43 / 108
浴 1
しおりを挟む
店を出る時に感じていた桐嶋の体の重みは気がつくと全然無くなっていた。
それどころかさっき肩に置かれていた手がいつの間にか腰に回され強く引かれているせいで、私の方が体を預ける体勢になっている。
桐嶋の歩調は徐々に速くなり、コンパスの長さが大きく異なる私にとっては小走りするくらいの速度だ。
少しずつ変わっていく周りの景色に気付いて、足を踏ん張る。
「ど、どこに向かって歩いてる?」
「今更?そんなだから五十嵐に連れてかれるんだって」
腰に回された手に更に力を入れると、桐嶋は最寄りのホテルに私を引き込んだ。
「とりあえず風呂。顔ベタベタする」
「…行ってくれば?」
こんなとこに来てまでつい部屋の作りを観察してしまい、半ば上の空に応える。
「お前も来い」
「は!?ヤだ!何でっ」
「俺が風呂使ってる間に逃げる気だろ」
「えっ?」
逃げるなんて選択肢がなかった自分にちょっと動揺する。
「いーから、早く」
腕を掴まれバスルームに続く広いパウダールームに連れ込まれる。
大きな鏡を見て、この間のコトを思い出してしまった。
酔うと顔色が白くなる性質の私は、脳裏に浮かんだ卑猥な光景にみるみる頬を染めていく。
「藤原のヤツありえねぇだろ。顔に飲み物かけるとか漫画か」
幸い桐嶋は気付かずに、文句言いながら桐嶋はどんどん服を脱いでいく。
目のやり場に困り、俯いて壁に張り付いていると、
「限界って言っただろ」
と言ってバスルームの扉を開けて、シャワーの蛇口を捻った。
「なのに何でそんな顔してまた煽ってんだよ」
咎めるようにそう尋ねた桐嶋は、勢いよくお湯を吹き出しているシャワーの下に着衣のままの私を引き入れて行って強く抱きしめた。
「園宮…」
私を見下ろす目が、お酒のせいでいつもより熱っぽい。
シャワーの雫と一緒に桐嶋のキスが降って来る。
それに合わせて自然と目を閉じながら
服こんなになっちゃってどうしようとか、
今度麗ちゃんに会ったらどこまで話そうとか、
こんなに飲んでお風呂に入って大丈夫だろうかとか、
いろんな心配事が頭に浮かんだけど、長い長いキスの間に全部吹っ飛んで行った。
「長かった…」
キスの後、自分からしといてそんなことを言う桐嶋に少し腹が立った。
「…嫌ならしないでよ」
「キスじゃなくて、出張」
お湯で張り付いた私の前髪を丁寧にかきあげながらキスを繰り返す。
「抱けないまま突入したからマジ発狂しそーだった」
額を合わせて、じっと私の目の奥をのぞき込む。
「とりあえず、一回出させて」
と言うと、お湯で重くなっているスカートをたくし上げにかかった。
「あっ、待って」
「いい加減学習しろって」
「ほんと、待って!」
「何?」
「あ、危ないから中に出すの止めて!!」
「中に出さなきゃいーのかよ」
「や、ちゃんと、避妊してってば」
「…ベッドまで行くの無理。今すぐ挿入りたい」
タイツだけ膝まで下げられると、桐嶋に背を向ける形で浴室の壁に上半身を押し付けられた。
素早く横にずらしたショーツの隙間から、そのままねじ込まれる。
「…ゃっ」
「…あぁ…園宮、だ…」
シャワーのお湯で全身が濡れはしていたけど、それとは違う滑りを帯びた潤いがすんなりと桐嶋を導いていく。
それが判ったのか、急に私を突き上げる勢いが激しくなった。
「ああぁっ、やぁっ!!」
「お前のカラダ…っ、悦んでるけど?」
桐嶋は濡れてくっついたままの服の上から両手で胸を鷲掴んだ。
「やめっ」
「やめない…ってか…止められ、ないっ」
桐嶋が私の中を擦り上げる速度と強さは全く衰えることなくそのまま抽送が繰り返される。
「あっ、あっっ、あぁっ、あぁっ…んんっ」
「…あー、ナカ…うねりまくり…出す、ぞ」
「や、あっ、ダメぇ!!中、ダ…メえぇっ!」
桐嶋はこれ以上ない程膨張させると、白い欲望が発される瞬間に逃げようとした私の腰を思い切り引き寄せた。
そして、いつもどおりの脈打つ感覚が私の中の最奥で快感を爆ぜさせた。
