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グラハムさんを追いかける形で、試験会場に案内される

着いた場所は、体育館の様に大きな建物で、中には何も無く、床は土だった

「…ここで、試験をするんですか?」

「はい」

これから何をするのか、まったく見当がつかない

戸惑っていると、グラハムさんが遠くで呼ぶ声が聞こえてくる

「よし、来たな。えーっと、職業は何だったか…」

「それが、ミナさんの職業は『無』となっていました」

「…聞いたこともない職業だな。言葉のまま考えれば、『職業無し』となるが、ミナの場合はステータス値やスキル、魔法や能力を考えると、それはあり得ない」

「えぇ。それは私も思います。能力やスキル、魔法が高位のもの。であれば、『召喚士』『テイマー』『魔法士』それに、『錬金術師』に『鑑定士』となっていてもおかしくありません。ですが、ステータスには『無』とあります」

「あぁ。これは俺の考えだが、『無』は捉えようによっちゃぁ、『全』にもなる。つまり『無限』だ」

「…なるほど。それだと納得できる気がします。つまり、どんな職業にもなるうると言う事ですね」

「そうだ。今確認出来ている『職業』だけが、全てではない。俺達が確認できていない『職業』もある。職業に限らずにな」

「そうですね。でも、実技試験はどうしましょうか?」

「そうだな…とりあえず、今現在で何処まで出来るのか、確認の意味を含めて、『魔法』『召喚』『鑑定』、それから、近接タイプか遠距離タイプか、攻撃と防御どちらに特化しているかも知りたい。そっちの試験もやろう」

「分かりました。ミナさん、行う試験が多くなりますが、宜しいですか?」

「大丈夫です。宜しくお願いします」

「よし、じゃぁまずは魔法から行くか。あそこに、的があるだろう?」

グラハムさんが指す場所を見ると、遠くに的が並んでいるのが見えた

「あの的めがけて、魔法を打て」

「あ、あの…」

「ん?どうした?」

「魔法を使った事が無いんですが…」

「…そう、だったな。んー…、魔法を使うには、イメージをする事が大切だ」

「イメージ…火属性の魔法なら、火をイメージする、とかですか?」

「そうだ。試しに俺がやってみよう。『ファイア』」

グラハムさんがそう言うと、ボール程の大きさの火の玉が、的めがけて飛んでいく

「『言葉』は、イメージの次いでって感じだな。高位の魔法を使う場合は、イメージしやすい言葉を唱えながら、魔法を放つ、って感じだな。やってみな」

「はい!」

グラハムさんの言う通りに、目を閉じ、イメージをする事に集中。ロウソクの火…いや、それでは小さい。純粋に火だけをイメージして、大きくしていく。そして、その火が的に向かって行き、当たるイメージ

よし、やるぞ!と思った瞬間、ドゴォォォォンともの凄い音が私の耳に入って来た。そして、後から強風がやって来る

「…へっ?」

土埃が舞う中、何が起こったのかを確認しようとするが、何も見えない

「て、敵襲!?って、それは無いか。はっ!もしかして、ま、魔物!?どうしよう!?」

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