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城の中を覗こうと人気の無い方に、無い方にと動いた先でたどり着いた中庭で、探していたベルセイスと思いがけずに会ってしまい、レッドは咄嗟に動けなかった。
ベルセイスもレッドに気付いたようで勢い良く顔を向けてきたが、レッドを見て明らかに気落ちした様子を見せた。
「……そうだよな。彼女であるはずが無い、か」
その言葉からベルセイスが待っていたのはアンリなのだろうことがすぐに思い浮かんだ。
今になってもなおアンリのことを思い続ける一途さに感心はするものの、やはりかとも思う。
そんな理由でキストに侵攻するという言葉を強めているのかと分かってしまえば、ベルセイスに対して呆れと怒りが込み上げてくる。
本当に、単純な理由で、上の立場に立つ者が考えるべき考えではなさ過ぎるのだ。
「それで、お前は何の用があってここに居る?」
ベルセイスは先ほどまでと雰囲気を変え、いつでも剣を抜き放てるように剣の柄に手を掛けながら問いかけてきた。
だからレッドは、はっきりとベルセイスと対峙することに決め、覚悟を決める。
「お前に会いに来た」
「ほう。見た所、この城の者では無いのはわかっていたが……、ずいぶんと偉そうな物言いだな?」
階級を持たない平民が城に忍び込んだ上に、騎士団長に対して控えるでもなく、正すでもなく真正面から物を言っているのだ。
レッドは、自分のことながらずいぶんと頭のおかしい行動をしていると冷静に突っ込みを入れたりもしているが、いまさら止まる気などまったくない。
こんなのが新しい騎士団長だと言うことに、殴ってやれば目が覚めるのではないかと言う思いと、愚かな考えで大きなことを動かそうとするこの男を殴ってやりたかった。
「なんで、キストに戦争を仕掛けようとしている? この国の在り方を知らないわけじゃ無いだろ? これまでの騎士団長たちも他国との戦争を考えなかったとは思わない。だけどな、それでも自分たちから他国に仕掛けようとしてこなかった理由くらい、わかるはずだろ?」
オルグラント王国は肥沃な土地を持っていたのだ。他の国より地力はあるし、その地力を全て戦争に回せば、他の国に勝てないことも無いくらい、誰だってすぐに考え付くはずなのだ。
それでも、この国はずっと専守であることを良しとし、ずっと守り続けてきた。
それは無為に犠牲を出さないように、そしてこの国の人たちを守るためにあり続けてきたのだ。
騎士団たちもそれを誇りとし、この国の在り方を守り続けてきたはずであり、そんなことを騎士団長に就任した者がわからないわけが無い。
アンリと言う一人の女のためなんかじゃない、と言って欲しかった。
せめて、私と公の違いくらいは持っていると信じたい気持ちがあった。
「……お前は今の城の状況を、どこまで知っている?」
そんなレッドに対して、ベルセイスは低い声で聞いてくる。
「おまえが、兵を率いてこの国の実権を奪い取ろうという話が出ているところまで」
レッドがベルセイスが中心に動いていることを知っていると含んで答えると、ベルセイスは小さくため息を吐いた。
「なら、わかるだろ? 今の国の危うさが。上の立場に居た者が交代する時に、どれだけ腐った者たちが蠢動するかを! それを押さえようとする俺たちを地盤の弱さを!」
ベルセイスが叫ぶ。
ベルセイスが騎士団長という立場に立ったことの重さと、絡みつかれる息苦しさを吐き出すものだった。
思いもよらなかったベルセイスの叫びに、レッドは目を丸くするしかなかった。
「奴らは自分のことしか考えない。どれだけ自分が利を得られるか。そのためにはどれだけ相手の足を引っ張るか、踏みつけるか。そんな奴らを排除することも出来ず、ただ黙っているだけしか出来ないことの辛さが、お前にはわかるか!? ……そんな中で彼女に会ったんだ。彼女は驚くくらい、周囲にいた奴らと似ているようで違った。常に自分だけを中心に見ているのは同じだったが、相手を蹴落とすことも足を引っ張ることも一切考えていなかった。そんなつまらない事を考える必要も無かったのだろうくらいに、私とも見ているものが違いすぎた……。だからこそ、話をしていて裏を探る必要もなかったし、警戒する必要も感じられなく、……そう、楽しかったんだ」
ベルセイスの独白だった。
若くして責の重い立場に立つことになったのに、目の前にあったのは人の欲望と雁字搦めになって動けない自分の立場と言うものだけだったのだ。
そんな中で会ったアンリは異質だっただろう。
アンリは『神の玩具』だ。この世界とは違う世界で暮らしていた人間である。
