forgive and forget

恩田璃星

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大人のお遊戯でトラウマ克服編

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 「…気持ち良くない?」

 「は?めちゃくちゃ気持ちいーに決まってんだろ!!」

 しまった。
 ついうっかり本音が出た。

 「…だろうね。なってるし」

 依子は、すっかりグロテスクになった俺のモノを目の前にして、似つかわしくない、柔らかな表情を浮かべた。
 そして、もう一度、心底愛おしそうに、頬張って、上下に頭を動かし始めた。

 「…ゃ、めろって…ッ」

 徐々に、アイツへのイライラよりも、気持ち良さの方が強くなっていく。

 あーー。
 やばい。
 腰が動きそう。

 落ちて来る髪を払って、耳にかける仕草に釘付けになり、喉が勝手にゴクッと鳴った。

 それが聞こえたのか、俺のものを咥えている依子の鼻から「ふ」と笑いが漏れた。





 「…しゃぶりながらニヤけちまう、くらいっ…俺のコレ、好きなんだ?」

 そんな理由で笑ったんじゃないことくらい分かっている。
 ただの男のプライドというか、言いようのない悔しさに、挑発的な言葉を口走ってしまった。

 依子は、返事をするために、喉の奥まで入れたモノを、再びゆっくりと口から引き抜いた。

 「そうだよ?だから今日は途中で止めてあげないから」

 想定外の返事に面食らう。

 「は?…ぅあっ」

 今まで耐えに耐えてきたヘタレ声が口から漏れたのは、レロッと、付け根から先端までを舐め上げられたから。

 軽く汗ばんだ右手に緩急つけてしごかれ、カリの部分がねっとりと吸い上げられた。

 「ぁっ、く…、やめっ」

 頭を押さえて制止しようとしたら、間髪入れずに言われてしまった。

「動くと歯が当たっちゃうかもよ」





 なに今の?
 脅し?
 脅しっつーか、完全な宣戦布告?
 いや、宣戦布告どころか、勝利宣言のつもり?

 そんな躾、したつもりねーんだけど??



 ドS魂に火がついた。



 「…依子、分かった。好きなだけ、…シていいから、一旦クチ離せ」


 「…」

 「ちょっと体勢変えるだけ」

 「…」

 俺の声音に何かを感じ取ったのか、無言で、咥えたままふるふると首を横に振る。
 いい度胸してんじゃん。

 「あっそ。じゃ、ちょっとでも歯ぁ立てたら、ソッコー病院行って、『嫁に噛まれた』って言うからな」

 お。口の動きが止まった。
 もう一押し。

 「俺、名前知れてきてるし、どっかから噂、広まっちまうかもな」







 けっこう限界寸前のところで、『ぷあっ』と、依子が俺を口から離した。
 
 色々、セーフ。

 スマホで録画してるから、それを証拠にされるとでも思ったんだろう。

 こんな映像、俺が他人に見せるわけないのに。

 挑戦的なこと言ってくる割に、詰めが甘いところが可愛いんだよな。

 それも、俺にだけ。
 仕事じゃ完璧主義を貫いてるくせに。

 この制服着て武装してる時代なんて、1ミリも隙を見せてくれなかったのに。

 すかさず依子を抱きかかえて、仰向けで寝た自分の上に、腹を跨ぐようにして座らせた。

 「わっ、ちょ、冬馬!?」

 ただし、俺に背を向けさせた状態で。

 「ん。いくらでもどーぞ?」

 そう言って、依子の腰を自分の顔の方に引き寄せ、スカートをめくった。




 「や、やだ!!何して!?」

 腹に乗せたときに気づいてたけど、めちゃくちゃ蕩けてる。
 
 「すげーな。ここ…オモチャの余韻?…それとも…俺の咥えてコーフンした?」

 「な…っ!?ぁ、あっ!!」

 依子の返事を待たずに、熱く溶けたそこにぢゅうっと吸い付いてやった。

 「やっ、やっ、吸っちゃ、だめっ、あぁっ!!」

 吸っちゃダメなら舐めるまでだ。
 舌先を尖らせて、目に見えて膨らんでいる花芽を嬲り、蜜壺に蓋をするように指を突っ込んでやった。

 中の肉壁が、きゅうきゅうと俺の指を締め付けてくる。

 あー、今挿れたら、絶対気持ちいい…なんて考えてたら、喘ぎ声を漏らしていた口が、突如反撃を開始した。





 「んっ、んっ…んっ」

 依子が頭と舌を動かす度に、熱が弾けそうになる。

 今度こそヤバい。
 こっちも散々しゃぶられた上に、依子のナカを想像してしまったから、そう長く持ちそうにない。

 でも、どうしても依子より先にすのだけは避けたい。

 イけ!
 頼むから一秒でも早くイってくれ!!

 祈るような気持ちで、恥骨の裏あたりを、指の角度を変え、中指の腹を使い、絶妙な力加減でひたすら擦った。

 俺の指使いが激しくなるのにリンクして、依子の動きも激しくなっていく。

 永遠にも感じられるほど長い時間。
 といっても、実質3分もないくらい。
 
 (セットみたいなもんだけど)保健室には似つかわしくない、卑猥な水音だけが響いた後ー

 「ーーーーっっ!!」

 依子がガクガクと下半身を震わせたかと思うと、膣内が収縮した。
 同時に、溢れた微かに甘みのある体液が、俺の顎をから首筋を伝って落ちた。





 声も出さずに達したらしい。
 

 勝った。
 この瞬間、確かに俺は自分の勝利を確信した。


 なのに、何で…





















 何で、咥えたままなんだよ!?

 さっきより、口からも手からも、確実に力は抜けてる。
 抜けてるけど、その力加減が、かつてない程にクる。

 「ぅ、あっ、より…こっ!?まじで、もう出るって!!!」

 まずい。
 このままだと…口に出してしまう。

 今まで散々ヤりたい放題してきたくせに、依子の口にぶちまけるのだけは、抵抗感が半端ない。
 だって、クソ不味いらしいし。

 でも、玉も竿もパンパンになって、制御不能。
 
 たまらず、依子に突っ込んでいた指を引き抜き、シーツをもがくように掴んだ。

 「…ぁっ、ハァッ、やめっ…あっ、く、ぁっ…!!」





 依子の口に包まれたまま、ビュクビュクッと先端が震え、白濁した粘液が飛ぶ感覚。

 いっしょに飛びそうになった意識の方は、依子が簡単に引きずり戻す。
 
 「ぁっ、ちょ、今っ…吸うなってっ…!!」

 多分、自分史上最高に情けない声になってる。

 結局、依子は、俺が止めるのも無視して、先っぽに残った体液まで丁寧に吸い取り、やっと口から離した。

 そして、こっちを振り返り、見せつけるように喉を動かした。



 依子が…飲んだ……!!



 さっきまで抵抗感ありまくりだったくせに、言いようのない感動が押し寄せる。
 男って、何でか分かんねーけど、飲んでもらえると、愛されてるって実感してしまうらしい。


 ベトベトになった口もとを拭う依子の仕草に、ただ見惚れるしかできない俺。


 …試合に勝って、勝負に負けたって、こういうことかと、身をもって知った。


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