3 / 40
『始まりの街』
2.始まりの街
しおりを挟む
「う~んと……?」
目を開けると、そこは街だった。ふぅむ、ここが基本料金月額1700円の世界…
どうやらここがゲームで言う『始まりの街』と言うところらしい。
いたるところにプレイヤーと思わしき人たちが歩いている。多分NPCも混じっているのだろうが残念ながら違いが俺には分からない。
後から知ったのだが、設定でカーソルを頭上に出現させることが出来るらしい。プレイヤーは緑、NPCは白、など言った感じだそうだ。
俺はとりあえず、その始まりの街の噴水があるところを目指して歩きだす。確か、始まりの街の中央付近にあるというのを聞いた。
しばらくその中心部に向かって歩いていると、色々な屋台が出ていた。串焼きやらポーションやら、ホントに色々だ。
途中でプレイヤー露店道を発見した。プレイヤー達が地面にギッシリと商品を置き、売っているのだ。先ほどまでの様に点々と店があるのではなく、文字通り”ギッシリ”と詰まっている感じだ。
その商品はプレイヤーだけではなく、どうやらNPCも買って行っているようだった。細かいところまでプログラムされていて凄いと思う。
でもなぁ…このゲームを作ったのは”あの会社”なんだよなぁ…
そう思いながらも、様々なモノを見ながら俺は、着実に街の中心の噴水に向かっていった。
言っていなかったが、そこの噴水で会社の同僚と合流する予定だ。一緒にVRMMOの機械を買いに行った戦友である。
プレイヤー達に「買ってかない!?」と商品を買わされそうになりながらも、やっと目的地の噴水らしきものが見えてきた。中々に大きいものである。確かにこれならば分かりやすい。
その噴水の前には薄茶色の髪の毛をしたプレイヤーが立っている。たぶんあれが俺の同僚だろう。
会社で『俺は髪を薄茶にするぜ!自己主張はしないんだ…フッ…」とか言っていたので間違いないだろう。他に薄茶色の髪のプレイヤーは居ないしな。
俺はその同僚と思われるプレイヤーに近づく、あちらの方もどうやら俺の存在に気付いた様だった。
そのプレイヤーは両手をグッジョブの形にして、その手をそのまま自分の頬にくっつけだした。
そのバカな動作で確信した。間違いなく、ヤツである。あいつが人をおちょくる時によくやる動作だ。俺はそのプレイヤーに近づき、話しかけ―――
「やっ、お前だろ?タケ――」
「俺は『テイル』だ!いつ何時もテイルだ!」
注意された。ああ、そうだった。ココはゲームの中だ。名前バレは避けないと…ついつい本名を言い出しそうになってしまった自分の悪い癖に反省する。
「悪い。えーと…『テイル』?前のネトゲまんまだな」
「次からは気をつけろよ?というかそれを言うなら『ノア』って…お前も俺のこと言えたもんじゃないぞ…」
「気にすんな」
そこを突かれてしまうと痛いがまあ、その通りである。
俺も前にテイルとやっていたネトゲの名前をそのまんま使っている。俺はネーミングセンスが無いから、いちいち名前を決めるのが億劫なのだ。仕方ないであろう。
しばらくテイルと他愛もない話をした後に、スキルの話になり俺の構成スキルの良し悪しを見てくれることになった。
しかし、ここではさすがに人が多いと言う事で人が比較的少ない『始まりの街』の端にある教会の裏に来た。復活する場合は始まりの街ならばココの中らしい。
そうして、そこで俺は自分のスキルをテイルに見せた。
プレイヤー:ノア
【スキル一覧】
《短剣》Lv1《体術》Lv1《闇魔法》Lv1《盗賊》Lv1《隠蔽》Lv1
《視覚強化》Lv1《鍛冶》Lv1《調薬》Lv1
しばらくテイルは俺の所持スキルを見ていたが、すぐに俺の方へ向き直りこう言ってきた。
「お前……何を目指してんの?」
「……ドユコト?」
理解が全くと言っていいほど出来ていない俺にテイルは少しずつ話し出した。
「お前のとったスキルは、β組が揃いも揃って『クソスキル』認定したものばっかだぜ?」
テイルは俺に向かってそう言い放った。
『クソスキル』……使い物にならない性能が悪いスキルの事だ。
そんなに悪いスキルを取ってしまっただろうか?一つ二つは心当たりがあるがそれ以外にもあるのか…?そんなことを思っているとテイル「仕方ない…」と言いつつ一つずつ説明し始めた。