この世界と違う世界で生きていたのだから、この世界に生きている人たちと考え方も価値観も何もかもが違うのは当然だと、身近に『神の玩具』が居たレッドにはわかる話だった。
タカヒロやマイもそうであったが、彼らは身分と言う、貴族など高い身分を持つ者の立場の重さなんて何も分かっていなかった。常に他人事で軽く考えているようなくらいだったのだ。
恐らくアンリも、貴族のしがらみだとか背負っているものだとか、理解しようともしていなかったのだろうと、今のレッドなら思えるが、他の『神の玩具』など知らないベルセイスには、そんなものに縛られない相手で、だからこそ、その重さであったりしがらみに潰れかけていた者にとって、心許せる相手になったのだろう。
……だが、それは個の話である。
「そんな一人の人間のために、戦争をすると言うのか?」
「彼女は老宰相の養女だぞ? 今、あいつの傍に彼女が居ないことで、どれだけアイツの立場が苦しくなっているか知っているのか!? 今のままでは、この国は立ち行かなくなる!」
やはり一人の女のためにと言う、立場ある人間が言うにはくだらない理由だったと思い始めていたレッドは、話の方向が急に変わったことに思考が止まってしまった。
ベルセイスはアンリへの想いではなく、あいつ……、ボードウィン宰相のことを理由に挙げてきたのだ。
ボードウィンも新しく宰相となった人物であるが、その立場はベルセイスよりも悪くなっていた。
ボードウィンも前宰相も、老宰相が後任にと指名した者たちである。
しかし、前宰相はキストと組んで騒乱を引き起こす手引きをしたため、処罰されている。
そこで、その後を継ぐことになったベルセイスに対して、老宰相はファルケン伯領で功績をあげたとされるアンリを養女にして、ボードウィンに娶らせることで立場を強めようとしたのだが、これも知ってる通り、失敗に終わってしまっている。
貴族の立場と言うものを理解していないアンリは、ボードウィンよりもベルセイスと懇意にし、さらには王にも近づこうとしていた。より権力を持っている者の近くに身を置こうとしているように動いていたのだ。
これについては、マイ曰く、格好良い人たちに近づこうとしていただけ、らしいがレッドには全く意味が分からなかった。
そして、そんなアンリは他の貴族たちから危険視されて、キストへと亡命してしまった。
老宰相が養女にした人物は、城に不和を撒き散らした挙句に、敵国へと身を移し、帝国に対してではあるが力を発揮し、その脅威さをオルグラント王国に見せ付けた結果となっている。
そのため、アンリを引き止めて置けなかったボードウィンが槍玉にあげられ、立場がより悪くなってきているのだ。
アンリを養女に向かえておきながら教育出来ず、さらには見込んだ前宰相もキストに組して問題を起こしたのだから、老宰相に人を見る目が無く、ボードウィンも大丈夫なのか、と言う言葉が強くなってくるのは止めようが無かった。
先ほどベルセイスが言ったように、自分たちの利を貪ろうとする者たちが、これとばかりにボードウィンの足を引っ張り、自分たちが得られる利を釣り上げているらしい。
便宜を図って欲しければ、相応の見返りを用意したり、自分たちを優遇しろ、と言うことだろう。
レッドもベルセイスの言葉からそこまですんなり浮かび、顔をしかめる。どちらにせよ、ボードウィンの現状を改善しなければ、キストに侵攻しなくても、綻びが広がりそうに思えたのだ。
事態の悪さを知ると共に、ボードウィン宰相とベルセイス騎士団長は、アンリを巡って対立しているのだと思えていたが、この国をまた発展させていこうと共に考えていたようで、友誼を結んでいたことにもレッドは驚きを覚えていた。
そんな友のために、そしてこの国のために、ベルセイスはアンリを取り戻しに動く必要がある、と言う話に、レッドは少しだけベルセイスの考えに共感してしまう。
だが、少しだけである。
それでアンリを取り戻したとして、事態が改善されるかと言えばそんなことは在り得ない。
たった一人の人間のために、命を落とすことになるのは兵と言う、オルグラントの平民たちなのだ。
腐っている上の貴族たちなんかではなく、そんなドロドロとした暗いものと無縁な、日々を一生懸命に生きている人たちが血を流さなくてはいけない理由にはならない。
それに、大概なことを言っていても、ベルセイスが迂闊な行動を取っていなければこんなことになっていなかったかもしれないのだ、
アンリが格好良い男たちに言い寄っていたらしいが、ベルセイスが婚約者が居るからと毅然としていれば、今の事態はここまでに広がらなかった可能性があったのである。
「くだらない」
