどころか今目の前で吹き荒れる猛吹雪の衝撃を受けることもなく普通に立っていられるものの、視界はまさにホワイトアウト。

どこを見ても真っ白の純白の世界が広がりどこまでが地面で空なのか、方向感覚ですらもおしくなりそうなほどそのすぐ目の前の場所さえも何も見えなかった。



「何これ、おかしいよ!」

「へっ??」



ようやく興奮がおさまったレオが、辺りの景色をキョロキョロ見て驚いた表情を浮かべている。

雪山と聞いていたし、これぐらいは普通なのかもと考えていたんだけど。

ちなみにレオにも今回限定で炎の加護をつけてくれるとのことで、私達は全くの普段着で雪山にいたりする。



「だっていくら死の山が1年中雪に覆われているっていっても、こんな風に吹き荒れる時期はもっとずっと先なんだ!』


『確かに。この吹雪には魔力を感じる』


「え?白い魔女の魔法なの、これ??」


『いや、この魔力は白い魔女のものでない。これは・・・・まさか!』



何かを感じたらしいボルケーノは、腕を組んで何かを真剣に考えこんでいる。



「ね、ねぇ、レオ。でも、この山は1年中雪が吹き荒れているんでしょう?」



何度か話しかけたがボルケーノは黙り込んだまま全く反応しなくなってしまっなので、それならばとレオに話しかけた。

クローディアとしても『私』も死の山は名前ぐらいしかわからず、正直それだけしか情報がないのはこの後のことを考えると困る。



「うん。クローディアは、うちの国に4つの大きな山があることは知ってるよね?」

「う、うん。一応それくらいなら」
 


それ以上はつっこんで聞いてくれるなよ。


レオは騎士院で暮らす騎士でありながらも実は勤勉家でもある為、この国の歴史や地理にもけっこう詳しく通じていて。

クローディアが初めて来る場所でも、彼がいてくれたおかげで困ることは全然なかった。

少しおバカでまっすぐな、元気系キャラ!と説明されていたゲームでは、見られなかった一面だ。



「ここは死の山だから、アルカンダル王国を中心にすると北側だね!寒さが厳しい雪山と雪国の町や村があるところで、ここに住む魔女はクロエも知ってる白の魔女。他にも、うちの国にはその山とともに4人の魔女がいるんだ!」

「え?魔女って4人もいるのっ!?」



それは知らなかった!!

ゲームでも出てきたのは白い魔女のみで、死の山イベントのボスというだけ。

イベントも単体で、その他のイベントとの絡みは一切なかったはずだ。



「うん!それで、死の山の反対側の南の地方にあるのが燃え盛る火山がたくさんあって毎日ように噴火してる緋の山で、そこに住んでるって言われてるのが赤の魔女だよ!」


「赤の魔女・・・ん?住んでるって、言われてるっていうのは??」


「えぇ~っと、確かここ30年くらい、その存在が行方不明になってるって言ってたかな」


「!!??」



行方不明?

まさか、これが何かのフラグになってて突然目の前に現れたりしたりしないよね??

って、やば!!
今のもフラグになってるかもッ!!!

神様・仏様・女神様!!
今のはなし、即取り消しでお願いします!!


同じ魔女繋がりならいつ団長の死亡フラグに繋がるかも分からないし、赤の魔女も含めて3人の魔女のことはこれからしっかり調べよう。



「ちなみに、東と西は?」


「西側はね、あの伝説のエルフの里と繋がってるって言われてる翠(すい)の山だよ!」


「!!??」


「翠の山は色んな草花が咲いてて、すごく華やかでキレイな森が数多くあるんだ!あと、その山に住む緑の魔女も自然を愛してて一番4人の中で気性が穏やかで友好的なんだって!」



素晴らしいッ!

穏やかで優しい普通の方バンザイ!!



「へぇ~~優しい魔女さんなら私もぜひ会ってみたい♪」



翠の山がエルフの里に繋がる山であるならば、今後絶対にお世話になるだろうし。

エルフの里は後半において、大変重要な意味を持ってくるイベントの宝庫。

里に入ること自体がまずかなり難易度が高いものの、無事に死の山フラグが折れたら次に行くべき場所はここかもしれない。



「ーーーーー」

「・・・・・レオ?」

「ーーーーー」

「東の魔女は??」



急に黙り込んだレオにふと尋ねてみると、レオは申し訳なさそうな顔で頭を下げる。



「ごめん!東側にある無の山と、そこに住む黒の魔女のことは、情報が全然ないんだ」

「情報がない?でも、名前があるってことは、存在は知られてるんでしょ??」

「うん。無の山は国が何百年も前から第一級危険地帯として入ること自体が難しいのもあるし、黒の魔女のことも名前以外は何も分からないんだ」

「黒の、魔女」



彼女も、何か重要なイベントに関わってくるんだろうか?

ゲームに戦闘はあってもラスボス的な存在はいなかったから、敵か味方かも分からないけど。




『待たせたな、我が主よ』


「!?」




一心に何かに集中していたボルケーノは、ようやく考え事が終わったらしい。



『すまぬな。どうしてもこの魔力が気になってしまって』


「私達は全然大丈夫だけど、何か分かったの??」
 

それにしては、ボルケーノの表情は先ほどと同じように厳しい面持ちをしている。



『あぁ。もしこの猛吹雪を含めた山全体を包む魔力の源が、我の考える通りの者なら。おそらく古の血をひく魔導士はそれを知っていたからこそ、我を主に託したのだろうな』


「え??」


『守られておるな、我が主は』


「・・・・・・・」



まさか、あのルークが?



「ねぇねぇ、クロエ!!古の血をひく魔導士って誰のこと??」



何々?とレオが興味津々と私の首元にくっついてきながら聞いてきた。



「魔法院の長をしてるルーク=サクリファイスのことよ。彼のおかげで、ボルケーノが私たちに力を貸してくれることになったの」
  

「フーーーーーーーーン」



勢いよくくっついてきたレオを引っぺがしながら、あれ?と私自身にも疑問が湧く。
 

そういえば、今さらだけど何でボルケーノはルークのことを古の血をひく魔導士って呼ぶんだろう?

もしかしたら、あの腹黒な感じからすると魔族か何かの血でも入ってたりしてね!

うわっ、なんかありそうそれ!!



『もし我がともに来なければ、主らは白の魔女に会う前にここで死んでいた。それぐらい、白の魔女のそばにいるだろう存在の力は大きい。だが、なぜあやつが力を貸しているかは解せぬが』



確かにボルケーノの守りが無ければ、まずホワイトアウト状態の山に入った瞬間に私達は遭難して凍死だ。

彼が全部これを分かった上で、あの杖の呪いを私に解かせたならーーーーーーー。


それを知ってても、あえて何にも言わないのが彼らしい。



「・・・・ルーク」



うん。死の山から無事に帰れたら、彼にもちゃんとお礼を言いに会いに行こう。



「ルーク=サクリファイス。なんか、よくわかないけど、すごくムカつく!!」



珍しくルークに対して少しだけ優しい気持ちになった私の後ろでは、ほおをぷっくり膨らませてレオがなぜか不機嫌Maxでプンプンしていた。



『ククッ。なるほど、我が主は人気者だな』


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