148 / 188
第145話 龍神ザルス
しおりを挟む
目を開けるとそこはお花畑だった。そして周りもとても明るく、そしてとても温かな陽射しさえある。ここは天国?
ちょっと待て。確か試練でアウラに挑んであれからどうなった?
「お、気がついたかルウ」
「よかったよー」
目を開けた僕の顔をサルヴァンとリーネ、そしてアレサが覗き込む。みんな一緒なのか。それは良かった。
「みんな、無事だったんだね」
「いや、一回死んでるけどな」
「だが試練はクリアしたらしいぞ。合格だそうだ」
「へ?」
うーん、よくわからんが合格か。ということはダンジョンを踏破したってこと?
「くぅあっはっはっは、なかなか面白いものを見せてもらったぞ。なかなか無茶をするじゃないか」
不意に豪快な笑い声と野太い声が耳に入った。むくりと身体を起こすとそこにいたのはいかつい顔をした髭面のおっさん。しかし感じられるオーラが凄まじい。アウラも凄い存在感があったけどこの人はその上をいっている。そんな存在は一人しかいない。
「も、もしかしてザルス様!?」
「いかにも。この俺が龍神ザルスだ。おめでとう龍炎光牙の諸君。君たちは見事龍神ザルスの試練をクリアしたとこの俺が認めよう。神々の修練場たるダンジョンは世界に4つあるが、踏破されたのは2箇所目だな」
ザルス様はお花畑に腰を下ろしたままニヤケ顔で語る。2箇所目、ということは最初にクリアしたのは英雄王ディーンかな。
「ちょっとまってください。僕たちはアウラ様に勝てたのですか?」
「いや、勝ち負けで言うなら負けだな。だが悲嘆する必要はないぞ。むしろ人の身で神霊にあそこまでの手傷を負わせたことは称賛に値するだろう」
「負けたのにクリアなのですか?」
じゃあ何を見ていたっていうんだろうね。ある程度戦って見るべきところがあれば合格というやつなのかな?
「不服か? だが人の身で神霊に勝つなど不可能なはずなんだがな。不可能なことをやってみせろというのは試練とは言わん」
「人の身では勝てない?」
それだとアウラ様と同格の力を持つニーグリには到底敵わないということになる。候爵級のドレカヴァクには勝てたのに、こんなに差があるものなのか。
「まぁ、とりあえず聞け。人の身で神霊を倒すのが不可能な理由は存在そのもの器が違うからだ。魔力量、肉体強度、反応速度全てにおいて神霊と人間ではものが違いすぎるのさ。そしてそれは公爵級悪魔も同じと言えるだろう。あれは人の身で勝てる存在じゃない」
英雄王ディーンは魔王を倒しているはずなんだけど、それは?
「では英雄王ディーンはどうやって魔王を倒したと思う? 確かにディーンは剣神デュランのダンジョンをクリアし、神剣カリーンを手に入れた。だがそれだけじゃ魔王には勝てん。神々の修練場の本当の報酬はその身に神の血を与え半神とし、人の器を越えさせることにある」
神の血……?
ということは僕らは人の領域を越えた存在になったということ?
それはそれで別の問題が発生しそうなんですけど……。いや、それもあるけど納得いかないことが一つある。
「えーっと、それなら何も僕らを全滅させなくても良かったと思うんですけど……」
「すまんな。血を与える前に知ってほしかったのだよ、公爵級という存在がどういうものかをな。一つ下が候爵級だが全くの別物と言っていい。それだけ隔絶した差が存在するのさ。身を持って知っただろ?」
「ま、まぁそうだな……」
アレサがため息をつきながら答える。抜群の反応速度を持つアレサでさえ動きについていけず瞬殺されたからね。ショックだったと思う。
「で、だ。今のお前達には既にこの俺様の血がその身に流れている。だが馴染むまでは少々時間が必要でな。修行も兼ねてそれまで俺様が直々に鍛えてやる。半年くらいかかるから準備ができたらまた来い。それと神撃と勇猛といったか? そいつらも連れて来い。本来ならちゃんと踏破するべきだが今回は特別だ。それくらいしないと勝てないほど今回はまずいことになるだろう」
「そんなことになってるんです?」
神様直々に鍛えてくれるのか。しかし半年とはまた随分長い。クランの運営に関しては下が育っているから支障はないだろうけど文句は言われそうだ。
「ああ。俺の予想ではニーグリが魔王になったとき、大公クラスの人魔と公爵級悪魔が生まれるはずだ。事態はディーンの頃の比じゃない」
大公クラスの人魔はアマラのことか。あいつは人を人魔に作り変える術を持っている。そうなるとライミスさんや僕たちたけでは到底手が回らないはずだ。
「それならもう何人か連れて来てかまいませんか?」
「何人だ?」
「9人ほど」
頼めそうなのはルード達と筋肉の誓いの人たちくらいだろう。首を縦に振ってくれるかはわからないが、可能であれば是非連れて来たい
「なにぃっ!? 図々しい奴だな。だがいいだろう、戦力が不足しているのは事実だからな」
だったら神様が直々に手を下すのってダメなんですかね?
聞いたら怒られそうだけど。
「ありがとうございます!」
「かまわんさ。今回は特別だ。神霊クラスとなると下界に行くのにも制約が多くてな。ましてや神である俺様も直接的な手出しは原則禁止なんだ。というか媒介が無い限り干渉そのものが不可能なんだけどな。その媒介となるものが神剣といった神器と呼ばれるものだ」
思ったことバレたかな?
ザルス様的にはどうにかしたかったけど誰も辿り着かないからやきもきしていたのかもしれない。しかしまたダンジョン踏破のタイミングと魔王の存在が都合良く被ったものだ。もしかしたらそうなるように仕組まれていた可能性もあるかも。
「あ、そうだ。もう一つ聞きたいことがあったんでした。僕の強化についてなんですけど……」
「才能や資質の強化についてのことだな。あれは一時的なものだが、きっかけにはなるな。そもそも本来の強化は筋力を増やすのではなく脳のリミッターを外すのが本質だ。魔法の威力に強化をかけると疲れるだろ? あれは増強分にかなりの魔力を使用しているからだが、資質や才能の強化は違う。あれは元々のポテンシャルを一時的に引き出すものでな。本来なら永続はしないが、それがきっかけで才能が花開くこともある。実際多くの魔導士は自分の才能を眠らせたまま生涯を終えているしな。また、肉体的な成長については個人差もあるが、環境や栄養によるところが大きい。つまり如何様にも変化するから任意の肉体的な成長を強化できる。経験値の増加については概念の強化に当たり、これは拡大解釈スキルの本領と言えるだろう」
なるほど、概念の強化か。そういえば確率の強化とかできたもんね。この強化の拡大解釈は本当に強力だと思う。
「つまり才能や資質の強化に関してはデメリットはないということですか?」
「そうなるな。だから使っても効果がほとんど無い奴もいる」
「ありがとうございます。納得できました」
そうか、結構安心して使えるのは助かる。でもこれ知られたら、それはそれでとんでもないことになりそうな気もするけど。結果的に才能の開花を促すことができるなんて垂涎ものの魔法だもんね。
「では俺達は戻ってこのことを報告し、メンバーを集めてきます」
サルヴァンが立ち上がり、ザルス様にそう伝えた。メンバー招集といってもすぐにできるものじゃあない。時間がかかりそうだ。
「おう、行って来い。もしメンバーがダンジョンに潜っていたら俺様に言え。ここに転移させてやるから」
「わかりました」
僕たちはザルス様に挨拶し、地上へ戻る魔法陣へと向かうのだった。
ちょっと待て。確か試練でアウラに挑んであれからどうなった?
「お、気がついたかルウ」
「よかったよー」
目を開けた僕の顔をサルヴァンとリーネ、そしてアレサが覗き込む。みんな一緒なのか。それは良かった。
「みんな、無事だったんだね」
「いや、一回死んでるけどな」
「だが試練はクリアしたらしいぞ。合格だそうだ」
「へ?」
うーん、よくわからんが合格か。ということはダンジョンを踏破したってこと?
「くぅあっはっはっは、なかなか面白いものを見せてもらったぞ。なかなか無茶をするじゃないか」
不意に豪快な笑い声と野太い声が耳に入った。むくりと身体を起こすとそこにいたのはいかつい顔をした髭面のおっさん。しかし感じられるオーラが凄まじい。アウラも凄い存在感があったけどこの人はその上をいっている。そんな存在は一人しかいない。
「も、もしかしてザルス様!?」
「いかにも。この俺が龍神ザルスだ。おめでとう龍炎光牙の諸君。君たちは見事龍神ザルスの試練をクリアしたとこの俺が認めよう。神々の修練場たるダンジョンは世界に4つあるが、踏破されたのは2箇所目だな」
ザルス様はお花畑に腰を下ろしたままニヤケ顔で語る。2箇所目、ということは最初にクリアしたのは英雄王ディーンかな。
「ちょっとまってください。僕たちはアウラ様に勝てたのですか?」
「いや、勝ち負けで言うなら負けだな。だが悲嘆する必要はないぞ。むしろ人の身で神霊にあそこまでの手傷を負わせたことは称賛に値するだろう」
「負けたのにクリアなのですか?」
じゃあ何を見ていたっていうんだろうね。ある程度戦って見るべきところがあれば合格というやつなのかな?
「不服か? だが人の身で神霊に勝つなど不可能なはずなんだがな。不可能なことをやってみせろというのは試練とは言わん」
「人の身では勝てない?」
それだとアウラ様と同格の力を持つニーグリには到底敵わないということになる。候爵級のドレカヴァクには勝てたのに、こんなに差があるものなのか。
「まぁ、とりあえず聞け。人の身で神霊を倒すのが不可能な理由は存在そのもの器が違うからだ。魔力量、肉体強度、反応速度全てにおいて神霊と人間ではものが違いすぎるのさ。そしてそれは公爵級悪魔も同じと言えるだろう。あれは人の身で勝てる存在じゃない」
英雄王ディーンは魔王を倒しているはずなんだけど、それは?
「では英雄王ディーンはどうやって魔王を倒したと思う? 確かにディーンは剣神デュランのダンジョンをクリアし、神剣カリーンを手に入れた。だがそれだけじゃ魔王には勝てん。神々の修練場の本当の報酬はその身に神の血を与え半神とし、人の器を越えさせることにある」
神の血……?
ということは僕らは人の領域を越えた存在になったということ?
それはそれで別の問題が発生しそうなんですけど……。いや、それもあるけど納得いかないことが一つある。
「えーっと、それなら何も僕らを全滅させなくても良かったと思うんですけど……」
「すまんな。血を与える前に知ってほしかったのだよ、公爵級という存在がどういうものかをな。一つ下が候爵級だが全くの別物と言っていい。それだけ隔絶した差が存在するのさ。身を持って知っただろ?」
「ま、まぁそうだな……」
アレサがため息をつきながら答える。抜群の反応速度を持つアレサでさえ動きについていけず瞬殺されたからね。ショックだったと思う。
「で、だ。今のお前達には既にこの俺様の血がその身に流れている。だが馴染むまでは少々時間が必要でな。修行も兼ねてそれまで俺様が直々に鍛えてやる。半年くらいかかるから準備ができたらまた来い。それと神撃と勇猛といったか? そいつらも連れて来い。本来ならちゃんと踏破するべきだが今回は特別だ。それくらいしないと勝てないほど今回はまずいことになるだろう」
「そんなことになってるんです?」
神様直々に鍛えてくれるのか。しかし半年とはまた随分長い。クランの運営に関しては下が育っているから支障はないだろうけど文句は言われそうだ。
「ああ。俺の予想ではニーグリが魔王になったとき、大公クラスの人魔と公爵級悪魔が生まれるはずだ。事態はディーンの頃の比じゃない」
大公クラスの人魔はアマラのことか。あいつは人を人魔に作り変える術を持っている。そうなるとライミスさんや僕たちたけでは到底手が回らないはずだ。
「それならもう何人か連れて来てかまいませんか?」
「何人だ?」
「9人ほど」
頼めそうなのはルード達と筋肉の誓いの人たちくらいだろう。首を縦に振ってくれるかはわからないが、可能であれば是非連れて来たい
「なにぃっ!? 図々しい奴だな。だがいいだろう、戦力が不足しているのは事実だからな」
だったら神様が直々に手を下すのってダメなんですかね?
聞いたら怒られそうだけど。
「ありがとうございます!」
「かまわんさ。今回は特別だ。神霊クラスとなると下界に行くのにも制約が多くてな。ましてや神である俺様も直接的な手出しは原則禁止なんだ。というか媒介が無い限り干渉そのものが不可能なんだけどな。その媒介となるものが神剣といった神器と呼ばれるものだ」
思ったことバレたかな?
ザルス様的にはどうにかしたかったけど誰も辿り着かないからやきもきしていたのかもしれない。しかしまたダンジョン踏破のタイミングと魔王の存在が都合良く被ったものだ。もしかしたらそうなるように仕組まれていた可能性もあるかも。
「あ、そうだ。もう一つ聞きたいことがあったんでした。僕の強化についてなんですけど……」
「才能や資質の強化についてのことだな。あれは一時的なものだが、きっかけにはなるな。そもそも本来の強化は筋力を増やすのではなく脳のリミッターを外すのが本質だ。魔法の威力に強化をかけると疲れるだろ? あれは増強分にかなりの魔力を使用しているからだが、資質や才能の強化は違う。あれは元々のポテンシャルを一時的に引き出すものでな。本来なら永続はしないが、それがきっかけで才能が花開くこともある。実際多くの魔導士は自分の才能を眠らせたまま生涯を終えているしな。また、肉体的な成長については個人差もあるが、環境や栄養によるところが大きい。つまり如何様にも変化するから任意の肉体的な成長を強化できる。経験値の増加については概念の強化に当たり、これは拡大解釈スキルの本領と言えるだろう」
なるほど、概念の強化か。そういえば確率の強化とかできたもんね。この強化の拡大解釈は本当に強力だと思う。
「つまり才能や資質の強化に関してはデメリットはないということですか?」
「そうなるな。だから使っても効果がほとんど無い奴もいる」
「ありがとうございます。納得できました」
そうか、結構安心して使えるのは助かる。でもこれ知られたら、それはそれでとんでもないことになりそうな気もするけど。結果的に才能の開花を促すことができるなんて垂涎ものの魔法だもんね。
「では俺達は戻ってこのことを報告し、メンバーを集めてきます」
サルヴァンが立ち上がり、ザルス様にそう伝えた。メンバー招集といってもすぐにできるものじゃあない。時間がかかりそうだ。
「おう、行って来い。もしメンバーがダンジョンに潜っていたら俺様に言え。ここに転移させてやるから」
「わかりました」
僕たちはザルス様に挨拶し、地上へ戻る魔法陣へと向かうのだった。
0
お気に入りに追加
708
あなたにおすすめの小説
辺境の契約魔法師~スキルと知識で異世界改革~
有雲相三
ファンタジー
前世の知識を保持したまま転生した主人公。彼はアルフォンス=テイルフィラーと名付けられ、辺境伯の孫として生まれる。彼の父フィリップは辺境伯家の長男ではあるものの、魔法の才に恵まれず、弟ガリウスに家督を奪われようとしていた。そんな時、アルフォンスに多彩なスキルが宿っていることが発覚し、事態が大きく揺れ動く。己の利権保守の為にガリウスを推す貴族達。逆境の中、果たして主人公は父を当主に押し上げることは出来るのか。
主人公、アルフォンス=テイルフィラー。この世界で唯一の契約魔法師として、後に世界に名を馳せる一人の男の物語である。
スキル【自動回収】で人助け〜素直な少年は無自覚に人をたらし込む〜
ree
ファンタジー
主人公ー陽野 朝日は(ようの あさひ)は
かなり変わった境遇の持ち主だ。
自身の家族も故郷も何もかもを知らずに育ち、本だけが友達だった。
成人を目前にして初めて外に出た彼は今まで未知だった本の中の世界を夢見て冒険に出る。
沢山の人に頼り、頼られ、懐き、懐かれ…至る所で人をタラシ込み、自身の夢の為、人の為ひた走る。
【自動回収】という唯一無二のスキルで気づかず無双!?小さな世界から飛び出した無垢な少年は自分の為に我儘に異世界で人をタラシ込む?お話…
冒険?スローライフ?恋愛?
何が何だか分からないが取り敢えず懸命に生きてみます!
*ゲームで偶に目にする機能。
某有名ゲームタイトル(ゼ○ダの伝説、テイ○ズなどなど)をプレイ中、敵を倒したらそのドロップアイテムに近づくと勝手に回収されることがありませんか?
その機能を此処では【自動回収】と呼び、更に機能的になって主人公が扱います。
*設定上【自動回収】の出来る事の枠ゲームよりもとても広いですが、そこはご理解頂ければ幸いです。
※誤字脱字、設定ゆるめですが温かい目で見守って頂ければ幸いです。
※プロット完成済み。
※R15設定は念の為です。
ゆっくり目の更新だと思いますが、最後まで頑張ります!
無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜
あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。
その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!?
チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双!
※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中
噂の醜女とは私の事です〜蔑まれた令嬢は、その身に秘められた規格外の魔力で呪われた運命を打ち砕く〜
秘密 (秘翠ミツキ)
ファンタジー
*『ねぇ、姉さん。姉さんの心臓を僕に頂戴』
◆◆◆
*『お姉様って、本当に醜いわ』
幼い頃、妹を庇い代わりに呪いを受けたフィオナだがその妹にすら蔑まれて……。
◆◆◆
侯爵令嬢であるフィオナは、幼い頃妹を庇い魔女の呪いなるものをその身に受けた。美しかった顔は、その半分以上を覆う程のアザが出来て醜い顔に変わった。家族や周囲から醜女と呼ばれ、庇った妹にすら「お姉様って、本当に醜いわね」と嘲笑われ、母からはみっともないからと仮面をつける様に言われる。
こんな顔じゃ結婚は望めないと、フィオナは一人で生きれる様にひたすらに勉学に励む。白塗りで赤く塗られた唇が一際目立つ仮面を被り、白い目を向けられながらも学院に通う日々。
そんな中、ある青年と知り合い恋に落ちて婚約まで結ぶが……フィオナの素顔を見た彼は「ごめん、やっぱり無理だ……」そう言って婚約破棄をし去って行った。
それから社交界ではフィオナの素顔で話題は持ちきりになり、仮面の下を見たいが為だけに次から次へと婚約を申し込む者達が後を経たない。そして仮面の下を見た男達は直ぐに婚約破棄をし去って行く。それが今社交界での流行りであり、暇な貴族達の遊びだった……。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
いつもの電車を降りたら異世界でした 身ぐるみはがされたので【異世界商店】で何とか生きていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
電車をおりたら普通はホームでしょ、だけど僕はいつもの電車を降りたら異世界に来ていました
第一村人は僕に不親切で持っているものを全部奪われちゃった
服も全部奪われて路地で暮らすしかなくなってしまったけど、親切な人もいて何とか生きていけるようです
レベルのある世界で優遇されたスキルがあることに気づいた僕は何とか生きていきます
神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる