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アランになぜか話してしまったセシル
(不思議ね。会ったばかりだと言うのに、今まで誰にも言ったことが無い事まで話してしまったわ)
「へぇ、お姉さまね…」
(気のせいかしら……声が少し低くなった気が…)
「でも、仕方がない事なの。お姉さまは美しいわ。皆がああなるのは当然よ。」
「どうしてだ?」
「だって…」
「セシル、私は君は美しいと思うぞ?」
「そんな世辞などいらないわ」
「世辞ではない。君は美しい」
顔が熱くなるのを感じる
初めて『美しい』と言われたのだ。女性であるならば嬉しくないはずはない
しばらく美しい美しくないの問答をしていた時キャロルの声が聞こえた
「セシル!セシル?何処にいるの!」
「お姉さまだわ……いかないと」
先ほどまでの高揚した気持ちが一気に沈む
「……私も行こう」
「えっ!?」
セシルの返事を待たずアランは手を取り歩き出してしまった
「ちょっちょっと!」
慌てて手を放そうとしてもびくともしない
アランはどんどん進みとうとうキャロルの元へ着いてしまった
「セシル!……まったく、何処にいるのよ」
「ごきげんよう」
「え?まぁ……ごきげんよう」
キャロルの表情が変わった
「こんな素敵な方がいらしたなんて存じ上げませんでしたわ」
媚びるような声音にアランは吐き気を覚える
「セシルをお探しですか?」
「…え?……セシルをご存じなの?」
キャロルの顔には嫉妬心がありありと浮かんでいた
「えぇ、セシル。」
セシルの手を引き腰に手を回す
突然の事にセシルは戸惑いと羞恥心から顔が赤くなってしまう
「セシル……こんな素敵な方とお知り合いだったなんて…知らなかったわ」
「お、お姉さま……」
「何故教えてくれなかったの?」
「そ、それは…」
「セシルに何か用件があったのでは?」
「……えぇ、陛下のお話があるから戻るようにとお父様が」
「そうですか。では、行こうかセシル」
「えっ」
キャロルを置き去りにしたまま会場へと進んで行ってしまうアラン
ふとキャロルを見たセシルは驚愕で目を見開いた
キャロルがセシルを射殺さんばかりに睨んでいたのだ
(お、お姉さま……?)
(不思議ね。会ったばかりだと言うのに、今まで誰にも言ったことが無い事まで話してしまったわ)
「へぇ、お姉さまね…」
(気のせいかしら……声が少し低くなった気が…)
「でも、仕方がない事なの。お姉さまは美しいわ。皆がああなるのは当然よ。」
「どうしてだ?」
「だって…」
「セシル、私は君は美しいと思うぞ?」
「そんな世辞などいらないわ」
「世辞ではない。君は美しい」
顔が熱くなるのを感じる
初めて『美しい』と言われたのだ。女性であるならば嬉しくないはずはない
しばらく美しい美しくないの問答をしていた時キャロルの声が聞こえた
「セシル!セシル?何処にいるの!」
「お姉さまだわ……いかないと」
先ほどまでの高揚した気持ちが一気に沈む
「……私も行こう」
「えっ!?」
セシルの返事を待たずアランは手を取り歩き出してしまった
「ちょっちょっと!」
慌てて手を放そうとしてもびくともしない
アランはどんどん進みとうとうキャロルの元へ着いてしまった
「セシル!……まったく、何処にいるのよ」
「ごきげんよう」
「え?まぁ……ごきげんよう」
キャロルの表情が変わった
「こんな素敵な方がいらしたなんて存じ上げませんでしたわ」
媚びるような声音にアランは吐き気を覚える
「セシルをお探しですか?」
「…え?……セシルをご存じなの?」
キャロルの顔には嫉妬心がありありと浮かんでいた
「えぇ、セシル。」
セシルの手を引き腰に手を回す
突然の事にセシルは戸惑いと羞恥心から顔が赤くなってしまう
「セシル……こんな素敵な方とお知り合いだったなんて…知らなかったわ」
「お、お姉さま……」
「何故教えてくれなかったの?」
「そ、それは…」
「セシルに何か用件があったのでは?」
「……えぇ、陛下のお話があるから戻るようにとお父様が」
「そうですか。では、行こうかセシル」
「えっ」
キャロルを置き去りにしたまま会場へと進んで行ってしまうアラン
ふとキャロルを見たセシルは驚愕で目を見開いた
キャロルがセシルを射殺さんばかりに睨んでいたのだ
(お、お姉さま……?)
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