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囚われの令嬢
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そんなある日、以前聞いた王妃の言葉が頭を掠めた。
《あまり抵抗なさらず受けとめてしまったほうが楽ですのよ》
《わたくしもね、王妃になるのが嫌で反発していた時期があったの……。でも、どうやっても私たちは結局つかまってしまう運命なのよ……彼らにね……》
今なら……この王妃の言葉の意味がわかる。
私もあのときに……逃げることを諦めるべきだったのだ。
そう改めて思うが……もう全てが手遅れだった。
私はあれから……毎日毎日犯された。
彼が居ない間は蔓に……、そして彼が戻ってくれば彼にグチャグチャに愛される。
最近は、メイドや騎士に会った覚えもない。
薄暗い部屋の中、私の傍にはもうアラン王子以外存在しないのだ。
今日も彼が戻ってくると、私は蔓から解放され、ベッドの上へ引きずり込まれる。
その時にまた……王妃の言葉が頭をよぎった。
《身を委ねた方が楽になる》
ミヲユダネル……。
今からでも……遅くないのかしら……。
慣れた彼の指先が私の中へ侵入してくると、甘い快楽が駆け抜けていく。
そのまま私は与えられる快楽に身を委ねていくと、そのまま夜が明けていった。
そうして目を覚ますと、いつもの朝がやってくる。
鉄格子の隙間から漏れる光に、身動きが取れない鎖に、心が落ちていく。
もう何度流したかわからない涙が頬を伝っていくと、私は大きく息を吸い込んだ。
私は一体どれぐらいここに閉じ込められているんだろうか……。
そっと顔を上げ、月明かりが差し込む薄暗い部屋の中、ふと疑問が頭を掠めた。
グレイスに婚約破棄について相談しているとき。
私が婚約破棄する為に、処女を捨てようとしたとき。
この部屋から逃げようとしたとき。
窓から自殺を謀ろうとしたとき。
彼は私のもとへやってきた。
どんなに騎士やメイドがいないときを狙っても彼らはどこからとも突然現れる。
どれもタイミングが良すぎる登場だった。
なぜだろうか、私の行動をよんでいるのかしら?
私の行動を遠くから誰かに監視させているのかしら?
私に追跡魔法を付けているのかしら……?
そう考えてみるが……魔力を封じられた私では調べるすべがない。
彼に聞いても、きっと教えてくれないだろう。
様々に思う疑問の中、一番わからない事がある。
それは……私は彼といつ出会ったのだろうか。
なぜ彼はそこまで私に執着するのだろうか。
考えても考えても答えが見つからないことばかりだ。
私には彼と会った記憶が思い出せない。
むしろ出会っていないとすら思っている。
でも彼ははっきりと私と会ったと話すのだ。
ある日私はこの事を彼に問いかけてみると、彼はいつも同じように答える。
「君が僕を見つけたんだよ」
私が彼を見つけた……。
これはどういう意味なのかしら……。
そして私はどうして……彼を見つけてしまったのかしら……。
そんなことを考えていると暗くなった部屋に、微かな光が差し込んだ。
ガチャッと音と共に扉が開かれると、彼が優しい笑みを浮かべながらに佇んでいた。
彼は相も変わらず笑顔で私を見つめ、ゆっくりとベットへと腰かける。
そうして彼は私の髪を優しくなでながらに、徐に口を開いた。
「もうすぐ君は16歳になるね。結婚できるようにはなるのは嬉しいけれど、貴族は誰もが学園に通わなくてはいけない年齢だ。でもね、僕は君を外へ出すつもりはないんだ」
学園……もうそんなに立つのね……。
でも外へ出すつもりはない……。
私は一生ここから出ることが出来ないの……?
絶望がこみ上げてくる中、彼の言葉が頭の中で反芻する。
「今ね、王宮魔術師にとっておきの物を作ってもらっているんだ。君もびっくりすると思うから楽しみにしていてね」
そう微笑む彼に、私は全ての言葉を飲み込むと、只々微笑み返すことしかできなかった。
《あまり抵抗なさらず受けとめてしまったほうが楽ですのよ》
《わたくしもね、王妃になるのが嫌で反発していた時期があったの……。でも、どうやっても私たちは結局つかまってしまう運命なのよ……彼らにね……》
今なら……この王妃の言葉の意味がわかる。
私もあのときに……逃げることを諦めるべきだったのだ。
そう改めて思うが……もう全てが手遅れだった。
私はあれから……毎日毎日犯された。
彼が居ない間は蔓に……、そして彼が戻ってくれば彼にグチャグチャに愛される。
最近は、メイドや騎士に会った覚えもない。
薄暗い部屋の中、私の傍にはもうアラン王子以外存在しないのだ。
今日も彼が戻ってくると、私は蔓から解放され、ベッドの上へ引きずり込まれる。
その時にまた……王妃の言葉が頭をよぎった。
《身を委ねた方が楽になる》
ミヲユダネル……。
今からでも……遅くないのかしら……。
慣れた彼の指先が私の中へ侵入してくると、甘い快楽が駆け抜けていく。
そのまま私は与えられる快楽に身を委ねていくと、そのまま夜が明けていった。
そうして目を覚ますと、いつもの朝がやってくる。
鉄格子の隙間から漏れる光に、身動きが取れない鎖に、心が落ちていく。
もう何度流したかわからない涙が頬を伝っていくと、私は大きく息を吸い込んだ。
私は一体どれぐらいここに閉じ込められているんだろうか……。
そっと顔を上げ、月明かりが差し込む薄暗い部屋の中、ふと疑問が頭を掠めた。
グレイスに婚約破棄について相談しているとき。
私が婚約破棄する為に、処女を捨てようとしたとき。
この部屋から逃げようとしたとき。
窓から自殺を謀ろうとしたとき。
彼は私のもとへやってきた。
どんなに騎士やメイドがいないときを狙っても彼らはどこからとも突然現れる。
どれもタイミングが良すぎる登場だった。
なぜだろうか、私の行動をよんでいるのかしら?
私の行動を遠くから誰かに監視させているのかしら?
私に追跡魔法を付けているのかしら……?
そう考えてみるが……魔力を封じられた私では調べるすべがない。
彼に聞いても、きっと教えてくれないだろう。
様々に思う疑問の中、一番わからない事がある。
それは……私は彼といつ出会ったのだろうか。
なぜ彼はそこまで私に執着するのだろうか。
考えても考えても答えが見つからないことばかりだ。
私には彼と会った記憶が思い出せない。
むしろ出会っていないとすら思っている。
でも彼ははっきりと私と会ったと話すのだ。
ある日私はこの事を彼に問いかけてみると、彼はいつも同じように答える。
「君が僕を見つけたんだよ」
私が彼を見つけた……。
これはどういう意味なのかしら……。
そして私はどうして……彼を見つけてしまったのかしら……。
そんなことを考えていると暗くなった部屋に、微かな光が差し込んだ。
ガチャッと音と共に扉が開かれると、彼が優しい笑みを浮かべながらに佇んでいた。
彼は相も変わらず笑顔で私を見つめ、ゆっくりとベットへと腰かける。
そうして彼は私の髪を優しくなでながらに、徐に口を開いた。
「もうすぐ君は16歳になるね。結婚できるようにはなるのは嬉しいけれど、貴族は誰もが学園に通わなくてはいけない年齢だ。でもね、僕は君を外へ出すつもりはないんだ」
学園……もうそんなに立つのね……。
でも外へ出すつもりはない……。
私は一生ここから出ることが出来ないの……?
絶望がこみ上げてくる中、彼の言葉が頭の中で反芻する。
「今ね、王宮魔術師にとっておきの物を作ってもらっているんだ。君もびっくりすると思うから楽しみにしていてね」
そう微笑む彼に、私は全ての言葉を飲み込むと、只々微笑み返すことしかできなかった。
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