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11再会 (セス視点)
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彼女がいなくなって数週間。
ナサニエルは気づかれることなく彼女と入れ替わり生活を送っている。
バレないように色々と手を回したからね。
彼女が傍におらず寂しいと思うが、それも暫くの辛抱。
今頃彼女は僕を思い出し恋しんでいるはずだから。
体は十分に調教済み。
加えて彼女へこっそりプレゼントしたブレスレットには、媚薬の元となる花の香りをしみ込ませている。
彼女の体が媚薬に反応し疼くと、僕の姿が頭に浮かんでいるだろう。
後はタイミング。
彼女の熱が高まった頃に会いに行けば、僕を求めてくるはず。
僕はおもむろに立ち上がると、ナサニエルを呼んだ。
「ナット、今週の休みは家へ帰るのかな?」
「あー、そのつもりですけど……。どうしたんですか?」
彼は窺うように視線を上げ目が合うと、ビクッと肩を震わせた。
「彼女に僕がここにいると伝えてほしいんだ」
僕は一枚のチラシを取り出すと、彼へ手渡す。
「ここって……あぁ、わかりました。えーと、会いに行くように言えばいいですか?」
「いや、その必要はない。ここに僕が居ると知ればきっと来てくれるだろうからね。宜しく義弟くん」
僕はニッコリと笑みを深めると、ナサニエルの肩を軽く叩いた。
「義弟……はぁ、わかりました。一つ聞きたいんですけど、どうしてこんな遠回しなことするんですか?公爵家の力があれば、こんな面倒なことしなくても姉を簡単に手に入れられますよね……?」
「そうだね。だけどそれじゃぁ意味がないんだよ」
そうそれでは意味がない。
彼女から僕を求めてもらわないと。
命令でも約束でもなく、彼女自身が僕に会いたいと欲しいと望むことが重要なんだ。
そうして休暇の前日。
珍しくナサニエルが慌てた様子で寮へ戻ってくると、僕の元へやってきた。
「すみませんセスさん。あの……姉が友人のマデリンと一緒に夜会へ参加するみたいなんです。何でも婚活をするのだとか……」
「それは本当ですか?」
彼女が婚活、信じられない。
男嫌いだと有名だし、彼女がここにいた間も結婚に興味はないと話していた。
なのに突然どうしたんだ?
マデリンという女の仕業か……?
確か彼女は男好きとして有名、彼女をたぶらかしたのか……。
ありえない、許されない。
どす黒い感情が広がると、僕はすぐに彼女が参加する夜会を調べ、行く準備を整えたのだった。
夜会へ到着すると、彼女は会場の片隅に佇んでいた。
淡い赤のドレスを身に着けて、白い髪飾りをつけている。
化粧もしているのだろう、艶のある唇に透き通るように白い肌。
いつもとは違う妖麗な姿に思わず見惚れた。
元より綺麗だと思っていたが、化粧するとさらに映える。
そんな彼女に近づく令息が一人。
彼女と親しかったバリーだ。
彼は彼女を女だと気がついてはいなかったが、惹かれていたのは気づいていた。
時折見せる女性らしさに、顔を真っ赤にするバリーを何度も見てきた。
だからこそバリーと楽し気に話す彼女の姿に嫉妬した。
バリーは彼女に話しかけると、ニッコリと笑みを浮かべている。
何の話をしているのかは聞こえないが、バリーが彼女の手を取ろうとした。
僕は慌てて人ごみをかき分けると、バリーから引き剥がすように彼女を捕まえたのだった。
彼女から僕を求めて来るように仕向けていたのに、これでは全てが台無しだ。
けれど彼女を誰にも渡したくない、渡すつもりもない。
僕は彼女へキスをおとすと、甘く甘美な快楽を感じる。
まだまだ調教が必要なのかな……。
僕は彼女の腰へ手を回すと、そのまま馬車へのせ連れ去ったのだった。
ナサニエルは気づかれることなく彼女と入れ替わり生活を送っている。
バレないように色々と手を回したからね。
彼女が傍におらず寂しいと思うが、それも暫くの辛抱。
今頃彼女は僕を思い出し恋しんでいるはずだから。
体は十分に調教済み。
加えて彼女へこっそりプレゼントしたブレスレットには、媚薬の元となる花の香りをしみ込ませている。
彼女の体が媚薬に反応し疼くと、僕の姿が頭に浮かんでいるだろう。
後はタイミング。
彼女の熱が高まった頃に会いに行けば、僕を求めてくるはず。
僕はおもむろに立ち上がると、ナサニエルを呼んだ。
「ナット、今週の休みは家へ帰るのかな?」
「あー、そのつもりですけど……。どうしたんですか?」
彼は窺うように視線を上げ目が合うと、ビクッと肩を震わせた。
「彼女に僕がここにいると伝えてほしいんだ」
僕は一枚のチラシを取り出すと、彼へ手渡す。
「ここって……あぁ、わかりました。えーと、会いに行くように言えばいいですか?」
「いや、その必要はない。ここに僕が居ると知ればきっと来てくれるだろうからね。宜しく義弟くん」
僕はニッコリと笑みを深めると、ナサニエルの肩を軽く叩いた。
「義弟……はぁ、わかりました。一つ聞きたいんですけど、どうしてこんな遠回しなことするんですか?公爵家の力があれば、こんな面倒なことしなくても姉を簡単に手に入れられますよね……?」
「そうだね。だけどそれじゃぁ意味がないんだよ」
そうそれでは意味がない。
彼女から僕を求めてもらわないと。
命令でも約束でもなく、彼女自身が僕に会いたいと欲しいと望むことが重要なんだ。
そうして休暇の前日。
珍しくナサニエルが慌てた様子で寮へ戻ってくると、僕の元へやってきた。
「すみませんセスさん。あの……姉が友人のマデリンと一緒に夜会へ参加するみたいなんです。何でも婚活をするのだとか……」
「それは本当ですか?」
彼女が婚活、信じられない。
男嫌いだと有名だし、彼女がここにいた間も結婚に興味はないと話していた。
なのに突然どうしたんだ?
マデリンという女の仕業か……?
確か彼女は男好きとして有名、彼女をたぶらかしたのか……。
ありえない、許されない。
どす黒い感情が広がると、僕はすぐに彼女が参加する夜会を調べ、行く準備を整えたのだった。
夜会へ到着すると、彼女は会場の片隅に佇んでいた。
淡い赤のドレスを身に着けて、白い髪飾りをつけている。
化粧もしているのだろう、艶のある唇に透き通るように白い肌。
いつもとは違う妖麗な姿に思わず見惚れた。
元より綺麗だと思っていたが、化粧するとさらに映える。
そんな彼女に近づく令息が一人。
彼女と親しかったバリーだ。
彼は彼女を女だと気がついてはいなかったが、惹かれていたのは気づいていた。
時折見せる女性らしさに、顔を真っ赤にするバリーを何度も見てきた。
だからこそバリーと楽し気に話す彼女の姿に嫉妬した。
バリーは彼女に話しかけると、ニッコリと笑みを浮かべている。
何の話をしているのかは聞こえないが、バリーが彼女の手を取ろうとした。
僕は慌てて人ごみをかき分けると、バリーから引き剥がすように彼女を捕まえたのだった。
彼女から僕を求めて来るように仕向けていたのに、これでは全てが台無しだ。
けれど彼女を誰にも渡したくない、渡すつもりもない。
僕は彼女へキスをおとすと、甘く甘美な快楽を感じる。
まだまだ調教が必要なのかな……。
僕は彼女の腰へ手を回すと、そのまま馬車へのせ連れ去ったのだった。
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