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勉強くらいしか取柄のない真面目で地味な性格の私は、特別に趣味といえるものも存在しなかった。
趣味がなさすぎて勉強が趣味といっても過言ではなかった。
そんな私に、数少ない友人のうちの一人が、受験勉強の息抜きにでも、とおすすめしてくれたのは、とあるゲームだった。
それはいわゆる乙女ゲームといわれるもので、アニメのような絵で描かれたキャラクターの男の子たちを主人公が恋に落としていくものだった。
最初にすすめられたときは、普段からアニメなども観ない私には、絶対に楽しめないだろう、と思っていた。
しかし、一度ゲームをやりはじめると、私が彼に恋に落ちるのは一瞬だった。
そんな彼が今、現実に、私の目の前にいる。
私の頭がおかしくなったのではない。私の目の前に彼が本当にいるのだ。
現実での彼はアニメ絵ではなかったけれど、確実にあの彼だ。本物だ。といえる何かが感じ取れた。
それは私が5歳のときに急に起こった。
彼に会った途端に、いきなり前世の記憶が蘇ってきたのだ
この時点で察しのいい方ならば、なんとなくおわかりだろうか。
早い話が私は転生したのだ。
どういう理屈なのかは不明だが、とにかく私は彼の住む乙女ゲームの世界の住人として生まれ変わったのだった。
あ、私が前世どうして死んだのかって?
特におもしろい話はないけれど簡単に説明すると、彼に恋をし続けたまま、なんとか今までの努力によって得た学力で高校を卒業すると、家から近い自分の学力にあった大学の経済学部に入学して、4年後普通に卒業。就職も無事に決まり、よーし、これから彼とふたりきりのラブラブ新婚生活が始まるぞー、と思っていたころに彼のゲームの続編の発売が発表された。
私は楽しみだった。愛する彼の新たな一面が、またみられるのだ、とウキウキしながら、スマホを片手にふらふら歩いていると、交差点に突然、進入してきたトラックに轢かれて死んだ。
まぁ、簡単にいうとこんな感じ?その後の記憶はないからたぶん即死だったんじゃないかな。
趣味がなさすぎて勉強が趣味といっても過言ではなかった。
そんな私に、数少ない友人のうちの一人が、受験勉強の息抜きにでも、とおすすめしてくれたのは、とあるゲームだった。
それはいわゆる乙女ゲームといわれるもので、アニメのような絵で描かれたキャラクターの男の子たちを主人公が恋に落としていくものだった。
最初にすすめられたときは、普段からアニメなども観ない私には、絶対に楽しめないだろう、と思っていた。
しかし、一度ゲームをやりはじめると、私が彼に恋に落ちるのは一瞬だった。
そんな彼が今、現実に、私の目の前にいる。
私の頭がおかしくなったのではない。私の目の前に彼が本当にいるのだ。
現実での彼はアニメ絵ではなかったけれど、確実にあの彼だ。本物だ。といえる何かが感じ取れた。
それは私が5歳のときに急に起こった。
彼に会った途端に、いきなり前世の記憶が蘇ってきたのだ
この時点で察しのいい方ならば、なんとなくおわかりだろうか。
早い話が私は転生したのだ。
どういう理屈なのかは不明だが、とにかく私は彼の住む乙女ゲームの世界の住人として生まれ変わったのだった。
あ、私が前世どうして死んだのかって?
特におもしろい話はないけれど簡単に説明すると、彼に恋をし続けたまま、なんとか今までの努力によって得た学力で高校を卒業すると、家から近い自分の学力にあった大学の経済学部に入学して、4年後普通に卒業。就職も無事に決まり、よーし、これから彼とふたりきりのラブラブ新婚生活が始まるぞー、と思っていたころに彼のゲームの続編の発売が発表された。
私は楽しみだった。愛する彼の新たな一面が、またみられるのだ、とウキウキしながら、スマホを片手にふらふら歩いていると、交差点に突然、進入してきたトラックに轢かれて死んだ。
まぁ、簡単にいうとこんな感じ?その後の記憶はないからたぶん即死だったんじゃないかな。
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