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初めての出会いから・・・

初めての出会い(アサギリside)

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正直言って、家族と取り決めた結婚など、どうでも良かった。
4歳のイヴリシア、イヴに会うまでは。



銀色の髪に水色の瞳、小さいながらも彼女は飛ぶぬけて綺麗で可愛かった。
筆頭公爵令嬢にイヴは何もかもが変わっている少女でもあり、
領地経営を営む父君と口論できる稀有な、いや天才だったのだ。



領民を思いやり、どんな事にも耳を傾けて、
稲や穀物が無くなれば、根菜、芋などを手がけ、
領民を救った幼すぎる姫。


いつしか彼女は17歳になり、容姿からも性格からも湖の女神をと言われ、
彼女の笑顔に私、アサギリ・フォン・フォースリングはかなりの好意、愛情を抱いている。
そう、いつしか出来ていたもの、恋情だった。




初めて会った彼女は4歳、私は12歳だった。
きっと兄妹が居たらこんな感じなんだろうと思った。
フォースリング家で2人きりで庭を散策していた時になる。
魔物を掬わせていた者がおり、牢から逃亡。
それは勿論、フォースリング家の問題なのだが、
事もあろうに4歳だったイヴに手をかけようとしていた。




魔物が現れる際に距離を取り攻撃を仕掛けようとしたが、
魔物はイヴばかり手をかけようとしている。
イヴは突然、私をかなり遠のけた。





魔物はイヴのみに向かっていく。






イヴは覚悟を決めた顔をしていたのだ、私を助ける為に。
着実に、向かってきているであろう騎士たちの方へ。


咄嗟だった、イヴだけは!と身体魔法を極度まで上げてイヴの前に立ち塞がり、
私は魔物の攻撃を受けた。

魔物に吹き飛ばれた私は包囲していた騎士たちに助けられ、イヴは涙ながら駆け寄ってくる。





「アサギリさま!」
涙いっぱいに治癒魔法をかけるイヴに私は満足感が多かった。

イヴは最初から自分を盾にしたのを見て自分よりも私を優先にしたのだ。
筆頭公爵家の娘のイヴの方が身分は高いのに。






優しさ、強さ、そして咄嗟の判断力。

4歳の子に私は惚れたのだった。






イヴは全魔力を使い、止血し傷口を治そうとまでして魔力切れを起こした。
3、4日は寝ていた。私の額には三日月のような傷跡が残った。
もっと酷い傷口をイヴが全魔力でやってくれた。




残ってもいいと思えるぐらいに名誉な傷だと思える。




そして彼女を周りに周囲に例えるなら湖の女神、
優しい女神だと象徴が増え私は誇らしく思う。



もう少しで彼女は私だけのものだ、やっとまった彼女の18歳の誕生日。
それは結婚できる年齢でもあり、どれほど焦がれただろう。


涼やかな銀髪の髪に、水色の瞳。
細いけれど大人の女性の身体付きに優しく穏やかな心。
芯は強く、でもおっとりで恥ずかしがり屋で。

どんな彼女でもイヴは綺麗で可愛いから。他の女なんてクソ喰らえだ。


イヴは特別だ、だって自分を顧みないで守ろうする淑女なんでどこにもいない。




私はこれから先も彼女、イヴリシアのみ愛する。




イヴにいっぱい話したい事、したい事がある。



だが不安も残る。
綺麗な君に私の花嫁としてきた時に、私は我慢出来るだろうか。


今まで彼女以外、関係などない。
他の女のするなんぞ吐き気すらあるぐらいに。



48手、営みに関する本は全て読破した。
後は半月後、彼女とする結婚と初夜をどれだけ待ち望んでいるかはなんて、
イヴには言えない。何か不味い気がしてならないし、
両親にも呆れているぐらいに。



まずイヴと結婚したら、ぐずぐずに愛して、
身も心も私のものにする。
彼女から離婚なんで言葉すら思いつかない、浮かばせない、出させないぐらいには。
私という存在をいかに身体と心に覚えさえて。




つまりは、私はイヴを・・・私なしでは生きられない心と身体する計画、
幼少期から計画していた計画を続行するのが、


後、半月後には叶うのだから。
















続く

















イヴとは逆に完全に惚れているアサギリ。
執着・溺愛とアサギリはかなり強火。
業火並みにイヴに執着心を持つアサギリは性欲フルで行きます。

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