すれ違いをしちゃう話

key

文字の大きさ
上 下
21 / 31

隣にいることが、ツラい。20

しおりを挟む
「そうだったのか…。俺のせいで不安にさせて、ほんとにごめん。

ちょっと待っててくれるか?翔に見せたいものがある。」

「う…うん。」

猛は、寝室の方へ歩いて行った。

「おまたせ。これ。」

「ん?ネックレス?が2つ?」

「そう。翔がお揃いのもの買おうよ、っていう度断ってたよな?

恥ずかしいって言って。

でも、身に着けたそうに、してる翔のことも見て。

俺も段々つけたくなってきて。

でも、何度も断ってきたから、

今さら、お揃いつけたいなんて、言えなくて。

それなら、プレゼントにしよう、って思ったんだ。

付き合って2周年の記念日に。

それを一つだけなら、お揃い嫌そうな俺が買ってもおかしくないかな、って。

でも、俺はお揃いのものはおろか、

翔が喜びそうなのも分からなくて。

それで、一人で探すのは諦めて麻美に一緒に探してもらったんだ。

あいつと二人なら、不本意ながら、ジュエリーショップにも、

入りやすいし。

それで、翔にはバレずに買いたくて。

仕事だって嘘をついた。

ごめん。

ほんとに。

翔に喜んでもらいたかっただけなのに。

…。

それで、別れてからは。

翔がいないのが、信じられなくて、

お酒いっぱい飲んだりしてな。

やけ酒っていうのか?

翔のことを思い出したくなくて。

思い出すのがつらくて。

しかも、泣き顔ばかり思い出すのも、余計につらくて。

ココアも、クッションも、マグカップとかも、いろいろ捨てちゃった。

早く前に進みたかった。

翔のことなんて忘れて、

早く新しい恋を手に入れたかった。

でも、そうすればするほど、

つらくて…。

ふぅ。

翔?俺は、翔と別れてからも、まだ、翔のこと、

変わらず…。

その…。

好きです。

ずっと。

よかったら、もう一度、

俺にチャンスをくれませんか?

付き合ってください…!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうせ結末は変わらないのだと開き直ってみましたら

風見ゆうみ
恋愛
「もう、無理です!」 伯爵令嬢である私、アンナ・ディストリーは屋根裏部屋で叫びました。 男の子がほしかったのに生まれたのが私だったという理由で家族から嫌われていた私は、密かに好きな人だった伯爵令息であるエイン様の元に嫁いだその日に、エイン様と実の姉のミルーナに殺されてしまいます。 それからはなぜか、殺されては子どもの頃に巻き戻るを繰り返し、今回で11回目の人生です。 何をやっても同じ結末なら抗うことはやめて、開き直って生きていきましょう。 そう考えた私は、姉の機嫌を損ねないように目立たずに生きていくことをやめ、学園生活を楽しむことに。 学期末のテストで1位になったことで、姉の怒りを買ってしまい、なんと婚約を解消させられることに! これで死なずにすむのでは!? ウキウキしていた私の前に元婚約者のエイン様が現れ―― あなたへの愛情なんてとっくに消え去っているんですが?

寵妃にすべてを奪われ下賜された先は毒薔薇の貴公子でしたが、何故か愛されてしまいました!

ユウ
恋愛
エリーゼは、王妃になる予定だった。 故郷を失い後ろ盾を失くし代わりに王妃として選ばれたのは後から妃候補となった侯爵令嬢だった。 聖女の資格を持ち国に貢献した暁に正妃となりエリーゼは側妃となったが夜の渡りもなく周りから冷遇される日々を送っていた。 日陰の日々を送る中、婚約者であり唯一の理解者にも忘れされる中。 長らく魔物の侵略を受けていた東の大陸を取り戻したことでとある騎士に妃を下賜することとなったのだが、選ばれたのはエリーゼだった。 下賜される相手は冷たく人をよせつけず、猛毒を持つ薔薇の貴公子と呼ばれる男だった。 用済みになったエリーゼは殺されるのかと思ったが… 「私は貴女以外に妻を持つ気はない」 愛されることはないと思っていたのに何故か甘い言葉に甘い笑顔を向けられてしまう。 その頃、すべてを手に入れた側妃から正妃となった聖女に不幸が訪れるのだった。

さっさと離婚したらどうですか?

杉本凪咲
恋愛
完璧な私を疎んだ妹は、ある日私を階段から突き落とした。 しかしそれが転機となり、私に幸運が舞い込んでくる……

突然現れた自称聖女によって、私の人生が狂わされ、婚約破棄され、追放処分されたと思っていましたが、今世だけではなかったようです

珠宮さくら
恋愛
デュドネという国に生まれたフェリシア・アルマニャックは、公爵家の長女であり、かつて世界を救ったとされる異世界から召喚された聖女の直系の子孫だが、彼女の生まれ育った国では、聖女のことをよく思っていない人たちばかりとなっていて、フェリシア自身も誰にそう教わったわけでもないのに聖女を毛嫌いしていた。 だが、彼女の幼なじみは頑なに聖女を信じていて悪く思うことすら、自分の側にいる時はしないでくれと言う子息で、病弱な彼の側にいる時だけは、その約束をフェリシアは守り続けた。 そんな彼が、隣国に行ってしまうことになり、フェリシアの心の拠り所は、婚約者だけとなったのだが、そこに自称聖女が現れたことでおかしなことになっていくとは思いもしなかった。

初恋の公爵様は僕を愛していない

上総啓
BL
伯爵令息であるセドリックはある日、帝国の英雄と呼ばれるヘルツ公爵が自身の初恋の相手であることに気が付いた。 しかし公爵は皇女との恋仲が噂されており、セドリックは初恋相手が発覚して早々失恋したと思い込んでしまう。 幼い頃に辺境の地で公爵と共に過ごした思い出を胸に、叶わぬ恋をひっそりと終わらせようとするが…そんなセドリックの元にヘルツ公爵から求婚状が届く。 もしや辺境でのことを覚えているのかと高揚するセドリックだったが、公爵は酷く冷たい態度でセドリックを覚えている様子は微塵も無い。 単なる政略結婚であることを自覚したセドリックは、恋心を伝えることなく封じることを決意した。 一方ヘルツ公爵は、初恋のセドリックをようやく手に入れたことに並々ならぬ喜びを抱いていて――? 愛の重い口下手攻め×病弱美人受け ※二人がただただすれ違っているだけの話 前中後編+攻め視点の四話完結です

転生おばさんは有能な侍女

吉田ルネ
恋愛
五十四才の人生あきらめモードのおばさんが転生した先は、可憐なお嬢さまの侍女でした え? 婚約者が浮気? え? 国家転覆の陰謀? 転生おばさんは忙しい そして、新しい恋の予感…… てへ 豊富な(?)人生経験をもとに、お嬢さまをおたすけするぞ!

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

正妃に選ばれましたが、妊娠しないのでいらないようです。

ララ
恋愛
正妃として選ばれた私。 しかし一向に妊娠しない私を見て、側妃が選ばれる。 最低最悪な悪女が。

処理中です...