結局の所、誰かのために、と言うことで自分を正当化させようとしているだけにしか思えない話であった。
ベルセイスの言葉は、ベルセイスが言った腐った者たちと変わらない。自分のことだけを考えた話でしかないのだ。
「お前になにがわかるっ!」
ベルセイスが剣を抜き放って斬りつける。レッドはそれを躱すために横に跳び、そしてレッドも剣を抜いた。
ベルセイスが持つ剣は騎士の剣である。馬に乗って使いやすいように、レッドが持っている剣より厚みがあり、そして長さがあった。
ベルセイスをぶっとばしてやろうと言う思いはあるが、これまでに対峙したことのない剣であり、何より騎士であり、団長相手である。一筋縄でいくわけが無い。
レッドの長年の冒険者として戦ってきた経験だけが、ベルセイスに勝てる武器であった。
ベルセイスが距離を詰めるよう動き、斬り落とし、なぎ払いと剣を振ってくる。鍛えられている筋力と若さによる体力から、剣が風の唸る音を響かせる。
元々、相手の攻撃を武器で受けるなんてことは冒険者として愚行とされているため受ける気はないが、ベルセイスの剣は受けたらレッドの剣がやられるのは想像に難くない。
だからレッドは回避に専念する。
もう少し早く動けたら、ベルセイスの懐に入って斬りかかれるのだが、レッドはその考えはすぐに捨てる。
レッドが考えたような動きが出来るのはリベルテであり、レッドには真似出来ない。
それに……、ベルセイスは倒したいわけではない。
腹は立っているが殺したいわけではなく、斬りつけてしまえば命を奪うことになるかもしれないし、騎士団長を大怪我させたとなれば、後々大問題にしかならないのだ。
風の唸る音が上から降り聞こえてくるため、身を捻る様にして左に躱した所で、ベルセイスの口元に笑みが浮かんだ。
ベルセイスは振り下ろした後、手首を返して剣を切り上げたのだ。
そんな剣の動きを全く想定していなかったレッドは、躱すことが出来ず、咄嗟に剣を持ち上げて受け止める。
剣同士がぶつかる高い音が近くで鳴り、衝撃がレッドの手を伝う。
レッドは斬られはしなかったが、衝撃に体勢を崩して飛ばされる。
だが体を飛ばされるくらいは良くあるもので、レッドは地面をそのまま転がるようにして体を起こし、膝立ちの状態でベルセイスの追撃に備える。
対してベルセイスは追撃はしてこなく、むしろレッドに対して称賛するような目を向けていた。
「あれを防ぐとは、なかなかやるじゃないか。たかだか冒険者風情が」
「その冒険者にはギルザークって化け物も含まれるんだけどな……」
「あれは、俺や前騎士団長が居れば同じだった!」
レッドが冒険者でありながら王に認められてギルドマスターに任命されることになったギルザークのことを言えば、ベルセイスは否定に声を荒げる。
結局、ベルセイスも権力に囚われた男に過ぎなかった。
平民だからと見下し、権力を持つ自分に酔っているようだった。
ただ、もしかしたらであるが、真っ向から否定したことがきっかけなのかもしれないとも思え、レッドは少し複雑な気になってくる。
この少しだけ緩んだ気の中でレッドは体の調子を確認していく。
先ほど受けた手の痺れは少し抜けていたが、ちらっと剣に目を落とすと、欠けている所が出来ているのがわかり、舌打ちしてしまいそうになる。
折れなかったのは幸いだが、このままでは長く持たないとわかるのだ。
レッドは剣を持つ手に力を込める。
レッドが立ち上がると、またベルセイスから向かってくる。
相手の動きに合わせて振るより、自ら進んで振った方が距離を活かしやすいのだろう。騎士の剣は、攻めの剣なのだ。
ベルセイスの剣に意識を集中して避けていく。
武器の長さを考えればベルセイスの懐に飛び込みたいが、さすがにベルセイスもそれは許さない。
騎士としてその剣を扱う際に、徹底して訓練してきているのだろうことが肌で感じられる。
振り下ろされる剣を左に避けると、ベルセイスが手首を返そうとしているのがわかり、レッドは直感的にここだ、と判断する。
レッドは思いっきり、自ら剣をベルセイスの剣に叩きつける。
剣同士がぶつかり合う高い音が響く。
それと共に、剣先が折れて飛んでいく。
レッドは自分が使い続けてきた剣に感謝の言葉を告げる。
レッドから叩きつけたこと、そしてベルセイスは手首を返していた時だったことで、今度はベルセイスの手に痺れが走る。
ベルセイスの動きが止まった所で、レッドは持っていた剣の柄から手を離し、そのまま思いっきり左拳をベルセイスの顔に叩きつけた。
「ぐっ」
ベルセイスがうめき声を上げて、転がる。
なかなか整った顔の男に拳を叩きつけたことに、レッドはなんとなく、してやった感に満足感を覚える。