テイルが長々と話し始めた事を簡潔にまとめるとしたらこんな感じである。
《短剣》
・リーチが異常に短い(他武器の1/3か、1/4)
・他の刃系武器が100%なら短剣の攻撃力は約65%
・状態異常の『裂傷』確率が他の武器と比べて約35%低い
・短剣を構えて走っている時、被ダメージが1,5倍
・短剣を構えて走っている時、回避行動の難易度UPのマイナス補正
・『相殺』システムの意味が無い
テイルのコメント
「選んだお前の気が知れないぜ…」
※『相殺』とは相手が魔法などを撃ってきた場合、タイミングよくそれに攻撃を当て、威力を減らすシステム。それでも余波でダメージは魔法、その他の種類によって受ける。しかし短剣は相殺自体が命懸け。リーチが短すぎるため『相殺』タイミングが難しく、仮に成功しても余波によるダメージをリーチの長さの関係でほとんど威力が落ちずにモロに受ける。
《体術》
・リーチが異常に短い
・攻撃力が刃系武器の下位互換(斬り付けた際の持続ダメージが無いetc…)
・自分に何かの動作プラス補正が掛かっているがそれがどんな動作なのかまだ分かっていない
・硬い敵だと自分に反射ダメージが返って来る
テイルのコメント
「お前ってリーチ短いスキル好きなの?前のネトゲはバリバリ付与士だったよな…?」
《闇魔法》
・浅く広くな魔法
・攻撃性能は”火”等の下位互換
・回復等は”水・光・木”等の下位互換
・全ての属性魔法に負けてる
・まだマシな付与系統の魔法も”風・土”等の方が強い
・気配隠蔽が唯一”まだ”使えるがそれも”土・風・光”の方が汎用性は高い
テイルのコメント
「いや…これは無い…前やってたゲームは付与士だったんだから《付与魔法》取れよ…」
《隠蔽》
・発動限界時間は5秒
・発動限界時間を過ぎると大きなペナルティ(ペナルティについては俺もよく知らん)
・”隠蔽”止まりのため気付かれる可能性も十分ある
・敵に気付かれていないと”隠蔽”の効果が現れる
・気付かれている状態で発動しても”ほぼ”意味はない
テイルのコメント
「いや…こんな発動時間が5秒しかないのより《気配収縮》とか《偽装》とか《擬態》だろ…」
《視覚強化》
・ハッキリ言って微妙
・長時間”意識的に”使用し続けると目がショートし、しばらく『失明』状態に陥る
・普通に他の眼系スキルの方が良い
テイルのコメント
「そんな地味スキルより《邪眼》や《魔眼》、《念動視》や《動物達の目》とかがあるだろうがぁ…」
《盗賊》
・盗賊っぽいこと大体出来る
・戦闘も探索もお任せ
テイルのコメント
「おお…普通の来たな。悪いがこのスキルはあんま知識ないんだよな…」
《鍛冶》&《調薬》
・ハンマーが必要
・調薬セットや、瓶、釜などが必要
・回復薬から毒薬も、挙句の果てには爆発物まで作れる
・作れる幅はプレイヤーの想像次第
・完全格差スキル
テイルのコメント
「戦闘と生産両立で行くのか…まあ良いか」
全てを説明し終わったテイルはぐったりとしており、逆に俺はなるほどとスッキリしていた。少し経つとテイルは何かを諦めたような目をして俺に話しかけてくる。
「まあ、良い…これからモンスター狩りに行かないか?多分弱いモンスターが居る東の草原は、もう一杯だろうからちょっと強めだが西の草原に」
何がいいのかは知らないが、なるほど…昨日がサービス開始だから混んでいるのも当たり前か。俺はそう思いテイルの提案に乗ることにした。
「そういや、俺まだ武器選択してなかったや。どうせノアもしてないだろ?」
「武器選択ってなんだよ?」
俺は知らない情報を叩きつけられ、訳が分からないままテイルにそう問いかける。
「ああ、お前は前情報ナシだったか」
そう言ったテイルは俺に分かってもらえるようにかみ砕きながら説明してくれた。
「武器選択は最初にもらえる武器を一つ選べるんだ。時々二つ武器スキルを獲得している奴が居るから、そういうやつは選んだスキルによって武器を与えてしまうと最初に武器を二つゲット出来てしまうんだ。それはズルいと言う事で自分で最初に獲得できる武器を一つだけ選ぶ形になったんだ」
俺はテイルの知識の豊富さに感心しつつ武器選択画面を自分の前に表示させ、武器を選んでいく。もちろん選ぶのは短剣だ。ぽちっとな。
