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無職47日目− 2
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30分程新聞を読んでいたおばさんは、しばらく目を閉じ、ゆっくり息をはくと温くなったコーヒーを一気に飲み干した。
「なんで今朝は眼鏡なしで読めたのかな?」
ぶつぶつ言いながら朝のルーチンを終え、タブレットをOFFにし、習慣でテレビのリモコンを手にしたおばさんは「うへっ?!」と素っ頓狂な声を上げた。
「ミーちゃん!なんか目の前にモニターがあるんですけど!?」
おばさんは目をゴシゴシこすって何もない空間に手を伸ばす。
「触れる?!ほえ、これってステータス画面てやつじゃない?!」
知らんがな・・・。
おばさんは、ちょっと豪華な朝食に満足し顔を洗う俺を膝に抱き上げ、「見て、見て~」とはしゃぐが、指さす向こうは何も映さないテレビがあるだけだ。
今日のにゃんこのコーナがみたいから、早くテレビをつけて欲しいんだが……。
もう7時55分、今日はもう無理だな。
興味を失った俺は「くわぁっ」あくびをひとつして丸くなった。
猫は、食事をとったあとは顔を洗って寝る、までが食にまつわるひとつの行動だ。
俺の朝のルーチンを邪魔すんなー、それに俺は昨晩、起きてこないおばさんが気になって(腹が減って寝れなかった、が正解だが…)寝不足なんだよ、俺のことはもうほっとけ。
「あっ!右下にちっちゃくon⇔offがある!これで、どうだ!!ミーちゃん、寝てないで見てよ~」
面倒だがうるさいので左目だけ薄くあけておばさんが指さす空間を見た。
(えっ?)さっきまで何も無かった空間にブルーの半透明な板が宙に浮いている。
おばさんの愛用タブレットを横にしたぐらいの大きさだ。
しばらくほげ~っと1人と一匹で画面を眺めていたが、おばさんは慣れた手つきで画面をスクロールさせた。
このおばさん、物怖じしない、行動力があると言えばカッコいいが、まあ単純に図太いのだ。
名前 桜井 みづき
年齢 54歳
種族 ヒューマン
レベル 12
職業 無職
称号 ダンジョン踏破者 先導者
スキル 人材育成 弓術(2)
「なんか、よくわかんないけどこれが私のステータス?」
色々ツッコミたいが、やっぱり無職なんだ・・・。
「なんで今朝は眼鏡なしで読めたのかな?」
ぶつぶつ言いながら朝のルーチンを終え、タブレットをOFFにし、習慣でテレビのリモコンを手にしたおばさんは「うへっ?!」と素っ頓狂な声を上げた。
「ミーちゃん!なんか目の前にモニターがあるんですけど!?」
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「触れる?!ほえ、これってステータス画面てやつじゃない?!」
知らんがな・・・。
おばさんは、ちょっと豪華な朝食に満足し顔を洗う俺を膝に抱き上げ、「見て、見て~」とはしゃぐが、指さす向こうは何も映さないテレビがあるだけだ。
今日のにゃんこのコーナがみたいから、早くテレビをつけて欲しいんだが……。
もう7時55分、今日はもう無理だな。
興味を失った俺は「くわぁっ」あくびをひとつして丸くなった。
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俺の朝のルーチンを邪魔すんなー、それに俺は昨晩、起きてこないおばさんが気になって(腹が減って寝れなかった、が正解だが…)寝不足なんだよ、俺のことはもうほっとけ。
「あっ!右下にちっちゃくon⇔offがある!これで、どうだ!!ミーちゃん、寝てないで見てよ~」
面倒だがうるさいので左目だけ薄くあけておばさんが指さす空間を見た。
(えっ?)さっきまで何も無かった空間にブルーの半透明な板が宙に浮いている。
おばさんの愛用タブレットを横にしたぐらいの大きさだ。
しばらくほげ~っと1人と一匹で画面を眺めていたが、おばさんは慣れた手つきで画面をスクロールさせた。
このおばさん、物怖じしない、行動力があると言えばカッコいいが、まあ単純に図太いのだ。
名前 桜井 みづき
年齢 54歳
種族 ヒューマン
レベル 12
職業 無職
称号 ダンジョン踏破者 先導者
スキル 人材育成 弓術(2)
「なんか、よくわかんないけどこれが私のステータス?」
色々ツッコミたいが、やっぱり無職なんだ・・・。
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