レッドが荒い息を吐き出していると、ベルセイスが戸惑ったようにしながら身を起こす。
ベルセイスはその若さで団長の座に就けたことから、ここまで負けたことがほとんど無いようであった。しかも、顔面を殴られたというにショックを受けているらしい。
「こんな簡単に殴られるやつが、戦争する気かよ? 殴られたことで少しは頭冷えたか?」
レッドが軽口を向ければ、ベルセイスは殴られた時に切ったらしい口の端を手の甲で拭って、殴りかかってくる。
左から来る拳を防いで、右手でまた殴り飛ばす。ベルセイスの拳を防いだ手がかなり痛い。
やはり本格的に訓練をこなしている兵は、殴り合いになっても強い。
「うおおおおおおっ!」
先ほどまでの澄ましていた様子は何処にも無く、戦いと言うより喧嘩の領分になっていく。
ただがむしゃらに殴りかかってくるベルセイス。
乱打に防ぎきれなくて、レッドも腹や顔も殴られる。
そもそも一方的に勝てる相手なんかじゃないことはわかっていた。
腐っても騎士団長なのだ。力の無い者が立てる立場ではないのだ。
レッドも負けじとベルセイスの腹に拳を入れてやるが、腹筋が硬くて殴った拳の方が痛い。
どんどんとレッドの方が殴られてばかりになってくる。
ここまでになってくると、ふとレッドは何でここまでやりあっているのだろうかと言う思いが込み上げてくる。
どうして、ベルセイスと殴り合いになっているのかその理由も分からなくなってくるのだが、唯一つ譲れない気持ちだけ残る。
ここまでやって負けたくないと言う感情であった。
「うっっらぁぁ!」
殴ってくるベルセイスの拳を掴んで、その勢いのまま投げ飛ばす。
ベルセイスは少しだけ宙を浮き、そして重そうな音を上げて地面に落ちた。
そしてレッドも地面に倒れこんだ。さすがにもう起き上がる体力も残っていなかった。
何よりベルセイスに殴られた顔と腹が痛く、目の近くも殴られたせいか、視界も狭くなっていた。
「ふ、ふふ……。あははははは」
しばらくすると、ベルセイスが笑い声を上げ、レッドもそれに釣られて笑い声を上げた。
良い年齢をした人間が、何を持ってかここまで泥臭く殴り合ったのだ。その殴り合いの前までは、剣で相手を殺そうとしていたというのに。
「……おまえは、なかなかに強いな」
「ギルザークのおっさんはもっと怖いぞ」
「それは……、会いたくないな」
レッドの言葉に、ベルセイスは少し困ったような声で返す。
寝転がって見上げた空は、まだまだ青さを讃えていた。
「……いろいろと、考えすぎていたようだ。今更彼女を連れ帰った所で、どうにもならないのにな。あいつを支えようと思うのであれば、そんなことじゃなく、俺が手を差し伸ばせば良いだけだった。俺たちが上に立ったからと、俺たちだけで背負う必要も無かったんだな……。頼れる人たちが居るんだ。利を貪ろうとするやつらをどうにかする方法も、仲間たちと考えれば良いだけだったんだ。俺たちを指名したんだから、それくらいの苦労を分け合うくらい良いだろ?」
「ああ。そうだろうよ。何もないまま、面倒だけを押し付けようとするやつが、長いこと苦労を背負い続けてきてるわけねぇよ」
しばらく寝転がって空を眺めていた後、ベルセイスは起き上がり、兵舎へと歩いていった。
その横顔はだいぶすっきりとした顔になっていたように見えていた。
「はぁ……。俺も見つからないうちに帰らないとだが……。リベルテになんて言おうか」
殴り合いをした酷い顔なのだ。討伐に行って怪我をした顔なんかではない。
そもそも、怪我をした時点で、また無茶をして、といろいろ長く言われるだろうことを想像して、レッドは肩を落とす。
長く言われるのも嫌であるが、なんと言うか、リベルテが泣きながら言ってくるような気がして、気が重くなっていたのだ。
レッドがまたため息をついていると、こちらに歩いてくる人の姿が見えた。
そして、その人はレッドの傍で跪いた。
怪訝な顔を向けると、タカヒロが仕事で来ている服と同じ服装で、魔法使いと言うことなる。
「怪我の治療をしましょう。私の仕事場までご足労願います」
その人物の声を聞いて誰かをレッドは理解した。
タカヒロから名前を聞いていても繋がらなかったのも当然だった。
カーマインと言う、レッドが知っている名前と違う名前を名乗っていたのだから。
あの老人の側近だった人物であったのだから、今のように見回りが少ないように手配することも、冒険者ギルドに働きかけて、レッドがギルザークから指名されるなんていうのも出来たことに納得する。
大人しく治療を受けたレッドは、カーマインに送られて城門を出る。
すでに陽が落ちている中、レッドは先ほどまでとは違って気を楽にして家路についていた。