俺が短剣を選ぶと手の中に選んだ武器が現れた。
【始まりの短剣】
始まりを告げる短剣。能力値は非常に低く、すぐに買い替えるべき。
初心者にはお似合いの武器シリーズ。
【性能評価】+5
【特殊効果】「耐久度∞」
【耐久度】∞/∞
テイルは何の武器を選んだのだろうとそちらを見やると、テイルの手の中には片手剣が握られていた。どうやらテイルは《片手剣》スキルを選んだらしい。
「《盾》スキル持ってるから盾も欲しかったんだがな…」
テイルはそんなことを呟いていた。《盾》スキルも持っているのか。なんかかなり王道的な装備だな…剣と盾って。
俺とテイルは武器を選んだあと、プレイヤーのみが持つ『アイテムが入る異空間』にゲットした初期短剣を入れ、フレンド交換だけして西の草原に向かっていった。
*************************
《視覚強化》
視覚強化は長時間発動し続けると『失明』状態に陥ると言う大きな欠点がある。他の眼系のスキルはそんな代償なにも無いのだ。そのため唯一代償がある眼系スキルであるため「きっと強いハズ」と思われたが実際はあまり強くなかった。それならば他のスキルを取った方が使えるという判断に至った。
※スキルにはパッシブとアクティブがあります。大体のスキルはどちらかに配属されているのですが、一部例外もあります。
例えば〈気配察知〉。
このスキルは常時発動し続けますが、意識的に「使おう」と思い、アクティブスキルの様に発動すれば、更に敏感に敵の気配を察知できるようになります。
つまり、この《視覚強化》も常時発動しますが、意識的に発動をすれば更に視覚が強化されるという事です。
ここまで長々と説明しましたが、言いたい事は《視覚強化》がショートする使い方は意識的に発動したのち長時間使用ということです。
目を開けると、そこは街だった。ふぅむ、ここが基本料金月額1700円の世界…
どうやらここがゲームで言う『始まりの街』と言うところらしい。
いたるところにプレイヤーと思わしき人たちが歩いている。多分NPCも混じっているのだろうが残念ながら違いが俺には分からない。
後から知ったのだが、設定でカーソルを頭上に出現させることが出来るらしい。プレイヤーは緑、NPCは白、など言った感じだそうだ。
俺はとりあえず、その始まりの街の噴水があるところを目指して歩きだす。確か、始まりの街の中央付近にあるというのを聞いた。
しばらくその中心部に向かって歩いていると、色々な屋台が出ていた。串焼きやらポーションやら、ホントに色々だ。
途中でプレイヤー露店道を発見した。プレイヤー達が地面にギッシリと商品を置き、売っているのだ。先ほどまでの様に点々と店があるのではなく、文字通り”ギッシリ”と詰まっている感じだ。
その商品はプレイヤーだけではなく、どうやらNPCも買って行っているようだった。細かいところまでプログラムされていて凄いと思う。
でもなぁ…このゲームを作ったのは”あの会社”なんだよなぁ…
そう思いながらも、様々なモノを見ながら俺は、着実に街の中心の噴水に向かっていった。
言っていなかったが、そこの噴水で会社の同僚と合流する予定だ。一緒にVRMMOの機械を買いに行った戦友である。
プレイヤー達に「買ってかない!?」と商品を買わされそうになりながらも、やっと目的地の噴水らしきものが見えてきた。中々に大きいものである。確かにこれならば分かりやすい。
その噴水の前には薄茶色の髪の毛をしたプレイヤーが立っている。たぶんあれが俺の同僚だろう。
会社で『俺は髪を薄茶にするぜ!自己主張はしないんだ…フッ…」とか言っていたので間違いないだろう。他に薄茶色の髪のプレイヤーは居ないしな。
俺はその同僚と思われるプレイヤーに近づく、あちらの方もどうやら俺の存在に気付いた様だった。
そのプレイヤーは両手をグッジョブの形にして、その手をそのまま自分の頬にくっつけだした。
そのバカな動作で確信した。間違いなく、ヤツである。あいつが人をおちょくる時によくやる動作だ。俺はそのプレイヤーに近づき、話しかけ―――
「やっ、お前だろ?タケ――」
「俺は『テイル』だ!いつ何時もテイルだ!」
