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第三章 黒龍
17 黒龍の素材の行方
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「よぉおっさん。大物狩ってきたぞ」
「おお、ジェノスか。お前黒龍討伐に行ったんだって? まさかもう倒してきたなんてことないよな?」
俺はリンドンに戻ると早速解体場へ行き解体の依頼をした。俺が黒龍討伐に行ったことは関係者ならだいたい知ってるだろ。普段ベヒーモスやらコカトリスやらと大物を狩ってる俺がわざわざ大物というくらいだ。黒龍レベルじゃないと大物って言わねーよ。
「いや、もう倒してきたぞ。なかなかタフだったな。出してもいいか? かなりのスペースを取ることになるが」
「も、もう倒してきたのか? ていうかお前無傷じゃねーか。どんだけ強いんだお前は」
「さぁな。とりあえず出すわ」
あー、そういやノーダメだったな。攻撃喰らってねぇもん。
とりあえず黒龍をアイテムボックスから取り出す。殺したてのホヤホヤなせいかまだ血が流れてやがるわ。
「で、デケェなおい! っていうか血を流してんじゃねぇか勿体ねぇ。一般的なドラゴンの血でさえ高級品なんだぞ。おい樽を持って来い! それと大物用の解体道具もだ!」
大物用の解体道具は他の道具とは材料も刃の厚さも違う。だいたいがミスリル製の肉厚の刃で、ドラゴンともなるとこれでも難儀するらしい。ベヒーモスの解体でさえ1日じゃ終わらんからな。
「スゲェ! 黒龍だ」
「あの黒龍を倒したのか!?」
「おい、ギルマスを呼んでこい!」
俺が黒龍を出すとギャラリーが一気に増えた。ま、そりゃそうだよな。黒龍なんて珍しいはずだし。
「ちょ、ちょっと道を空けてくれ」
そんなギャラリーをかき分け、やってきたのはギルマスとあの小憎たらしい受け付け嬢だ。
「ジェノス、お前本当に黒龍を倒したんだな。ありがとう、お前はこの街の、いやこの国の英雄だ!」
「ありがとうございますジェノス様。今までの非礼心からお詫び申し上げます」
ギルマスは俺の手を取って感激の涙まで流してやがる。男に手を握られても嬉しくないんだが?
あの小憎たらしい受け付け嬢も改心したのか俺に頭を下げている。ま、俺は優しいからな。許してやるとするか。
「ふん、俺はムカついたから黒龍に八つ当たりして来ただけだ。こいつも俺の八つ当たりには耐えられなかったようだがな」
俺は得意げに腕を組みふんぞり返る。さぁ俺を褒め称えろ!
「しかし凄いな、これが黒龍か。お前これ国王陛下に献上するか?」
「は? なんでだよ。俺が倒したんだから俺のもんだろ」
なんでこんな珍しい素材を国王とやらにくれてやらにゃならんのだ。
「まぁ、そうなんだがな。国王陛下は間違いなく献上を求めてくるぞ」
徴発というやつか。汚えよなそれ。ただの王権濫用じゃねぇか。俺から奪おうってんならわからせるまでだ。
「ならその前に売りさばく。それと素材もいくつか回収させてもらうぞ」
神器創造を使えばなかなかの武器が作れそうだからな。っていうかお前らにこれ加工できるんか?