リベルテに何か言われたら、すべてあの老人のせいにしてやろう、と心に決めていたからである。
ベルセイスもレッドに気付いたようで勢い良く顔を向けてきたが、レッドを見て明らかに気落ちした様子を見せた。
「……そうだよな。彼女であるはずが無い、か」
その言葉からベルセイスが待っていたのはアンリなのだろうことがすぐに思い浮かんだ。
今になってもなおアンリのことを思い続ける一途さに感心はするものの、やはりかとも思う。
そんな理由でキストに侵攻するという言葉を強めているのかと分かってしまえば、ベルセイスに対して呆れと怒りが込み上げてくる。
本当に、単純な理由で、上の立場に立つ者が考えるべき考えではなさ過ぎるのだ。
「それで、お前は何の用があってここに居る?」
ベルセイスは先ほどまでと雰囲気を変え、いつでも剣を抜き放てるように剣の柄に手を掛けながら問いかけてきた。
だからレッドは、はっきりとベルセイスと対峙することに決め、覚悟を決める。
「お前に会いに来た」
「ほう。見た所、この城の者では無いのはわかっていたが……、ずいぶんと偉そうな物言いだな?」
階級を持たない平民が城に忍び込んだ上に、騎士団長に対して控えるでもなく、正すでもなく真正面から物を言っているのだ。
レッドは、自分のことながらずいぶんと頭のおかしい行動をしていると冷静に突っ込みを入れたりもしているが、いまさら止まる気などまったくない。
こんなのが新しい騎士団長だと言うことに、殴ってやれば目が覚めるのではないかと言う思いと、愚かな考えで大きなことを動かそうとするこの男を殴ってやりたかった。
「なんで、キストに戦争を仕掛けようとしている? この国の在り方を知らないわけじゃ無いだろ? これまでの騎士団長たちも他国との戦争を考えなかったとは思わない。だけどな、それでも自分たちから他国に仕掛けようとしてこなかった理由くらい、わかるはずだろ?」
オルグラント王国は肥沃な土地を持っていたのだ。他の国より地力はあるし、その地力を全て戦争に回せば、他の国に勝てないことも無いくらい、誰だってすぐに考え付くはずなのだ。
それでも、この国はずっと専守であることを良しとし、ずっと守り続けてきた。
それは無為に犠牲を出さないように、そしてこの国の人たちを守るためにあり続けてきたのだ。
騎士団たちもそれを誇りとし、この国の在り方を守り続けてきたはずであり、そんなことを騎士団長に就任した者がわからないわけが無い。
アンリと言う一人の女のためなんかじゃない、と言って欲しかった。
せめて、私と公の違いくらいは持っていると信じたい気持ちがあった。
「……お前は今の城の状況を、どこまで知っている?」
そんなレッドに対して、ベルセイスは低い声で聞いてくる。
「おまえが、兵を率いてこの国の実権を奪い取ろうという話が出ているところまで」
レッドがベルセイスが中心に動いていることを知っていると含んで答えると、ベルセイスは小さくため息を吐いた。
「なら、わかるだろ? 今の国の危うさが。上の立場に居た者が交代する時に、どれだけ腐った者たちが蠢動するかを! それを押さえようとする俺たちを地盤の弱さを!」
ベルセイスが叫ぶ。
ベルセイスが騎士団長という立場に立ったことの重さと、絡みつかれる息苦しさを吐き出すものだった。
思いもよらなかったベルセイスの叫びに、レッドは目を丸くするしかなかった。
「奴らは自分のことしか考えない。どれだけ自分が利を得られるか。そのためにはどれだけ相手の足を引っ張るか、踏みつけるか。そんな奴らを排除することも出来ず、ただ黙っているだけしか出来ないことの辛さが、お前にはわかるか!? ……そんな中で彼女に会ったんだ。彼女は驚くくらい、周囲にいた奴らと似ているようで違った。常に自分だけを中心に見ているのは同じだったが、相手を蹴落とすことも足を引っ張ることも一切考えていなかった。そんなつまらない事を考える必要も無かったのだろうくらいに、私とも見ているものが違いすぎた……。だからこそ、話をしていて裏を探る必要もなかったし、警戒する必要も感じられなく、……そう、楽しかったんだ」
ベルセイスの独白だった。
若くして責の重い立場に立つことになったのに、目の前にあったのは人の欲望と雁字搦めになって動けない自分の立場と言うものだけだったのだ。
そんな中で会ったアンリは異質だっただろう。
アンリは『神の玩具』だ。この世界とは違う世界で暮らしていた人間である。
この世界と違う世界で生きていたのだから、この世界に生きている人たちと考え方も価値観も何もかもが違うのは当然だと、身近に『神の玩具』が居たレッドにはわかる話だった。