注意された。ああ、そうだった。ココはゲームの中だ。名前バレは避けないと…ついつい本名を言い出しそうになってしまった自分の悪い癖に反省する。
「悪い。えーと…『テイル』?前のネトゲまんまだな」
「次からは気をつけろよ?というかそれを言うなら『ノア』って…お前も俺のこと言えたもんじゃないぞ…」
「気にすんな」
そこを突かれてしまうと痛いがまあ、その通りである。
俺も前にテイルとやっていたネトゲの名前をそのまんま使っている。俺はネーミングセンスが無いから、いちいち名前を決めるのが億劫なのだ。仕方ないであろう。
しばらくテイルと他愛もない話をした後に、スキルの話になり俺の構成スキルの良し悪しを見てくれることになった。
しかし、ここではさすがに人が多いと言う事で人が比較的少ない『始まりの街』の端にある教会の裏に来た。復活する場合は始まりの街ならばココの中らしい。
そうして、そこで俺は自分のスキルをテイルに見せた。
プレイヤー:ノア
【スキル一覧】
《短剣》Lv1《体術》Lv1《闇魔法》Lv1《盗賊》Lv1《隠蔽》Lv1
《視覚強化》Lv1《鍛冶》Lv1《調薬》Lv1
しばらくテイルは俺の所持スキルを見ていたが、すぐに俺の方へ向き直りこう言ってきた。
「お前……何を目指してんの?」
「……ドユコト?」
理解が全くと言っていいほど出来ていない俺にテイルは少しずつ話し出した。
「お前のとったスキルは、β組が揃いも揃って『クソスキル』認定したものばっかだぜ?」
テイルは俺に向かってそう言い放った。
『クソスキル』……使い物にならない性能が悪いスキルの事だ。
そんなに悪いスキルを取ってしまっただろうか?一つ二つは心当たりがあるがそれ以外にもあるのか…?そんなことを思っているとテイル「仕方ない…」と言いつつ一つずつ説明し始めた。
テイルが長々と話し始めた事を簡潔にまとめるとしたらこんな感じである。
《短剣》
・リーチが異常に短い(他武器の1/3か、1/4)
・他の刃系武器が100%なら短剣の攻撃力は約65%
・状態異常の『裂傷』確率が他の武器と比べて約35%低い
・短剣を構えて走っている時、被ダメージが1,5倍
・短剣を構えて走っている時、回避行動の難易度UPのマイナス補正
・『相殺』システムの意味が無い
テイルのコメント
「選んだお前の気が知れないぜ…」
※『相殺』とは相手が魔法などを撃ってきた場合、タイミングよくそれに攻撃を当て、威力を減らすシステム。それでも余波でダメージは魔法、その他の種類によって受ける。しかし短剣は相殺自体が命懸け。リーチが短すぎるため『相殺』タイミングが難しく、仮に成功しても余波によるダメージをリーチの長さの関係でほとんど威力が落ちずにモロに受ける。
《体術》
・リーチが異常に短い
・攻撃力が刃系武器の下位互換(斬り付けた際の持続ダメージが無いetc…)
・自分に何かの動作プラス補正が掛かっているがそれがどんな動作なのかまだ分かっていない
・硬い敵だと自分に反射ダメージが返って来る
テイルのコメント
「お前ってリーチ短いスキル好きなの?前のネトゲはバリバリ付与士だったよな…?」
《闇魔法》
・浅く広くな魔法
・攻撃性能は”火”等の下位互換
・回復等は”水・光・木”等の下位互換
・全ての属性魔法に負けてる
・まだマシな付与系統の魔法も”風・土”等の方が強い
・気配隠蔽が唯一”まだ”使えるがそれも”土・風・光”の方が汎用性は高い
テイルのコメント
「いや…これは無い…前やってたゲームは付与士だったんだから《付与魔法》取れよ…」
《隠蔽》
・発動限界時間は5秒
・発動限界時間を過ぎると大きなペナルティ(ペナルティについては俺もよく知らん)
・”隠蔽”止まりのため気付かれる可能性も十分ある
・敵に気付かれていないと”隠蔽”の効果が現れる
・気付かれている状態で発動しても”ほぼ”意味はない
テイルのコメント
「いや…こんな発動時間が5秒しかないのより《気配収縮》とか《偽装》とか《擬態》だろ…」
《視覚強化》
・ハッキリ言って微妙
・長時間”意識的に”使用し続けると目がショートし、しばらく『失明』状態に陥る
・普通に他の眼系スキルの方が良い
テイルのコメント
