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無職46日目−2

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 通称『土手ダンジョン』 

 東京北東部、区界を流れる一級河川の土手にある名もなきダンジョンは7大ダンジョン出現時、全国で発見された小規模ダンジョンの1つだ。
 小規模ダンジョンは都道府県管轄だが、ここはそれにも引っかからない程の極小ダンジョンだった。
 一階層だけの湿った洞窟で、モンスターはスライムのみ、小規模氾濫の際に地元消防団で制圧してしまった。
 制圧の際たぶん?ダンジョンボスが攻略されたらしく、その後スライムの目撃情報はない。
 攻略されたかどうかはっきりしない理由は、地元消防団員が手に手にバール、金属バット、木刀、鉄パイプをもってスライムを一匹残らず屠ったからだ。所謂オーバーキルだ・・・。 

 消防団は地元商店街の店主、跡取り息子たちで構成されているが、そのほとんどが若かりし頃やんちゃだった。
 この地区の男児は、ほとんどが中学生から少年マンガにでてきそうなヤンキールックで喧嘩上等だ。
 スライムごとき戦闘にたけているおっさんたちの敵ではなかった。 
 スライムを屠った後、バトルハイになったおっさんたちは一番近かった秋葉原ダンジョンに向かった。
 街中が混乱する中、軽トラ、セダンに箱乗りでモンスターを討伐しながら爆走する姿はニュースにもなった。地元の母ちゃんたちはそんな旦那の姿に惚れ直したとか。
 しかも、出向いた秋葉原ダンジョン前でも
 八面六臂の活躍だった。

 いまだに近所の小料理屋に集まってはこの時の話ばかりするので、女将はうんざりしているそうだ。


  朝食を食べ終わり、おばさんが片付けしている間、俺は顔を洗い、せっせと毛繕いをする。

「ミーちゃん、はい、ここに入ってね」おばさんは猫キャリーバックの側面を開くと手招きをする。 
 マジでダンジョン行く気か?
「な~」キャリーバックは病院を思い出すので嫌いだ。無視を決め込むとニャールで釣ってきた。
 ニャールは食べたいがバックに入るのはいやだ!フンとそっぽを向いて丸くなると、今度はガサガサとフリーズドライのササミを出してきた。
 しばらくの攻防の末、俺は潔く負けを認めた。めったに食べられなし高級フリーズドライシリーズ、その中でも大好物のササミには抗うことができなかった。
  
 おばさんは、俺が入ったキャリーバックを担ぐとガレージに向かった。
 車で行くのかと思ったら、俺をママチャリの後ろの買い物かごにすぽっと入れて、土手にむけ颯爽とママチャリを走らせた。
 この日、1か月半ぶりにパジャマ姿でないおばさんを見た。

 →→→→→→

 やっとダンジョンに向かった💦
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