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病院で骨癒合も確認でき、本格的なリハビリを始めた頃。
真夜中、喉の乾きに目を覚ました。
晴臣を起こしてしまわないよう、静かに、慎重に体を起こした。
つもりだった。
それなのに、気づけばもうベッドサイドに晴臣が駆けつけていた。
いや、違う。
駆けつけて来たんじゃない。
最初からこの部屋にいたんだ。
「晴臣…?どうかした?」
「…別に」
「もう骨もくっついたし、痛みもないから大丈夫だよ。晴臣も部屋に戻ってゆっくりー」
言いかけたところではたと気づいた。
ちょっと待って。
ここ数週間、どんな小さな物音にも飛んできてくれた晴臣は、一体いつ寝ていたのだろう?
昼間もずっと、病院の付添から慣れない家事まで休みなく頑張ってくれていた。
私の前で疲れた素振りは見せないけれど、言われてみれば目の下に大きなクマができていたような。
「本当に私のことはもういいから!自分の部屋でゆっくり寝て!!」
「俺は寝なくてもいい」
寝なくていい人間なんているはずがない。
声には確実に疲労の色が滲んでいるのに、顔は暗くて見えない。
急いで手元のリモコンで部屋の照明をつけ、明るさに慣れた目で晴臣の顔を見た私はやっと状況を理解した。
「晴臣…あんた、もしかして…寝なくてもいいんじゃなくて…眠れないの?」
そう直感したのは、似ても似つかないはずの晴臣の顔が、永美ちゃんを失ったのと同じ、嵐の夜に怯える遼平くんのあの夜の顔と重なったから。
晴臣は眠れないというより、事故後、しばらくの間意識を失っていた私の、眠っている状態が怖いから寝たくなのかもしれない。
あの時、遼平くんは震えながら私に縋った。
でも、意地っ張りの晴臣はー
「そんなわけないだろ。ちゃんと寝てる」
絶対に弱いところを見せたりしないし、できない。
多分、特に私には。
でもこのままじゃ、晴臣の体が保たない。
「俺のことはいいから早く布団に入って、電気消せ」
「…分かった。でも、その代わり晴臣も私のベッドで一緒に寝て」
私に布団を掛けようとしていた晴臣の手が止まった。
「は…?お前、何言って…」
「いいから、早く。布団が冷たくなっちゃう」
ベッドの端っこギリギリまで体を詰めて、晴臣を引っ張り込んだ。
「何考えてるんだお前!?」
セミダブルサイズのベッドとは言え、晴臣の体が思ったより大きくてなかなかの密着感。
でも、だからこそ体温を感じられるはず。
「これなら私が寝てても怖くないでしょ?」
真夜中、喉の乾きに目を覚ました。
晴臣を起こしてしまわないよう、静かに、慎重に体を起こした。
つもりだった。
それなのに、気づけばもうベッドサイドに晴臣が駆けつけていた。
いや、違う。
駆けつけて来たんじゃない。
最初からこの部屋にいたんだ。
「晴臣…?どうかした?」
「…別に」
「もう骨もくっついたし、痛みもないから大丈夫だよ。晴臣も部屋に戻ってゆっくりー」
言いかけたところではたと気づいた。
ちょっと待って。
ここ数週間、どんな小さな物音にも飛んできてくれた晴臣は、一体いつ寝ていたのだろう?
昼間もずっと、病院の付添から慣れない家事まで休みなく頑張ってくれていた。
私の前で疲れた素振りは見せないけれど、言われてみれば目の下に大きなクマができていたような。
「本当に私のことはもういいから!自分の部屋でゆっくり寝て!!」
「俺は寝なくてもいい」
寝なくていい人間なんているはずがない。
声には確実に疲労の色が滲んでいるのに、顔は暗くて見えない。
急いで手元のリモコンで部屋の照明をつけ、明るさに慣れた目で晴臣の顔を見た私はやっと状況を理解した。
「晴臣…あんた、もしかして…寝なくてもいいんじゃなくて…眠れないの?」
そう直感したのは、似ても似つかないはずの晴臣の顔が、永美ちゃんを失ったのと同じ、嵐の夜に怯える遼平くんのあの夜の顔と重なったから。
晴臣は眠れないというより、事故後、しばらくの間意識を失っていた私の、眠っている状態が怖いから寝たくなのかもしれない。
あの時、遼平くんは震えながら私に縋った。
でも、意地っ張りの晴臣はー
「そんなわけないだろ。ちゃんと寝てる」
絶対に弱いところを見せたりしないし、できない。
多分、特に私には。
でもこのままじゃ、晴臣の体が保たない。
「俺のことはいいから早く布団に入って、電気消せ」
「…分かった。でも、その代わり晴臣も私のベッドで一緒に寝て」
私に布団を掛けようとしていた晴臣の手が止まった。
「は…?お前、何言って…」
「いいから、早く。布団が冷たくなっちゃう」
ベッドの端っこギリギリまで体を詰めて、晴臣を引っ張り込んだ。
「何考えてるんだお前!?」
セミダブルサイズのベッドとは言え、晴臣の体が思ったより大きくてなかなかの密着感。
でも、だからこそ体温を感じられるはず。
「これなら私が寝てても怖くないでしょ?」
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