それどころかさっき肩に置かれていた手がいつの間にか腰に回され強く引かれているせいで、私の方が体を預ける体勢になっている。
桐嶋の歩調は徐々に速くなり、コンパスの長さが大きく異なる私にとっては小走りするくらいの速度だ。
少しずつ変わっていく周りの景色に気付いて、足を踏ん張る。
「ど、どこに向かって歩いてる?」
「今更?そんなだから五十嵐に連れてかれるんだって」
腰に回された手に更に力を入れると、桐嶋は最寄りのホテルに私を引き込んだ。
「とりあえず風呂。顔ベタベタする」
「…行ってくれば?」
こんなとこに来てまでつい部屋の作りを観察してしまい、半ば上の空に応える。
「お前も来い」
「は!?ヤだ!何でっ」
「俺が風呂使ってる間に逃げる気だろ」
「えっ?」
逃げるなんて選択肢がなかった自分にちょっと動揺する。
「いーから、早く」
腕を掴まれバスルームに続く広いパウダールームに連れ込まれる。
大きな鏡を見て、この間のコトを思い出してしまった。
酔うと顔色が白くなる性質の私は、脳裏に浮かんだ卑猥な光景にみるみる頬を染めていく。
「藤原のヤツありえねぇだろ。顔に飲み物かけるとか漫画か」
幸い桐嶋は気付かずに、文句言いながら桐嶋はどんどん服を脱いでいく。
目のやり場に困り、俯いて壁に張り付いていると、
「限界って言っただろ」
と言ってバスルームの扉を開けて、シャワーの蛇口を捻った。
「なのに何でそんな顔してまた煽ってんだよ」
咎めるようにそう尋ねた桐嶋は、勢いよくお湯を吹き出しているシャワーの下に着衣のままの私を引き入れて行って強く抱きしめた。
「園宮…」
私を見下ろす目が、お酒のせいでいつもより熱っぽい。
シャワーの雫と一緒に桐嶋のキスが降って来る。
それに合わせて自然と目を閉じながら
服こんなになっちゃってどうしようとか、
今度麗ちゃんに会ったらどこまで話そうとか、
こんなに飲んでお風呂に入って大丈夫だろうかとか、
いろんな心配事が頭に浮かんだけど、長い長いキスの間に全部吹っ飛んで行った。
「長かった…」
キスの後、自分からしといてそんなことを言う桐嶋に少し腹が立った。
「…嫌ならしないでよ」
「キスじゃなくて、出張」
お湯で張り付いた私の前髪を丁寧にかきあげながらキスを繰り返す。
「抱けないまま突入したからマジ発狂しそーだった」
額を合わせて、じっと私の目の奥をのぞき込む。
「とりあえず、一回出させて」
と言うと、お湯で重くなっているスカートをたくし上げにかかった。
「あっ、待って」
「いい加減学習しろって」
「ほんと、待って!」
「何?」
「あ、危ないから中に出すの止めて!!」
「中に出さなきゃいーのかよ」
「や、ちゃんと、避妊してってば」
「…ベッドまで行くの無理。今すぐ挿入りたい」
タイツだけ膝まで下げられると、桐嶋に背を向ける形で浴室の壁に上半身を押し付けられた。
素早く横にずらしたショーツの隙間から、そのままねじ込まれる。
「…ゃっ」
「…あぁ…園宮、だ…」
シャワーのお湯で全身が濡れはしていたけど、それとは違う滑りを帯びた潤いがすんなりと桐嶋を導いていく。
それが判ったのか、急に私を突き上げる勢いが激しくなった。
「ああぁっ、やぁっ!!」
「お前のカラダ…っ、悦んでるけど?」
桐嶋は濡れてくっついたままの服の上から両手で胸を鷲掴んだ。
「やめっ」
「やめない…ってか…止められ、ないっ」
桐嶋が私の中を擦り上げる速度と強さは全く衰えることなくそのまま抽送が繰り返される。
「あっ、あっっ、あぁっ、あぁっ…んんっ」
「…あー、ナカ…うねりまくり…出す、ぞ」
「や、あっ、ダメぇ!!中、ダ…メえぇっ!」
桐嶋はこれ以上ない程膨張させると、白い欲望が発される瞬間に逃げようとした私の腰を思い切り引き寄せた。
そして、いつもどおりの脈打つ感覚が私の中の最奥で快感を爆ぜさせた。
0
お気に入りに追加
581
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる