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3話

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スザンナは王都に住む友人のポリーを頼ることに決めた。
王都へは乗合馬車が出ているため、家を出て馬車の乗り場へと向かった。

乗合馬車に乗りスザンナは王都を目指した。
馬車の揺れに身を任せながら、彼女の心は新たな未来への期待と不安で揺れていた。



王都に到着すると、スザンナはポリーの家へと急いだ。
ポリーの家に着くとポリーは突然の訪問に驚きと喜びの表情で迎えられた。

「スザンナ?! どうしたの? 突然来るなんて何かあったの?」

ポリーは心配そうに尋ねた。
スザンナは深呼吸をし、事情を話し始めた。

「実は、私の家で大変なことがあったの。お父様が私を追放すると言い出したの。それにジョナスがセレナを妊娠させたの。だから、私は家を出るしかなかったの……」
「酷いわね、みんな……。ジョナスだってスザンナを悲しませるなんて許せないわ!」
「私のために怒ってくれてありがとう。でももういいの。家族のことも領地のこともジョナスのことも、もうどうでもいいの……」
「スザンナ……」

ポリーはスザンナの気持ちを考えると胸が苦しくなった。

「それで本当にいいの? 後悔しない? どう考えてもジョナスが悪いわ。慰謝料だって請求すべきじゃないの?」
「気持ちは嬉しいけど、もうあの人たちに関わり合いたくないの。慰謝料を請求したって素直に払ってくれるとも思えないし、嫌な思いをするだけになりそう……」
「……そうね、そんな気持ちになりたくないわよね。差し出口でごめんなさいね」
「ううん、気持ちは嬉しいわ」

スザンナの気持ちを考えればこれ以上踏み込んで事情を訊くわけにもいかない。
それに気になるのは今後のことだ。
話の流れを変えるべく、ポリーはスザンナに尋ねる。

「それでこれからどうするか考えているの? もし困っているなら何でも言って。力になるわよ」
「助かるわ、ポリー。それで恥ずかしい話だけど……しばらく泊めてもらえると助かるの。急だし図々しくてごめんなさい」
「いいの、気にしないで。好きなだけ家に滞在すればいいわ。遠慮なんていらないから」
「ありがとう、ポリー。本当に感謝しているわ」



その夜、二人はお茶を飲みながら、話に花を咲かせた。

ポリーは冗談めかして言った。

「ジョナスのことだけど、彼ってどう見ても浮気していそうなタイプよね。もしかしたら、セレナ以外にも相手がいたりして」

スザンナはクスリと笑い、冗談に付き合うことにし、彼女もまた冗談で返すことにした。

「そうね、セレナの子の父親が本当にジョナスかどうかも怪しいかもね」
「それは面白いわね。セレナとジョナスはお似合いの二人だものね」
「本当、そう思うわ」

二人は顔を見合わせて笑い合った。

それからも二人は笑い合いながら話を続けた。
スザンナは久しぶりに心から笑うことができた。
スザンナはポリーの優しさと温かさに心から感謝し、彼女のおかげで心の重荷が軽くなったことを感じた。
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