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俺の幼馴染で婚約者が可愛すぎて辛い5
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噂は瞬く間に広まり、例外なく千歳の耳にも入ったようだ。
「晴臣」
昼休み、不機嫌そうな顔をした千歳が俺のところにやってきた。
「何だよ?」
「『何だよ?』じゃない!!」
そこで周りから「お。夫婦喧嘩か?」などと野次が入ると、ますます千歳は顔をムッとさせた。
怒った顔も可愛いな、なんて思っていたら、突然首根っこを掴まれ、連行される。
ヤバい。
千歳の指が触れている所が、熱い。
…勃ちそう。
行き着いた先は、屋上。
「どうして婚約のこと言っちゃったのよ?」
「別に。なんとなく、話の流れで」
「流れって…何の話してたらそんな流れになるのよ!!」
『何』の話?
言って、いいのか?
これまで、変な空気になるのが怖くて、敢えてそのテの話題は避けて来た。
千歳の胸のサイズを訊かれたなんて言ったら、一体どんな顔するんだろうな。
頬を上気させて恥じらい、俺でさえ見たことのない、女の顔を見せるんだろうか。
見たい。
俺の言葉で恥じらう千歳を。
晴れ渡った青空の下、屋上に二人きり。
俺の知りうる全ての卑猥な言葉を並べ立て、辱めたい。
そして、世界中で誰も知らないその表情をこの双眸に、焼き付けたい。
「晴臣!聞いてる!?」
怒鳴られて我に帰ると、目の前には妄想とはかけ離れた、心底面倒くさそうな千歳の顔。
残念なような、ほっとしたような。
少しでも俺のことを意識していれば、照れるだろうし。
はたまた万一俺の気付かないうちに、俺との関係を知られて困るヤツができていたとすれば、もっと落ち込んでいるだろうに。
つまり、やっぱり千歳はまだまだお子ちゃまだ。
下手に仕掛けようものなら、嫌われてしまいかねない。
「…聞いてるって。でも、俺たちが婚約してるのは事実だろう?」」
「それは!お父さんたちが勝手に…」
「そうだよ。決めたのは、うちの親父と、千歳のところのおじさん」
娘だからこそ、言い出したら聞かない人だということを分かっているらしく、ぐっと言葉を飲み込む千歳。
「とにかく!ほとぼりが冷めるまで学校では話しかけないでね!!」
捨て台詞を残して去っていく千歳の背中を見ながら誓う。
今はこんなんだけど。
絶っっっ対俺に惚れさせてみせる。
だから、いつか来るその日まで、絶対に千歳の側を離れない。
───こんな誓いを立てるなんて
千歳のことをお子ちゃまだと笑っておきながら、俺もほとほと甘かった。
側にさえいれば好きになってもらえるなんて、何故そんな風に思えたんだろう。
それを思い知らされるのは数年後。
夕暮れのマンションの一室。
生まれてからずっと、ただ側にいただけの俺は、目の前で、別の男に落ちていく千歳を止める力など持ち合わせていなかった。
「晴臣」
昼休み、不機嫌そうな顔をした千歳が俺のところにやってきた。
「何だよ?」
「『何だよ?』じゃない!!」
そこで周りから「お。夫婦喧嘩か?」などと野次が入ると、ますます千歳は顔をムッとさせた。
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…勃ちそう。
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言って、いいのか?
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見たい。
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そして、世界中で誰も知らないその表情をこの双眸に、焼き付けたい。
「晴臣!聞いてる!?」
怒鳴られて我に帰ると、目の前には妄想とはかけ離れた、心底面倒くさそうな千歳の顔。
残念なような、ほっとしたような。
少しでも俺のことを意識していれば、照れるだろうし。
はたまた万一俺の気付かないうちに、俺との関係を知られて困るヤツができていたとすれば、もっと落ち込んでいるだろうに。
つまり、やっぱり千歳はまだまだお子ちゃまだ。
下手に仕掛けようものなら、嫌われてしまいかねない。
「…聞いてるって。でも、俺たちが婚約してるのは事実だろう?」」
「それは!お父さんたちが勝手に…」
「そうだよ。決めたのは、うちの親父と、千歳のところのおじさん」
娘だからこそ、言い出したら聞かない人だということを分かっているらしく、ぐっと言葉を飲み込む千歳。
「とにかく!ほとぼりが冷めるまで学校では話しかけないでね!!」
捨て台詞を残して去っていく千歳の背中を見ながら誓う。
今はこんなんだけど。
絶っっっ対俺に惚れさせてみせる。
だから、いつか来るその日まで、絶対に千歳の側を離れない。
───こんな誓いを立てるなんて
千歳のことをお子ちゃまだと笑っておきながら、俺もほとほと甘かった。
側にさえいれば好きになってもらえるなんて、何故そんな風に思えたんだろう。
それを思い知らされるのは数年後。
夕暮れのマンションの一室。
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