「それがな、危険等級特級モンスターの素材ともなると勝手に売ることはできねぇんだ。敵国に買い叩かれたら困るんでな、先ずは領主に報告する義務があるのさ。お前さんが国王に献上することを伝えればそのまま領主を経由して国王陛下に献上されるはずだ」
冒険者ギルドって独立した組織じゃないのかよ。ふざけてんな。つか領主呼び捨てってことは尊敬されてねーんだなきっと。
「その後はどうなるんだ?」
「一旦全て領主預かりになる。その後国王が接収だろうな。お前さんには報奨として地位と名誉ってところだな」
地位と名誉で腹は膨れねぇんだよ。それに地位なんざなくても俺はイキるだけの実力があるかるな。暴力こそ最強よ。
「それの根拠となる法律があるわけか。正しい条文はあるか?」
「確かこうだ。危険等級特級のモンスターがギルドで解体に回された場合、その全ての権利を一旦領主預かりとする。だったな」
無茶苦茶横暴だな。だがそんな穴だらけの条文ならやりようはあるか。
「なるほど。じゃあ悪いが解体には回さん。俺が個人で解体する。その条文ならそれで問題ないな」
俺は容赦なく黒龍を回収する。
「じぇ、ジェノスさんそりゃないぜ!」
おっさんは物凄く残念そうに俺を見る。文句はそんな法律作った国に言え。俺は俺の権利を守りたいだけだ。
「俺は単に討伐した証拠を見せただけだからな? 素材は俺のもんだ」
「お前さんに解体できるのか?」
「なんとかなるだろ。体裁的にこの解体場は使えんからな。どこかでこっそりとやるさ」
神器創造を上手く使えば解体できるかもしれんからな。確かあれにはそういう機能もあった気がする。
「いやいや、それは流石に拙いだろ。黒龍の素材なんて絶対欲しがるに決まってんだろ」
「難癖つけるようなら国と俺との戦争だな。王都の城を見てきたがあのくらいの広さなら数秒で破壊し尽くしてやるぞ」
そのために最強の超広域破壊魔法を修得せんといかんけどな。ポイントが10万もしやがるから渋ってたが必要なら修得してやるさ。
「犯罪者になるぞ」
「じゃあ国王だけ殺してその首持って他の国へ亡命だな。俺から何かを奪おうとする奴は絶対許さん。ま、後は自己責任でやるからギルマスには討伐の報告だけ済ませたことにしてくれや」
「わ、わかった。俺は俺の仕事をせにゃならんが、それはわかってくれよな」
「安心しろ。別にこの街を滅ぼしたいわけじゃないからな。領主が俺の権利を認めるなら何もしないさ」
認めなかったら知らんけどな。力づくで来るなら力で返すのみだ。
「おお、ジェノスか。お前黒龍討伐に行ったんだって? まさかもう倒してきたなんてことないよな?」
俺はリンドンに戻ると早速解体場へ行き解体の依頼をした。俺が黒龍討伐に行ったことは関係者ならだいたい知ってるだろ。普段ベヒーモスやらコカトリスやらと大物を狩ってる俺がわざわざ大物というくらいだ。黒龍レベルじゃないと大物って言わねーよ。
「いや、もう倒してきたぞ。なかなかタフだったな。出してもいいか? かなりのスペースを取ることになるが」
「も、もう倒してきたのか? ていうかお前無傷じゃねーか。どんだけ強いんだお前は」
「さぁな。とりあえず出すわ」
あー、そういやノーダメだったな。攻撃喰らってねぇもん。
とりあえず黒龍をアイテムボックスから取り出す。殺したてのホヤホヤなせいかまだ血が流れてやがるわ。
「で、デケェなおい! っていうか血を流してんじゃねぇか勿体ねぇ。一般的なドラゴンの血でさえ高級品なんだぞ。おい樽を持って来い! それと大物用の解体道具もだ!」
大物用の解体道具は他の道具とは材料も刃の厚さも違う。だいたいがミスリル製の肉厚の刃で、ドラゴンともなるとこれでも難儀するらしい。ベヒーモスの解体でさえ1日じゃ終わらんからな。
「スゲェ! 黒龍だ」
「あの黒龍を倒したのか!?」
「おい、ギルマスを呼んでこい!」
俺が黒龍を出すとギャラリーが一気に増えた。ま、そりゃそうだよな。黒龍なんて珍しいはずだし。
「ちょ、ちょっと道を空けてくれ」
そんなギャラリーをかき分け、やってきたのはギルマスとあの小憎たらしい受け付け嬢だ。
「ジェノス、お前本当に黒龍を倒したんだな。ありがとう、お前はこの街の、いやこの国の英雄だ!」
「ありがとうございますジェノス様。今までの非礼心からお詫び申し上げます」
ギルマスは俺の手を取って感激の涙まで流してやがる。男に手を握られても嬉しくないんだが?
あの小憎たらしい受け付け嬢も改心したのか俺に頭を下げている。ま、俺は優しいからな。許してやるとするか。
「ふん、俺はムカついたから黒龍に八つ当たりして来ただけだ。こいつも俺の八つ当たりには耐えられなかったようだがな」
俺は得意げに腕を組みふんぞり返る。さぁ俺を褒め称えろ!
「しかし凄いな、これが黒龍か。お前これ国王陛下に献上するか?」
「は? なんでだよ。俺が倒したんだから俺のもんだろ」
なんでこんな珍しい素材を国王とやらにくれてやらにゃならんのだ。
「まぁ、そうなんだがな。国王陛下は間違いなく献上を求めてくるぞ」
徴発というやつか。汚えよなそれ。ただの王権濫用じゃねぇか。俺から奪おうってんならわからせるまでだ。
「ならその前に売りさばく。それと素材もいくつか回収させてもらうぞ」
神器創造を使えばなかなかの武器が作れそうだからな。っていうかお前らにこれ加工できるんか?
「それがな、危険等級特級モンスターの素材ともなると勝手に売ることはできねぇんだ。敵国に買い叩かれたら困るんでな、先ずは領主に報告する義務があるのさ。お前さんが国王に献上することを伝えればそのまま領主を経由して国王陛下に献上されるはずだ」
冒険者ギルドって独立した組織じゃないのかよ。ふざけてんな。つか領主呼び捨てってことは尊敬されてねーんだなきっと。
「その後はどうなるんだ?」
「一旦全て領主預かりになる。その後国王が接収だろうな。お前さんには報奨として地位と名誉ってところだな」
地位と名誉で腹は膨れねぇんだよ。それに地位なんざなくても俺はイキるだけの実力があるかるな。暴力こそ最強よ。
「それの根拠となる法律があるわけか。正しい条文はあるか?」
「確かこうだ。危険等級特級のモンスターがギルドで解体に回された場合、その全ての権利を一旦領主預かりとする。だったな」
無茶苦茶横暴だな。だがそんな穴だらけの条文ならやりようはあるか。
「なるほど。じゃあ悪いが解体には回さん。俺が個人で解体する。その条文ならそれで問題ないな」
俺は容赦なく黒龍を回収する。
「じぇ、ジェノスさんそりゃないぜ!」
おっさんは物凄く残念そうに俺を見る。文句はそんな法律作った国に言え。俺は俺の権利を守りたいだけだ。
「俺は単に討伐した証拠を見せただけだからな? 素材は俺のもんだ」
「お前さんに解体できるのか?」
「なんとかなるだろ。体裁的にこの解体場は使えんからな。どこかでこっそりとやるさ」
神器創造を上手く使えば解体できるかもしれんからな。確かあれにはそういう機能もあった気がする。
「いやいや、それは流石に拙いだろ。黒龍の素材なんて絶対欲しがるに決まってんだろ」
「難癖つけるようなら国と俺との戦争だな。王都の城を見てきたがあのくらいの広さなら数秒で破壊し尽くしてやるぞ」
そのために最強の超広域破壊魔法を修得せんといかんけどな。ポイントが10万もしやがるから渋ってたが必要なら修得してやるさ。
「犯罪者になるぞ」
「じゃあ国王だけ殺してその首持って他の国へ亡命だな。俺から何かを奪おうとする奴は絶対許さん。ま、後は自己責任でやるからギルマスには討伐の報告だけ済ませたことにしてくれや」
「わ、わかった。俺は俺の仕事をせにゃならんが、それはわかってくれよな」
「安心しろ。別にこの街を滅ぼしたいわけじゃないからな。領主が俺の権利を認めるなら何もしないさ」
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