上 下
69 / 97
愛されカノジョの憂鬱

しおりを挟む
私の中指なんてメじゃない。
圧倒的な熱量と質量。

さっき自分で引っ掻いていた浅いところにも、指では触れられなかった深いところにも、届いてしまって。

おまけに外で達した状態で挿れられたのは初めてで。

「――――っ♡♡♡」

要は高嶺くんに数回腰を振られただけでイってしまったわけなんだけど。

直後、支えられていた背中を引き寄せられ強く抱きしめられた。
そして、押し殺したような高嶺くんのうめき声が聞こえたと思ったら、お腹の中に温かいものが撒かれる感覚。

快感に追い打ちをかけられ、お腹の奥がきゅんきゅんしていたけれど、余韻が消えたと同時に叫んだ。

「あーーーっ!」

「何だよ…?」

「せっ、せっかく掻き出したのに…また…」

それも、あんな恥ずかしい思いまでして。
なのに、やらかした張本人の顔には『なんだ、そんなことか』と書いてある。

「心配するな。責任持って掻き出してやるから」

高嶺くんがそう宣言した途端、まだ私の体内にいたタカミネくんが、さっき以上に熱く、固く昂ぶるのを感じた。

夜だったら綺麗な夜景が見えるはずのバスルームの窓からは、とっくに朝日が降り注いでいる。

そんな中、

「俺は時間より回数で稼ぐタイプなんだよ!!」

とかなんとか呟きながら、高嶺くんは洗い場でも浴槽の中でも、自分が出したものを掻き出しては注ぐ、を繰り返す。

もちろん私もナカだけではなく、全身を愛してもらっていて、高嶺くんが触れるところ全部が気持ち良い。

座ったまま向い合せで抱き合った状態で深いキスを交わす最中、突き上げられた衝動で薄っすらと目を開けば、白日の下で高嶺くんのまつ毛が切なげに震えている。

あ。
この高嶺くんの表情は、高校のときも何度か見たことがある。

あの頃は気づけなかったけど、ちゃんと愛されてたんだ。

そう思ったら、今目の前にいる高嶺くんも、高校の頃の高嶺くんも、どうしようもなく愛おしくなって─

「…んん゛っ!」

タカミネくんを全力で抱きしめたらしい。

「おま…いきなりエグ…全部搾り取られた」

「ご、ごめん」

謝りつつ昨夜もほとんど寝てないし、お風呂の温度と湿度で、体力の限界が近かったし。
内心ホッとして、つい高嶺くんの胸に甘える様にもたれかかってしまった。

我にかえり、離れようとする私を、高嶺くんは当たり前のように抱きしめてくれた。

その後ようやく、スイートルームを堪能させてもらえた。

高級アメニティで肌をリセットして、高層階からの景色を楽しみながらルームサービスで豪華なブランチ。
汚れていない方の、ふかふかのベッドでチェックアウトギリギリまでゴロゴロした。

もし、次があるのなら、えっち抜きでお願いしたい!!
…無理だろうけど。

名残惜しい気持ちを堪えつつ、専用ラウンジで美味しい紅茶をいただきながらチェックアウトの手続きをしていたら─

「あら、静花達も今チェックアウト?」

聞き覚えのある声がして振り向けば瑞希の姿。
当然のように私と高嶺くんと同じテーブルに着いた。

「えっ、瑞希…何で!?」

「何でって、静花も知ってるでしょ?ココ私のお気に入りだし」

「ってことは本当にソイツ・・・食ったのか」

高嶺くんのセリフに驚き、もう一度振り向くと、瑞希から少し遅れて東海林くんが現れた。

「やだ!下品な言い方しないでよ。手取り足取り教えて優しーくあげただけよ。ね、真緒・・♡」

「ちょ、二人とも止めて下さいよ!セクハラで訴えますよ!!」

「ごめんごめん、真緒もこっちおいで。何か飲もう」

瑞希に促されて、渋々東海林くんも同じ席に着いた。
なんだかんだ、お似合いの二人なのかもしれない。

一日前には想像もできなかったような和やかな一時を、心から楽しんだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

鬼上司は間抜けな私がお好きです

碧井夢夏
恋愛
れいわ紡績に就職した新入社員、花森沙穂(はなもりさほ)は社内でも評判の鬼上司、東御八雲(とうみやくも)のサポートに配属させられる。 ドジな花森は何度も東御の前で失敗ばかり。ところが、人造人間と噂されていた東御が初めて楽しそうにしたのは花森がやらかした時で・・。 孤高の人、東御八雲はなんと間抜けフェチだった?! その上、育ちが特殊らしい雰囲気で・・。 ハイスペック超人と口だけの間抜け女子による上司と部下のラブコメ。 久しぶりにコメディ×溺愛を書きたくなりましたので、ゆるーく連載します。 会話劇ベースに、コミカル、ときどき、たっぷりと甘く深い愛のお話。 「めちゃコミック恋愛漫画原作賞」優秀作品に選んでいただきました。 ※大人ラブです。R15相当。 表紙画像はMidjourneyで生成しました。

ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。 だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。 車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。 あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。

【完結】maybe 恋の予感~イジワル上司の甘いご褒美~

蓮美ちま
恋愛
会社のなんでも屋さん。それが私の仕事。 なのに突然、企画部エースの補佐につくことになって……?! アイドル顔負けのルックス 庶務課 蜂谷あすか(24) × 社内人気NO.1のイケメンエリート 企画部エース 天野翔(31) 「会社のなんでも屋さんから、天野さん専属のなんでも屋さんってこと…?」 女子社員から妬まれるのは面倒。 イケメンには関わりたくないのに。 「お前は俺専属のなんでも屋だろ?」 イジワルで横柄な天野さんだけど、仕事は抜群に出来て人望もあって 人を思いやれる優しい人。 そんな彼に認められたいと思う反面、なかなか素直になれなくて…。 「私、…役に立ちました?」 それなら…もっと……。 「褒めて下さい」 もっともっと、彼に認められたい。 「もっと、褒めて下さ…っん!」 首の後ろを掬いあげられるように掴まれて 重ねた唇は煙草の匂いがした。 「なぁ。褒めて欲しい?」 それは甘いキスの誘惑…。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

副社長氏の一途な恋~執心が結んだ授かり婚~

真木
恋愛
相原麻衣子は、冷たく見えて情に厚い。彼女がいつも衝突ばかりしている、同期の「副社長氏」反田晃を想っているのは秘密だ。麻衣子はある日、晃と一夜を過ごした後、姿をくらます。数年後、晃はミス・アイハラという女性が小さな男の子の手を引いて暮らしているのを知って……。

【R18】豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網〜策士な後輩から逃げられません!〜

湊未来
恋愛
「ねぇ、本当に陰キャの童貞だって信じてたの?経験豊富なお姉さん………」 30歳の誕生日当日、彼氏に呼び出された先は高級ホテルのレストラン。胸を高鳴らせ向かった先で見たものは、可愛らしいワンピースを着た女と腕を組み、こちらを見据える彼の姿だった。 一方的に別れを告げられ、ヤケ酒目的で向かったBAR。 「ねぇ。酔っちゃったの……… ………ふふふ…貴方に酔っちゃったみたい」 一夜のアバンチュールの筈だった。 運命とは時に残酷で甘い……… 羊の皮を被った年下オオカミ君×三十路崖っぷち女の恋愛攻防戦。 覗いて行きませんか? ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ・R18の話には※をつけます。 ・女性が男性を襲うシーンが初回にあります。苦手な方はご注意を。 ・裏テーマは『クズ男愛に目覚める』です。年上の女性に振り回されながら、愛を自覚し、更生するクズ男をゆるっく書けたらいいなぁ〜と。

ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~

taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。 お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥ えっちめシーンの話には♥マークを付けています。 ミックスド★バスの第5弾です。

処理中です...