タカヒロやマイもそうであったが、彼らは身分と言う、貴族など高い身分を持つ者の立場の重さなんて何も分かっていなかった。常に他人事で軽く考えているようなくらいだったのだ。
恐らくアンリも、貴族のしがらみだとか背負っているものだとか、理解しようともしていなかったのだろうと、今のレッドなら思えるが、他の『神の玩具』など知らないベルセイスには、そんなものに縛られない相手で、だからこそ、その重さであったりしがらみに潰れかけていた者にとって、心許せる相手になったのだろう。
……だが、それは個の話である。
「そんな一人の人間のために、戦争をすると言うのか?」
「彼女は老宰相の養女だぞ? 今、あいつの傍に彼女が居ないことで、どれだけアイツの立場が苦しくなっているか知っているのか!? 今のままでは、この国は立ち行かなくなる!」
やはり一人の女のためにと言う、立場ある人間が言うにはくだらない理由だったと思い始めていたレッドは、話の方向が急に変わったことに思考が止まってしまった。
ベルセイスはアンリへの想いではなく、あいつ……、ボードウィン宰相のことを理由に挙げてきたのだ。
ボードウィンも新しく宰相となった人物であるが、その立場はベルセイスよりも悪くなっていた。
ボードウィンも前宰相も、老宰相が後任にと指名した者たちである。
しかし、前宰相はキストと組んで騒乱を引き起こす手引きをしたため、処罰されている。
そこで、その後を継ぐことになったベルセイスに対して、老宰相はファルケン伯領で功績をあげたとされるアンリを養女にして、ボードウィンに娶らせることで立場を強めようとしたのだが、これも知ってる通り、失敗に終わってしまっている。
貴族の立場と言うものを理解していないアンリは、ボードウィンよりもベルセイスと懇意にし、さらには王にも近づこうとしていた。より権力を持っている者の近くに身を置こうとしているように動いていたのだ。
これについては、マイ曰く、格好良い人たちに近づこうとしていただけ、らしいがレッドには全く意味が分からなかった。
そして、そんなアンリは他の貴族たちから危険視されて、キストへと亡命してしまった。
老宰相が養女にした人物は、城に不和を撒き散らした挙句に、敵国へと身を移し、帝国に対してではあるが力を発揮し、その脅威さをオルグラント王国に見せ付けた結果となっている。
そのため、アンリを引き止めて置けなかったボードウィンが槍玉にあげられ、立場がより悪くなってきているのだ。
アンリを養女に向かえておきながら教育出来ず、さらには見込んだ前宰相もキストに組して問題を起こしたのだから、老宰相に人を見る目が無く、ボードウィンも大丈夫なのか、と言う言葉が強くなってくるのは止めようが無かった。
先ほどベルセイスが言ったように、自分たちの利を貪ろうとする者たちが、これとばかりにボードウィンの足を引っ張り、自分たちが得られる利を釣り上げているらしい。
便宜を図って欲しければ、相応の見返りを用意したり、自分たちを優遇しろ、と言うことだろう。
レッドもベルセイスの言葉からそこまですんなり浮かび、顔をしかめる。どちらにせよ、ボードウィンの現状を改善しなければ、キストに侵攻しなくても、綻びが広がりそうに思えたのだ。
事態の悪さを知ると共に、ボードウィン宰相とベルセイス騎士団長は、アンリを巡って対立しているのだと思えていたが、この国をまた発展させていこうと共に考えていたようで、友誼を結んでいたことにもレッドは驚きを覚えていた。
そんな友のために、そしてこの国のために、ベルセイスはアンリを取り戻しに動く必要がある、と言う話に、レッドは少しだけベルセイスの考えに共感してしまう。
だが、少しだけである。
それでアンリを取り戻したとして、事態が改善されるかと言えばそんなことは在り得ない。
たった一人の人間のために、命を落とすことになるのは兵と言う、オルグラントの平民たちなのだ。
腐っている上の貴族たちなんかではなく、そんなドロドロとした暗いものと無縁な、日々を一生懸命に生きている人たちが血を流さなくてはいけない理由にはならない。
それに、大概なことを言っていても、ベルセイスが迂闊な行動を取っていなければこんなことになっていなかったかもしれないのだ、
アンリが格好良い男たちに言い寄っていたらしいが、ベルセイスが婚約者が居るからと毅然としていれば、今の事態はここまでに広がらなかった可能性があったのである。
「くだらない」
結局の所、誰かのために、と言うことで自分を正当化させようとしているだけにしか思えない話であった。
ベルセイスの言葉は、ベルセイスが言った腐った者たちと変わらない。自分のことだけを考えた話でしかないのだ。
「お前になにがわかるっ!」
ベルセイスが剣を抜き放って斬りつける。レッドはそれを躱すために横に跳び、そしてレッドも剣を抜いた。
ベルセイスが持つ剣は騎士の剣である。馬に乗って使いやすいように、レッドが持っている剣より厚みがあり、そして長さがあった。
ベルセイスをぶっとばしてやろうと言う思いはあるが、これまでに対峙したことのない剣であり、何より騎士であり、団長相手である。一筋縄でいくわけが無い。
レッドの長年の冒険者として戦ってきた経験だけが、ベルセイスに勝てる武器であった。
ベルセイスが距離を詰めるよう動き、斬り落とし、なぎ払いと剣を振ってくる。鍛えられている筋力と若さによる体力から、剣が風の唸る音を響かせる。
元々、相手の攻撃を武器で受けるなんてことは冒険者として愚行とされているため受ける気はないが、ベルセイスの剣は受けたらレッドの剣がやられるのは想像に難くない。
だからレッドは回避に専念する。
もう少し早く動けたら、ベルセイスの懐に入って斬りかかれるのだが、レッドはその考えはすぐに捨てる。
レッドが考えたような動きが出来るのはリベルテであり、レッドには真似出来ない。
それに……、ベルセイスは倒したいわけではない。
腹は立っているが殺したいわけではなく、斬りつけてしまえば命を奪うことになるかもしれないし、騎士団長を大怪我させたとなれば、後々大問題にしかならないのだ。
風の唸る音が上から降り聞こえてくるため、身を捻る様にして左に躱した所で、ベルセイスの口元に笑みが浮かんだ。
ベルセイスは振り下ろした後、手首を返して剣を切り上げたのだ。
そんな剣の動きを全く想定していなかったレッドは、躱すことが出来ず、咄嗟に剣を持ち上げて受け止める。
剣同士がぶつかる高い音が近くで鳴り、衝撃がレッドの手を伝う。
レッドは斬られはしなかったが、衝撃に体勢を崩して飛ばされる。
だが体を飛ばされるくらいは良くあるもので、レッドは地面をそのまま転がるようにして体を起こし、膝立ちの状態でベルセイスの追撃に備える。
対してベルセイスは追撃はしてこなく、むしろレッドに対して称賛するような目を向けていた。
「あれを防ぐとは、なかなかやるじゃないか。たかだか冒険者風情が」
「その冒険者にはギルザークって化け物も含まれるんだけどな……」
「あれは、俺や前騎士団長が居れば同じだった!」
レッドが冒険者でありながら王に認められてギルドマスターに任命されることになったギルザークのことを言えば、ベルセイスは否定に声を荒げる。
結局、ベルセイスも権力に囚われた男に過ぎなかった。
平民だからと見下し、権力を持つ自分に酔っているようだった。
ただ、もしかしたらであるが、真っ向から否定したことがきっかけなのかもしれないとも思え、レッドは少し複雑な気になってくる。
この少しだけ緩んだ気の中でレッドは体の調子を確認していく。
先ほど受けた手の痺れは少し抜けていたが、ちらっと剣に目を落とすと、欠けている所が出来ているのがわかり、舌打ちしてしまいそうになる。
折れなかったのは幸いだが、このままでは長く持たないとわかるのだ。
レッドは剣を持つ手に力を込める。
レッドが立ち上がると、またベルセイスから向かってくる。
相手の動きに合わせて振るより、自ら進んで振った方が距離を活かしやすいのだろう。騎士の剣は、攻めの剣なのだ。
ベルセイスの剣に意識を集中して避けていく。
武器の長さを考えればベルセイスの懐に飛び込みたいが、さすがにベルセイスもそれは許さない。
騎士としてその剣を扱う際に、徹底して訓練してきているのだろうことが肌で感じられる。
振り下ろされる剣を左に避けると、ベルセイスが手首を返そうとしているのがわかり、レッドは直感的にここだ、と判断する。
レッドは思いっきり、自ら剣をベルセイスの剣に叩きつける。
剣同士がぶつかり合う高い音が響く。
それと共に、剣先が折れて飛んでいく。
レッドは自分が使い続けてきた剣に感謝の言葉を告げる。
レッドから叩きつけたこと、そしてベルセイスは手首を返していた時だったことで、今度はベルセイスの手に痺れが走る。
ベルセイスの動きが止まった所で、レッドは持っていた剣の柄から手を離し、そのまま思いっきり左拳をベルセイスの顔に叩きつけた。
「ぐっ」
ベルセイスがうめき声を上げて、転がる。
なかなか整った顔の男に拳を叩きつけたことに、レッドはなんとなく、してやった感に満足感を覚える。
レッドが荒い息を吐き出していると、ベルセイスが戸惑ったようにしながら身を起こす。
ベルセイスはその若さで団長の座に就けたことから、ここまで負けたことがほとんど無いようであった。しかも、顔面を殴られたというにショックを受けているらしい。
「こんな簡単に殴られるやつが、戦争する気かよ? 殴られたことで少しは頭冷えたか?」
レッドが軽口を向ければ、ベルセイスは殴られた時に切ったらしい口の端を手の甲で拭って、殴りかかってくる。
左から来る拳を防いで、右手でまた殴り飛ばす。ベルセイスの拳を防いだ手がかなり痛い。
やはり本格的に訓練をこなしている兵は、殴り合いになっても強い。
「うおおおおおおっ!」
先ほどまでの澄ましていた様子は何処にも無く、戦いと言うより喧嘩の領分になっていく。
ただがむしゃらに殴りかかってくるベルセイス。
乱打に防ぎきれなくて、レッドも腹や顔も殴られる。
そもそも一方的に勝てる相手なんかじゃないことはわかっていた。
腐っても騎士団長なのだ。力の無い者が立てる立場ではないのだ。
レッドも負けじとベルセイスの腹に拳を入れてやるが、腹筋が硬くて殴った拳の方が痛い。
どんどんとレッドの方が殴られてばかりになってくる。
ここまでになってくると、ふとレッドは何でここまでやりあっているのだろうかと言う思いが込み上げてくる。
どうして、ベルセイスと殴り合いになっているのかその理由も分からなくなってくるのだが、唯一つ譲れない気持ちだけ残る。
ここまでやって負けたくないと言う感情であった。
「うっっらぁぁ!」
殴ってくるベルセイスの拳を掴んで、その勢いのまま投げ飛ばす。
ベルセイスは少しだけ宙を浮き、そして重そうな音を上げて地面に落ちた。
そしてレッドも地面に倒れこんだ。さすがにもう起き上がる体力も残っていなかった。
何よりベルセイスに殴られた顔と腹が痛く、目の近くも殴られたせいか、視界も狭くなっていた。
「ふ、ふふ……。あははははは」
しばらくすると、ベルセイスが笑い声を上げ、レッドもそれに釣られて笑い声を上げた。
良い年齢をした人間が、何を持ってかここまで泥臭く殴り合ったのだ。その殴り合いの前までは、剣で相手を殺そうとしていたというのに。
「……おまえは、なかなかに強いな」
「ギルザークのおっさんはもっと怖いぞ」
「それは……、会いたくないな」
レッドの言葉に、ベルセイスは少し困ったような声で返す。
寝転がって見上げた空は、まだまだ青さを讃えていた。
「……いろいろと、考えすぎていたようだ。今更彼女を連れ帰った所で、どうにもならないのにな。あいつを支えようと思うのであれば、そんなことじゃなく、俺が手を差し伸ばせば良いだけだった。俺たちが上に立ったからと、俺たちだけで背負う必要も無かったんだな……。頼れる人たちが居るんだ。利を貪ろうとするやつらをどうにかする方法も、仲間たちと考えれば良いだけだったんだ。俺たちを指名したんだから、それくらいの苦労を分け合うくらい良いだろ?」
「ああ。そうだろうよ。何もないまま、面倒だけを押し付けようとするやつが、長いこと苦労を背負い続けてきてるわけねぇよ」
しばらく寝転がって空を眺めていた後、ベルセイスは起き上がり、兵舎へと歩いていった。
その横顔はだいぶすっきりとした顔になっていたように見えていた。
「はぁ……。俺も見つからないうちに帰らないとだが……。リベルテになんて言おうか」
殴り合いをした酷い顔なのだ。討伐に行って怪我をした顔なんかではない。
そもそも、怪我をした時点で、また無茶をして、といろいろ長く言われるだろうことを想像して、レッドは肩を落とす。
長く言われるのも嫌であるが、なんと言うか、リベルテが泣きながら言ってくるような気がして、気が重くなっていたのだ。
レッドがまたため息をついていると、こちらに歩いてくる人の姿が見えた。
そして、その人はレッドの傍で跪いた。
怪訝な顔を向けると、タカヒロが仕事で来ている服と同じ服装で、魔法使いと言うことなる。
「怪我の治療をしましょう。私の仕事場までご足労願います」
その人物の声を聞いて誰かをレッドは理解した。
タカヒロから名前を聞いていても繋がらなかったのも当然だった。
カーマインと言う、レッドが知っている名前と違う名前を名乗っていたのだから。
あの老人の側近だった人物であったのだから、今のように見回りが少ないように手配することも、冒険者ギルドに働きかけて、レッドがギルザークから指名されるなんていうのも出来たことに納得する。
大人しく治療を受けたレッドは、カーマインに送られて城門を出る。
すでに陽が落ちている中、レッドは先ほどまでとは違って気を楽にして家路についていた。
リベルテに何か言われたら、すべてあの老人のせいにしてやろう、と心に決めていたからである。
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