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第7話 オーガ倒したら叱られた!?
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僕たちははしゃぎながらギルドの受け付けへ行き、報酬用の木札を渡す。
「あら、金貨1枚なんて結構な大物を狩ったのね。何を狩ったの?」
「オーガです!」
受け付けのアリシアさんに聞かれ、サルヴァンがえっへんと胸を逸らして自信たっぷりに報告した。すると、お姉さんの眉が釣り上がり、みるみる表情が険しくなる。
「なんて危険なことをするの! オーガなんてレベル3のパーティが戦っていいような相手じゃないのよ!」
「ひ、ご、ごめんなさい…」
褒めてくれると思ったのに怒られてしまい、嬉しかった気分はいっぺんに吹っ飛んでしまった。せっかく綺麗になって喜んでた洗濯物が風に飛ばされ、泥の水溜まりに落ちたようなそんな気分だ。
いつも優しいアリシアお姉さんに怒られたものだから思わず涙目になってしまう。
「あ、ごめんなさい。言いすぎたわね、頑張ってるのに。でもね、命は大切にして。もう自分たちのランク以上の魔物を相手しちゃだめよ?」
「はい…」
僕たちはしゅん、としたまま金貨1枚を受け取った。そうだ、ステータスを確認しないと。
「あ、そうだ。オーガを倒したんだからレベル上がってるかも。お姉さんステータス確認お願いします」
「わかったわ、オーガの経験値は30のはずだけど…」
負い目があったからか、確認したばかりのステータスをもう一度見てくれた。そうか、オーガは30くらいなのか。
「あら? なにこの数値、あなた達一体何と戦ったのよ。サルヴァン君218、アレサちゃん207、リーネちゃん183、ルウ君186ね。みんな1つずつレベルが上がってるじゃない! しかも魔力の上がり方もおかしいわ! リーネちゃん65、ルウ君は72? 20以上も一度に上がるなんて聞いたことないわ!」
「そ、そんなに上がったの?」
「14歳のレベル4でこの数値だと平均以上じゃないかしら? そういう平均は取ってないからわからないけど、これから身体も心も成長すれば魔力も増えるし将来が楽しみね」
ということは経験値も成長率も3倍になったということか。強化は消費は5で効果も一定のはずだ。全員に使って消費は20。魔力が72あるなら52残る。つまりもう一度追加で強化ブーストをかけ、消費7の回復で魔力を回復すれば魔力枯渇も起きない。そこからさらにこれを繰り返したらどうなるんだろうか?
何かしっぺ返しがありそうで怖いけど、2回の重ねがけなら大丈夫かもしれない。夢が広がるなぁ。
「サルヴァン君とアレサちゃんもレベル5になったからこれからが本当に楽しみね。だからこそもう無茶をしないでね?」
お姉さんは僕たちのレベルアップを喜んでくれている。心配してくれているからこそ怒ったのもわかっている。オーガは確かに倒せたけど、不意をつけたのが相当大きい。真正面からやり合うのはまだまだ先だろう。
「はい、分かりました。無茶はしません」
サルヴァンがハッキリと返事をすると、お姉さんはニッコリと微笑むのだった。
僕たちは今日はお祝いだー、とばかりに初めての定食屋での食事をすることにした。宿屋は確かに利用しているけど、それは駆け出し冒険者の利用する簡易寝台が並ぶだけの粗末な宿で食事も出ない。普段はこれまた駆け出し冒険者のためにある簡単だけどそこそこ栄養価のある食事を専門のお店で購入しているのだ。ハッキリ言って美味しくはない。それでも飯にありつけるだけまだマシなのだ。
僕たちが冒険者になる前なんて本当に酷い生活だった。ゴミを漁り、物乞いをし、簡単なお使いや手伝いで日銭を稼ぐ毎日で、それを思えば今の生活は贅沢とさえ思えるほど惨めなものだったからね。
「あら、金貨1枚なんて結構な大物を狩ったのね。何を狩ったの?」
「オーガです!」
受け付けのアリシアさんに聞かれ、サルヴァンがえっへんと胸を逸らして自信たっぷりに報告した。すると、お姉さんの眉が釣り上がり、みるみる表情が険しくなる。
「なんて危険なことをするの! オーガなんてレベル3のパーティが戦っていいような相手じゃないのよ!」
「ひ、ご、ごめんなさい…」
褒めてくれると思ったのに怒られてしまい、嬉しかった気分はいっぺんに吹っ飛んでしまった。せっかく綺麗になって喜んでた洗濯物が風に飛ばされ、泥の水溜まりに落ちたようなそんな気分だ。
いつも優しいアリシアお姉さんに怒られたものだから思わず涙目になってしまう。
「あ、ごめんなさい。言いすぎたわね、頑張ってるのに。でもね、命は大切にして。もう自分たちのランク以上の魔物を相手しちゃだめよ?」
「はい…」
僕たちはしゅん、としたまま金貨1枚を受け取った。そうだ、ステータスを確認しないと。
「あ、そうだ。オーガを倒したんだからレベル上がってるかも。お姉さんステータス確認お願いします」
「わかったわ、オーガの経験値は30のはずだけど…」
負い目があったからか、確認したばかりのステータスをもう一度見てくれた。そうか、オーガは30くらいなのか。
「あら? なにこの数値、あなた達一体何と戦ったのよ。サルヴァン君218、アレサちゃん207、リーネちゃん183、ルウ君186ね。みんな1つずつレベルが上がってるじゃない! しかも魔力の上がり方もおかしいわ! リーネちゃん65、ルウ君は72? 20以上も一度に上がるなんて聞いたことないわ!」
「そ、そんなに上がったの?」
「14歳のレベル4でこの数値だと平均以上じゃないかしら? そういう平均は取ってないからわからないけど、これから身体も心も成長すれば魔力も増えるし将来が楽しみね」
ということは経験値も成長率も3倍になったということか。強化は消費は5で効果も一定のはずだ。全員に使って消費は20。魔力が72あるなら52残る。つまりもう一度追加で強化ブーストをかけ、消費7の回復で魔力を回復すれば魔力枯渇も起きない。そこからさらにこれを繰り返したらどうなるんだろうか?
何かしっぺ返しがありそうで怖いけど、2回の重ねがけなら大丈夫かもしれない。夢が広がるなぁ。
「サルヴァン君とアレサちゃんもレベル5になったからこれからが本当に楽しみね。だからこそもう無茶をしないでね?」
お姉さんは僕たちのレベルアップを喜んでくれている。心配してくれているからこそ怒ったのもわかっている。オーガは確かに倒せたけど、不意をつけたのが相当大きい。真正面からやり合うのはまだまだ先だろう。
「はい、分かりました。無茶はしません」
サルヴァンがハッキリと返事をすると、お姉さんはニッコリと微笑むのだった。
僕たちは今日はお祝いだー、とばかりに初めての定食屋での食事をすることにした。宿屋は確かに利用しているけど、それは駆け出し冒険者の利用する簡易寝台が並ぶだけの粗末な宿で食事も出ない。普段はこれまた駆け出し冒険者のためにある簡単だけどそこそこ栄養価のある食事を専門のお店で購入しているのだ。ハッキリ言って美味しくはない。それでも飯にありつけるだけまだマシなのだ。
僕たちが冒険者になる前なんて本当に酷い生活だった。ゴミを漁り、物乞いをし、簡単なお使いや手伝いで日銭を稼ぐ毎日で、それを思えば今の生活は贅沢とさえ思えるほど惨めなものだったからね。
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