「そんな地味スキルより《邪眼》や《魔眼》、《念動視》や《動物達の目》とかがあるだろうがぁ…」
《盗賊》
・盗賊っぽいこと大体出来る
・戦闘も探索もお任せ
テイルのコメント
「おお…普通の来たな。悪いがこのスキルはあんま知識ないんだよな…」
《鍛冶》&《調薬》
・ハンマーが必要
・調薬セットや、瓶、釜などが必要
・回復薬から毒薬も、挙句の果てには爆発物まで作れる
・作れる幅はプレイヤーの想像次第
・完全格差スキル
テイルのコメント
「戦闘と生産両立で行くのか…まあ良いか」
全てを説明し終わったテイルはぐったりとしており、逆に俺はなるほどとスッキリしていた。少し経つとテイルは何かを諦めたような目をして俺に話しかけてくる。
「まあ、良い…これからモンスター狩りに行かないか?多分弱いモンスターが居る東の草原は、もう一杯だろうからちょっと強めだが西の草原に」
何がいいのかは知らないが、なるほど…昨日がサービス開始だから混んでいるのも当たり前か。俺はそう思いテイルの提案に乗ることにした。
「そういや、俺まだ武器選択してなかったや。どうせノアもしてないだろ?」
「武器選択ってなんだよ?」
俺は知らない情報を叩きつけられ、訳が分からないままテイルにそう問いかける。
「ああ、お前は前情報ナシだったか」
そう言ったテイルは俺に分かってもらえるようにかみ砕きながら説明してくれた。
「武器選択は最初にもらえる武器を一つ選べるんだ。時々二つ武器スキルを獲得している奴が居るから、そういうやつは選んだスキルによって武器を与えてしまうと最初に武器を二つゲット出来てしまうんだ。それはズルいと言う事で自分で最初に獲得できる武器を一つだけ選ぶ形になったんだ」
俺はテイルの知識の豊富さに感心しつつ武器選択画面を自分の前に表示させ、武器を選んでいく。もちろん選ぶのは短剣だ。ぽちっとな。
俺が短剣を選ぶと手の中に選んだ武器が現れた。
【始まりの短剣】
始まりを告げる短剣。能力値は非常に低く、すぐに買い替えるべき。
初心者にはお似合いの武器シリーズ。
【性能評価】+5
【特殊効果】「耐久度∞」
【耐久度】∞/∞
テイルは何の武器を選んだのだろうとそちらを見やると、テイルの手の中には片手剣が握られていた。どうやらテイルは《片手剣》スキルを選んだらしい。
「《盾》スキル持ってるから盾も欲しかったんだがな…」
テイルはそんなことを呟いていた。《盾》スキルも持っているのか。なんかかなり王道的な装備だな…剣と盾って。
俺とテイルは武器を選んだあと、プレイヤーのみが持つ『アイテムが入る異空間』にゲットした初期短剣を入れ、フレンド交換だけして西の草原に向かっていった。
*************************
《視覚強化》
視覚強化は長時間発動し続けると『失明』状態に陥ると言う大きな欠点がある。他の眼系のスキルはそんな代償なにも無いのだ。そのため唯一代償がある眼系スキルであるため「きっと強いハズ」と思われたが実際はあまり強くなかった。それならば他のスキルを取った方が使えるという判断に至った。
※スキルにはパッシブとアクティブがあります。大体のスキルはどちらかに配属されているのですが、一部例外もあります。
例えば〈気配察知〉。
このスキルは常時発動し続けますが、意識的に「使おう」と思い、アクティブスキルの様に発動すれば、更に敏感に敵の気配を察知できるようになります。
つまり、この《視覚強化》も常時発動しますが、意識的に発動をすれば更に視覚が強化されるという事です。
ここまで長々と説明しましたが、言いたい事は《視覚強化》がショートする使い方は意識的に発動したのち長時間使用ということです。
0
お気に入りに追加
1,072
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
【おんJ】 彡(゚)(゚)ファッ!?ワイが天下分け目の関ヶ原の戦いに!?
俊也
SF
これまた、かつて私がおーぷん2ちゃんねるに載せ、ご好評頂きました戦国架空戦記SSです。
この他、
「新訳 零戦戦記」
「総統戦記」もよろしくお願いします。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる