379 / 408
*弐ー②
第五集 儀式
しおりを挟む
紫苑「もう入ってきても大丈夫よ。」
水蘭「主。失礼いたします。」
藺折「失礼します。」
水蘭の声とともに、紫苑の式神達が入ってきた。しかし、白利は何も言わずに部屋に入ってきた。紫苑は、いつものこと。と言わんばかりに気にしていない。
藺折「うわぁ!紫苑様、とっても綺麗!」
水蘭「本当にお綺麗です。」
紫苑「ありがとう。」
白利「馬子にも衣装やな~。」
紫苑「何か言った?」
紫苑は笑顔を浮かべ、白利の失礼な言葉にこたえた。が、その目は笑っていない。
白利「いーえ。なんにも。」
紫苑「行くわよ。皆待ってるんだから。」
*
正明「姫、お入りください。」
儀式の時の合図役は直系の当主と決まっている為、正明がそう言うと、正明の声とともに紫苑が障子を開けた。
『あれがあの姫なのか...?!』
『まるで別人だ...』
そして、紫苑が中に入ると、当主達が小声で口々に紫苑を褒めたたえた。
その姿は、親である光留と美生以外は誰もが息をのむ程美しかった。その両親でさえ、普段とはまったく雰囲気の違う娘の様子に驚き、目を見開いている。
元々白い紫苑の肌は、おしろいのせいかさらに白くなっており、まるで白雪の様だ。さらに、紫苑は普段は色気より愛らしさの方が勝っているのだが、あかい口紅のせいか紫苑はどことなく色気を醸し出している。
しかも、それらを引き立てる着物もまた、かなり美しく上品なものだ。白い衣の上に羽織る服はピンクと紫のグラデーションだけでとても綺麗な色合いなのだが、そこに見事な桔梗の模様がえがかれている。そして、袖にはリボンのような飾りと金の五芒星の飾りがついておりかなり豪華だ。
さらに、それに合わせる袴も、普段の簡素な白いものとは違い、鮮やかなオレンジが美しい袴に赤いリボンの飾りがついていた。そして、セミロングだった紫苑の髪も胸くらいまで伸びており、その長く美しい髪が紫苑が歩く度にさらさらと揺れていた。
清秋「では、これより安倍町分家の姫,紫苑の伴侶選びの儀を執り行う。」
水蘭「主。失礼いたします。」
藺折「失礼します。」
水蘭の声とともに、紫苑の式神達が入ってきた。しかし、白利は何も言わずに部屋に入ってきた。紫苑は、いつものこと。と言わんばかりに気にしていない。
藺折「うわぁ!紫苑様、とっても綺麗!」
水蘭「本当にお綺麗です。」
紫苑「ありがとう。」
白利「馬子にも衣装やな~。」
紫苑「何か言った?」
紫苑は笑顔を浮かべ、白利の失礼な言葉にこたえた。が、その目は笑っていない。
白利「いーえ。なんにも。」
紫苑「行くわよ。皆待ってるんだから。」
*
正明「姫、お入りください。」
儀式の時の合図役は直系の当主と決まっている為、正明がそう言うと、正明の声とともに紫苑が障子を開けた。
『あれがあの姫なのか...?!』
『まるで別人だ...』
そして、紫苑が中に入ると、当主達が小声で口々に紫苑を褒めたたえた。
その姿は、親である光留と美生以外は誰もが息をのむ程美しかった。その両親でさえ、普段とはまったく雰囲気の違う娘の様子に驚き、目を見開いている。
元々白い紫苑の肌は、おしろいのせいかさらに白くなっており、まるで白雪の様だ。さらに、紫苑は普段は色気より愛らしさの方が勝っているのだが、あかい口紅のせいか紫苑はどことなく色気を醸し出している。
しかも、それらを引き立てる着物もまた、かなり美しく上品なものだ。白い衣の上に羽織る服はピンクと紫のグラデーションだけでとても綺麗な色合いなのだが、そこに見事な桔梗の模様がえがかれている。そして、袖にはリボンのような飾りと金の五芒星の飾りがついておりかなり豪華だ。
さらに、それに合わせる袴も、普段の簡素な白いものとは違い、鮮やかなオレンジが美しい袴に赤いリボンの飾りがついていた。そして、セミロングだった紫苑の髪も胸くらいまで伸びており、その長く美しい髪が紫苑が歩く度にさらさらと揺れていた。
清秋「では、これより安倍町分家の姫,紫苑の伴侶選びの儀を執り行う。」
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18】幼馴染の男3人にノリで乳首当てゲームされて思わず感じてしまい、次々と告白されて予想外の展開に…【短縮版】
うすい
恋愛
【ストーリー】
幼馴染の男3人と久しぶりに飲みに集まったななか。自分だけ異性であることを意識しないくらい仲がよく、久しぶりに4人で集まれたことを嬉しく思っていた。
そんな中、幼馴染のうちの1人が乳首当てゲームにハマっていると言い出し、ななか以外の3人が実際にゲームをして盛り上がる。
3人のやり取りを微笑ましく眺めるななかだったが、自分も参加させられ、思わず感じてしまい―――。
さらにその後、幼馴染たちから次々と衝撃の事実を伝えられ、事態は思わぬ方向に発展していく。
【登場人物】
・ななか
広告マーケターとして働く新社会人。純粋で素直だが流されやすい。大学時代に一度だけ彼氏がいたが、身体の相性が微妙で別れた。
・かつや
不動産の営業マンとして働く新社会人。社交的な性格で男女問わず友達が多い。ななかと同じ大学出身。
・よしひこ
飲食店経営者。クールで口数が少ない。頭も顔も要領もいいため学生時代はモテた。短期留学経験者。
・しんじ
工場勤務の社会人。控えめな性格だがしっかり者。みんなよりも社会人歴が長い。最近同棲中の彼女と別れた。
【注意】
※一度全作品を削除されてしまったため、本番シーンはカットしての投稿となります。
そのため読みにくい点や把握しにくい点が多いかと思いますがご了承ください。
フルバージョンはpixivやFantiaで配信させていただいております。
※男数人で女を取り合うなど、くっさい乙女ゲーム感満載です。
※フィクションとしてお楽しみいただきますようお願い申し上げます。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
連続寸止めで、イキたくて泣かされちゃう女の子のお話
まゆら
恋愛
投稿を閲覧いただき、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*)
「一日中、イかされちゃうのと、イケないままと、どっちが良い?」
久しぶりの恋人とのお休みに、食事中も映画を見ている時も、ずっと気持ち良くされちゃう女の子のお話です。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる