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トラウマ 3
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熱い。
熱を帯びた、薄い筋肉を纏った体に捕えられる。
全身が燃えそう。
何度振り払っても蔦のように巻きついてくる二本の長い腕。
聞こえるのは、
ストーブの音
互いの息遣い
桐嶋が私の体のあらゆるところに唇で触れる音
その度に漏れる、鼻にかかったような声
未熟な胸先の薄紅色の突起を口に含まれ、転がされる度ゾクゾクと軽い電流のようなものが体を巡り、身体の奥が熱くなっていく。
「やっ」
私の体の、誰も触れたことのないところに桐嶋がゆっくりゆっくり指を立てる。
何かを探るように動いていた指に、ある一点を撫でられると、下半身から力がカクンと抜けるような快感が迸しった。
「ひぁっ、やっ…やだ!!何っ!?」
私の制止に構うことなく、桐嶋が底を徹底的に指の腹で擦り上げる。
必死に堪えていた叫びだしたい衝動を
「鳴けよ」
という言葉と、直後に舌がもたらした別の快感が一気に突き動かされ、
「やあぁっっ」
と発して頭の中で何かが爆ぜた。
ゆっくりと引き抜かれた長い指が私の蜜で光っている。
それを見せつけるように舌で舐めとる桐嶋の妖艶さをぼんやりと見上げた。
こんな酷いことされてるのに、見惚れさせてしまうなんて。
悪魔だ…。
クチュッと音を立てて私の濡れたそこよりも、さらに熱くなったものが当てがわれ、惚けていた意識が再び戻る。
「や、ほんと止めっ…」
さっきの、指とは比較にならないものが、みちみちと音を立てて割け入ろうとする。
「いたっ。痛い痛い痛いっ」
「うるさっ、い。暴れると余計痛い、ぞ」
離れていた体が押し付けられる。
入って来るのが分かる。
「はっ」
苦しそうに息を吐いた桐嶋がゆっくりと動き出す。
「やだっ。抜いて!やめてっ!!!」
熱い。痛い。苦しい。
どちらのか分からない心音が、絶えず響く。
重なって
揺さぶられて
痛いのか、気持ちいいのか
もうよく分からない
昇りつめそうな感覚への恐怖が
桐嶋に対するそれに勝って
目の前の男に両腕で思い切りしがみつくと同時に
意識が飛んだ。
チャイムの音で目が覚めた。
着衣の乱れと、身体の痛みで自分の身に何が起こったか思いだす。
恐怖と悔しさと怒りとで自分が真っ黒に染まりそう。
今すぐにこの場から離れたい。
このまま教室にも戻らず荷物も持たずに家に戻って全部洗い流してしまいたい。
だけどそれだと何かあったと怪しまれる。
このことをなかったことにしてしまわなければ。
そう自分に言い聞かせ、保健室のタオルで丁寧に体を拭いてから身支度を整え、
自分の血の付いたシーツをひっくり返し、証拠隠滅した後何度も深呼吸をしてからアイツのいる教室へ戻った。
「依子~。もう大丈夫なの?よく眠れた?」
クラスメイトが声を掛けてくる。
頭の中ではセンサーの音がこの上なく煩く響いている。
小さく息を吸い、
友達の向こうに居る桐嶋を見据えてニッコリと笑って答えた。
「寝ようと思ったんだけど寝られなくて…ほんっと、つまんなかった」
私の言葉が聞こえたのかは定かではないけど、一瞬桐嶋の表情が揺らいだように見えた。
そして翌日、私達は何事もなかったように中学校を卒業した。
熱を帯びた、薄い筋肉を纏った体に捕えられる。
全身が燃えそう。
何度振り払っても蔦のように巻きついてくる二本の長い腕。
聞こえるのは、
ストーブの音
互いの息遣い
桐嶋が私の体のあらゆるところに唇で触れる音
その度に漏れる、鼻にかかったような声
未熟な胸先の薄紅色の突起を口に含まれ、転がされる度ゾクゾクと軽い電流のようなものが体を巡り、身体の奥が熱くなっていく。
「やっ」
私の体の、誰も触れたことのないところに桐嶋がゆっくりゆっくり指を立てる。
何かを探るように動いていた指に、ある一点を撫でられると、下半身から力がカクンと抜けるような快感が迸しった。
「ひぁっ、やっ…やだ!!何っ!?」
私の制止に構うことなく、桐嶋が底を徹底的に指の腹で擦り上げる。
必死に堪えていた叫びだしたい衝動を
「鳴けよ」
という言葉と、直後に舌がもたらした別の快感が一気に突き動かされ、
「やあぁっっ」
と発して頭の中で何かが爆ぜた。
ゆっくりと引き抜かれた長い指が私の蜜で光っている。
それを見せつけるように舌で舐めとる桐嶋の妖艶さをぼんやりと見上げた。
こんな酷いことされてるのに、見惚れさせてしまうなんて。
悪魔だ…。
クチュッと音を立てて私の濡れたそこよりも、さらに熱くなったものが当てがわれ、惚けていた意識が再び戻る。
「や、ほんと止めっ…」
さっきの、指とは比較にならないものが、みちみちと音を立てて割け入ろうとする。
「いたっ。痛い痛い痛いっ」
「うるさっ、い。暴れると余計痛い、ぞ」
離れていた体が押し付けられる。
入って来るのが分かる。
「はっ」
苦しそうに息を吐いた桐嶋がゆっくりと動き出す。
「やだっ。抜いて!やめてっ!!!」
熱い。痛い。苦しい。
どちらのか分からない心音が、絶えず響く。
重なって
揺さぶられて
痛いのか、気持ちいいのか
もうよく分からない
昇りつめそうな感覚への恐怖が
桐嶋に対するそれに勝って
目の前の男に両腕で思い切りしがみつくと同時に
意識が飛んだ。
チャイムの音で目が覚めた。
着衣の乱れと、身体の痛みで自分の身に何が起こったか思いだす。
恐怖と悔しさと怒りとで自分が真っ黒に染まりそう。
今すぐにこの場から離れたい。
このまま教室にも戻らず荷物も持たずに家に戻って全部洗い流してしまいたい。
だけどそれだと何かあったと怪しまれる。
このことをなかったことにしてしまわなければ。
そう自分に言い聞かせ、保健室のタオルで丁寧に体を拭いてから身支度を整え、
自分の血の付いたシーツをひっくり返し、証拠隠滅した後何度も深呼吸をしてからアイツのいる教室へ戻った。
「依子~。もう大丈夫なの?よく眠れた?」
クラスメイトが声を掛けてくる。
頭の中ではセンサーの音がこの上なく煩く響いている。
小さく息を吸い、
友達の向こうに居る桐嶋を見据えてニッコリと笑って答えた。
「寝ようと思ったんだけど寝られなくて…ほんっと、つまんなかった」
私の言葉が聞こえたのかは定かではないけど、一瞬桐嶋の表情が揺らいだように見えた。
そして翌日、私達は何事もなかったように中学校を卒業した。
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