陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜

第ニ集

幼なじみ

清秋｢何か最近変わった事は？｣


話会が始まると、清秋は、全員の顔を見渡しながらそう尋ねた。


「うちは特にはありません。」

「こちらもありません。」


と、今までと変わらない。という返答が多い中、1人だけ違う回答をした者がいた。


それは、紫苑だった。




紫苑「私は、この度新たに3体目の式を手にしました。」




そう言うと、紫苑は狩衣の袖から一枚の符を取り出した。それは、紫苑が白利を一時的に封じた札であった。
紫苑は、その符に自身の霊力を篭めると、こう呟いた。




紫苑「式神招来。」



紫苑の言葉と共に、式符が淡い光を放った。そしてその光が消えると、式符の中から白利が現れた。



白利の出現と共に、その場が騒く。



「あれは、伏見稲荷大社の白狐か？」


「いや、神使にしては尾が多い。いったい、姫のあの式はナニモノなんだ....?」